2012年9月26日水曜日

シフのバッハ:イギリス組曲(1988年録音)



J.S.バッハ
イギリス組曲第1番イ長調BWV.806
イギリス組曲第3番ト短調BWV.808
イギリス組曲第5番ホ短調BWV.810
イギリス組曲第2番イ短調BWV.807
イギリス組曲第4番ヘ長調BWV.809
イギリス組曲第6番ニ短調BWV.811

アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
録音:1988年1月、UNIVERSITY MUSIC SCHOOL, Cambridge
【POCL-4361/2】

ハンガリー出身のピアニスト、
アンドラーシュ・シフ(1953年12月生)さんのバッハ、

一年前にブログで
「フランス組曲 BWV.813~817」を取り上げて、
それきりになっておりましたが、

今年早くに
「イギリス組曲BWV.806~811」を手に入れ、
じっくり聴き込んでおりました。

これは「フランス組曲」程ではありませんが、

ピアノで弾くバッハの魅力を十全に伝える
優れた演奏だと思います。

グールドのような
ぶっきら棒な引き飛ばしは全くなく、
しかし丁寧すぎてリズムが死んでしまうようなこともなく、

あくまで音楽的に、よい調和の中で
曲の魅力を最大限に活かした演奏だと思います。


ただし個人的には、さらにこの上を期待したい。

曲自体の問題があるのかもしれませんが、
より一層、魂が飛翔していくような、
得がたい演奏で聴ける日が来ることを期待しております。

2012年9月24日月曜日

柳家小三治15 落語名人会39 「提灯屋・かんしゃく」(1989・90)

十代目柳屋小三治(1939.12 - )の落語CD、
いつの間にか15枚目となりました。

小三治49歳と50歳の時(1989.10/1990.5)の口演です。


落語名人会39
柳家小三治15
1.「提灯屋(ちょうちんや)」
  録音:1989年10月31日、
  鈴本演芸場、第18回柳家小三治独演会

2.「かんしゃく」
  録音:1990年5月31日、
  鈴本演芸場、第20回柳家小三治独演会
〔お囃子〕植田ひさ/小口けい
【SRCL-3581】

「提灯屋(ちょうちんや)」も、
「かんしゃく」も、このCDで初めて聴きました。

どちらも、あらすじすら知らなかったので、
しばらくは笑いどころがわからなくてあたふたしておりました。

何度か聴いているうちに、
ようやく耳が慣れて、噺の流れも頭に入り、
笑いのツボがつかめてきた所です。

ですから、全然
正当な評価にはならないと思いますが、
とりあえず最初の感想を記しておきます。


「提灯屋(ちょうちんや)」は、
師匠の五代目柳家小さんのネタの中で、
小三治さんがたまらなく好きになって、
やりはじめた演目だそうです。
(京須偕充氏のCD解説参照)

文字が読めずに一騒動し、
家紋について謎かけするという
今ではまず起こりえない場面設定で、

話自体、現代では
すでにピンと来ないところがあって、
初めはあまり楽しめませんでした。


噺の流れが飲み込めて来て、
前半と後半のコントラストを楽しめるようになって来ると、

細かいことは置いておいて、
昔風の滑稽なお噺として楽しめばいいじゃないかと、
思えるようになって来ました。


「かんしゃく」は、
喜劇作家 益田太郎冠者
(1875 - 1953/三井物産の創始者 益田孝の次男)による新作落語です。

八代目桂文楽の得意なネタで、
それを小三治さんが好きになって、
やりはじめたそうです。
(京須偕充氏のCD解説参照)

