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2014年8月31日日曜日

〔昭和の名人 古典落語名演集〕柳家小三治〈3〉芝浜・金明竹(1978年12・5月)

十代目柳家小三治(やなぎやこさんじ 1939.12-)の落語、

「昭和の名人 古典落語名演集」3枚目は、
「芝浜」と「金明竹」を聴きました。

小三治38歳の時(1978年12・5月)の口演です。

29歳でに真打に昇進(1969年9月)し、
十代目柳家小三治を襲名してから9年目の成果です。


昭和の名人
古典落語名演集
十代目柳家小三治〈三〉

1) 芝浜(しばはま)
2) 金明竹(きんめいちく)

録音:1978年12月9日、安田生命ホール(1)、
1978年5月16日、安田生命ホール(2)。
【KICH-2523】


「芝浜」(しばはま)は、

「三遊亭圓朝が
 『酔っ払い、芝浜、財布』からこしらえた
 三代咄だという説がある」が、

「『圓朝全集』にも収録されておらず、不明」とされています。

(以上、布目英一氏のCD解説参照)


39歳を目前にひかえた小三治の「芝浜」です。

私がまだ落語を聴き始めたばかりの時期に、
このCDを聴いて感銘を受け、

落語にのめり込むきっかけになりました。

ほぼ20年後の「芝浜」もCD化されていますが【SRCL-3614】、
そちらは若干テンポがたどたどしい感じなのに対して、

このCDは、
早めのテンポで決めるべきところを決め、
先へ先へと聴かせる落語になっています。

感動的な名演だと思います。


「金明竹」(きんめいちく)は、

「前半は、狂言『骨皮』や
 一八〇二(享和二)年刊『膝くり金』の『無心の断』
 が原型といわれ」

「後半は、初代林屋正藏作『阿呆の口上』」とされています。

(以上、布目英一氏のCD解説参照)。

嫌味のない可笑しさで、
気疲れした時に聴くと、ホッと力が抜けて来ます。


咄家なら当然なのかもしれませんが、
この時期の小三治さんは、飛び切り上手い、です。

その分、深みはあと少しなのですが、
四十前の咄家の成果としては十分以上なのではないでしょうか。


※Wikipediaの「柳家小三治」を参照。

2014年6月30日月曜日

〔昭和の名人 古典落語名演集〕柳家小三治〈2〉猿後家・時そば(1978年)

十代目柳家小三治(やなぎやこさんじ 1939.12-)氏の落語、
「昭和の名人 古典落語名演集」2枚目は、

「猿後家」と「時そば」を聴きました。

小三治38歳の時(1978年4・11月)の口演です。

29歳でに真打に昇進(1969年9月)し、
十代目柳家小三治を襲名してから9年目の成果ということになります。


昭和の名人
古典落語名演集
十代目柳家小三治〈二〉

1) 猿後家
2) 時そば

録音:1978年4月12日、安田生命ホール(1)、
1978年11月17日、横浜教育文化センター(2)。
【KICH-2522】


「猿後家」(さるごけ)は、

「一七七八(安政七)年江戸板『乗合船』の『物忌』」を原話とするが、
 主人公は後家でなく「旦那」だそうです。

また、
「江戸時代の咄家・初代喜久亭寿暁のネタ帳
『滑稽集』(文化四年・一八〇七)にも『さるだんな』の題名と
『木からおちた猫』のサゲが出て」くるそうです。

そこでもともと江戸で、
「『お猿旦那』として演じられていたものが、上方に伝わり、
 主人公を後家に替え、関西風の味付けをしたものが
 再び東京へ移入された」と推測されています。

(以上、布目英一氏のCD解説参照)


この口演は5年ほど前、
CD発売時に聴いた折には、

おかみさんの器量の悪さをあざ笑うという
最初の場面設定からして趣味が悪いと思い、

そのおかみさんもまた、
性格の悪い嫌味な感じが強く出ていて、

まったく好きにはなれませんでした。

今回聴き直してみると、
そこまで小難しく考えなくても、

小三治の口演にのせられ、
一緒になって笑っていればいいのかなと、

肩の力を抜いて、
それなりに楽しむことができました。


もしかしたら、
小三治の口調が真に迫りすぎて、

おかみさんの嫌味な感じが、
本来よりも増幅されて伝わって来るのかもしれません。



「時そば」は、

「一七二六(享保二)年刊『当流軽口初笑』巻三の『他人は喰より』、
 一七七三(安永二)年刊『坐笑産』の『あま酒』、
 同年刊古喬子『芳野山』の『夜たかそば』などが原型と思われる」そうです。

「大阪の『時うどん』を三代目柳家小さんが移したといわれるが、
 内容は異なる」そうです。

(以上、布目英一氏のCD解説参照)。


音を聴くだけでも、
蕎麦をすする音が美味しそうな、

快調なテンポで語られる
まずは完璧といって良い口演です。

恐らくこれは
映像で観たほうが圧倒的に楽しめるはずですが、
音だけでも十分に楽しめます。


うまさが鼻につくようなところもなく、
くりかえし聴き返しても飽きの来ない名演です。


※Wikipediaの「柳家小三治」を参照。

2014年5月26日月曜日

〔昭和の名人 古典落語名演集〕柳家小三治〈1〉船徳・野ざらし(1978年5・6月)

十代目柳家小三治(やなぎやこさんじ 1939.12-)の落語、

前回のシリーズより10年程前に集中して録音された
「昭和の名人 古典落語名演集」を聴いていきます。

1枚目には
「船徳」と「野ざらし」が収録されています。

どちらも、38歳の時(1978年5・8月)の口演なので、

29歳の時(1969年9月)に真打に昇進し、
十代目柳家小三治を襲名してから約10年後の成果ということになります。


昭和の名人
古典落語名演集
十代目柳家小三治〈一〉

1) 船徳
2) 野ざらし

録音:1978年5月16日、安田生命ホール(1)、
1978年8月26日、横浜教育文化センター(2)。
【KICH-2521】


「船徳(ふなとく)」は、
「人情噺『お初徳兵衛浮名の浅橋』の発端を
 明治の人気者初代三遊亭円遊が一席の滑稽噺とした」演目で、

「八代目桂文楽の十八番として知られる」そうです。


「野ざらし」は、
「托善という名の僧侶から咄家になった
 二代目林家正蔵の作といわれる」演目で、

「怪談噺の要素が強い落語だったのを
 初代三遊亭円遊が笑いの多い咄に改めた」そうです。

(以上、布目英一氏のCD解説参照)。


このCD、
2009年3月に発売されてすぐに購入したので、
初めて聴いてから5年ほど経つことになります。

「船徳」も「野ざらし」も、
音だけでは面白さがわかりにくい所があるので、
最初のうちは今一つよくわからなかったのですが、

動画でもたまに観る機会があって
噺の流れがつかめてくると、

音だけでも映像が浮かんで
それなりに楽しめるようになって来ました。


小三治の口演は、

声が若々しくて非常に聴き取りやすく、
早めのテンポでどんどん切り込んでいく風で、

うまさを感じさせられる落語です。


上手さが嫌味に聴こえるかもしれない
ギリギリのところで踏み止まっている印象ですが、

これだけ話せるのであれば、
まだ朴訥飄々とした語りの魅力は必要ないのかもしれません。


噺自体、
何も深刻に考える必要のない、
軽めの芸を楽しむようなお噺で、

特別好きなわけではないのですが、
それなりに楽しい時間を過ごすことができました。


どちらもまだ他の噺家さんのはあまり聴いていないので、
そろそろ聴いてみようかな、とも思っています。


※Wikipediaの「柳家小三治」を参照。