2011年9月30日金曜日

ギーゼキングのモーツァルト:ピアノ・ソナタ第14~17番

ギーゼキングさんのモーツァルト、
4枚目です。ソナタはこれで終わりです。



モーツァルト
幻想曲 ハ短調 K.475
ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K.545
 同 第15番 ハ長調 K.545
 同 第16番 変ロ長調 K.570
 同 第17番 ニ長調 K.576

ワルター・ギーゼキング(ピアノ)
Walter Gieseking

録音:1953年8月6・7日、ロンドン、Abbey Road Studios
【TOCE-14210】


三枚目に続いて、とても聴きやすく、
モーツァルトの音楽に親しむことができました。

テンポはほとんど揺らさず、
清楚なタッチで、楽譜をそのまま音にしたような演奏です。

ふつうはそれではつまらなく感じるはずですが、
案外しみじみと味わい深く、聴かせる演奏になっています。

粒ぞろいの軽めのタッチが、
かえってモーツァルトの曲自体を引き立てており、
内実にせまっていると思います。

あと1枚、小品集もあるようなので、
近々聴いてみたいと思います。

2011年9月26日月曜日

サヴァリッシュ&ドレスデン国立管のシューマン:交響曲全集

先日、ペーター・レーゼルさんと
ゲヴァントハウス弦楽四重奏団による
シューマンのピアノ五重奏曲&四重奏曲を紹介しましたが、
シューマンの交響曲も、好きでよく聴いています。





シューマン
交響曲第1番 変ロ長調 作品38「春」
交響曲第2番 ハ長調 作品61
【TOCE-91008】
交響曲第3番 変ホ長調 作品97「ライン」
交響曲第4番 ニ短調 作品120
劇音楽《マンフレッド》作品115序曲
【TOCE-91009】

ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
シュターツカペレ・ドレスデン
録音:1972年9月1~12日、ルカ教会、東ドイツ



全集ではなかなか良いものに巡り合わなかったのですが、
サヴァリッシュさんのを聴いてからは、これが定番になっております。

他でも絶賛されている通りなのですが、

オケの響きが耳にとても心地よく、
サヴァリッシュさんの小気味よい溌剌とした指揮が、
目の覚めるような爽快な演奏をくり広げており、

これを聴くと、
シューマンのオーケストレーションって素敵だな、
と、通常とは逆の印象さえ抱きます。

私が大好きなのは第3番《ライン》です。
この曲は朝比奈隆さんと大阪フィルの演奏を聴いて好きになりましたが、
オケの響きで聴かせる当番も素敵です。
気分がふさぎがちなときに、がんばろう、がんばろう、
と背中を押してくれる、大切な曲です。

ついで好きなのは第2番。
バーンスタインさんが亡くなる少し前に、
札幌でパシフック・ミュージック・フェスティバル・オーケストラを振った演奏を
何度か聴いて、涙して、好きになりました。
ロマンティックな名曲だと思います。

第1番は少しまとまりが悪く思われますが、
第一楽章の跳びはねるような春のリズム感が楽しいです。

第4番は幻想的。
まだのめりこむような魅力は感じていませんが、
聴くとそれなりに感動的です。

サヴァリッシュさんは、
NHK交響楽団の指揮でよくお目にかかっていたからか、
かえって強い印象がなく、CDにもあまり注目して来なかったのですが、

他にも同じコンビで入れたシューベルトの交響曲全集や、
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とのベートーヴェンの交響曲全集など、
気になるCDがあるので、今後機会があれば、聴いてみたいと思っています。

2011年9月23日金曜日

グリュミオー&ハスキルのベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1・2・3・4番



CD-1
ベートーヴェン
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調 作品12の1
同 第2番 イ長調 作品12の2
同 第3番 変ホ長調 作品12の3
同 第4番 イ短調 作品23

アルトゥール・グリュミオー(ヴァイオリン)
Arthur Grumiaux, violin
クララ・ハスキル(ピアノ)
Clara Haskil, piano

録音:1956年9月(第2・3番)、1957年4月(第1・4番)、ウィーン

【BRILLIANT CLASSICS 93329】


3枚組の全集ですが、
1枚ずつ聴いていきます。

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、
第5と第9を除けば、それほど聴く機会がなく、
またなかなか、その良さをしみじみ感じ取れる、
絶妙なバランスの演奏には出会わないものです。