わかりやすいお噺で、
小三治さんの迫真の演技もあって、
相当な好演だと思うのですが、

小三治さんの癇癪が
真に迫りすぎていているのか、

怒る場面でこちらもドキッとして、
あまり楽しむことが出来ませんでした。

録音の加減かもしれませんが、
もう少し、怒っているフリをするような、
遊びを感じさせる雰囲気が伝わると良かったと思います。


どちらも近々、
小さんと文楽にさかのぼって、
聴いてみようと思います。


※柳家小三治
 「提灯屋」89-10/31◯
 「かんしゃく」90-5/31◯

2012年9月18日火曜日

ハイドンのピアノ・ソナタの楽譜

近々、ハンガリーのピアニスト
イエネ・ヤンドー(1952 - )さんのピアノで、
ハイドンのピアノ・ソナタ全曲を、
聴いていこうと思います。

ただし、いざ聴こうと思うと、
困るのが曲の番号の問題で、
なんだかわけのわからない状況でしたので、
必要な範囲で、勉強した内容を整理しておきます。

  ***

ヨーゼフ・ハイドンの作品は通常、
ホーボーケン番号(Hob.)によって分類されています。

ホーボーケン番号とは、オランダの音楽学者
アントニー・ヴァン・ホーボーケン(1887 - 1983)が作成した
「ヨーゼフ・ハイドン主題書誌学的作品目録」
にもとづく番号のことです。

器楽編は1957年に発表され、
ピアノ・ソナタは Hob.XVI:1-52
として整理されました。

この分類は1918年に出版された
ブライトコップ・ウント・ヘルテル社 による
世界初の「ピアノ・ソナタ全集」(カール・ペスラー校訂)
の通し番号にそのまま従ったものです。

この全集は全3巻からなり、
第1巻に第1-22番、
第2巻に第23-38番、
第3巻に第39-52番が収められました。

この順番がそのまま
ホーボーケン番号の Hob.XVI:1-52 に採用されたわけです。

この ブライトコップ・ウント・ヘルテル社 による
世界初の「ピアノ・ソナタ全集」 は、
アメリカのDover Publications 社から1984年に復刊されています(全2巻)。


Joseph Haydn
Complete Piano Sonatas
Volume I (Hoboken Nos.1-29)


Joseph Haydn
Complete Piano Sonatas
Volume II (Hoboken Nos.30-52)

各巻1700円ほどでAmazonで手に入れました。

円安の影響か多少高くなっていますが、
ほかのどの版よりも安く手に入れることができます。

そのまま演奏に使うのは難しいと思いますが、
とりあえず全曲の楽譜を揃えたい場合はおすすめです。

最新の研究でも、
まだ決定的といえる校訂譜にたどりついていない状況なので、
出版の原点を振り返る意味でも、有用な版だと思います。


  ***

実際に演奏する上で現在、入手しやすい
ハイドンの「ピアノ・ソナタ全集」の楽譜には、
クリスタ・ランドン校訂の【ウィーン原典版】と、
ゲオルグ・フェダー校訂の【ヘンレ社原典版】
2種類があります(1973・72年出版)。

