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2017年10月29日日曜日

マリナー&アカデミー室内管のモーツァルト:協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(1983年録音)

昔から聴きたかった1枚が、
古本屋で安く手に入ったので、
聴いてみました。


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
①フルート、オーボエ、ホルン、バスーンのための
 協奏交響曲 変ホ長調 K.297B (app.9)
 (カデンツァ&再構成:ロバート・レヴィン)

 オール・ニコレ(フルート)
 ハインツ・ホリガー(オーボエ)
 ヘルマン・バウマン(ホルン)
 クラウス・トゥーネマン(バスーン)
 アカデミー室内管弦楽団
 (Academy of St. Martin-in-the-Fields)
 サー・ネヴィル・マリナー(指揮)
 録音:1983年7月9・10日、ロンドン

②オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
 (カデンツァ:ハインツ・ホリガー)

 アカデミー室内管弦楽団
 (Academy of St. Martin-in-the-Fields)
 ハインツ・ホリガー(オーボエ&指揮)
 録音:1983年7月9・10日、ロンドン

③オーボエ協奏曲 ヘ長調 (K.313)
 〔原曲:フルート協奏曲 ト長調〕
 (カデンツァ:ハインツ・ホリガー)

 ハインツ・ホリガー(オーボエ)
 アカデミー室内管弦楽団
 (Academy of St. Martin-in-the-Fields)
 ケネス・シリトー(指揮)
 録音:1986年6月5・6日、ロンドン
【PHCP-10364】※1996年1月発売


1曲目はオーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Volfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)の

①フルート、オーボエ、ホルン、バスーンのための
  協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(app.9) を、

アメリカの音楽学者
ロバート・レヴィン(Robert Levin, 1947-)が
再構成した版で聴きました。

この作品は、モーツァルトの手紙から、
22歳の時(1778年4月)に作曲されたことがわかるものの、
肝心の楽譜が伝わらない消失作品です。

19世紀半ばになって、
類似作品の筆写譜が発見されたことから、
原曲の編曲版(K.297b)と推測され、演奏されるようになりました。

 オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーンのための
 協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(Anh.C.14.01)

レヴィンの再構成版は、
この発見された筆写譜(K297b)をもとに、改めて、
本来描かれていたはずの原曲に遡ろうとした復元案です。

実際に聴いてみると非常にセンスの良い編曲で、
筆写譜そのものよりもモーツァルトの原曲に近い、
より優れた作品のようにも聴こるので、
時折、耳にする機会のある版になっています。


イギリスの指揮者
ネヴィル・マリナー
(Neville Marriner, 1924-2016)
の指揮する

イギリスの室内オーケストラ
アカデミー室内管弦楽団
(Academy of St. Martin-in-the-Fields)
の演奏で、

独奏は
スイスのフルート奏者
オーレル・ニコレ
(Aurèle Nicolet, 1926-2016)、

スイスのオーボエ奏者
ハインツ・ホリガー
(Heinz Holliger, 1939- )、

ドイツのホルン奏者
ヘルマン・バウマン
(Hermann Baumann, 1934- )、

ドイツのバスーン奏者
クラウス・トゥーネマン
(Klaus Thunemann, 1937- )
の4名が担当しています。

原曲の類似作をさらに編曲した作品
ということにはなりますが、
よく出来た編曲ではあるので一聴の価値ありです。


  ***

2曲目は、
②オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314(285d)。
モーツァルト21歳の時
(1777年4~9月)に作曲された作品です。

 ②には長2度上げて編曲した
 フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314(285d)
 が存在します(1778年1・2月作曲)。

3曲目は、
③オーボエ協奏曲 ヘ長調 K.313(285c)
(原曲:フルート協奏曲 ト長調)です。

 ③はモーツァルトの
 フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313(285c)
 をもとに(1778年1・2月作曲)、ホリガーが、
 オーボエ用に長2度下げて編曲した版です。

モーツァルト自身の筆による
オーボエ協奏曲は②の1曲のみですが、

②と③で
フルート協奏曲第2&1番に対応するので、
全く違和感なく聴き進めることができます。


②③とも
スイスのオーボエ奏者
ハインツ・ホリガー
(Heinz Holliger, 1939- )
が独奏、

イギリスの室内オーケストラ
アカデミー室内管弦楽団
(Academy of St. Martin-in-the-Fields)
が伴奏を担当していますが、

②の指揮はホリガー自身、
③の指揮は
イギリスのヴァイオリン奏者
ケネス・シリトー
(Kenneth Sillito)が担当しています。


個人的には、完璧過ぎて、
もう少し素朴な味わいがほしいようにも思えますが、

表情が薄いわけではないので、
模範的演奏の一つとして聴きこもうと思います。

2013年10月25日金曜日

マリナー&アカデミー室内管のメンデルスゾーン:交響曲第3・4番

イギリスの指揮者
ネヴィル・マリナー(Neville Marriner 1924.4-)の指揮する

イギリスのオーケストラ
アカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin-in-the-Fields)による

