フォーレ《レクイエム》のCDに感動した
イギリス人指揮者ジェレミー・サマリー
(Jeremy Summerly, 1961年2月28日- )の指揮する
オックスフォード・カメラータ
(Oxford Camerata)の演奏で、
神聖ローマ帝国のドイツ王国生まれの
女性作曲家
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン
(Hildegard von Bingen, 1098年-1179年9月)の
聖歌集を聴きました。
ヒルデガント・フォン・ビンゲン
(Hildegard von BIBGEN, 1098-1179)
神々しい黙示録
(Heavenly Revelations)
◯賛美歌(Hymns)
◯シークエンス(Sequenees 反復進行)
◯アンティフォナ(Antiphons 交唱)
◯レスポンス(Responds 応唱)
①おお、聖なる体
②アレルヤ、媒介者なる
③めでたし、誉れ高きお方
④三位一体を褒めたたえよ
⑤キリエ(主よ哀れみ賜え)
⑥おお、まことの保護者
⑦聖霊の炎
⑧「徳の序列」による行列
⑨魂の牧者
⑩おお、青々とした小枝よ(聖母マリアの賛歌)
⑪輝かしい枝と冠
オックスフォード・カメラータ
ジェレミー・サマリー(指揮)
録音:1993年12月14・15日、オックスフォード、ハートフォード大学教会
【NAXOS 8.550998】
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン
(Hildegard von Bingen, 1098年-1179年9月)
とは誰だろうと思い、手元にあった
皆川達夫氏の『中世・ルネサンスの音楽』
を紐解いてみましたが、名前は出てきませんでした。
※皆川達夫(みながわたつお)著
『中世・ルネサンスの音楽』
(講談社現代新書、1977年2月)
※のち講談社学術文庫(2009年2月)として再刊。
皆川氏には、より大部な単著
『西洋音楽史 中世・ルネッサンス』
(音楽之友社、1998年12月◇582頁)
もあるので、そちらに載っている可能性もありますが、未見です。
適当な文献が手元にないので Wikipedia を参照すると、
古代ローマ時代以降最初の女性作曲家として知られるのみならず、
ドイツ薬草学の祖でもあるほか、神学者、説教者、宗教劇作家、伝記作家、言語学者、詩人など、多才な人物として知られているようなので、ほかの側面についても今後調べていきたいです。
***
今回は、
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン
(Hildegard von Bingen, 1098年-1179年9月)
について、とりあえずCDを聴いてみた上での、
率直な感想を述べておきます。
ビンゲンの聖歌集は、
女声と男声による歌唱であることと、
ビンゲンの個性が反映されていることから、
男声のみで歌われる
作曲者不詳のグレゴリオ聖歌と比べると、
いっそう親しみやすく、
聴きやすいものに感じられました。
個人的に、
形式的で硬い印象があって、
聴いていると眠りに誘われることが多かった
グレゴリオ聖歌と比べると、
より聴きやすく、
眠くなることなく聴き進められて、
仕事で疲れた心を洗い流してくれる効果がありました。
こう書いてみて、
グレゴリオ聖歌のほうをそんなに聴き込んでいないことが気になったので、
演奏者を選んで、
グレゴリオ聖歌のCDをいろいろ聴いてみたくなりました。
CDによっては、ビンゲンに負けない
グレゴリオ聖歌のCDがあるかもしれないので、
聴きやすそうなのを探してみます。
2017年5月29日月曜日
2017年5月22日月曜日
バーンスタイン&ニューヨーク・フィルのマーラー:交響曲第6番《悲劇的》(1967年録音)
アメリカ合衆国の指揮者
レナード・バーンスタイン(1918.8-1990.10)が、
ニューヨーク・フィルを指揮して録音した
オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第6番《悲劇的》を聴きました。
バーンスタイン48歳の時(1967年5月)の録音です。
CD8
マーラー:交響曲第6番イ短調《悲劇的》
レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1967年5月2・6日、ニューヨーク、フィルハーモニー・ホール(現エイヴリー・フィッシャー・ホール)
【Sony Classical 88697943332】2012年6月発売。
第6番《悲劇的》は、
マーラー45歳の時(1906年5月)に初演された作品です。
バーンスタインによるマーラーの旧全集は、
実際に聴き直してみると、
第1番から5番までは思いのほか心惹かれない、
今一つの演奏が続いていたのですが、