ホーボーケン番号に寄りつつも、
新しい研究成果を取り入れ、
独自に分類、編集しなおされた楽譜になっております。


両者の大きな違いは、
ウィーン原典版では、
全62曲に通し番号を付けなおされているのに対して、

ヘンレ社原典版では、
通し番号をつけることを止め、
作曲年代、出版時期などの考証から、
10のグループに分け直しているところです。

学問的な精緻さでは、
ヘンレ社原典版のほうが上のようですが、

実際に演奏したり、聴いたりする場合、
通し番号がないのはやはり不便なようで、

ウィーン原典版による録音も少なくありません。


ウィーン原典版とヘンレ社原典版の収録曲を
参考に掲げておきます。


【ウィーン原典版】
クリスタ・ランドン校訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 1a
(1973年)
ピアノ・ソナタ 第1番 ト長調  HOB.XVI - 8
ピアノ・ソナタ 第2番 ハ長調  HOB.XVI - 7
ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ長調  HOB.XVI - 9
ピアノ・ソナタ 第4番 ト長調  HOB.XVI - G1
ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調  HOB.XVI - 11
ピアノ・ソナタ 第6番 ハ長調  HOB.XVI - 10
ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調  HOB.XVⅡ- D1
ピアノ・ソナタ 第8番 イ長調  HOB.XVI - 5
ピアノ・ソナタ 第9番 ニ長調  HOB.XVI - 4
ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調  HOB.XVI - 1
ピアノ・ソナタ 第11番変ロ長調 HOB.XVI - 2
ピアノ・ソナタ 第12番 イ長調  HOB.XVI - 12
ピアノ・ソナタ 第13番 ト長調  HOB.XVI - 6
ピアノ・ソナタ 第14番 ハ長調  HOB.XVI - 3
ピアノ・ソナタ 第15番 ホ長調  HOB.XVI - 13
ピアノ・ソナタ 第16番 ニ長調  HOB.XVI - 14
ピアノ・ソナタ 第17番変ホ長調 HOB.DEEST
ピアノ・ソナタ 第18番変ホ長調 HOB.DEEST


【ウィーン原典版】
クリスタ・ランドン校訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 1b
(1973年)
ピアノ・ソナタ 第19番 ホ短調 Hob.XVI - 47
ピアノ・ソナタ 第20番変ロ長調 Hob.XVI - 18
ピアノ・ソナタ 第21番 ニ短調 Hob.XVI - 2A(テーマのみ)
ピアノ・ソナタ 第22番 イ長調 Hob.XVI - 2B(テーマのみ)
ピアノ・ソナタ 第23番 ロ長調 Hob.XVI - 2C(テーマのみ)
ピアノ・ソナタ 第24番変ロ長調 Hob.XVI - 2D(テーマのみ)
ピアノ・ソナタ 第25番 ホ短調 Hob.XVI - 2E(テーマのみ)
ピアノ・ソナタ 第26番 ハ長調 Hob.XVI - 2G(テーマのみ)
ピアノ・ソナタ 第27番 イ長調 Hob.XVI - 2H(テーマのみ)
ピアノ・ソナタ 第28番 ニ長調 Hob.XVI - 5a
ピアノ・ソナタ 第29番変ホ短調 Hob.XVI - 45
ピアノ・ソナタ 第30番 ニ長調 Hob.XVI - 19
ピアノ・ソナタ 第31番変イ長調 Hob.XVI - 46
ピアノ・ソナタ 第32番 ト長調 Hob.XVI - 44
ピアノ・ソナタ 第33番 ハ短調 Hob.XVI - 20
ピアノ・ソナタ 第34番 ニ長調 Hob.XVI - 33
ピアノ・ソナタ 第35番変イ長調 Hob.XVI - 43
付録:ソナタ第28番 補筆の試み
※ソナタ第21~27番は、
ハイドンの自筆の作品目録通称〈革稿目録〉にもとづき、
紛失した作品の主題のみを掲載。


【ウィーン原典版】
クリスタ・ランドン校訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 2
(1973年)
ピアノ・ソナタ 第36番 ハ長調  Hob.XVI - 21
ピアノ・ソナタ 第37番 ホ長調  Hob.XVI - 22
ピアノ・ソナタ 第38番 へ長調  Hob.XVI - 23
ピアノ・ソナタ 第39番 ニ長調  Hob.XVI - 24
ピアノ・ソナタ 第40番変ホ長調 Hob.XVI - 25
ピアノ・ソナタ 第41番 イ長調  Hob.XVI - 26
ピアノ・ソナタ 第42番 ト長調  Hob.XVI - 27
ピアノ・ソナタ 第43番変ホ長調 Hob.XVI - 28
ピアノ・ソナタ 第44番 へ長調  Hob.XVI - 29
ピアノ・ソナタ 第45番 イ長調  Hob.XVI - 30
ピアノ・ソナタ 第46番 ホ長調  Hob.XVI - 31
ピアノ・ソナタ 第47番 ロ短調  Hob.XVI - 32
ピアノ・ソナタ 第48番 ハ長調  Hob.XVI - 35
ピアノ・ソナタ 第49番嬰ハ短調 Hob.XVI - 36
ピアノ・ソナタ 第50番 ニ長調  Hob.XVI - 37
ピアノ・ソナタ 第51番変ホ長調 Hob.XVI - 38
ピアノ・ソナタ 第52番 ト長調  Hob.XVI - 39


