2014年1月31日金曜日

ルイサダのショパン:17のワルツ(1990年録音)

チュニジア出身のピアニスト
ジャン=マルク・ルイサダ(1958.6-)が
32歳の時(1990年)に録音した

ポーランドの作曲家
フレデリック・ショパン(1810.3-1839.10)の
ワルツ集を聴きました。


フレデリック・ショパン(1810-1849)
17のワルツ

 1)《華麗なる大円舞曲》変ホ長調 作品18
 2)《華麗なる円舞曲》変イ長調 作品34の1
 3)《華麗なる円舞曲》 イ短調  作品34の2
 4)《華麗なる円舞曲》 ヘ長調  作品34の3
 5) ワルツ 変イ長調 作品42
 6)《子犬のワルツ》変ニ長調 作品64の1
 7) ワルツ 嬰ハ短調 作品64の2
 8) ワルツ 変イ長調 作品64の3
 9)《別れのワルツ》変イ長調 作品69の1【遺作】
10) ワルツ  ロ短調  作品69の2【遺作】
11) ワルツ 変ト長調 作品70の1【遺作】
12) ワルツ  ヘ短調  作品70の2【遺作】
13) ワルツ 変ニ長調 作品70の3【遺作】
14) ワルツ  ホ短調 【遺作】
   ***
15) ワルツ 変イ長調【遺作】
16) ワルツ  ホ長調 【遺作】
17) ワルツ 変ホ長調【遺作】

ジャン=マルク・ルイサダ(ピアノ)
録音:1990年6月、ハンブルク
【POCG-50073】


ショパンのワルツ集は、

偶然なのでしょうが、
1番から14番まで一連の曲を聴くようで、
通して聴くことが多いです。

ルイサダのCDは、
発売当時に手に入れて繰り返し聴きました。
しばらく遠ざかっていたので、
正月に聴き直してみました。


以前に聴いていた時は、
あまりに個性的な解釈に落ちつかない感じがして、
繰り返し聴いた割には、それほど好きになれなかったのですが、

今回はだいぶ印象が変わりました。


やはりまだ若い印象もありますし、
ここまでテンポを揺らす必要はない、
とも思うのですが、

私も40を過ぎて許容範囲が広がったのか、
これくらいなら有りでしょう、と思えるようになりました。

実際これだけルバートかけまくりなのに、
全体としての品位を欠いていないのは、ルイサダの音楽性の勝利でしょう。

30代はじめの段階で、
練りに練った自分の解釈として、
このように表現せざるを得なかった気持ちは
よくわかりますし、

楽譜に忠実なだけの無味乾燥な演奏を聴くのなら、
これくらい個性的なほうが私は好きです。


マズルカも再録音で、
より普遍性のある優れた演奏に変わっていたので、

ワルツもそろそろ再録音されたら、
誰が聴いても納得せざるを得ない
究極の名演が生まれるのではないかと思いました。

『Sonny Rollins Plus 4』(1956年3月録音)


Sonny Rollins Plus 4

1) Valse Hot (Sonny Rollins)
2) Kiss And Run (Sam Coslow)
3) I Feel A Song Coming On
   (Dorothy Fields-Jimmy McHugh-George Oppenheimer)
4) Count Your Blessings (Irving Berlin)
5) Pent-up House (Sonny Rollins)

Sonny Rollins, tenor sax
Clifford Brown, trumpet
Max Roach, drums
Richie Powell, piano
George Morrow, bass

Recorded March 22,1956
【UCCO 90141】


ソニー・ロリンズ(1930.9-)でもう1枚、
『ソニー・ロリンズ・プラス・フォー』を聴きました。

これは最近、
CD4枚にロリンズのアルバム8枚分をつめこんだ廉価版のセットを購入し、
聴いていくうちにお気に入りになって買い直した1枚です。

1曲目の「ヴァルス・ホット」が飛び抜けて良いです
(ソニー・ロリンズのオリジナル曲)。

ジャスでふつうに、
そのまま踊れそうな感じのワルツをやっていると言えば、
何でもないことのように思われそうですが、

ジャズで正統的なワルツをやって
成功している例ってほかに知りません。
(単に私が物を知らないだけかもしれません。)

ワルツのわかりやすい構成の中で、
トランペットのクリフォード・ブラウンとともに
自由な精神が飛び回っている風で、
存分に楽しむことができました。

もう1曲上げるなら、
4曲目のバラード「眠れぬ夜は」です。

ロリンズのバラードはド演歌っぽく聴こえて
気恥ずかしく感じられることもあるのですが、

この録音は、
全体に落ちついて洗練された感じで、
曲の良さがすんなり伝わって来ました。


他の曲も別に悪くはないのですが、
1・4曲と比べると個人的にはあまりピンと来ませんでした。

今後感想が変わってくるかもしれませんが、

今のところ私にとって、
時折1・4曲目を聴き返すためにあるアルバムになっています。

カーゾン&ウィーン八重奏団のシューベルト:ピアノ五重奏曲《ます》

イギリスのピアニスト
クリフォード・カーゾン(1907.5-1982.9)が、

オーストリアのヴァイオリニスト
ヴィリー・ボスコフスキー(1909.6-1991.4)率いる
ウィーン八重奏団員、そしてウィーン・フィルハーモニー弦楽四重奏団と組んで録音した

