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2018年5月7日月曜日

テイト&イギリス室内管弦楽団のモーツァルト:交響曲全集その3(1993・95年録音)

イギリスの指揮者
ジェフリー・テイト
(Jeffrey Tate, 1943年4月- )の指揮する
イギリス室内管弦楽団の演奏で、

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756年1月-91年12月)の
交響曲全集(全12枚)の3枚目を聴きました。

テイト50・52歳の時(1993・95年)の録音です。


モーツァルト(1756–1791)
Disc3
①交響曲(第47番)ニ長調 K.97/K.73m
②交響曲(第45番)ニ長調 K.95/K.73n
③交響曲 第11番 ニ長調 K.84/K.73q
④交響曲 第10番 ト長調 K.74
⑤交響曲(第42番)ヘ長調 K.75
⑥交響曲 第12番 ト長調 K.110/K.75b
⑦交響曲(第46番)ハ長調 K.96/111b

イギリス室内管弦楽団
ジェフリー・テイト(指揮)
録音:1993・95年、ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ
【Warner Classics 50999/9/84638/2/4】Disc3

CD3にはモーツァルトが
14・15歳の時(1870・71年)に作曲された
6曲の交響曲が収録されています。

①交響曲(第47番)ニ長調 K.97/K.73m
 14歳の時(1770年4月)にローマで作曲されたと推測されている。
 これはアインシュタインによって、
 ケッヘル第3版において示された判断であるが、
 確たる証拠があるわけではない。

 ブライトコップフ社の手書き目録によって、
 かつて同社が、パート譜の筆写譜を所持していたことが知られるが、
 現在は散逸。一次史料による調査ができない状態であり、
 モーツァルトの真作かどうか議論の余地が残る。

②交響曲(第45番)ニ長調 K.95/K.73n
 14歳の時(1770年4月)にローマで作曲されたと推測。
 上記①に同じ経緯をもつ作品で、
 真作かどうか議論の余地がある。

③交響曲 第11番 ニ長調 K.84/K.73q
 自筆譜は現存しないが、残された写本から、
 14歳の時、ミラノで作曲され(1770年2月)、
 ボローニャで完成(同年7月)されたと推測されている。

 ただし写本のなかには、
 父レオポルドの作品とするものもあるので、
 真作かどうかは議論の余地が残る。

④交響曲 第10番 ト長調 K.74
 自筆譜が現存し、真作であることは疑いはない。
 作曲時期は明記されていないが、
 状況証拠から14歳の時、
 1770年7月以降にミラノで作曲されたか、
 同年4月にローマで作曲されたかのいずれかと推定されている。

⑤交響曲(第42番)ヘ長調 K.75
 1771年3月に最初のイタリア旅行から帰り、
 5ヶ月後の同年8月、2度目のイタリア旅行へと出発するが、
 それまで、ザルツブルクにいる間に作曲された
 2つの交響曲のうちの1つと推測されている。

 しかし自筆譜はもとより、
 筋の良い筆写譜すら現存していないので、
 真作かどうか議論の余地が残る。

⑥交響曲 第12番 ト長調 K.110/K.75b は、
 1771年7月にザルツブルクで作曲。
 自筆譜が現存しており、⑤に記した
 2つの交響曲の1つであることが確かめられている。

⑦交響曲(第46番)ハ長調 K.96/111b は、
 1771年11月頃にミラノで作曲されたと推測。
 上記①と同じ経緯の作品で、
 真作かどうか議論の余地がある。


モーツァルトの交響曲では、1879-81年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から刊行された
旧全集の通番(第1-41番)が今も便宜上使われています。

これは1862年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された
ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル
(Ludwig von Köchel, 1800年1月- 1877年6月)による
『モーツァルト全音楽作品の年代別主題別目録 Chronologisch-thematisches Verzeichniss sämmtlicher Tonwerke Wolfgang Amade Mozart's 』にもとづく分類です。