前回6番を飛びこえて
先に第7番を聴いてみたところ、
速めのテンポでぐいぐい突き進んでいく、
すみずみまで指揮者の意志がゆきとどいた
手に汗握る演奏で、とても感動しました。
今回一つさかのぼって
第6番《悲劇的》を聴いてみたところ、
第7番と同じタイプの、
速めのテンポでどんどん進んでいく、
バーンスタインの強い意志で貫かれた演奏でした。
どっしり構えたインバル盤と比べれば、
若干落ちつかない印象もあるのですが、
バーンスタインらしい勢いのある棒で、
全体をわかりやすく一気に聴かせてくれるので、
第7番のときと同じように、
この曲を初めて聴いたかのような、
深い感動を味わうことができました。
最初に聴くのに最適な1枚だと思いました。
バーンスタインによる
第6番《悲劇的》と第7番《夜の歌》の旧録音、
今まで注目して来なかったのですが、
バーンスタインらしさ満載の好演奏でした。
レナード・バーンスタイン(1918.8-1990.10)が、
ニューヨーク・フィルを指揮して録音した
オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第6番《悲劇的》を聴きました。
バーンスタイン48歳の時(1967年5月)の録音です。
CD8
マーラー:交響曲第6番イ短調《悲劇的》
レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1967年5月2・6日、ニューヨーク、フィルハーモニー・ホール(現エイヴリー・フィッシャー・ホール)
【Sony Classical 88697943332】2012年6月発売。
第6番《悲劇的》は、
マーラー45歳の時(1906年5月)に初演された作品です。
バーンスタインによるマーラーの旧全集は、
実際に聴き直してみると、
第1番から5番までは思いのほか心惹かれない、
今一つの演奏が続いていたのですが、
前回6番を飛びこえて
先に第7番を聴いてみたところ、
速めのテンポでぐいぐい突き進んでいく、
すみずみまで指揮者の意志がゆきとどいた
手に汗握る演奏で、とても感動しました。
今回一つさかのぼって
第6番《悲劇的》を聴いてみたところ、
第7番と同じタイプの、
速めのテンポでどんどん進んでいく、
バーンスタインの強い意志で貫かれた演奏でした。
どっしり構えたインバル盤と比べれば、
若干落ちつかない印象もあるのですが、
バーンスタインらしい勢いのある棒で、
全体をわかりやすく一気に聴かせてくれるので、
第7番のときと同じように、
この曲を初めて聴いたかのような、
深い感動を味わうことができました。
最初に聴くのに最適な1枚だと思いました。
バーンスタインによる
第6番《悲劇的》と第7番《夜の歌》の旧録音、
今まで注目して来なかったのですが、
バーンスタインらしさ満載の好演奏でした。
2017年5月15日月曜日
インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第6番《悲劇的》(1986年録音)
イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する
ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、
オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第6番《悲劇的》を聴きました。
指揮者50歳の時(1986年4月)の録音です。
グスタフ・マーラー
交響曲第6番《悲劇的》
エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
録音:1986年4月24・26日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73280/1】2012年6月発売。
第6番《悲劇的》は
マーラー45歳の時(1906年5月)に初演された作品です。
音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
第7番《夜の歌》を先に聴いて、
楽譜を隅々まで余裕を持って鳴らした、
懐の深いスケールの大きな演奏に感動し、
第6番《悲劇的》も聴いてみることにしました。
CD2枚にわたる録音だったので、
ある程度予想できたのですが、
これまで自分が聴いてきた中では、
一番ゆっくりとしたテンポでした。
それでもクレンペラーのように間延びすることはなく、
聴いているうちに、
この曲に最もふさわしく思われる
程良いテンポ設定に思えて来て、
感動のうちに聴き終えることができました。
なおこの盤は[Blu-spec CD]ではない、
ふつうのCDもたまたま持っていたので、
そちらも聴いてみたのですが、
【COCO-70475-6】2003年3月発売