まだいろいろ聴いていないCDもあるのですが、

今のところ一番満足しているのは、
グリュミオーとハスキルのコンビによる全集です。


BRILLIANTで復刻されたのが良いです。


元々ピアノもヴァイオリンも、
これみよがしなところがない方々なので、
霧がかかったような復刻だと、心に届いてくるものが少なくなり過ぎて、楽しめません。

以前に日本で1枚1000円で発売された版は、
今ひとつの復刻で残念な思いをしました。

BRILLIANTの復刻は、
値段が安かったことから試しに買ってみたのですが、
全然別人が弾いているように感じます。

あとほんの少し、
ハスキルのピアノが前に出てくると言うことなしですが、
これは元々そのように録音されているのかもしれません。

ここぞというところでは、
ピアノもかゆいところに手が届いてくるので、問題はないです。

ヴァイオリンがほんの少し前に出つつ、
全体として室内楽らしい絶妙の調和を保った演奏で、
第1~4番の魅力を存分に引き出しています。

私はこの演奏で、はじめて良い曲なんだな、と実感できました。

グリュミオーのヴァイオリン、
清新さに凛とした上品さが備わった繊細なものなので、
かなり丁寧な復刻をするようにしないと、
その良さが伝わりにくいように感じました。

BRILLIANTさんの手で、
ぜひ同じコンビのモーツァルトを復刻していただきたいです。
これもまた、現在満足できるCDが見当たらない、
残念な状況です。

2011年9月22日木曜日

モラヴェツのブラームス:ピアノ協奏曲第1・2番

ブラームスの2曲のピアノ協奏曲。
どちらも名作ですが、CDで聴き映えする演奏にはなかなか出会いません。
ピアノが重厚に書かれていて技術的に難しいからだけでなく、

オケも単なる伴奏の域を越えて、
彼の交響曲と同じようにしっかり書れていますので、
オケと指揮者にとってもハードルが高く、

すべてにバランスのとれた演奏にはそうそう出会えません。

色々聴いてきた中で、今のところ一番しっくり来ているのが、
モラヴェツさんが、ビエロフラーヴェクさん指揮の
チェコ・フィルと収録したCDです。



ブラームス
Disc-1
ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15
間奏曲 イ長調 作品118の2
Disc-2
ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83

イヴァン・モラヴェツ(ピアノ)
Ivan Moravec
イルジー・ビエロフラーヴェク(指揮)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1988年(Disc-2)、1989年9・10月(Disc-1)
プラハ、ルドルフィヌム(芸術家の家)
【COCO-70782-3】


2枚一組でお買い得、
と思って購入したCDですが、
内容の充実度にうれしい驚きでした。

ピアノのモラヴェツさん、
1930年生まれのチェコのピアニストです。
このCD1枚では何ともいえませんが、とんでもなく弾ける人です。

第1番も第2番も、
なかなかこれだけ雄弁に語りかける演奏には出会えません。
だからといって力で押しまくるような所はまったくなく、
緩徐楽章のしみじみした情感も十分ですので、
ブラームスにぴったりです。

指揮のビエロフラーヴェクさん、
出てくる音から想像して、職人気質の昔の方かと思っていたのですが、
1946年生まれのチェコの指揮者です。
また65歳ですので、これからの方です。

演奏当時はまだ40代前半ですが、
ブラームス独特の渋味のある響きを十分に実現していて、
すごいなあ、と思っていたら、

この録音を行った翌年1990年から2年間、
ノイマンさんの後を受けて、チェコ・フィルの首席指揮者を務めています。
そして来年から再び、インバルさんの後を受けて、
20年ぶりにチェコ・フィルの首席指揮者に復帰するそうです。