※海老澤敏・吉田泰輔監修
 『全作品解説事典 モーツァルト事典』
 (東京書籍、1991年11月)を参照。


  ***

ジェフリー・テイトが指揮する
イギリス室内管弦楽団による
モーツァルトの交響曲全集、
3枚目を聴きました。

しばらく時間が空きましたが、
時折引っ張り出しては聴き返していました。

まだ14歳までに作られた曲なので、
そこまでの深みや個性に期待するわけには行かないのですが、

仕事や勉強しながら聴くのに
BGMとしてぴったりのCDで、
心洗われるひと時を過ごすことが出来ました。

清々しい風が吹き抜けていくような、
疲れた心を軽く明るくしてくれる佳曲揃いだと思います。

ただし、
ただ聴き流しているだけでは、
それぞれの曲の個性まで感じ取ることは難しく、
どれが第何番なのか言い当てることは、
まだ出来ていません。

それでもかなり聴き込んで来たことは確かなので、
そろそろ次の1枚に進みたいと思います。





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2017年6月5日月曜日

テイト&イギリス室内管のモーツァルト:交響曲全集その2(1993・95年録音)

イギリスの指揮者
ジェフリー・テイト
(Jeffrey Tate, 1943年4月- )の指揮する
イギリス室内管弦楽団の演奏で、

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756年1月-91年12月)の
交響曲全集(全12枚)の2枚目を聴きました。

テイト50・52歳の時(1993・95年)の録音です。


モーツァルト(1756–1791)
Disc2
①交響曲 第7番 ニ長調 K.45
②交響曲 第6番 ヘ長調 K.43
③交響曲(第55番)変ロ長調 K.45b/K.Anh214
④交響曲 第8番 ニ長調 K.48
⑤交響曲 第9番 ハ長調 K.73/K.75a
⑥交響曲(第44番)ニ長調 K.81/K.73l

イギリス室内管弦楽団
ジェフリー・テイト(指揮)
録音:1993・95年、ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ
【Warner Classics 50999/9/84638/2/4】Disc2

CD2にはモーツァルトが
11歳から14歳まで(1867-70年)に作曲された
6曲の交響曲が収録されています。

①交響曲 第7番 ニ長調 K.45 は、
 12歳の時(1768年1月)にウィーンで作曲。

②交響曲 第6番 ヘ長調 K.43 は、
 11歳の時(1767年秋-12月)にウィーンおよびオルミュッツで作曲。

③交響曲(第55番)変ロ長調 K.45b/K.Anh214 は、
 恐らく12歳の時迄(1768年初頭以前)にウィーンで作曲。
 ケッヘル目録の初版では楽譜が紛失していた作品。
 目録第3版の編者アインシュタインが、
 ベルリンの図書館でパート譜を発見した。
 自筆譜ではないので議論の余地が残る。

④交響曲 第8番 ニ長調 K.48 は、
 12歳の時(1768年12月)にウィーンで作曲。

⑤交響曲 第9番 ハ長調 K.73/K.75a は、
 13歳の時(1769年末?)にザルツブルクで作曲。

⑥交響曲(第44番)ニ長調 K.81/K.731 は、
 14歳の時(1770年4月25日)に、
 ヴォルフガング・アマデオ・モーツァルトによって
 作曲されたとする筆者不明の手稿譜が伝わるが、
 父レオポルドの作品とする状況証拠も多く、
 議論の余地が残る。


モーツァルトの交響曲では、1879-81年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から刊行された
旧全集の通番(第1-41番)が今も便宜上使われています。

これは1862年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された
ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル
(Ludwig von Köchel, 1800年1月- 1877年6月)による
『モーツァルト全音楽作品の年代別主題別目録 Chronologisch-thematisches Verzeichniss sämmtlicher Tonwerke Wolfgang Amade Mozart's 』にもとづく分類です。

このCDには、
旧全集における通番、
第6・7・8・9番と44・55番の
交響曲6曲が収録されています。


※海老澤敏・吉田泰輔監修『全作品解説事典 モーツァルト事典』(東京書籍、1991年11月)を参照。


  ***

ジェフリー・テイトが指揮する
イギリス室内管弦楽団による
モーツァルトの交響曲全集、
2枚目を聴きました。

1枚目のときは、さすがに若書きで、
耳が慣れるまで多少退屈な印象があったのですが、

2枚目は1枚目よりもう少し、
曲の内容も充実してきたようで、

初めから終わりまで耳を奪われる美しさで、
飽きることなく聴き通すことができました。

繰り返し聴いたからといってつまらなくなることもなく、
BGMとして聴くのに最適な、明るく楽しく美しい、
軽めの音楽に心を癒やされました。

しかしながら、後期の曲ほど
それぞれの個性が際立っているわけではありませんので、

どれが第何番なのかは、
7、8回聴いたくらいではあまり記憶に残りませんでした。

しばらく聴いてきましたので、
そろそろ3枚目に進もうと思います。

2017年4月10日月曜日

テイト&イギリス室内管のモーツァルト:交響曲全集 その1(1993・95年録音)