【ウィーン原典版】
クリスタ・ランドン校訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 3
(1973年)
ピアノ・ソナタ 第53番 ホ短調  Hob.XVI - 34
ピアノ・ソナタ 第54番 ト長調  Hob.XVI - 40
ピアノ・ソナタ 第55番変ロ長調 Hob.XVI - 41
ピアノ・ソナタ 第56番 ニ長調  Hob.XVI - 42
ピアノ・ソナタ 第57番 へ長調  Hob.XVI - 47
ピアノ・ソナタ 第58番 ハ長調  Hob.XVI - 48
ピアノ・ソナタ 第59番変ホ長調 Hob.XVI - 49
ピアノ・ソナタ 第60番 ハ長調  Hob.XVI - 50
ピアノ・ソナタ 第61番 ニ長調  Hob.XVI - 51
ピアノ・ソナタ 第62番変ホ長調 Hob.XVI - 52
付録1:アダージョ
付録2:ソナタ第60番第1楽章のために。


【ヘンレ社 原典版】
ゲオルグ・フェダ―校訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集第1巻
(1972年)
ピアノ・ソナタ ハ長調  Hob.XVⅠ- 1
ピアノ・ソナタ変ロ長調 Hob.XVⅠ- 2
ピアノ・ソナタ ハ長調  Hob.XVⅠ- 3
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XVⅠ- 4
ピアノ・ソナタ イ長調  Hob.XVⅠ- 5
ピアノ・ソナタ ト長調  Hob.XVⅠ- 6
ピアノ・ソナタ ハ長調  Hob.XVⅠ- 7
ピアノ・ソナタ ト長調  Hob.XVⅠ- 8
ピアノ・ソナタ ヘ長調  Hob.XVⅠ- 9
ピアノ・ソナタ ハ長調  Hob.XVⅠ- 10
ピアノ・ソナタ イ長調  Hob.XVⅠ- 12
ピアノ・ソナタ ホ長調  Hob.XVⅠ- 13
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XVⅠ- 14
ピアノ・ソナタ変ロ長調 Hob.XVⅠ- 18
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XVⅠ- 19
ピアノ・ソナタ ト短調  Hob.XVⅠ- 44
ピアノ・ソナタ変ホ長調 Hob.XVⅠ- 45
ピアノ・ソナタ変イ長調 Hob.XVⅠ- 46
ピアノ・ソナタ ホ短調  Hob.XVⅠ- 47
ピアノ・ソナタ ト長調  Hob.XVⅠ- G1
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XIV - 5
ピアノ・ソナタ ニ長調. Hob.XVⅡ- D1
ピアノ・ソナタ(第8番)(Hob.なし)変ホ長調
ピアノ・ソナタ(第9番)(Hob.なし)変ホ長調
付録:7つの失われたピアノ・ソナタ
付録:単一楽章 ト短調 Hob.XVⅠ- 11Ⅱ
付録:単一楽章 ト長調 Hob.XVⅠ- 11Ⅲ
付録:単一楽章 ヘ長調 Hob.XVⅡ- F1
付録:単一楽章 嬰ヘ長調 Hob.IX - 26
付録:アレグロ・モルト(Hob.なし)ニ長調
付録:ピアノ・ソナタの最終楽章(第9番)(Hob.なし) 変ホ長調


【ヘンレ社 原典版】
ゲオルグ・フェダ―校訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集第2巻
(1972年)
ピアノ・ソナタ ハ長調  Hob.XVI - 21
ピアノ・ソナタ ホ長調  Hob.XVI - 22
ピアノ・ソナタ ヘ長調  Hob.XVI - 23
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XVI - 24
ピアノ・ソナタ変ホ長調 Hob.XVI - 25
ピアノ・ソナタ イ長調  Hob.XVI - 26
ピアノ・ソナタ ト長調  Hob.XVI - 27
ピアノ・ソナタ変ホ長調 Hob.XVI - 28
ピアノ・ソナタ ヘ長調  Hob.XVI - 29
ピアノ・ソナタ イ長調  Hob.XVI - 30
ピアノ・ソナタ ホ長調  Hob.XVI - 31
ピアノ・ソナタ ロ短調  Hob.XVI - 32
ピアノ・ソナタ ハ長調  Hob.XVI - 35
ピアノ・ソナタ嬰ハ短調 Hob.XVI - 36
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XVI - 37
ピアノ・ソナタ変ホ長調 Hob.XVI - 38
ピアノ・ソナタ ト長調  Hob.XVI - 39
ピアノ・ソナタ ハ短調  Hob.XVI - 20