詳しい経緯はわかりませんが、
ノイマンさんの後を継ぎうる人物として注目したいと思います。
今後注目の指揮者です。

演奏は、好き好きですが、

第1番はこの演奏を聴いてから、
ルービンシュタインさんとメータさん指揮、
イスラエル・フィルの演奏はあまり楽しめなくなりました。

ルービンシュタインさんのも名演ですが、
録音が今ひとつ、オケも今ひとつです。

第2番はこの演奏で、はじめて感動できました。

有名なバックハウスさんとベームさん指揮、
ウィーン・フィルの演奏は、録音の加減か、
何度か再販されるたびに買ってみましたが、
ピアノがよく聴き取れないからか、良さがわからないままです。

(ベームさんが指揮する交響曲として聴けばOKかもしれません。)

あまり知られたピアニスト、指揮者ではないので、
すぐに手に入らなくなるかもしれませんが、
これはブラームス:ピアノ協奏曲の良い演奏です。

2011年9月17日土曜日

ピーター・ゼルキンのバッハ:インヴェンション&シンフォニア



ヨハン・セバスチャン・バッハ
2声のインヴェンション BWV772-786(全15曲)
3声のシンフォニア BWV787-801(全15曲)
4つのデュエット BWV802-805(クラーヴィア練習曲集第3部より)

ピーター・ゼルキン(ピアノ)
Peter Serkin, piano

録音:1995年6月3・5・6日(BWV772-801)、
   同年9月12・14日(BWV802-805)
Manhattan Center Studios, New York City
【BVCC749】


ピーター・ゼルキンさんは、
中高生のとき武満徹さんの音楽にはまっていた関係で、
注目していたピアニストです。

直接聴く機会がないまま今に至りますが、

時折聴くことができたCDは、
私にとって良いものと今ひとつなものが混在していました。

とくに良かった1枚、
今でも時折ひき出して、くり返し聴いているのが、
バッハのインヴェンション&シンフォニアです。

技術的には私でもぎりぎり弾けるくらいなので、
簡単な曲ですが、音楽的な内容は濃く、すぐれた作品なので、
録音もいろいろと出ています。

他にもいくつか良いCDはありますが、
ゼルキンさんの録音は、
ゆっくり目のテンポでとつとつと語りかけてくる、
孤独な寂しさを湛えた演奏です。

大人が聴いて、
しみじみと感動する仕上がりとなっています。

私がゼルキンさんに感動するのは、
この孤独な大人の寂しさ、といったものを表現しているからです。

もう一枚、
彼の弾くショパンもすばらしかった記憶があり、
手に入れる前に廃盤になっていたCDが再販されるようなので、
近々手に入れたいと思っております。

小林研一郎&チェコ・フィルのベートーヴェン:交響曲第2・5番



ベートーヴェン
交響曲第2番ニ長調作品36
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
Czech Philharmonic Orchestra
小林研一郎(指揮)
Ken-ichiro Kobayashi (conductor)

録音:2010年4月29・30日(第2番)、
  2010年11月18・19日(第5番)、
  プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホール
【OVCL-00440】


コバケンさんとチェコ・フィルによる充実のベートーヴェン。

先に第1・7番を紹介しましたが、
その前に発売されたのが、第2・5番です。

今風の流行には背を向け、
現代的なオーケストラの威力を十分に発揮させ、
楽譜への音楽的な解釈だけで勝負するところが好ましいです。

チェコ・フィルの響きは、
いわゆるドイツ風の重々しいゴツゴツしたものではなく、
イギリス風ののっぺりした感じを
もう少し柔らかく、華やかにしたような、
しかしフランス風の軽やかさと比べれば、
もう少し重心を低くした感じで、

チェコ・フィル独自の個性的な響きをもっています。

私がこれまでイメージしていた
ベートーヴェンの響きとは少し違うのですが、
とても音楽的で、清新な感じがあって、
ベートーヴェンの異なった側面をみるようで、とても楽しいです。

指揮者によっては、
サラサラ通りすぎていくだけの、
あまり面白みのないベートーヴェンになっていたかもしれませんが、

円熟味を増しつつあるコバケンさんの指揮のもと、
説得力のある音楽的で充実した演奏を繰り広げています。


第2番は、オケを存分に歌わせた、
メロディの美しさにあふれた演奏です。

オケを素のままに鳴らした、というよりは、
細部までコバケンさんの意志が行き渡っており、
最近の流行に背を向けている分、
ああ、オケってこんなに美しい響きがするんだな、
と再発見するところの多い演奏でした。