オケの音が、
かなり貧弱で無機質に響いてきて、
あまり楽しむことができませんでした。
[Blu-spec CD]を耳にする前であれば、
それほど不満はなかった可能性もありますが、
聴いてしまった後では全く別の演奏にすら聴こえてしまうので、
これから改めて購入される場合は、
ぜひ[Blu-spec CD]盤のほうをお薦めします。
2012年発売の[Blu-spec CD]で聴く限りは、
変な誇張もなく、遅めのテンポでじっくり聴かせる、
でも楽譜の範囲内では十分に熱い、
オーソドックスな名演といって良いと思います。
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する
ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、
オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第6番《悲劇的》を聴きました。
指揮者50歳の時(1986年4月)の録音です。
グスタフ・マーラー
交響曲第6番《悲劇的》
エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
録音:1986年4月24・26日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73280/1】2012年6月発売。
第6番《悲劇的》は
マーラー45歳の時(1906年5月)に初演された作品です。
音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
第7番《夜の歌》を先に聴いて、
楽譜を隅々まで余裕を持って鳴らした、
懐の深いスケールの大きな演奏に感動し、
第6番《悲劇的》も聴いてみることにしました。
CD2枚にわたる録音だったので、
ある程度予想できたのですが、
これまで自分が聴いてきた中では、
一番ゆっくりとしたテンポでした。
それでもクレンペラーのように間延びすることはなく、
聴いているうちに、
この曲に最もふさわしく思われる
程良いテンポ設定に思えて来て、
感動のうちに聴き終えることができました。
なおこの盤は[Blu-spec CD]ではない、
ふつうのCDもたまたま持っていたので、
そちらも聴いてみたのですが、
【COCO-70475-6】2003年3月発売
オケの音が、
かなり貧弱で無機質に響いてきて、
あまり楽しむことができませんでした。
[Blu-spec CD]を耳にする前であれば、
それほど不満はなかった可能性もありますが、
聴いてしまった後では全く別の演奏にすら聴こえてしまうので、
これから改めて購入される場合は、
ぜひ[Blu-spec CD]盤のほうをお薦めします。
2012年発売の[Blu-spec CD]で聴く限りは、
変な誇張もなく、遅めのテンポでじっくり聴かせる、
でも楽譜の範囲内では十分に熱い、
オーソドックスな名演といって良いと思います。
2017年5月8日月曜日
ブレンデルのシューベルト:即興曲集&楽興の時(1962年録音)
チェコスロバキア共和国(現・チェコ共和国)
モラヴィア地方生まれのピアニスト、
アルフレード・ブレンデル(1931.1-)の演奏で、
シューベルトの即興曲集と《楽興の時》を聴きました。
ここしばらく1971-74年録音で、
ブレンデルのシューベルトの作品集を聴いていますが、
廉価盤なのに音がいい、
キープ株式会社さんの復刻シリーズに、
1962年録音で、
ブレンデルのシューベルトが出ていることに気がつき、
聴いてみることにしました。
収録時間の都合で、再販の際に、
即興曲集のほうを2曲削ってあるのが残念ですが、
《楽興の時》は6曲すべて聴くことができます。
シューベルト:
即興曲 変ホ長調 作品90-2 D.899
即興曲 変ト長調 作品90-3 D.899
即興曲 変イ長調 作品90-4 D.899
即興曲 ヘ短調 作品142-1 D.935
即興曲 変イ長調 作品142-2 D.935
即興曲 変ロ長調 作品142-3 D.935
楽興の時 第1番 ハ長調 作品94 D.780
楽興の時 第2番 変イ長調 作品94 D.780
楽興の時 第3番 ヘ短調 作品94 D.780
楽興の時 第4番 嬰ハ短調 作品94 D.780
楽興の時 第5番 ヘ短調 作品94 D.780
楽興の時 第6番 変イ長調 作品94 D.780
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)
録音:1962年〈ステレオ〉ウィーン
【PCD-441】2017年6月発売
ブレンデル31歳の時、
1962年に録音されたシューベルトは、
1970年にフィリップスと専属契約を結ぶ前の録音なので、
ほとんど再販されて来なかったようで、