【ヘンレ社 原典版】
ゲオルグ・フェダ―校訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集第3巻
(1972年)
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XVI - 33
ピアノ・ソナタ ホ短調  Hob.XVI - 34
ピアノ・ソナタ ト長調  Hob.XVI - 40
ピアノ・ソナタ変ロ長調 Hob.XVI - 41
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XVI - 42
ピアノ・ソナタ変イ長調 Hob.XVI - 43
ピアノ・ソナタ ハ長調  Hob.XVI - 48
ピアノ・ソナタ変ホ長調 Hob.XVI - 49
ピアノ・ソナタ ハ長調  Hob.XVI - 50
ピアノ・ソナタ ニ長調  Hob.XVI - 51
ピアノ・ソナタ変ホ長調 Hob.XVI - 52


  ***

最近(日本では2013年)、
ウィーン原典版の改訂版が出ました。

これまで議論の的になっていた
ウィーン原典版の独特の曲順が放棄され、

原則としてホーボーケン番号の曲順に従い、
通番をつけることは止めているのが大きな変化です。

それでは旧版に従って録音された
ヤンドー盤はどうなるのかなと憂慮しつつも、

本家が看板をおろしてしまった以上、

今後ウィーン原典版の旧版にみられた
通番に従うことはなくなって来るのだろうと思います。


【ウィーン原典版 新版】
クリスタ・ランドン校訂
ウイリヒ・ライジンガー改訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集1
(2013年)
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI - 1
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Hob.XVI - 2
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI - 3
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 4
ピアノ・ソナタ イ長調 Hob.XVI - 5
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI - 6
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI - 7
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI - 8
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Hob.XVI - 9
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI - 10
ピアノ・ソナタ イ長調 Hob.XVI - 12
ピアノ・ソナタ ホ長調 Hob.XVI - 13
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 14
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - 16
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - Es2
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - Es3
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI - G1
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - D1
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Hob.XVI - F3(Bozner Sonate)
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI - 11


【ウィーン原典版 新版】
クリスタ・ランドン校訂
ウイリヒ・ライジンガー改訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集2
(2013年)
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Hob. XVI - 18
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 19
ピアノ・ソナタ ハ短調 Hob.XVI - 20
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 33
ピアノ・ソナタ 変イ長調 Hob.XVI - 43
ピアノ・ソナタ ト短調 Hob.XVI - 44
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - 45
ピアノ・ソナタ 変イ長調 Hob.XVI - 46
ピアノ・ソナタ ホ短調 Hob.XVI - 47bis
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 5a


【ウィーン原典版 新版】
クリスタ・ランドン校訂
ウイリヒ・ライジンガー改訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集3
(2013年)
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI - 21
ピアノ・ソナタ ホ長調 Hob.XVI - 22
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Hob.XVI - 23
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 24
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - 25
ピアノ・ソナタ イ長調 Hob.XVI - 26
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI - 27
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - 28
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Hob.XVI - 29
ピアノ・ソナタ イ長調 Hob.XVI - 30
ピアノ・ソナタ ホ長調 Hob.XVI - 31
ピアノ・ソナタ ロ短調 Hob.XVI - 32
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI - 35
ピアノ・ソナタ 嬰ハ短調 Hob.XVI - 36
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 37
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - 38
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI - 39