ドイツの作曲家
フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn 1809.2-1847.11)の
交響曲第3・4番を聴きました。


メンデルスゾーン
交響曲 第3番 イ短調 作品56《スコットランド》
交響曲 第4番 イ長調 作品90《イタリア》

アカデミー室内管弦楽団
ネヴィル・マリナー指揮
録音:1993年7月8-10日 ロンドン
【UCCD-7084】

メンデルスゾーンの交響曲といえば、
《スコットランド》と《イタリア》が取り上げられることが多いのですが、

これまでこの曲を聴いて、
特別な感動を味わったことがあるかと問われると、

それほど心惹かれる演奏に出会ったことはなく、
あまり深く印象に残らない曲でありました。


ドイツの作曲家なのですが、
ベートーヴェンやブラームスのように、

精神的にずっしり響いてくるところがないので、
どこを聴けばいいのか捉えどころがなかったのだと思います。


今回、古本屋で偶然手に入れた、
マリナー指揮/アカデミー室内管弦楽団のCDを聴いて、

初めてこの曲の真価がわかったように思いました。


マリナー氏のメンデルスゾーンは、

しみじみと丁寧に、どこも野暮ったくならずに、
典雅で上品なメンデルスゾーンの本質を、

見事に再現した演奏であるように思われました。


ふつうに振る舞いながら、
どこも美しく共感に満ちた音楽が広がっていき、
心から楽しむことができました。


いったん曲がわかってみると、
もう少し個性的な演奏の魅力もわかって来るかもしれません。

他の指揮者の演奏も、
いろいろ聴いてみようと思います。


マリナー氏が、
かつて頻繁に録音を発表されていたころは、
何でも取り上げ過ぎて、特徴をつかみにくいところがありました。

最近改めて、録音を聴き直してみると、
極上なのはやはりイギリス音楽であり、

後は同じ路線の、それほど深刻ぶらずに、
典雅な、上品な、愉悦な音そのものを楽しみたい時には、

最善の仕事をされていると感じました。


  ***

以下、
メンデルスゾーンの交響曲について、
自らの心覚えのためにまとめました。


メンデルスゾーンの交響曲は、

12-14歳の時(1821-1823)に
「弦楽のための交響曲」全13曲が作曲されていますが、
(3楽章形式の第1-12番と、単1楽章の1曲)

こちらは習作扱いされることが多く、

15歳の時(1824)に作曲された
最初の管弦楽のための交響曲が、

◎交響曲第1番 ハ短調 作品11

として出版されました(初演:1827年)。


その後、

23歳の時(1832)に

 交響曲 第5番 ニ長調《宗教改革》作品107

24歳の時(1833)に

 交響曲 第4番 イ長調《イタリア》作品90

が初演されているのですが、

この2曲は生前中に出版されなかったため、
没後の出版順に、第4・5番の番号がふられることになりました。


それから、

31歳の時(1840)に

◎交響曲 第2番 変ロ長調《賛歌》作品52

33歳の時(1842)に

◎交響曲 第3番 イ短調《スコットランド》作品56

が初演されています。

このうち ◎第1-3番 が、
メンデルスゾーンの生前に出版された交響曲ということになります。


  ***

このCDに収録されている
《スコットランド》と《イタリア》について
もう少し詳しく見ておくと、


交響曲 第3番 イ短調《スコットランド》作品56

は、20歳の時のイギリス旅行(1829.5-)で着想を得、
33歳の年に完成し、初演(1842.3)され、
翌年(1843)出版された作品です。


交響曲 第4番 イ長調《イタリア》作品90

は、21歳の時のイタリア旅行(1830.10-)で着想を得、
24歳の時に完成し、初演(1833.5)された作品です。

その後、亡くなるまで改訂作業が続けられたため、
生前に出版されることはありませんでした(初出版:1851)。


※Wikipediaの「アカデミー室内管弦楽団」「ネヴィル・マリナー」「フェリックス・メンデルスゾーン」「メンデルスゾーンの作品一覧」