イギリスの指揮者
ジェフリー・テイト
(Jeffrey Tate, 1943年4月- )の指揮する
イギリス室内管弦楽団の演奏で、

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756年1月-91年12月)の
交響曲全集(全12枚)の1枚目を聴きました。

テイト50・52歳の時(1993・95年)の録音です。


モーツァルト(1756–1791)
Disc1
①交響曲 第1番 変ホ長調 K.16
②交響曲 第4番 ニ長調 K.19
③交響曲 ヘ長調 K.19a/Anh.223
④交響曲 第5番 変ロ長調 K.22
⑤交響曲 ト長調 K.45a/K.Anh.221「ランバッハ」
⑥交響曲(第43番)ヘ長調 K.76/K.42a

イギリス室内管弦楽団
ジェフリー・テイト(指揮)
録音:1993・95年、ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ
【Warner Classics 50999/9/84638/2/4】Disc1

CD1にはモーツァルトが8歳から11歳まで(1876-67年)に作曲された交響曲が収録されていました。

①交響曲 第1番 変ホ長調 K.16 は、
8歳の時(1764年)にロンドンで作曲。

②交響曲 第4番 ニ長調 K.19 は、
9歳の時(1765年)にロンドンで作曲〔異説あり〕。

③交響曲 ヘ長調 K.19a/Anh.223 は、
9歳の時(1765年)にロンドンで作曲〔異説あり〕。
 ※1981年10月にミュンヘンで再発見。

④交響曲 第5番 変ロ長調 K.22 は、
9歳の時(1765年12月)にハーグで作曲。

⑤交響曲 ト長調 K.45a/K.Anh.221「ランバッハ」は、
10歳の時(1766年)にハーグで作曲。
 ※1923年にオーストリアのランバッハで発見。

⑥交響曲(第43番) ヘ長調 K.76/K.42a は、
11歳の時(1767年秋)にウィーンで作曲〔異説・偽作説あり〕。


モーツァルトの交響曲では、1879-81年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から刊行された
旧全集の通番(第1-41番)が今でも便宜上使われています。

これは1862年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された
ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル
(Ludwig von Köchel, 1800年1月- 1877年6月)による
『モーツァルト全音楽作品の年代別主題別目録 Chronologisch-thematisches Verzeichniss sämmtlicher Tonwerke Wolfgang Amade Mozart's 』にもとづく分類なので、

その後の研究で、偽作であることが確認された作品や、
新たに発見された作品の情報は、当然反映されていません。

このCDには、
旧全集における通番、
第1・4・5番と43番の4曲と、
ほか2曲の計6曲が収録されています。

未収録の第2・3番は偽作と断定されている作品です。
 交響曲第2番 変ロ長調 K.17/K.Anh.C11.02 (偽作)
 交響曲第3番 変ホ長調 K.18/K.Anh.A51 (偽作)


  ***

モーツァルトの交響曲全集を
手に入れたいなと思っていたところ、昔懐かしい
ジェフリー・テイト&イギリス室内管弦楽団のCDが、
12枚組3,000円で出ていたので購入してみました。

モーツァルトの交響曲、
後期の6曲を除くと途端に聴く機会が少なくなるので、
初期の番号のものはほとんど聴いたことがありません。

はじめに数回聴いたときには、
さすがに10歳前後に作られた曲なので、
BGMで聴き流すのにちょうど良い軽めの音楽で、
それほど面白い音楽には思えませんでした。

しかし何回か聴き込んで、
曲の流れが頭に入って来ると、
それで飽きるということもなく、
どんどん魅力が増して来ました。

それでもやはり、後期の6曲のように、
聴けばすぐに何番かわかるほどの個性は感じないのですが、
初期は初期なりの魅力があることを実感できたのは収穫でした。

テイトの紡ぎ出すイギリス室内管弦楽団は、
清楚で明るく鮮やかな印象で、
私が期待するモーツァルト像にぴったりの音色でした。

多少軽めに聴こえるので、
凄い何かに期待すると肩透かしにあうかもしれませんが、
繰り返し聴くに足る、充実した内容の1枚だと思いました。


※海老澤敏/吉田泰輔監修『モーツァルト事典』(東京書籍、1991年11月)の「交響曲」の章を参照。

2016年11月14日月曜日

山田一雄&N響のモーツァルト:交響曲第38番&第41番(1985年&91年)