【ウィーン原典版 新版】
クリスタ・ランドン校訂
ウイリヒ・ライジンガー改訂
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集4
(2013年)
ピアノ・ソナタ ホ短調 Hob.XVI - 34
ピアノ・ソナタ ト長調 Hob.XVI - 40
ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Hob.XVI - 41
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 42
ピアノ・ソナタ ヘ長調 Hob.XVI - 47
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI - 48
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - 49
ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI - 50
ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI - 51
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI - 52

※ピティナ・ピアノ曲事典「ハイドン」の項目を参照。
〈http://www.piano.or.jp/enc/composers/45/〉

※wikipedia「ホーボーケン番号」「ハイドンのピアノソナタ一覧」の項目を参照。



にほんブログ村 クラシックブログへ

2012年9月9日日曜日

ヴァルヒャのバッハ:オルガン作品全集(旧盤)CD6

ヘルムート・ヴァルヒャ(1907生 1991没)による
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685生 1750没)の作品全集、
6枚目を聴きました。


J.S.バッハ:オルガン作品全集
CD-6

オルガン小曲集 BWV599-644
 1) いざ来れ、異教徒の救い主よ BWV 599
 2) 神はその慈悲により、または神の子来れり BWV 600
 3) 神のひとり子なる主キリスト BWV 601
 4) 全能の神をたたえん BWV 602
 5) ベツレヘムに生れし幼な子 BWV 603
 6) イエス=キリストよ、汝はたたえられん BWV 604
 7) かくも喜びあふれる日 BWV 605
 8) 高き天よりわれは来れり BWV 606
 9) 天使の群れ、天より来れり BWV 607
10) 甘き喜びのうちに BWV 608
11) 汝らキリスト者よ、こぞりて主をたたえよ BWV 609
12) イエス、わが喜び BWV 610
13) われらキリストをたたえまつる BWV 611
14) われらキリスト者 BWV 612
15) われを助けて神の慈悲をたたえしめよ BWV 613
16) 古き年は過ぎ去り BWV 614
17) 汝のうちに喜びあり BWV 615
18) 平和と喜びもてわれは行く BWV 616
19) 主なる神、いざ天の扉を開きたまえ BWV 617
20) おお汚れなき神の子羊 BWV618
21) キリスト、汝神の小羊 BWV 619
22) われらを救悼もうキリスト BWV 620
23) イエス十字架にかけられしとき BWV 6621
24) おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け BWV 622
25) 主なるイエス=キリストよ、われら汝に感謝す BWV 623
26) 神よ、われを助けて成功させたまえ BWV 62
27) キリストは死の絆につきたまえり BWV 625
28) 我らの救い主、イエス=キリスト BWV 626
29) キリストは BWV 627
30) 聖なるキリストは BWV 628
31) 栄光の日は来りぬ BWV 629
32) 今日神の子は勝利をおさめ BWV 630
33) 来れ、創り主にして聖霊なる神よ BWV 631
34) 主なるイエス=キリスト、われらを顧みたまえ BWV 632
35) 最愛なるイエスよ、われらここに BWV 633
*) 最愛なるイエスよ、われらここに BWV 634(省略)

36) これぞ聖なる十誡 BWV 635
37) 天にいますわれらの父よ BWV 636
38) アダムの罪によりすべてそこなわれぬ BWV 637

録音:1950年(22,34,37)、1952年(1-21,23-33,35,36,38)
オルガン:カッペル、聖ペテロ=パウロ教会
【Membran 223489】CD-6

CD6枚目には、
バッハ(1685-1750)が、
28歳(1713年)から31歳(1716年)にかけて作曲した
オルガン小曲集 BWV599-644
が収録されています。

ただし全曲(46曲)は収まり切らないので BWV637 まで、
そして内容がほぼ重複する BWV633 と 634 は前者のみ、
合わせて38曲が収録されています。

