ラベル ◆ユボー(ジャン) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ◆ユボー(ジャン) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年7月15日日曜日

ユボーのフォーレ:ピアノ作品全集 その4(1988-89年録音)

フランスのピアニスト
ジャン・ユボー(1917-1992)が
71-72歳のときに録音した

フランスの作曲家
ガブリエル・フォーレ(1845.5-1924.11)の
ピアノ曲全集(CD4枚)より、

 小品集  作品84
 前奏曲集 作品103
 ヴァルス・カプリス 作品30/38/59/62
 マズルカ 作品32

を収録する4枚目のCDを聴きました。



フォーレ:ピアノ作品全集 第2集 より

Disc 2
①小品集 作品84
 第1番 カプリッチョ 変ホ長調(1899年6月作曲)⇒2年出版
 第2番 幻想曲 変イ長調(1902年作曲?)⇒2年出版
 第3番 フーガ イ短調(1869年6月作曲)⇒2年出版
 第4番 アダージェット ホ短調(1902年8月作曲)⇒2年出版
 第5番 即興 嬰ハ短調(1901年6月作曲)⇒2年出版
 第6番 フーガ ホ短調(1869年11月作曲)⇒2年出版
 第7番 喜び ハ長調(1902年8月作曲)⇒2年出版

②前奏曲集 作品103
 第1番 変ニ長調(1909年末-10年1月作曲)⇒10年出版
 第2番 嬰ハ短調(1909年末-10年1月作曲)⇒10年出版
 第3番 ト短調(1909年末-10年1月作曲)⇒10年出版
 第4番 ヘ長調(1910年7月作曲)⇒11年出版
 第5番 ニ短調(1910年7月作曲)⇒11年出版
 第6番 変ホ短調(1910年7-8月作曲)⇒11年出版
 第7番 イ長調(1910年9月作曲)⇒11年出版
 第8番 ハ短調(1910年秋作曲)⇒11年出版
 第9番 ホ短調(1910年秋作曲)⇒11年出版

③ヴァルス・カプリス
 第1番 変イ長調 作品30I(1882年作曲?)⇒83年出版
 第2番 変ニ長調 作品38(1884年7月作曲)⇒85年出版
 第3番 変ト長調 作品59(1887-1893年8月作曲)⇒94年出版
 第4番 変イ長調 作品62(1893-94年作曲)⇒94年出版

④マズルカ 変ロ長調 作品32(1875年頃作曲)⇒83年出版

ジャン・ユボー(ピアノ)

録音:1988年10月-1989年4月 パリ、アル・アディアール
【WPCS-10984/5】2001年7月発売

しばらく置きっぱなしにしていましたが、
最後の1枚を聴きました。

聴いてみると、
あまり期待していなかった「①小品集 作品84」が、
フォーレの才能のきらめきを感じる演奏で、
ほかの録音も聴いてみたくなりました。

ただ期待大だった「②前奏曲作品103」は凡庸な印象で、
それほどインスピレーションに富む作品に思えませんでした。

以前から知っていた
「④ワルツ・カプリス」は当然の名演で、
個人的に、フォーレのピアノ曲で一番馴染みやすいのは、
この4曲のワルツだと思っています。

「⑤マズルカ 作品32」は、
ワルツ・カプリスのあとに聴くと、
納まりの良いひとつづきの作品のように聴こえました。


ユボーのピアノは、
心持ちゆっくりめのテンポで、
響きを重視した演奏なので、

フォーレにはぴったりで、
安定感ばつぐんの演奏を聴かせてくれました。

定盤的な演奏として繰り返し聴き込んだ上で、
ほかのピアニストの録音にも挑戦してみようと思います。


※Wikipediaの「ガブリエル・フォーレ」「フォーレの楽曲一覧」
「ジャン・ユボー」の各項目を参照。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2016年5月9日月曜日

ユボーのフォーレ:ピアノ作品全集 その3

フランスのピアニスト
ジャン・ユボー(1917-1992)が
71-72歳のときに録音した

フランスの作曲家
ガブリエル・フォーレ(1845.5-1924.11)の
ピアノ曲全集(CD4枚)