第5番は、
オケのふくよかな響きと、音楽的な流れを重視する中で、
コバケンさんの強い意志の力も感じられる名演奏です。

全体の流れが滞ることはありませんが、
快速に飛ばしてしまうこともなく、
造形を大切にした「運命」です。

第2・5番ともに、
あまり誰それの路線で、と比喩できない、
コバケンさんの個性が刻印された、しかし音楽的な自然な流れを失わない名演だと思います。

2011年9月14日水曜日

シフのバッハ:フランス組曲



J.S.バッハ
フランス組曲 第1~6番 BWV.813~817
イタリア協奏曲 ホ長調 BWV.971
フランス風序曲 ロ短調(パルティータ)BWV.831

アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
録音:1991年1月。REITSTADEL, Neumarket
【POCL-4359/60】


シフさんは安定型のイメージがあって、
これまで余り聴いてこなかったのですが、
最近若いころのバッハの録音を聴いて、
想像以上のすばらしさに驚きました。

ピアノで演奏するバッハは、
良いものが少なく、いろいろ探していたのですが、
シフさんを見落としておりました。

「軽やかで繊細なタッチと躍動的なリズム感、
 豊かな色彩感、そして知的な解釈などに裏打ちされた
 清新で愉悦感に満ちた表現」
 (福本健さんのCD解説)

を特徴とするシフさんの個性が、
バッハとうまく共鳴して、耳に心地よい音楽的な空間を作り上げています。

フランス組曲自体は、
前半に短調、後半に長調の曲が集まっているため、
通して聴いていると、曲の切れ目が今ひとつわかりにくいのですが、
わたしはどちらかといえば、
後半の長調の曲に魅力を感じました。

他にあまり良いCDには出会っていないので、
フランス組曲は、シフさんの録音がしばらく定番になりそうです。

バッハのピアノ(クラヴィア)曲は、
入門用としてインヴェンション&シンフォニアがありますが、
より一般には、パルティータと、イギリス組曲とフランス組曲から入るのが良いのではないでしょうか。
上級編として、平均律の無限世界も待ち構えています。

演奏する楽器によってもまったく違った世界が楽しめるので、楽しいです。

ルービンシュタインのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」



ベートーヴェン
ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」
ピアノ・ソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
ダニエル・バレンボイム(指揮)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1975年3月10&11日、ロンドン、キングスウェイ・ホール(皇帝)、
1976年4月21~23日、ロンドン、EMIスタジオ(Op.31-3)
【BVCC-37220】