オルガン小曲集とは、
「教会暦のさまざまな主日・祝日の
 礼拝で用いられるコラール編曲で成っている」
「オルガニストのための賛美歌集ともいうべき作品」で、

「かつて、この曲集における
 音楽と歌詞の緊密な統一に感嘆したシュヴァイツァーは、
 これを『音楽史全般における最大の出来事のひとつ』
 と讃えた」そうです。

※磯山雅『バッハ=魂のエヴァンゲリスト』
 (講談社学術文庫、平成22年4月)87頁参照。

このような説明を読んだ上で、
くり返し聴いていると、
次第にしみじみとした味わい深さが
感じられるようになって来ましたが、

最初に、何の知識のないまま
取り敢えず聴いてみたときは、
短い断片的な小品が次々と展開するだけで、
何だかよくわからぬまま終わっておりました。

ふだん賛美歌を聴く機会はまずないので、
仕方のないことかもしれません。


ただし、
短く簡潔な音楽も、
それなりに楽しみ方はあるわけで、

くり返し聴いて、
この様式に慣れてくると、
かえって気楽に聴ける、親しみ深い作品だと思えるようになりました。

より一層深みのある作品だと思いますが、

ひと月は聴きましたので、
まずはこれ位で先に進みましょうか。



※オルガン小曲集(BWV599-644)については、
 志村拓生『J.S.バッハ オルガン小曲集 演奏と解釈』という
 大部な研究書が出ているので、こちらを読めば、
 いろいろ疑問点が氷解するはずですが、
 高価ですぐには手が出ず、未見です。

※Wikipedia の「ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品一覧」を参照。


2012年9月3日月曜日

ヘブラーのモーツァルト:ピアノ・ソナタ第1-5番(旧盤)

イングリット・ヘブラー(1926年6月生)さんが、
20代後半から30代はじめにかけて録音された

モーツァルト(1756 - 1791)の
ピアノ・ソナタ全集が久しぶりに再販されました。

新録音が好評だったからか、
しばらく見かけなかったのですが、

私には旧盤の方が思い出深い演奏だったので、
さっそく購入し、聴いてみました。

モーツァルト: ピアノ・ソナタ全曲

モーツァルト
1) ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 K.279
2) ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調 K.280
3) ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 K.281
4) ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282
5) ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調 K.283

イングリット・ヘブラー(ピアノ)
録音:1963年9月(4)、1965年11月(2・3・5)、1967年6月(1)
【PROC-1201/5】CD1

モーツァルトの初期のソナタは、
20歳でピアノ協奏曲第6番(K.238)を手がける前年、
19歳のときに(1775年初め)、デュルニッツ伯爵の注文で、
第1番から第6番まで(K.279~284)が連作されました。

この6曲をまとめて、もしくは最後の
「第6番 ニ長調 K.284」1曲をさして、
「デュルニッツ・ソナタ」と呼ぶことがあります。

CD1には、第5番まで収録されています。


演奏は、

古典的な枠の中で、
適度に自由に振る舞いながら、

やわらかく清楚で、
明るくあたたかな気持ちにさせられるモーツァルトです。

さらさらと流れていくような所はありませんが、
野暮ったさを感じさせることもなく、
ほどほどに芯のある表現で、

私にとってのベスト演奏でした。


あとほんの少し、
押しの強いところがあったら言うことなしなのですが、
それは私の好みの問題なので、

現代ピアノで、
モーツァルトの楽譜を十分に活かした演奏
といって差し支えない、と思います。


新録音の方は、
じっくり聴く分には、決して悪くはないのですが、
多少リズムがもたつき、やぼったさを感じさせる所が、
私にはマイナスでした。

さらさら流れていくよりは全然いいのですが、
飛び跳ねるような絶妙なリズムの切れは、
モーツァルトに欠かせないものだと思うので、

私にはこちらの旧盤のほうが、
理想的なモーツァルト演奏になっていると思います。

宇野功芳さん大推薦の
リリー・クラウスさんのモーツァルトは、
動的に過ぎる感じが私の好みに合わないのか、
今ひとつ真価がつかめないでいるので、

今のところ、イングリット・ヘブラーさんの旧盤が、
私にとってのベスト演奏のようです。


※作品の基本情報については、
 ピティナ・ピアノ曲事典「モーツァルト」の項目
 【http://www.piano.or.jp/enc/composers/index/73】
 を参照しました。