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2018年10月7日日曜日

ノイマン&チェコ・フィルのドヴォルザーク:交響曲第2番(1987年録音)

チェコの指揮者
ヴァーツラフ・ノイマン
(Václav Neumann, 1920年9月29日-95年9月2日)
の指揮する

チェコのオーケストラ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
の演奏で、

チェコの作曲家
アントニン・ドヴォルザーク
(Antonín Dvořák, 1841年9月8日-1904年5月1日)の
交響曲第2番 変ロ長調 作品4 を聴きました。


ドヴォルザーク
交響曲第2番 変ロ長調 作品4 B.12

ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1987年10月1-2日、プラハ、ルドルフィヌム(芸術家の家)
【COCO-70880】2008年12月発売


ドヴォルザークが23歳の時に、
ドイツのコンクールに応募するために作曲され、
1865年3月24日に完成されたのが
交響曲第1番です。

第2番の作曲もすぐに取りかかり、
半年後の同年(1865)10月9日、
ドヴォルザーク24歳の時に完成しました。

第1番にも増して長大な作品であったため、
完成後間もなく、
第1・4楽章に大幅なカットを行うなど、
大幅な改訂が行われましたが、
しばらく演奏されることはありませんでした。

完成から20年余りをへた1887年5月に、
それまでに作曲された
 第3番 変ホ長調
 第4番 ニ短調
 第5番 ヘ長調
とともに出版の機会を探るべく、
改めて校訂が行われましたが、
ヘ長調の交響曲以外は出版に至りませんでした。

その翌年(1888)3月11日、
さらに小規模のカットを施した上で、
ようやく(若いころに書かれた第1交響曲の紹介として)初演する機会を得ました。

楽譜は生前に出版されることはなく、
ドヴォルザークの没後55年をへた
1959年に初めて出版されました。

 ※主に藤田由之氏のCD解説を参照。


  ***

ノイマン指揮の
第1交響曲が思いのほか楽しめたので、
期待して第2番も聴いてみました。

すると残念ながら、
個々に美しいメロディは見出されるものの、
全体としてまとまりに乏しく、
途中で飽きが来て、最後まで聴き通すのは辛い内容でした。

第1番は拙いなりに非凡な才能を感じさせ、
それなりに聴き通せる作品に仕上がっていたのですが、

第2番は第1番から時間をあけずに作曲され、
良いものを出し尽くしていたからなのか、
色々工夫した挙げ句どうにも収拾がつかなかった、
まとまりの悪い作品であるように感じました。

ある程度聴きなじんでいた第1番に比べ、
第2番はまったく初めて聴いたので、
今後印象が変わる可能性もありますが、
最初の感想はこんな風になりました。

今後よりおもしろい演奏に出会えることを祈りつつ、
第3番に進みたいと思います。



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2018年9月16日日曜日

ノイマン&チェコ・フィルのドヴォルザーク:交響曲第1番(1987年録音)

チェコの指揮者
ヴァーツラフ・ノイマン
(Václav Neumann, 1920年9月29日-95年9月2日)
の指揮する

チェコのオーケストラ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
の演奏で、

チェコの作曲家
アントニン・ドヴォルザーク
(Antonín Dvořák, 1841年9月8日-1904年5月1日)の
交響曲第1番《ズロニツェの鐘》を聴きました。


ドヴォルザーク
交響曲第1番ハ短調 B.9《ズロニツェの鐘》

ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1987年6月15-17日、プラハ、ルドルフィヌム(芸術家の家)
【COCO-70880】2007年12月発売

交響曲第1番は、
ドヴォルザークが23歳の時(1865)に、
ドイツのコンクールに応募するために作曲され、
1865年3月24日に完成されました。

しかしコンクールに入賞せず、
総譜も返却されなかったため、
長らく紛失したと考えられていました。

完成から17年をへた1882年、
プラハの学生ルドルフ・ドヴォルザークが、
ライプツィヒの古書店で偶然、総譜を発見し、
同姓という興味から購入していたのですが、

作曲者とは何の血縁関係もなかったことから、
作曲者ドヴォルザークが知るよしもなく、
総譜はそのままルドルフのもとに留め置かれました。

作曲者ドヴォルザークは、
総譜の存在を知らぬまま1904年に亡くなりましたが、
発見者ルドルフも、
総譜を放置したまま1920年に亡くなりました。

放置された総譜は、
発見者の息子ルドルフ(父と同名)が、
改めて父の遺品の中から発見し、
1923年にこれを世に紹介することによって、
初めて存在が明らかになりました。