山田一雄(1912年10月-1991年8月)の指揮する
NHK交響楽団の演奏で、

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756年1月-1791年12月)の
交響曲第38番と第41番を聴きました。

指揮者72歳と78歳の時(1985年2月&1990年11月)のライブ録音です。



N響創立90周年シリーズ
Disc2
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
①交響曲第38番ニ長調K.504《プラハ》
②交響曲第41番ハ長調K.551《ジュピター》

山田一雄(指揮)
NHK交響楽団
録音:1985年2月13日(①)、1991年11月26日
【KKC2104/05】2016年10月発売

交響曲第38番《プラハ》は、
モーツァルトが30歳の時、1786年12月に完成。

交響曲第41番《ジュピター》は、
32歳の時、1788年8月に完成されました。


《プラハ》は今回初めて聴きました。
先月取り上げたマラ5と同じ日の演奏です。

マラ5と同じ編成で演奏したのではないかと思われる
分厚い弦の響きが印象的でした。

そのこと自体は悪くないのですが、
全体的におっとりのんびりした感じのあまり特徴のない演奏で、
さほど感銘は受けませんでした。

マラ5のほうに集中して、
リハーサルの時間が取れなかったのかもしれません。


名演は《ジュピター》のほうで、
テレビで何度も放映されたのをビデオ録画して、
テープが劣化するまで繰り返し観た記憶があります。

昔の記憶と比べると、弦が多少うすく聴こえ、
細部のつめの甘さが気になるところもあるのですが、

全体として《ジュピター》はこうでなければ!
と思わせられる理想的な名演で、

透明だけれども強い生命力にあふれた
モーツァルトの特別な音楽を満喫することが出来ました。

若い頃の刷り込みがあるので、
その点差し引いていただいて結構ですが、
個人的には《ジュピター》で、
これを超える演奏にはまだ出会えていません。

《ジュピター》を演奏した日には、
他にもモーツァルトの作品ばかり取り上げているはずなので、
そちらの演奏のみをCDでまとめても良かったように思いました。

2014年10月31日金曜日

鈴木秀美&OLCのハイドン:交響曲第43番ほか〔2002年5月録音〕

日本の指揮者、チェリスト
鈴木秀美(すずきひでみ 1957-)の指揮する

オーケストラ・リベラ・クラシカの演奏で、
 C・P・E・バッハのシンフォニア
 ハイドンの交響曲第43番「マーキュリー」
 モーツァルトの交響曲第29番
を聴きました。

鈴木秀美45歳の時(2002)の録音です。


C.P.E.バッハ(1714-88)
 弦楽器のためのシンフォニア ハ長調 Wq.182/3(1773)

J.ハイドン(1732-1809)
 交響曲第43番 変ホ長調 Hob.I-43「マーキュリー」(-1772)

W.A.モーツァルト(1756-91)
 交響曲第29番 イ長調 K.201(186a)(1774)

P.ファン・マルデレ(1729-68)
 シンフォニア 作品5/第6番 ニ長調より第1楽章(1768)

オーケストラ・リベラ・クラシカ
鈴木秀美 指揮
収録:2002年5月17日、東京・浜離宮朝日ホール
【TDK-AD001】


鈴木氏が音楽監督を務める
オーケストラ・リベラ・クラシカは、

平成14年(2002)5月15日に高山、
17日に東京の浜離宮朝日ホールで旗揚げ公演が行われました。

その時の東京公演を収録したのがこのCDです。



ドイツの作曲家
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714.3-1788.12)は、
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685.3-1850.7)の次男です。