「皇帝」は好きな曲です。
少し気分の沈みがちなときに、
曲の出だしから明るい気分にひっぱっていってくれる、
ベートーヴェンの中でも好きな曲です。

一番はじめに聴いたのがこの演奏だったので、
その時は、どれくらい良いのか悪いのか判断できなかったのですが、

いろいろな演奏を聴いた上で、
昨年このCDを買い直して、聴き直してみたところ、
記憶していたのよりずっと素晴らしい演奏で、
感動を新たにしました。

録音の加減によるのかもしれませんが、
とくにバレンボイムさんがふるオケの響きが有機的で、
耳に心地良く、心にひしひしと伝わるものがあります。

全体の引き締め役は、ルービンシュタインさんだったのかもしれませんが、
オケの立派さでも、めったに聴けないレベルです。

ルービンシュタインさんのピアノも、
心持ちゆっくり目のテンポで、雄々しく語りかけるように進めていく所が
この曲にふさわしく、こうでなくては!と思わせられます。

いろいろ聴いてきて、確かに、
これ以上の「皇帝」はなかなかないと思います。

これだけすばらしいので、
ぜひ第1~4番も聴いてみたいのですが、
不思議とほとんど発売されません。
機会があれば、ぜひ聴いてみたいです。


このCDでは後半に
ピアノ・ソナタ第18番が収録されています。

もの凄い名曲、だとは思いませんが、
肩の力を抜いて楽しく聴ける演奏です。

ルービンシュタインさんは、
ショパンのCDをたくさん持っていますが、
どちらかといえばベートーヴェンのほうが、
私にはしっくり来るところが多いようです。

内面的にひしひしと訴えかけてくるタイプではありませんが、
少なくともCDでは過度に演奏効果をねらったところはなく、
安心して聴くことのできるピアニストです。

はいだしょうこ『みんなでうたう童謡・唱歌』4

少し時間を置きましたが、
はいだしょうこさんの童謡・唱歌集、
第4弾です。



みんなでうたう童謡・唱歌
ふしぎなポケット~ヤンチャリカ

 1. ふしぎなポケット(作詞:まど・みちお/作曲:渡辺茂)
 2. 春の小川(作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一)
 3. はちみつみつみつ(作詞:鶴岡千代子/作曲:中田喜直)
 4. たのしいね
  (作詞:山内佳鶴子/補作詞:寺島尚彦/作曲:寺島尚彦)
 5. こいのぼり(作詞:近藤宮子/作曲不詳)
 6. おすもうくまちゃん(作詞:さとうよしみ/作曲:磯部俶)
 7. 汽車ポッポ(作詞・作曲:本居長世)
 8. かわいいかくれんぼ(作詞:サトウ・ハチロー/作曲:中田喜直)
 9. かぜよふけふけ(作詞:山本譲久/作曲:小森明宏)
 10. びわ(作詞:まど・みちお/作曲:磯部俶)

 11. 大きなたいこ(作詞:小林純一/作曲:中田喜直)
 12. こんこんクシュンのうた(作詞:香山美子/作曲:湯山昭)
 13. ツッピンとびうお(作詞:中村千栄子/作曲:桜井順)
 14. とんでったバナナ(作詞:片岡輝/作曲:桜井順)
 15. わらいかわせみにはなすなよ
  (作詞:サトウ・ハチロー/作曲:中田喜直)
 16. そうだったらいいのにな(作詞:井出隆夫/作曲:福田和禾子)
 17. 青い眼の人形(作詞:野口雨情/作曲:本居長世)
 18. ドロップスのうた(作詞:まど・みちお/作曲:大中恩)
 19. ヤンチャリカ(作詞:阿久悠/作曲:小林亜星)
〔ボーナストラック〕91年収録
 20. 聞いててあげる(作詞:拓殖愛子/作曲:岩河三郎)

うた:はいだしょうこ

伴奏:プラチナオーケストラ
コーラス:ひつじキッズ
録音日時不明(2010年4月発売)
【PCCG01055】


子どもさんよりのコンセプトはもうわかっていますから、
こちらから寄りそう形で、楽しませてもらいました。

童謡を20曲も続けて飽きずに聴かせる力量はさすがです。

「春の小川」「こいのぼり」
「青い目の人形」

などの正調な曲も楽しいですが、

「はちみつみつみつ」「おすもうくまちゃん」
「大きなたいこ」「こんこんクシュンのうた」

などのかわいらしい、ユーモラスな歌は
はいださんに特に合っているように感じました。

「ふしぎなポケット」「たのしいね」
「かぜよふけふけ」「とんでったバナナ」

でも自分の子どものころを思い出して楽しめました。

最後に、はいださんが小6のときに歌った

「聞いててあげる」

が収録されています。正調な美しさではこちらの方が上、
といったら怒られるでしょうか。

完成度の高さにびっくりしました。

あと1枚、第5弾が残っていますので、
近々購入して、聴いてみたいと思います。

2011年9月3日土曜日

ディアスのブラームス:ヴィオラ・ソナタ集

ブラームスには、
晩年の名作として2曲のヴィオラ・ソナタがあります。

最近何となく気になって、
まずスークさんのCDを聴いてみましたが、
サラサラ流れていくばかりで、今ひとつでした。

次に手にした一枚が、
よい雰囲気を醸し出していました。




ブラームス
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.78
(C.エルデーイによるヴィオラ編)
ヴィオラ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120-1
ヴィオラ・ソナタ 第2番 変ホ長調 Op.120-2