初演は1936年10月4日に行われましたが、
息子ルドルフの同意が得られなかったことから、
出版は見送られました。

ルドルフが亡くなった後、1960年5月に、
未亡人のヴィレーミナ・ドヴォルザーク夫人が、
総譜をアントニン・ドヴォルザーク協会に献呈したことで、
ようやく出版が許諾され、
1961年に初めて総譜が出版されました(アルティア版)。

※以上、おもにCD添付の藤田由之氏による解説を参照。


  ***

今春インターネット上で、
「スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデン」
のドヴォルザークを試聴し(各曲30秒ほど)、
オケの充実した響きに魅了され、
初期の交響曲のCDを買ってみました。

しかしいざ聴いてみると、
出だしの飛び切り美しい響きにうっとりするものの、
全体に似たような曲調が続いてメリハリに乏しく、
聴き通すのがつらくなりました。

作品自体が弱いようにも感じましたが、

一度は本場のコンビで聴いておこうと、
ノイマン&チェコ・フィルのCDを聴いてみたところ、
これが大正解。

特別なことをしている風ではないのですが、
作曲者の意図をくんで、ごく自然に、
楽譜の弱さを補う演奏ができているようで、

どこもかしこも美しく響いて、
飽きる間もなく、感動のうちに聴き終えることができました。

演奏の仕方によっては、
構成面での弱さを感じさせることなく、
魅力に溢れたメロディの連続を楽しませてくれる
優れた作品であることがわかりました。

スウィトナーとはまるで違う曲を聴いているようでした。

まだそこれほど色々聴いたわけではないのですが、
ノイマン&チェコ・フィルの演奏を基準に、
ほかにも聴いてみたいと思いました。



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2015年9月1日火曜日

ノイマン&チェコ・フィルのマーラー:交響曲第3番(1981年&94年録音)

チェコの指揮者
ヴァーツラフ・ノイマン(1920.9-1995.9)の指揮する

チェコのオーケストラ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、

オーストリアの作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第3番ニ短調を聴きました。


グスタフ・マーラー
交響曲第3番ニ短調

マルタ・ヴェニャチコヴァ(アルト)
ミロスラフ・ケイマル(ポストホルン)
プラハ室内合唱団
(合唱指揮:ルボミール・マーテル)
チェコ・フィルハーモニック少年少女合唱団
(合唱指揮:イルジー・フワーラ)

チェコ・フィルハーモニック管弦楽団
ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)

録音:1994年8月31日、9月1-3日、5-7日、プラハ、芸術の家 ドヴォルザーク・ホール
【EXTON OVCL-00253】2006年9月発売

マーラーの交響曲第3番は、

35歳の夏(1895)に第2-6楽章、
翌年に第1楽章が作曲され、8月までに完成されました。

41歳の時(1902.6)に全曲初演されました。

交響曲第2番は
35歳の冬(1894.12)に全曲初演されたので、

それほど間を置くこともなく、
第3番が作曲されていたことがわかります。


  ***

ノイマン73歳の時(1994.8)の録音です。
(※9月29日が誕生日。あと3週間ほどで74歳。
  翌年9月2日に逝去。)