弦楽のためのシンフォニア ハ長調 Wq.182-3

は、CPE59歳の時(1773)に作曲された、
6曲からなる「弦楽のためのシンフォニア」中の1曲です。

ほぼ初めて聴く曲です。

CPEの音楽は、奇をてらうというか、
内面的というよりも外面的な効果をねらったところがあって、
それほど好きな作曲家ではないのですが、

今回の演奏は、
何よりオケの響きが耳に心地良く、
リズムもきびきびハッキリと刻まれていて、
これなら聴ける!と思いました。


オーストリアの作曲家
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732.3-1809.5)の

交響曲第43番 変ホ長調 Hob.I-43《マーキュリー》

は、作曲者39歳の頃(1771前後)に作曲されました。

ハイドンはC.P.E.バッハより、
はるかに落ちついた感じに聴こえるのですが、

音楽史上はハイドンのほうが18歳若く、
CPEの影響をハイドンが受けていることになるようです。

初めて聴いたので、
最初のうちは一番影が薄かったのですが、

聴きこんでくると、
逆に全体のバランスの良さ、
内容の充実さは一番だと思うようになりました。


  ***

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756.1-1791.12)の

交響曲第29番 イ長調 K.201(186a)

は、作曲者18歳の時(1774.4)に完成された作品です。

モーツァルトは17-18歳の2年間(1773-74)で、
計9曲の交響曲(第22-30番)を作曲しています。

29番は後期の6大交響曲をのぞけば、
わりと演奏される機会のある作品で、
時折耳にしてきました。

後期の充実度からすると、
肩透かしにあった感じもする
軽めの1曲ですが、

これはこれで耳に馴染んでくると、
おっとりとした雰囲気の典雅な名曲だと思えます。

このCDは、
快速テンポで一気に駆け抜ける第3楽章が特徴的ですが、
よくこなれているので違和感なく楽しめました。

ハイドン的な雰囲気のなかに、
モーツァルトの感性が刻み込まれた1曲でした。


コンサート当日アンコールとして演奏された

ベルギー(ブリュッセル)生まれの作曲家
ピエール・ファン・マルデレ(1729.10-1768.11)の

 シンフォニア 作品5/第6番 ニ長調より第1楽章(1768)

は初めて効きました。

ハイドンより2歳半ほど年上で、
ほぼ同じ年代の人ですが、39歳で若くして亡くなっています。
マルデレが亡くなる年に完成された作品のようです。

この1楽章だけでは何とも言えませんが、
モーツァルトが第29番を作曲する際に参考にしたそうです。

そう言われてみれば、
何となくそんな気もする程度ですが、
ほかの作品も聴いてみたくなりました。


  ***

このCD、
1770年代前半に作曲された作品が並べてありますが、

年齢的には、
 C.P.E.バッハ59歳、
 ハイドン39歳、
 モーツァルト18歳
と20歳ずつ若返っているので、
おもしろい趣向だなと思いました。


鈴木秀美氏の指揮は、
アーノンクールのように
持ってまわったところのない素直な音楽。

ブリュッヘンのように、
ロマン的な味の濃いところとも決別していて
清楚な純度の高い音楽。

リズムのきびきびしたところも良く、
明るく爽やかな印象も受けました。

ハイドンには特に合っていると思います。


※Wikipediaの「カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ」「フランツ・ヨーゼフ・ハイドン」「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」「Pierre van Maldere」を参照。

2012年12月22日土曜日

ボッセ&新日本フィルのシューベルト&モーツァルト&ベートーヴェン

すばらしいバッハを聴かせてくれた
ゲルハルト・ボッセ(1922.1-2012.2)さんの追悼盤、

新日本フィルとのライブ録音が
廉価980円で再販されていましたので、
購入し聴いてみたところ、

予想をはるかに上回る名演で、
びっくりしました。


1) シューベルト(1797-1828)
  劇附属音楽「ロザムンデ」序曲

2) モーツァルト(1756-91)
  交響曲第39番変ホ長調Kv.543

3) ベートーヴェン(1770-1827)
  交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」

ゲルハルト・ボッセ(指揮)
新日本フィルハーモニー交響楽団
録音:2011年5月13・14日(1・2)、2010年4月2・3日(3)
   すみだトリフォニーホール
【ALT231】