CD3枚目を聴きました。
舟歌全13曲が収められています。


フォーレ
ピアノ作品全集第2集より

CD1
舟歌 第1番 イ短調 作品26(1881年頃)※36歳
舟歌 第2番 ト長調 作品41(1885年)※40歳
舟歌 第3番 変ト長調 作品42(1885年)※40歳
舟歌 第4番 変イ長調 作品44(1886年)※41歳
舟歌 第5番 嬰ヘ短調 作品66(1894年9月)※49歳
舟歌 第6番 変ホ長調 作品70(1895年頃)※50歳
舟歌 第7番 ニ短調 作品90(1905年8月)※60歳
舟歌 第8番 変ニ長調 作品96(1905-06年)※60歳
舟歌 第9番 イ短調 作品101(1908-09年)※63歳
舟歌 第10番 イ短調 作品104-2(1913年8-10月)※68歳
舟歌 第11番 ト短調 作品105(1913-14年)※68歳
舟歌 第12番 変ホ長調 作品106(1915年8-9月)※70歳
舟歌 第13番 ハ長調 作品116(1921年2月)※76歳

ジャン・ユボー(ピアノ)
録音:1988年10月-89年4月、アル・アディアール、パリ
【WPCS-10984/5】2001年発売

全集の第1集(CD1・2)から少し時間が空きました。

その間に、
安さにひかれて輸入盤(2008年発売)の全集を買って、
そちらで続きを聴くつもりだったのですが、

国内盤に比べて音の芯が抜け落ちている印象で、
こんな演奏ではなかったはず、
と思っているうちにフォーレから遠ざかっていました。



今年の春に、
2001年発売の国内盤の第2集(CD3・4)を買い直し、
聴き直してみたところ、以前の記憶が甦りました。

ユボーのフォーレ:ピアノ曲全集は
ほかにも何種類か出ていますが、
2001年発売の国内盤は安心の音質です。


  ***

生涯にわたって13曲も
舟歌と呼ばれる作品を作曲したのはフォーレだけです。

夜想曲以上に、
フォーレの個性が色濃く出された作品群といえるのかもしれません。

ショパンにも
舟歌(嬰ヘ長調 作品60/1846年作曲)がありますが、1曲だけ。

まとめて聴くのは初めてのことで、
初めのうちはどれも似たような曲に聴こえましたが、

ほんわかとゆらゆら小舟にゆられている心持ちで、
何度か聴き通しているうちに、

ああこれが舟歌かと納得できるところがありました。

半年余りただ聴き流してきただけでは、
まだまだどれが何番なのかよくわからない状態なのですが、

全13曲で1時間近く、
明るく穏やかな空間が醸し出されていくのを、
ふつうに楽しめるようになりました。

夜想曲のように、
わかりやすいメロディはそれほどないので、
コンサートで全13曲を続けて弾いて、
飽きずに聴かせるのは困難なように思われますが、

CDで聴く分には、
春の夜長のBGMとして最適な音楽が流れていきました。

ユボーさんの演奏、
私にはテンポがとても自然に感じられます。

あまり速いと、心にひっかかることなく、
さらさら流れていってしまいますが、
あまりに遅いのも、ゴツゴツした印象で興ざめしてしまいます。

絶妙なテンポ感のもと、
和声の魅惑的なゆらぎに心動かされる
ユボーさんのフォーレ、

あと1枚分残っていますので、
聴き進めたいと思います。


※Wikipediaの「ガブリエル・フォーレ」「フォーレの楽曲一覧」「ジャン・ユボー」の各項目を参照。

2013年4月15日月曜日

ユボーのフォーレ:ピアノ作品全集 その2


フランスのピアニスト
ジャン・ユボー(1917-1992)が
71-72歳のときに録音した

フランスの作曲家
ガブリエル・フォーレ(1845.5-1924.11)の
ピアノ曲全集(CD4枚)、
CD2枚目です。


フォーレ
ピアノ作品全集第1集より

CD2
1) 主題と変奏 嬰ハ短調 作品73(1895年)※50歳
2) 即興曲
  第1番 変ホ長調 作品25(1881年)※36歳
  第2番 ヘ短調 作品31(1883年)※38歳
  第3番 変イ長調 作品34(1883年頃)
  第4番 変ニ長調 作品91(1905-06年)※60歳
  第5番 嬰ヘ短調 作品102(1909年)※64歳
3) 3つの無言歌 作品17(1863頃)※18歳
  第1番 変イ長調
  第2番 イ短調
  第3番 変イ長調

