ラベル ショパン:鍵盤楽曲 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ショパン:鍵盤楽曲 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年7月10日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その12(2011年録音)

横山幸雄(1971年2月-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
12枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈12〉

◯3つのマズルカ 作品56
(1843年作曲、44年出版)
 ①第1番 ロ長調
 ②第2番 ハ長調
 ③第3番 ハ短調

◯3つのマズルカ 作品59
(1845年作曲、45年出版)
 ④第1番 イ短調
 ⑤第2番 変イ長調
 ⑥第3番 嬰ヘ短調

◯3つのマズルカ 作品63
(1846年作曲、47年出版)
 ⑦第1番 ロ短調
 ⑧第2番 ヘ短調
 ⑨第3番 嬰ハ短調

◯晩年の3つの最後のマズルカ
 ⑩イ短調 WN60(1846) op.posth.67-4
 ⑪ト短調 WN64(1848) op.posth.67-2
 ⑫ヘ短調 WN65(1849) op.posth.68-4

⑬ポロネーズ第7番 変イ長調 作品61《幻想ポロネーズ》
(1845-46年作曲、46年出版)

◯2つのノクターン 作品62
(1846年作曲、46年出版)
 ⑭第1番 ロ長調
 ⑮第2番 ホ長調

◯3つのワルツ 作品64
(1846-47年作曲、47年出版)
 ⑯第1番 変ニ長調《子犬のワルツ》
 ⑰第2番 嬰ハ短調
 ⑱第3番 変イ長調

⑲舟歌 嬰ヘ長調 作品60
(1845-46年作曲、46年出版)

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年10月17、18日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-924】※2011年11月発売


一度は全曲聴いておきたいと思っていた
ショパンのピアノ独奏曲の全集、
やっと最後まで辿り着きました。

12枚それぞれ別々のコンサートを聴くように
趣向を凝らしてあって、
習作レベルの作品もうまく織り交ぜて、
それぞれに飽きさせない内容に仕上がっていました。

正確無比なテクニックに支えられた
横山氏のショパンは、
楽譜を音楽的に再現した
バランス感覚に優れた繊細な演奏で、

それほど個性にあふれている訳ではないのですが、
聴き込むほどに味わいの増す
完成度の高い全集だと思いました。

初めて聴く分にも、
プレイエルのやさしい音色が耳に心地よく、
BGMとして最適なので、

コルトーのような、
個性あふれるショパンを好まれる場合は、
物足りなく思われるかもしれませんが、

とりあえず一度、
ショパンのピアノ独奏曲をすべて聴いてみたい方には、
第一に推せる全集だと思います。


全体的にみると、
ソナタや舟歌、幻想ポロネーズなど、
規模の大きめの作品になればなるほど
説得力を増していたのに対して、

ノクターンやワルツなど規模の小さな曲は、
悪くないのだけれども、ここからもう一捻り何か、
横山氏ならではの色合いが欲しいと感じました。

そうした中でも、
マズルカとは相性が良いのか、
リズムを強調しない、楽譜を純粋に、
音楽的に再現するタイプの演奏であるにもかかわらず、
不思議と心に残る味わい深さがありました。


横山氏のピアノ演奏、
40代はじめのこの録音をさかいに、
よりいっそう深みを増してきたように思います。

可能ならばもう一度、50代を過ぎたあたりで、
ここからもう一弾スケールアップしたショパンを聴きたいです。

2017年6月19日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その11(2011年録音)

横山幸雄(1971年2月-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
11枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈11〉

◯3つのマズルカ 作品50
(1841-42年作曲、42年出版)
 ①第1番 ト長調
 ②第2番 変イ長調
 ③第3番 嬰ハ短調

④即興曲第3番 変ト長調 作品51
(1842年作曲、43年出版)

◯2つのノクターン 作品55
(1843年作曲、44年出版)
 ⑤第1番 ヘ短調
 ⑥第2番 変ホ長調

⑦スケルツォ第4番ホ長調 作品54
(1842年作曲、43年出版)
⑧子守唄 変ニ長調 作品57
(1843年作曲、45年出版)

◯ソナタ第3番 ロ短調 作品58
(1844年作曲、45年出版)
 ⑨第1楽章:アレグロ・マエストーソ
 ⑩第2楽章:スケルツォ・モルト・ヴィヴァーチェ
 ⑪第3楽章:ラルゴ
 ⑫第4楽章:フィナーレ プレスト・マ・ノン・タント

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年9月26、27日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-923】※2011年11月発売