まず何より、
オーケストラから引き出される響きが魅力的でした。

肩の力の抜けた、濁りのない、
明るい響きを旨としながら、

ここぞという所での凄み、力強さにも欠けておらず、
オケの清新な響きだけで、十分心地良く、満ち足りた気持ちになりました。

こうした経験は、
サヴァリッシュ&ドレスデン国立管弦楽団の
シューマンを聴いて以来のことです。

日本のオケも、振る人が振れば、
こんな響きになるんだなと、感心しました。


 ***

シューベルトは、
これまでそれほど意識して聴いて来なかったので、
他と比べてどうなのかは良くわかりませんが、

シューベルトらしい、
典雅で明るく楽しい曲だと思いました。
他の演奏も聴いてみたくなりました。


モーツァルトは、
これまでそれなりに聴き込んできたはずですが、
その中では明らかにベストの出来で、
初めて聴くような感動を覚えました。

オケの明るく清々しい響きも39番には合っており、
これしかないと思われる絶妙な間合いで
曲が新たに紡ぎ出されていくさまは、

出会えたことに心から感謝したい、
融通無碍の名演奏でした。


ベートーヴェンは、
これまで幾度となく聴いてきた曲なので、
今さら「運命」でも、と思っていたのですが、

これが実に若々しく、
清新な響きに満ちた、
心洗われる、躍動的な演奏で、

それを特別に趣向をこらした解釈によらず、
オーソドックスな解釈の中で実現しているのは、
ボッセさんの類まれな実力によるものでしょう。


この追悼盤、
ボッセさんの指揮者としての実力を知るのに十分な、
すばらしい内容だと思います。


 ***

新日本フィルとのCDは、このほか
J.C.バッハとブラームスを取り上げた
2009年のコンサートを収録した1枚があったので、
手に入れてみましたが、

肝心の録音が
うすいヴェールをかぶせたようで、
オケの魅惑的な響きが伝わって来ず、
もどかしい思いがしました。

リマスタリングでどうにかなるのであれば、
再販を期待したいです。

もう一つ、DVDで
ベートーヴェンの交響曲全集も出されているので、
購入すべきかどうか、迷っているところです。

ふだんあまりDVDは観ないので、
CDで、廉価版で出たらいいなと思っています。

2012年3月21日水曜日

Bruno Walter Conducts Mozart その6

ブルーノ・ワルター(1876-1962)さんの
モーツァルト(1756-1791)作品集、
最後の6枚目を聴きました。



CD-6
モーツァルト
1) 交響曲第25番ト短調 K.183(173dB)
2) 交響曲第28番ハ長調 K.200(189k)
3) 交響曲第29番イ長調 K.201(186a)

録音:1954年12月10日(25番)、
   1954年12月3日(28番)、
   1954年12月29日(29番)

