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2015年3月16日月曜日

ヤンドーのバッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻(1993年録音)

ハンガリーのピアニスト
イェネ・ヤンドー(1952.2-)の演奏で、

ドイツの作曲家
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685.3-1750.7)の
平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV870-893
を聴きました。

ヤンドー41歳の時(1993)の録音です。


ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV870-893

イェネ・ヤンドー(ピアノ)
録音:1993年9月14-17日(BWV870-881)、10月13-16日(BWV882-893)、
 ブダペスト、ユニテリアン教会
【Naxos 8.550970-1】


平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV870-893 は、
作曲者57歳の時(1742)に完成された作品です。


アファナシエフ盤で聴いて以来、
久しぶりにじっくり聴き直そうと思い、

第1巻で感動した
シフさんの旧盤を聴いてみたのですが、

残念ながら表現が上滑りしていて、
心に響いてこない演奏でした。



J.S.バッハ
平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV870-893

アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
録音:1985年10月、ロンドン
【UCCD-5569/70】2014年5月発売

第1巻の1年後
31歳の時の録音なので、

第1巻に比べて
まだ弾きなれていなかったのかもしれません。

シフさんのバッハは
旧盤は一通り聴いたので、
次は新盤のほうを聴いていこうと思います。

旧盤は、
 フランス組曲
 平均律クラヴィーア曲集第1巻
 イギリス組曲
の3つがこの順で素晴らしかったです。


  ***

さてヤンドーさんの演奏、

以前古本屋で、
格安で手に入れたものです。

初めて聴いた時、
テンポがほんの少し速いようなのと、
全体的に明るい色調なのがバッハには合わない気がして、

ちゃんと聴かないまま置いてありました。


シフの旧盤のあとで
ふと思いついて聴いてみたら、

十分に満足できるレベルの名演奏でびっくりしました。


テンポは私の勘違いだったようで、

インテンポではありますが
速くも遅くもない穏当なテンポ設定だと思います。

表現に目新しいところはありませんが、

その分
自然な流れで心をこめて音楽を再現することに
集中しているようで、

どの曲からも
バッハならではのしみじみと胸にしみる歌が聴こえて来て、
全曲を感動のうちに聴き終えることができました。


万全のテクニックで、
曲の核心に向けてどんどん切り込んでいくスタイルなので、

各曲の構造も把握しやすく、

平均律の第2巻を聴いて、
初めてわかった!と思えました。


バッハの中でも平均律は、
情に流れると上手くいかなそうな曲集なので、

カラリとした明るい色調のピアノは、
もってこいだと思いました。


これはぜひ、
第1巻も聴いてみようと思います。



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2014年9月30日火曜日

シェリングのバッハ:無伴奏Vn.のためのソナタとパルティータ(1955年録音)

ポーランド出身(1946年、メキシコに帰化)のヴァイオリニスト
ヘンリク・シェリング(1918.9-1988.3)の演奏で、

ドイツの作曲家
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685.3-1750.7)の
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001-1006
を聴きました。

シェリング37歳の時(1955)の録音です。


ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番 イ短調 BWV1003
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006

ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
録音:1955年、パリ
【SICC840-1】2007年11月発売

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001-1006
は、バッハ35歳の時(1720)に作曲された作品です。

バッハの自筆譜が現存しており、
インターネット上にも公開されています。


シェリングの無伴奏は、
48歳の時(1967.7)に再録音された新盤を持っていたので、
旧盤はこれまで聴いていませんでした。

新盤のほうは
折り目の正しい模範的な演奏で、
十分聴きごたえがあるのですが、

多少くどいというか、
粘着性のある重々しい演奏で、
疲れた時に聴くには多少重たい感じがしました。


旧盤はそれより10年ほど前の録音です。

若い頃のほうが、
力が抜けている上に技術的にも万全で、

聴いていて、
全体的にすっと抜けるような清々しさを感じる演奏でした。

奇をてらうことなく、
穏当なスタイルの端正なバッハなので、
音楽的にも十分な充実感があり、

オーソドックスなスタイルを極め尽くして、
最上レベルにつきぬけた演奏だと感じました。

フルニエのバッハ:無伴奏チェロ組曲と似たスタイルといえましょうか。


恐らく聴く人の体調などによって、
印象が異なってくると思いますが、

今の私は、
人間のどろどろした感情を
あからさまに見せつけるような演奏は、

それほど聴きたいと思わない状況なので、
シェリングの無伴奏・旧盤は、良い清涼剤となりました。



※Wikipediaの「ヘンリク・シェリング」「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ」「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」を参照。