横山氏のショパン:独奏曲全集、
やっとあと2枚になりました。

調べてみると、⑩⑪⑫の3枚中に、
作品45から64までの作品がすべて収録されていましたので、
以下に整理しておきます。

⑩作品45~前奏曲〔嬰ハ短調〕
⑩作品46~演奏会用アレグロ〔イ長調〕
⑩作品47~バラード第3番〔イ長調〕
⑩作品48~2つのノクターン〔ハ短/嬰ヘ短〕
⑩作品49~幻想曲〔ヘ短調〕

  ⑪作品50~3つのマズルカ〔ト長/変イ長/嬰ハ短〕
  ⑪作品51~即興曲第3番〔変ト長調〕
⑩作品52~バラード第4番〔ヘ短調〕
⑩作品53~ポロネーズ第6番《英雄》〔変イ長調〕
  ⑪作品54~スケルツォ第4番〔ホ長調〕
  ⑪作品55~2つのノクターン〔ヘ短/変ホ長〕

   ⑫作品56~3つのマズルカ〔ロ長/ハ長/ハ短〕
  ⑪作品57~子守歌〔変ニ長調〕
  ⑪作品58~ソナタ第3番〔ロ短調〕
   ⑫作品59~3つのマズルカ〔イ短/変イ長/嬰ヘ短〕
   ⑫作品60~舟歌〔嬰ヘ長調〕
   ⑫作品61~ポロネーズ第7番《幻想》〔変イ長調〕
   ⑫作品62~2つのノクターン〔ロ長/ホ長〕
   ⑫作品63~3つのマズルカ〔ロ長/ヘ短/嬰ハ短〕
   ⑫作品64~3つのワルツ〔変ニ長/嬰ハ短/変イ長〕


  ***

ショパンの独奏曲全集も、
ようやく終わりが近づいて来ました。

全曲をまんべんなく聴いてみると、
初期の習作的な作品をのぞけば、
聴き逃していた名曲がほとんどなかったことを知りました。

演奏自体は、
ポーランド独特のリズム感を再現するというよりは、
楽譜をまっさらな目で見つめ直した上で
正確無比な技巧を駆使し、
繊細な感性で情緒豊かに再現されたもので、

そこまで押し付けがましく、
自己主張する演奏ではないので、
一聴するだけでは多少物足りなく感じる方もいるかもしれませんが、

聴き込むにつれ味わいの増す
完成度の高い優れた演奏だと思います。

ただどちらかといえば、
スケルツォ第4番やピアノ・ソナタ第3番など、
規模の大きい曲になればなるほど、
より一層、横山氏の真価が発揮されていて、
有無をいわせぬ強い説得力をもっていました。

2016年5月16日月曜日

アリス=紗良・オットのショパン:ワルツ集(全曲 2009年録音)

ドイツ出身のピアニスト
アリス=紗良・オット(1988.8- )の演奏で、

ポーランドの作曲家
フレデリック・ショパン(Fryderyk Chopin 1810.3-1849.10)の
ワルツ集(全19曲)を聴きました。


フレデリック・ショパン
①《華麗なる大円舞曲》変ホ長調 作品18〔1831〕

3つのワルツ 作品34
②ワルツ 変イ長調 作品34の1〔1835〕
③ワルツ イ短調 作品34の2〔1831〕
④ワルツ ヘ長調 作品34の3〔1838〕

ワルツ 変イ長調 作品42〔1840〕

3つのワルツ 作品64〔1846/47〕
⑤ワルツ 変ニ長調 作品64の1
⑥ワルツ 嬰ハ短調 作品64の2
⑦ワルツ 変イ長調 作品64の3

2つのワルツ 作品69 遺作
⑧ワルツ 変イ長調 作品69の1〔1835〕
⑨ワルツ ロ短調 作品69の2〔1829〕

3つのワルツ 作品70 遺作
⑩ワルツ 変ト長調 作品70の1〔1835?〕
⑪ワルツ ヘ短調 作品70の2〔1841〕
⑫ワルツ 変ニ長調 作品70の3〔1829〕

⑬ワルツ 変イ長調 遺作 KK IVa-13〔1827〕
⑭ワルツ 変ホ長調 遺作 KK IVb-10〔1840〕
⑮ワルツ 変ホ長調 遺作 KK IVa-14〔1829/30〕
⑯ワルツ ホ長調 遺作 KK IVa-12〔1829〕
⑰ワルツ ホ短調 遺作 KK IVa-15〔1830〕
⑱ワルツ イ短調 遺作 KK IVb-11〔1843〕