ロベルト・ディアス(ヴィオラ)
ジェレミー・デンク(ピアノ)
【NAXOS 8.570827】

ヴァイオリン・ソナタをいっそう渋くした感じなので、
ブラームスの独特の雰囲気をうまく引き出せる方でないと、
むつかしいところがあるのですが、

ブラームスのしっとりとした歌心が、
しみじみと伝わって来て、いい感じです。

ヘッツェルさんが手がけたヴァイオリン・ソナタほどの
奇跡的なレベルには達していませんが、
これくらい聴かせてくれたら、私には十分です。

どちらかと言えば、Op.120-2のほうが、
出だしの癒しのフレーズに惹き込まれて、わたしは好きですが、

Op.120-1も、中年男性への応援歌のようで、いいと思います。

1曲目のヴァイオリン・ソナタ「雨の歌」からの編曲は、
わたしはヴァイオリンで慣れ親しんでいるので、
少し違和感がありました。

ヴィオラ・ソナタは、そのまま
クラリネット・ソナタとしても演奏されるので、
そちらもただ今、いろいろ聴いているところです。

そのうち良いものに出会ったら、
また紹介します。

2011年9月2日金曜日

加山雄三のグレイテスト・ヒッツ

加山雄三さんのことは、同時代的には知るはずもなく、
さだまさしさんの『噺歌集』の中でその名を知りました。

しかし加山さんのヒット曲をじっくり聴く機会は、
なかなかありませんでした。

昨年たまたまベスト盤を購入し、
聴いてみたところ、とても楽しくて、
加山さんを再評価するきっかけになりました。



加山雄三
グレイテスト・ヒッツ
アビーロード・スタジオ・マスタリング


 1.ヴァイオレット・スカイ(F.O.)
  (作曲:弾厚作/編曲:弾厚作)
 2.恋は紅いバラ
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)
◎3.君といつまでも
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)
◎4.夜空の星
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:寺内タケシ)
 5.ブラック・サンド・ビーチ
  (作曲:弾厚作/編曲:弾厚作)
 6.夕陽は赤く
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:弾厚作)
◎7.蒼い星くず
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)
◎8.お嫁においで
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:大橋節夫)
◯9.ブーメラン・ベイビー
  (作詞・作曲・編曲:弾厚作)
 10.霧雨の舗道
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)


◯11.夜空を仰いで
  (作詞:弾厚作/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)
 12.旅人よ
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:弾厚作)
◎13.まだ見ぬ恋人
  (作詞:原とし子/補作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作
   /編曲:森岡賢一郎)
 14.二人だけの海
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:弾厚作)
 15.白い砂の少女
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:弾厚作)
 16.心の海
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:弾厚作)
 17.君のために
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)
 18.ある日渚に
  (作詞:弾厚作/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)
 19.美しいヴィーナス
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)
 20.ぼくの妹に
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)


◎21.海 その愛
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:森岡賢一郎)
 22.光進丸
  (作詞:松本隆/作曲:弾厚作/編曲:瀬尾一三)
 23.湘南ひき潮
  (作詞:松本隆/作曲:弾厚作/編曲:瀬尾一三)
 24.時を超えて
  (作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/編曲:船山基紀)
【MUCD1001】

加山さんを特徴づけるのは、
低めのとびきりの美声と、明るくわかりやすい曲調でしょうか。

日本の歌手のなかでも、
なかなかこれだけの喉の持ち主はいないと思います。
声を聴くだけで心地よくなります。

また、ご自身で作曲もされているわけですが、
明るくわかりやすいのを旨とし、
暗くてジメジメしたものがないのも好感が持てます。

昨年から聴きこんできた中では、
3 .君といつまでも
4 .夜空の星
7 .蒼い星くず
8 .お嫁においで
13.まだ見ぬ恋人
21.海 その愛
が特別にすばらしく、
9 .ブーメラン・ベイビー
11.夜空を仰いで
がそれにつぐように感じられました。

もちろん加山さんのアルバムを
すべて聴いてきたわけではないので、
聴き逃している名曲は他にもあると思いますが、
とりあえずの感想を記しておきます。