ジャン・ユボー(ピアノ)
録音:1988年10月-89年4月、アル・アディアール、パリ
【WPCS-10982/3】


1) 主題と変奏 嬰ハ短調 作品73 は、

フォーレ50歳のとき(1895年秋)に作曲され、
翌年12月に初演された作品です。
主題と11の変奏からなります。

初めて聴きました。

フォーレらしからぬシリアスな出だしに、
すぐに思い浮かんだのが、
バッハのシャコンヌ(無伴奏Vn.のための)。

バッハのと比べると、
後半から終結部にかけてはあっさりしていて、
肩透かしにあった感じもありました。

それもまたフォーレらしいということでしょうか。

フォーレの独奏曲で、
1曲だけ選ぶのであれば、これになりそうです。
ぜひ、他の演奏家のも聴いてみたいです。


2) 即興曲 は、

30代後半に3曲、60代前半に2曲の計5曲作曲されています。

 第1番 変ホ長調 作品25(1881年)※36歳
 第2番 ヘ短調 作品31(1883年)※38歳
 第3番 変イ長調 作品34(1883年頃)

 第4番 変ニ長調 作品91(1905-06年)※60歳
 第5番 嬰ヘ短調 作品102(1909年)※64歳

まさしく「即興」風のフランス音楽で、
気軽に楽しめる小品が続きます。

よく聴くと、
後半2曲の方が深みはありそうですが、
率直なわかりやすさは、前半3曲の方が上のように思いました。

もう1曲、
ハープの原曲から編曲された1曲を、

 第6番変ニ長調 作品86 bis

とすることもあるようですが、このCDには収められていません。


3) 3つの無言歌 作品17 は、
フォーレ18歳(1863年)のころの作品と推定されています。

  第1番 変イ長調
  第2番 イ短調
  第3番 変イ長調

軽めの美しい小品です。
コンサートのアンコールなどで弾いたら、
さわやかな微風が吹き抜けていくようで、
いい感じかもしれません。


※Wikipediaの「ガブリエル・フォーレ」「フォーレの楽曲一覧」
「ジャン・ユボー」の各項目を参照。

※ピティナ・ピアノ曲事典「フォーレ」の項目を参照。

2012年11月28日水曜日

ユボーのフォーレ:ピアノ作品全集 その1

フランスのピアニスト
ジャン・ユボー(1917-1992)が
71-72歳のときに録音した

フランスの作曲家
ガブリエル・フォーレ(1845-1924)の
ピアノ曲全集(CD4枚)を聴いていきます。

まずはCD1・2に収録されている
「夜想曲」(全13曲)から。



フォーレ
ピアノ作品全集第1集より
CD1
夜想曲第1番 変ホ短調 作品33-1(1883年)※38歳
夜想曲第2番 ロ長調 作品33-2(1883年)
夜想曲第3番 変イ長調 作品33-3(1883年)
夜想曲第4番 変ホ長調 作品36(1885年)※40歳
夜想曲第5番 変ロ長調 作品37(1885年)
夜想曲第6番 変ニ長調 作品63(1894年)※49歳
夜想曲第7番 嬰ハ短調 作品74(1899年)※54歳
夜想曲第8番 変ニ長調 作品84-8(1902年)※57歳
夜想曲第9番 ロ短調 作品97(1908年)※63歳

CD2
夜想曲第10番 ホ短調 作品99(1909年)※64歳
夜想曲第11番 嬰ヘ短調 作品104-1(1913年)※68歳
夜想曲第12番 ホ短調 作品107(1916年)※71歳
夜想曲第13番 ロ短調 作品119(1922年)※77歳
(以下略)