調べてみると2008年に35枚組で発売された
「アルフレード・ブレンデル・エディション
ヴォックス、ヴァンガード、ターナバウト・レコーディングス」
のなかに見えるくらいでした。
HMVの商品説明を参照すると、
シューベルトは以下の3枚分録音されていたようです。
CD24(1968年録音)
シューベルト:
・ピアノ・ソナタ第19番D.958
・ピアノ・ソナタ第15番D.840『レリーク』
・16のドイツ舞曲D.783
CD25 (1962年録音)
シューベルト:
・4つの即興曲D.899
・楽興の時D.780
・3つの小品D.946
CD26 (1959年、62年録音)
シューベルト:
・幻想曲『さすらい人』D.760
・4つの即興曲D.935
・リスト編:ピアノと管弦楽のための『さすらい人』幻想曲
ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団
ミヒャエル・ギーレン(指揮)
***
実際聴いてみると、
変な自己主張のないオーソドックスな演奏ですが、
表現が上滑りすることなく、
十分に美しいシューベルトの音楽が流れていきました。
若々しい勢いのある演奏で、
ふつに魅力的なシューベルトとしてお勧めできるのですが、
1970年代の再録音と比べると、
ほんの少し構成面で弱さも感じられました。
ですから、
1970年代の録音を押しのける程の、
特別な魅力は感じなかったのですが、
若き日のブレンデルの、
シューベルトへの適性をうかがえる
貴重な1枚に出会うことができました。
モラヴィア地方生まれのピアニスト、
アルフレード・ブレンデル(1931.1-)の演奏で、
シューベルトの即興曲集と《楽興の時》を聴きました。
ここしばらく1971-74年録音で、
ブレンデルのシューベルトの作品集を聴いていますが、
廉価盤なのに音がいい、
キープ株式会社さんの復刻シリーズに、
1962年録音で、
ブレンデルのシューベルトが出ていることに気がつき、
聴いてみることにしました。
収録時間の都合で、再販の際に、
即興曲集のほうを2曲削ってあるのが残念ですが、
《楽興の時》は6曲すべて聴くことができます。
シューベルト:
即興曲 変ホ長調 作品90-2 D.899
即興曲 変ト長調 作品90-3 D.899
即興曲 変イ長調 作品90-4 D.899
即興曲 ヘ短調 作品142-1 D.935
即興曲 変イ長調 作品142-2 D.935
即興曲 変ロ長調 作品142-3 D.935
楽興の時 第1番 ハ長調 作品94 D.780
楽興の時 第2番 変イ長調 作品94 D.780
楽興の時 第3番 ヘ短調 作品94 D.780
楽興の時 第4番 嬰ハ短調 作品94 D.780
楽興の時 第5番 ヘ短調 作品94 D.780
楽興の時 第6番 変イ長調 作品94 D.780
アルフレート・ブレンデル(ピアノ)
録音:1962年〈ステレオ〉ウィーン
【PCD-441】2017年6月発売
ブレンデル31歳の時、
1962年に録音されたシューベルトは、
1970年にフィリップスと専属契約を結ぶ前の録音なので、
ほとんど再販されて来なかったようで、
調べてみると2008年に35枚組で発売された
「アルフレード・ブレンデル・エディション
ヴォックス、ヴァンガード、ターナバウト・レコーディングス」
のなかに見えるくらいでした。
HMVの商品説明を参照すると、
シューベルトは以下の3枚分録音されていたようです。
CD24(1968年録音)
シューベルト:
・ピアノ・ソナタ第19番D.958
・ピアノ・ソナタ第15番D.840『レリーク』
・16のドイツ舞曲D.783
CD25 (1962年録音)
シューベルト:
・4つの即興曲D.899
・楽興の時D.780
・3つの小品D.946
CD26 (1959年、62年録音)
シューベルト:
・幻想曲『さすらい人』D.760
・4つの即興曲D.935
・リスト編:ピアノと管弦楽のための『さすらい人』幻想曲
ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団
ミヒャエル・ギーレン(指揮)
***
実際聴いてみると、
変な自己主張のないオーソドックスな演奏ですが、
表現が上滑りすることなく、
十分に美しいシューベルトの音楽が流れていきました。
若々しい勢いのある演奏で、
ふつに魅力的なシューベルトとしてお勧めできるのですが、
1970年代の再録音と比べると、
ほんの少し構成面で弱さも感じられました。
ですから、
1970年代の録音を押しのける程の、
特別な魅力は感じなかったのですが、
若き日のブレンデルの、
シューベルトへの適性をうかがえる
貴重な1枚に出会うことができました。
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