オーストリアの作曲家
フランツ・シューベルト(1797.1-1828.11)が、
22歳の時(1819)に作曲した
ピアノ五重奏曲 イ長調 D667《ます》

と、

チェコの作曲家
アントニン・ドヴォルザーク(1841.9-1904.5)が、
46歳の時(1887)に作曲した
ピアノ五重奏曲 イ長調 作品81

を聴きました。


1) フランツ・シューベルト
  ピアノ五重奏曲イ長調D667《ます》

 クリフォード・カーゾン(ピアノ)
 ウィーン八重奏団員
   ヴィリー・ボスコフスキー(ヴァイオリン)
   ギュンター・ブライテンバッハ(ヴィオラ)
   ニコラウス・ヒュープナー(チェロ)
   ヨハン・クルンプ(コントラバス)

2) アントニン・ドヴォルザーク
  ピアノ五重奏曲イ長調作品81

 クリフォード・カーゾン(ピアノ)
 ウィーン・フィルハーモニー弦楽四重奏団
   ヴィリー・ボスコフスキー(第1ヴァイオリン)
   オットー・シュトラッサー(第2ヴァイオリン)
   ルドルフ・シュトレンク(ヴィオラ)
   ロベルト・シャイヴァイン(チェロ)

録音:1957年10月(1)、1962年10月29日(2)、ウィーン、ゾフィエンザール
【UCCD-7274】

年末に何となく気になって購入し、
そのままこのふた月ほど繰り返し聴いていた1枚です。

イン・テンポを旨とし、
切れ味の鋭さを感じさせる現代的な演奏ですが、

一定の節度を保ちつつ、
曲の楽しさ、美しさをほどよく引き出していて、

数回聴くうちに耳に馴染んで来て、
はじめて両曲の真価を教えられた気がしました。

室内楽は、
皆が同じ方向を向いていて、
全体の調和が取れていることが第一なので、

その点、
カーゾンとボスコフスキーのコンビは
安心して身を委ねることができました。


シューベルトの《ます》は、
他にもいろいろ聴いてきたはずなのですが、
これまで心惹かれる演奏には出会いませんでした。

このCDでようやく、
楽しく美しい名曲であることがわかりました。

ドヴォルザークのピアノ五重奏曲は、
今回初めて聴きました。

しばらく聴きこんでいると、
方向性がシューベルトとも似ているようで、
明るく楽しく美しいメロディにあふれていて、
お気に入りの1曲になりました。


他にもいろいろCDが出ているはずなので、
手に入れて聴いてみようと思いました。



※Wikipediaの「クリフォード・カーゾン」「ヴィリー・ボスコフスキー」「フランツ・シューベルト」「ピアノ五重奏曲(シューベルト)」「アントニン・ドヴォルザーク」「ピアノ五重奏曲第2番(ドヴォルザーク)」を参照。

ペライアのモーツァルト:ピアノ協奏曲全集 その10

アメリカのピアニスト
マレイ・ペライア(1947-)と
イギリス室内管弦楽団による

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(1756.1-1791.12)のピアノ協奏曲全集
10枚目を聴きました。


モーツァルト
ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491

マレイ・ペライア(ピアノ、指揮)
イギリス室内管弦楽団
録音:1984年2月16日、セント・ジョン・スミス・スクエア、ロンドン(第23番)。1975年9月12・13・15(第24番)、EMIスタジオ、ロンドン
【SONY MUSIC 88691914112】CD10


29歳の時(1785)に、
第20・21・22番の3つのピアノ協奏曲が作曲されたのに続いて、

30歳の時(1786)にも、
第23・24・25番の3つのピアノ協奏曲が作曲されました。

1786年3月に完成されたのが

第23番 イ長調 K.488
第24番 ハ短調 K.491

の2曲であり、

同年末の12月に完成されたのが

第25番 ハ長調 K.503

の1曲でした。


ペライアの演奏、
前の1枚(第21・22番)があまり印象に残らなかったので、
さすがに後半の有名曲はつらいのかな、と思ったのですが、

今回の1枚(第23・24番)で味方を改めました。

どちらもオーソドックスな演奏ではあるのですが、
曲への共感度が高いのか、

何度も繰り返し聴くまでもなく、

聴いてすぐにぴったりと心に寄り添って来て、
モーツァルトの美しさ、楽しさ、悲しさを存分に味わうことが出来ました。

特別なことをしていないので、
表現に困る面もありますが、

ふつうに聴いて、
演奏者が出しゃばることなく、
曲の美しさだけがすんなり心に入ってくるタイプの、
私には十分満足できる演奏でした。



※Wikipediaの「マレイ・ペライア」
 「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」
 「モーツァルトの楽曲一覧」
 「ピアノ協奏曲第21番(モーツァルト)」
 「ピアノ協奏曲第22番(モーツァルト)」の各項目を参照。


※作品の基本情報について、
 ピティナ・ピアノ曲事典「モーツァルト」の項目
 【http://www.piano.or.jp/enc/composers/index/73】を参照。