いろいろ聴いてきたなかで、
現在、一番気に入っているのは
ノイマン&チェコ・フィルの新盤です。

バーンスタインのように
力に任せて押しまくるところが皆無で、
どこも力が抜けているにもかかわらず、

表現の彫りは深く、
心にずっしりと響いてくるのが特徴的です。

自然で穏当な流れを基調としつつも、
無味乾燥に流れていくわけではなく、

すみずみまで指揮者の意図がゆきわり、
楽しく美しく、感動的な演奏が繰り広げていました。

目の覚めるような、
冴え冴えとした何かがあるわけではなく、
物凄い推進力で聴く者を引きずりんでいくこともないので、

初めて聴いて、
強烈な印象を受ける演奏ではないかもしれませんが、

曲がよくわかってくるにつれ、
内容の深さに驚かされる演奏だと思います。

優れた指揮者とオーケストラが、
長い年月をかけて練り上げ到達した境地を聴く思いです。


サロネン盤も良かったのですが、

サロネンの方が、楽譜の読みが独特で、
響きのユニークなマーラーに仕上がっているのに対して、

ノイマン盤のほうが曲の隅々まで知り尽くした上で、
オーソドックスな奏法で極めつきの名演を聴かせてくれていました。

サロネン盤も、
明るく楽しく美しい点では負けていないのですが、
感動面ではさすがに一歩譲ると思います。


  ***

ノイマンはこの11年前、
61歳の時(1981.12)にもマラ3を録音しています。

グスタフ・マーラー
交響曲第3番ニ短調

クリスタ・ルートヴィヒ(コントラルト)
チェコ・フィルハーモニー合唱団
(合唱指揮:ヨゼフ・ヴェセルカ)
キューン児童合唱団
(合唱指揮:イジー・フヴァーラ)

チェコ・フィルハーモニック管弦楽団
ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)
録音:1981年12月16-19日、プラハ、芸術の家
【SUPRAPHON 50CO-2444/45】1988年7月発売

古本屋で偶然、格安で見つけて手に入れました。

演奏は、
旧盤のほうが覇気に富んでいて、
一気に全曲を聴き通せる力のある演奏で、
非常に優れていると思うのですが、
録音に問題がありました。

これまでブログで上げてきたマラ3の中では、
いかにも昭和といった感じの一番古めかしい音がしました。

CDが出始めたころにありがちな、
固めの音質で聴きにくいです。

恐らくリマスタリング次第で、
全然違った演奏に聴こえるはずなので、
もっと最近に再販されたものを探して、
聴き直してみたいと思います。

※WIkipediaの「グスタフ・マーラー」「交響曲第3番(マーラー)」を参照。

2012年2月20日月曜日

小林研一郎&チェコ・フィルのベートーヴェン:交響曲第4&6番「田園」



ベートーヴェン
交響曲第4番 変ロ長調 作品60
交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
小林研一郎(指揮)

録音:2010年11月18・19日(第6番)
   2011年10月20-22日(第4番)
   プラハ、ルドルフィヌム、ドボルザークホールにてライブ録音
【OVCL-00456】


コバケンさんのベートーヴェン、
第4番と第6番「田園」を聴きました。

強い自己主張で、
聴く人をねじ伏せるような演奏ではなく、
曲の叙情的な側面と、コバケンさんの個性とが
ほどよくブレンドされていて、

もう少し、
アクの強さを感じさせる部分があっていいかな、
とも思いますが、

聴くほどに味わいが増して来る、
曲自体の良さを再確認させられる演奏でした。

正直なところ、
はじめに聴いた時は、
さらさらと流れていくだけで、
何もしていないように聴こえて、
あれっ?と思ったのですが、

3度4度と聴き込むごとに、
コバケンさんの個性がじわりと効いてきて、
だんだんと好きな演奏になって来ました。

はじめは4番の方が良い出来に聴こえたのですが、
今は「田園」のほうが好きです。


でもやはり「田園」は難しい曲ですね。

十分に美しく、
楽しませてもらいしたが、

最高の名盤というには、
ほんの少し、欠ける部分があるようです。

今後はぜひ、
日本のオケとも解釈を練りあげて、
もう一段高いところにある「田園」を聴かせてもらえたら、
いいなあ、と思っております。

2011年9月17日土曜日

小林研一郎&チェコ・フィルのベートーヴェン:交響曲第2・5番



ベートーヴェン
交響曲第2番ニ長調作品36
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
Czech Philharmonic Orchestra
小林研一郎(指揮)
Ken-ichiro Kobayashi (conductor)