2013年3月19日火曜日

フルニエのバッハ:無伴奏チェロ組曲(1960年録音)

フランスのチェリスト、
ピエール・フルニエ(1906.6-1986.1)が
54歳のときに録音した

ドイツの作曲家
 ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685.3-1750.7)の
 無伴奏チェロ組曲 BWV1007-1012
を聴きました。

バッハの自筆譜が失われており、
正確な作曲年代はわかっていませんが、

1720年に清書された自筆譜が残されている
「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001-1006」
と同時期の作曲と推測されています。

1717年から1723年まで、バッハは
アンハルト=ケーテン候レーオポルトのもとで
宮廷楽長として仕えていたので、

この時期は「ケーテン時代」と呼ばれています。

つまりバッハ30代、
32歳から38歳のころの作品ということになります。


J.S.バッハ
無伴奏チェロ組曲 BWV1007-1012
 組曲第1番 ト長調 BWV1007
 組曲第2番 ニ短調 BWV1008
 組曲第3番 ハ長調 BWV1009
 組曲第4番 変ホ長調 BWV1010
 組曲第5番 ハ短調 BWV1011
 組曲第6番 ニ長調 BWV1012

ピエール・フルニエ(チェロ)
録音:1960年12月、ベートーヴェンザール、ハノーファー(ステレオ)
【ARCHIV 449 711-2】


無伴奏チェロ組曲は、
なかなかピッタリ来る演奏に出会いませんでした。

カザルスならばと思い、
何種類か復刻版を聴いてみましたが、
出だしの覇気には圧倒されるものの、

チェロ独特の弓と弦がこすれあうときの、
嫌味のある派生音が耳につき、

全体を聴き通すのは多少忍耐がいりました。


かと言って、
チェロの音色は申し分なく美しい
ヨーヨー・マやロストロポーヴィチでは、
心にひっかかってくるものが足りなくて、
それほど感動できなかったので、

チェロとは縁がないのかも、
と思いかけておりました。


今回偶然、
フルニエの録音を手に入れて聴いてみたところ、

弦と弓がこすれ合うときの派生音がほぼ皆無で、
チェロの低音の美しい響きを存分に楽しむことができました。

音色の美しさだけなら、
ヨーヨー・マやロストロポーヴィチも
負けてはいないのですが、

様式感といいますか、
バッハらしさといいますか、

独特の気品を具えていて、
聴いていて、しみじみと感慨にひたれるのは
フルニエさんならではでした。


チェロ一本で奏でられる低音域の音楽は、
一聴ぱっとしないところもあるのですが、

聴き込むにつれ、
心にぴったりと寄り添ってきて、
今後の自分にとって欠かせない存在になりそうです。


※Wikipediaの「ピエール・フルニエ」
 「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ」
 「ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品一覧」の項目を参照。

2011年5月15日日曜日

江藤俊哉のバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ

最近気になっているのが、
江藤俊哉さんのヴァイオリンです。

江藤さんについては、
鈴木鎮一さんのお弟子さん、ということ以外、
さほど注目して来なかったのですが、

最近タワー・レコードで復刻されたCDを聴いてみると、

温厚誠実な人柄が伝わってくる、
骨太な明るい音色にとても魅せられました。

グリュミオーさんをもう少し骨太にした感じで、
聴くひとを大きく包みこむ、あたたかさにあふれた演奏でした。



DISC1&2
J.S.バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ(全曲)

〔録音〕1974年1月29日、4月22日、5月14・15・21日、7月11・12日、10月7日、12月3・4日
世田谷区民会館

〔オリジナル・プロデューサー〕井阪紘
〔オリジナル・エンジニア〕大野正樹
〔リマスタリング・エンジニア〕杉本一家
【SICC 1396~9】


(DISC3&4は、別の機会に紹介します。)


最近はやりの、軽い、
スマートな演奏とは対極にある、

深い精神性に支えられつつも、
あたたかさで全体を包みこむようなバッハです。

聴き終わって、
ああ、いい音楽を聴いたな、
と心から笑顔になれる無伴奏は、

意外に少ないのではないでしょうか。
これは機会があれば、ぜひ聴いておいてほしい演奏です。


◯バッハ

喜びと
その懐に
抱かれて
広さとともに
静けさを知る

微笑んで
心の中を
打ち明けて
広々とした
静けさを知る