ジャン・ユボー(ピアノ)
録音:1988年10月1989年4月、アル・アディアール、パリ
【WPCS-10982/3】


フォーレのピアノ曲との出会いは、
もう十年以上前のこと、

フランスのピアニスト、
エリック・ハイドシェック(1936- )さんが
24・26歳のときに収録した「夜想曲」全集を聴いたのが
初めてでした。


しかしそのときは、
ショパンの夜想曲のようなスタイルを想像していたため、
ずいぶん異質な音楽に戸惑い、

つかみどころがない感じがして、
よくわからないまま終わってしまいました。


美しいけれども
断片的に過ぎるメロディが浮かんでは消え、
調性も不安定な感じで、

いったいどこを楽しめばよいのだろう、
と思いました。


それから時折、
聴き返すことはありましたが、
同じ印象しか持ちませんでした。


しかし最近になって、ようやく
私の耳がフォーレに馴染んできたのか、

メロディでなく、和声のゆらぎを聴くんだなと、
ふと開眼する瞬間がありました。


音のかたまりをそのまま受け止めて、
絶妙にうつろいゆく和音のゆらぎを楽しむ感覚は、

バッハのオルガン曲を聴くとき、
和音のかたまりに身を委ねるのに似ているかもしれません。


そんな体験をしたのは、
最初のうちはよくわからなかった
ハイドシェックさんのCDだったのですが、



この録音、惜しむらくは音質があと一歩で、
ほかに良いCDはないかと探していたところ、

ユボーさんの録音に出会いました。

音質は極上、
演奏もゆったりとしたテンポで、
すべての音をいつくしみながら丁寧に表現されていて、

フォーレ独特の詩情あふれる名演奏です。


  ***

今回しばらく夜想曲を聴き直してみて、

どれもゆったりした曲調なので、
13曲続けて聴くのは若干しんどいように感じました。

コンサートなどで取り上げる場合、
次の4つのかたまりで弾かれると、
全体像がつかみやすいように思いました。

夜想曲第1番 変ホ短調 作品33-1(1883年)※38歳
夜想曲第2番 ロ長調 作品33-2(1883年)
夜想曲第3番 変イ長調 作品33-3(1883年)

夜想曲第4番 変ホ長調 作品36(1885年)※40歳
夜想曲第5番 変ロ長調 作品37(1885年)
夜想曲第6番 変ニ長調 作品63(1894年)※49歳

夜想曲第7番 嬰ハ短調 作品74(1899年)※54歳
夜想曲第8番 変ニ長調 作品84-8(1902年)※57歳
夜想曲第9番 ロ短調 作品97(1908年)※63歳
夜想曲第10番 ホ短調 作品99(1909年)※64歳

夜想曲第11番 嬰ヘ短調 作品104-1(1913年)※68歳
夜想曲第12番 ホ短調 作品107(1916年)※71歳
夜想曲第13番 ロ短調 作品119(1922年)※77歳

第1~3番は、
もともと作品33でひとまとまりなのですが、
実際一番わかりやすいと思います。
ほんの少しショパンの影響も感じられるようでした。

第4~6番は、
恐らく夜想曲の中で最も充実した3曲で、
フォーレらしい高貴で親しみやすい音楽です。

第7番からは、
軽めの第8番をはさみながらも、
徐々に難渋さを増していく感じがあります。

とくに第11-13番は、
ユボーさんの演奏だと、
晩年の物寂しい情感がそのまま反映されているようで、
私にはまだ良くわかりかねるところもありました。


演奏は、
6番まではユボーさんの
ゆったりしっとりじっくりと歌わせる感じが
今のお気に入りです。

7番からは
一気呵成にかけぬける
ハイドシェックさんの方がわかりやすく、
強い説得力がありますが、

さすがに若さゆえ軽過ぎの感もあります。


恐らくまた少し年齢を重ねると、
より一層フォーレの音楽が身にしみるようになって来ると思うので、
また感想を改めたいと思います。


※Wikipediaの「ガブリエル・フォーレ」「ジャン・ユボー」「エリック・ハイドシェック」の各項目を参照。

※作品の成立年代は、



 藤井一興/フォーレ:夜想曲集【FOCD-3465】
 に収録されている西原稔氏のCD解説を参照しました。

 藤井さんの演奏は、
 楽譜に正確によく再現されていますが、
 フォーレ独特のむせ返るような詩情にはとぼしく、
 私には全体的に違和感がありました。

 決して無味乾燥な演奏ではないので、
 ユボーやハイドシェックを聴く前であれば、
 十分に楽しめると思います。