録音:2010年4月29・30日(第2番)、
  2010年11月18・19日(第5番)、
  プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホール
【OVCL-00440】


コバケンさんとチェコ・フィルによる充実のベートーヴェン。

先に第1・7番を紹介しましたが、
その前に発売されたのが、第2・5番です。

今風の流行には背を向け、
現代的なオーケストラの威力を十分に発揮させ、
楽譜への音楽的な解釈だけで勝負するところが好ましいです。

チェコ・フィルの響きは、
いわゆるドイツ風の重々しいゴツゴツしたものではなく、
イギリス風ののっぺりした感じを
もう少し柔らかく、華やかにしたような、
しかしフランス風の軽やかさと比べれば、
もう少し重心を低くした感じで、

チェコ・フィル独自の個性的な響きをもっています。

私がこれまでイメージしていた
ベートーヴェンの響きとは少し違うのですが、
とても音楽的で、清新な感じがあって、
ベートーヴェンの異なった側面をみるようで、とても楽しいです。

指揮者によっては、
サラサラ通りすぎていくだけの、
あまり面白みのないベートーヴェンになっていたかもしれませんが、

円熟味を増しつつあるコバケンさんの指揮のもと、
説得力のある音楽的で充実した演奏を繰り広げています。


第2番は、オケを存分に歌わせた、
メロディの美しさにあふれた演奏です。

オケを素のままに鳴らした、というよりは、
細部までコバケンさんの意志が行き渡っており、
最近の流行に背を向けている分、
ああ、オケってこんなに美しい響きがするんだな、
と再発見するところの多い演奏でした。

第5番は、
オケのふくよかな響きと、音楽的な流れを重視する中で、
コバケンさんの強い意志の力も感じられる名演奏です。

全体の流れが滞ることはありませんが、
快速に飛ばしてしまうこともなく、
造形を大切にした「運命」です。

第2・5番ともに、
あまり誰それの路線で、と比喩できない、
コバケンさんの個性が刻印された、しかし音楽的な自然な流れを失わない名演だと思います。

2011年7月22日金曜日

小林研一郎&チェコ・フィルのベートーヴェン:交響曲第1・7番



ベートーヴェン
交響曲 第1番 ハ長調 作品21
交響曲 第7番 イ長調 作品92


チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
小林研一郎(指揮)


2011年4月14~16日、
プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホールにてライブ収録。
【OVCL-00445】

コバケンさんのベートーヴェンが良くなってきたのは最近のことです。

かつては、ベートーヴェンやブラームスになると、
CDでは響きが耳にうるさく、あまり楽しめなかったのですが、

60代後半に2度、大晦日に、交響曲全9曲を取り上げたあたりから、
響きにぐっと深みを増してきて、すばらしい演奏が聴かれるようになったと思います。


第3番、第2・5番と聴いてきて、
今回の第1・7番はさらに輪をかけて素晴らしい仕上がりとなりました。

コバケンさんのベートーヴェンは、
古楽器風の新しい奏法に組みすることなく、
真正面から楽譜を読み込んで、昔ながらのオケの響きを重視して、
真摯に音楽を紡いでいく正攻法。

第3番では少々力が入り過ぎている感もあったのですが、
第2・5番はうまく力がぬけて、音楽的な、歌にあふれた演奏になっていました。

今回の第1番は、第2番と同じ路線。
かつてのブルーノ・ワルターを思い出しましたが、私はこちらのほうが好きです。


第7番は、驚きました。
ここまで立派な、しかし音楽的な演奏は聴いたことがありません。
やわらかい歌にあふれながら、
全体の構成感も揺るぎないのは流石です。

第5番のときの立派さに、
第3番のときの意志の強さをかけ合わせたような、
めったに聴かれない第7になりました。

今年の秋に第4・8番を取り上げて、
あとは第9を残すのみとなるはずなので、
ぜひとも完結させていただきたいです。

欲をいえば、
この成果をもとに、日本のオーケストラとも、
さらなる高みに達したベートーヴェン全集を作ってほしいな、
と願っております。