ブルーノ・ワルター(指揮)
コロンビア交響楽団
【SONY 8 86079 06832 2】CD5


25番は、短調のモーツァルトの魅力が凝縮された作品です。

ワルターの達観した感じの穏やかさも加味されていて、
重々しさよりも清々しさを感じさせる、
完成度の高い名演だと思います。

28・29番は曲自体が若干軽めですが、
17・18歳のときの作品であることを考えれば、
すぐれて温か味のある華やかな佳曲で、

曲の魅力を十分に伝える演奏だと思います。


ワルターさんの個性を
強く押し出した印象はないのですが、

肩の力のぬけた軽やかさに、
穏やかな雰囲気をただよわせた演奏は
やはり独特の面白さがあります。


また日を改めて、
聴き返したいと思います。

2011年12月26日月曜日

Bruno Walter Conducts Mozart その3

ブルーノ・ワルター
(1876-9/15生 1962-2/17没)さんのモーツァルト集、
3枚目を聴きました。



モーツァルト
交響曲第40番ト短調K.550
 ※1959年1月13~16日録音

交響曲第41番ハ長調K.551
 ※1960年2月25、26、28、29日録音

フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477
 ※1961年3月8~31日録音

ブルーノ・ワルター指揮
コロンビア交響楽団
【SONY 8 86079 06832 2】CD3


モーツァルトの最後の交響曲2曲に、
フリーメイソンのための葬送音楽を添えた選曲。

強い覇気にあふれた演奏、というよりも、
ゆったりとしたテンポで、ていねいに音楽がつむがれており、
やわらかな雰囲気に包まれた
心が暖かくなる演奏です。

ワルターさんの最晩年の境地、
といっても良いのかもしれません。

ただしそれほど大層な感じもないので、
このCDしか聴いていないと、その真価には
気がつきにくいかもしれません。

ワルターさんのモーツァルトは、
いかにも自然に音楽が流れていくのですが、
それは決して楽譜どおりに、何もしていないわけではないので、

他の楽譜にただ忠実な演奏を聴くと、
かえって戸惑う部分があるかもしれません。

こういうモーツァルトは、
現代ではもう聴けないのかな。

コバケンさんや広上淳一さん、
それから佐渡裕さんも意外に良いかも。

古楽器も悪くはありませんが、
どちらかといえば、現代のフル・オーケストラを
目一杯鳴らした演奏のほうが、私は好きです。

2011年12月6日火曜日

Bruno Walter Conducts Mozart その2

ブルーノ・ワルター
(1876-9/15生 1962-2/17没)さんのモーツァルト集、
2枚目を聴きました。



モーツァルト
交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」
 ※1959年12月2日録音

交響曲第39番変ホ長調K.543
 ※1960年2月20-23日録音

セレナード第13番ト長調K.525
 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
 ※1958年12月17日録音

ブルーノ・ワルター指揮
コロンビア交響楽団
【SONY 8 86079 06832 2】CD2



ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Wolfgang Amadeus Mozart)はドイツの作曲家。

1756年1月27日に生まれ、
1791年12月5日に亡くなっています。

35歳と10ヶ月ほどの彼の人生です。


交響曲第38番「プラハ」は、
1787年に、モーツァルト自身の指揮により、
プラハで初演されました。
31歳の作品です。

交響曲第39番は、
翌1788年に作曲されました。
32歳のときの作品です。

セレナーデ第13番
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は、
交響曲第38番と同じ、1787年に作曲されました。


この1枚は、
モーツァルト31・32歳のときの作品が収められています。

ワルターさんのモーツァルト、
これだけ聴いているとそれほど気がつかないのですが、

楽譜そのままの、というよりは、
ワルターさんが主観的に読み込んで、
今一度、解釈しなおした上での演奏です。

それがこの上なく自然な印象を受けるのは、
ワルターさんとモーツァルトの相性の良さゆえでしょう。

現代オーケストラの機能を十分に生かした演奏として、
まっ先に指折るべき録音だと思います。

とくに感心したのは
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」です。

たいへん美しい作品ですが、
意外に飽きやすく、もういいや、と思いがちなのですが、
さすがワルターさん、改めて曲の良さに感銘を受けました。


1点、問題があるとすれば、音でしょう。

ステレオ初期の、あまり残響を考慮に入れない、
分離の良すぎる録音が、若干耳障りに聴こえるかもしれません。

ホールではまずこのような響きでオケは鳴らないので、
その点、注意が必要です。

でも、ワルターさんの
晩年にたどりついた結論を聴ける演奏として、
やはり外せない演奏だと思います。

2011年11月21日月曜日

Bruno Walter Conducts Mozart その1



モーツァルト
 交響曲第35番ニ長調 K.385「ハフナー」
  ※録音:1959年1月13・16・19・21日

 交響曲第36番ハ長調 K.425「リンツ」
  ※録音:1960年2月28・29日

 歌劇『劇場支配人』序曲K.486
 歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』序曲K.588
 歌劇『フィガロの結婚』序曲K.492
 歌劇『魔笛』序曲K.620
  ※以上、録音:1961年3月5-31日

ブルーノ・ワルター指揮
コロンビア交響楽団
【SONY 8 86079 06832 2】CD1


ワルターさんのモーツァルト、
最近SONYから出た6枚組のものを購入しましたので、
1枚ずつ聴きなおしていきます。

まず1枚目は、
交響曲第35番「ハフナー」と第36番「リンツ」
そして序曲集です。


「ハフナー」は
現代のきびきびした演奏とは違って、
のんびりおっとりとしたはじまり方で、
それほど肩をはらない感じの、美しい演奏です。

これはこれで十分楽しめますが、
他にもいい演奏はあるかもしれません。

「リンツ」は
同じ傾向の演奏ですが、
より完成度が高く、
曲の魅力がそこかしこにあふれていて、
お薦めの演奏です。

序曲はどれも最上レベルです。


音質は、細かいことをいわなければ、
十分に満足できるレベルです。

この時期のステレオ録音は、
ホールの残響を考慮に入れないからか、
かなり耳にうるさく聴こえることがあるのですが、
その点、耳にやわらかく聴こえるようにまとめてあって、
聴きやすいです。


ワルターさんのモーツァルトは、
かねてより定評がありますので、
この機会にまとめて聴いていきます。