⑲ノクターン 嬰ハ短調 遺作〔1830〕

アリス=紗良・オット(ピアノ)
録音:2009年8月、ベルリン、テルデックス・スタジオ
【UCCG-1473】2009年10月発売


ピアノを弾くことが楽しくてたまらない風の、
いくつかの動画を観てファンになりました。

アルゲリッチのように、
男勝りのド迫力で聴かせるというよりは、

自由奔放だけれども、
上品なセンス溢れる瑞々しい感性で勝負する演奏で、
音楽を聴く愉しさを再確認させてくれました。

CDで聴いてみると、
動画を観るときよりも一つ一つの表現が軽く、
上っ面だけを撫でているようにも感じられ、
そこまでは感動できませんでした。

若き日(21歳)の記録としては申し分のない内容なのですが、
ショパンで納得させるのはやはり難しいなと思いました。

日々の演奏の中でどんどん成長し、
変化して来ているようなので、
一番最近の演奏も聴いてみたいです。

最近の動画では、
サロネンとのコンビで弾いた
グリーグのコンチェルトが素晴らしい出来でした。
CDで買おうか迷っているところです。

2016年3月7日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その10(2011年録音)

横山幸雄(1971-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
10枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈10〉

①バラード第3番 変イ長調 作品47(1841年作曲、同年出版)
2つのノクターン 作品48(1841年作曲、同年出版)
 ②第1番 ハ短調
 ③第2番 嬰ヘ短調

④前奏曲 嬰ハ短調 作品45(1841年作曲、同年出版)

⑤演奏会用アレグロ イ長調 作品46(1841年作曲、同年出版)
⑥幻想曲ヘ短調 作品49(1841年作曲、同年出版)

⑦バラード第4番 ヘ短調 作品52(1842-43年作曲、43年出版)
⑧ポロネーズ第6番 変イ長調 作品58《英雄》(1842-43年作曲、43年出版)

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年7月5・6日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-922】※2011年11月発売

1841年から43年にかけて、
ショパン31歳から33歳にかけて作曲された作品群が収録されています。

全曲録音なので、
9枚目までは明らかな習作も混じっていたのですが、
この10枚目からは駄作が一つもなく、
ショパンの奥深い名曲がずらりと並んでいます。

途中で集中力を切らさず最後まで聴き通すことができました。

特に、
 バラード第3番、第4番、
 演奏会用アレグロ
 幻想曲
の4曲はまとめにくい曲のはずですが、
全体像のよくわかる強い説得力をもった快演で、
初めて曲の真価を知ったように感じました。

ポーランド人ならではの
節回し的なところからは距離を置いて、

もう一度まっさらな目で
楽譜を見つめ直すところから生み出された
横山氏なりの大人なショパン。

あまり好きなスタイルではないはずなのですが、
ここまで完成度が高ければ文句はないです。

2016年2月15日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その9(2011年録音)

横山幸雄(1971-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
9枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈9〉

2つのノクターン 作品37
 ①第1番 ト短調〔第11番〕
 ②第2番 ト長調〔第12番〕
 ⇒(1838-39年作曲、40年出版)

③バラード第2番 ヘ長調 作品38
 ⇒(1836-39年作曲、40年出版)

2つのポロネーズ 作品40
 ④第1番 イ長調「軍隊」〔第3番〕
 ⑤第2番 ハ短調〔第4番〕
 ⇒(1838-39年作曲、40年出版)

⑥スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品39
 ⇒(1839年作曲、40年出版)

4つのマズルカ 作品41
 ⑦第1番 ホ短調〔第26番〕
 ⑧第2番 ロ長調〔第27番〕
 ⑨第3番 変イ長調〔第28番〕
 ⑩第4番 嬰ハ短調〔第29番〕
 ⇒(1838-39年作曲、1840年出版)

⑪ワルツ第5番 変イ長調《大円舞曲》作品42
 ⇒(1840年作曲、40年出版)

⑫タランテラ 変イ長調 作品43
 ⇒(1841年作曲、41年出版)

⑬アレグレットとマズール イ長調
 ⇒[遺作◆](1974年出版)

円熟期の遺作の小品
 ⑭ソステヌート 変ホ長調 WN53
 ⇒[遺作◆IVb-10](1840年作曲、1955年出版)
 ⑮フーガ イ短調
 ⇒[遺作◆IVc-2](1841-42年作曲、1898年出版)
 ⑯モデラーと“アルバムの一葉”ホ長調 WN56
 ⇒[遺作◆IVb-12](1843年作曲、1910年出版)
 ⑰ギャロップ・マルキ 変イ長調 WN59
 ⇒[遺作◆IVb-13](1846年作曲、1990年出版)
 ⑱ノクターン《遺作》ハ短調 WN62
 ⇒[遺作◆IVb-8](1845-46年作曲、1938年出版)
 ⑲2つのブーレ ト長調・イ長調
 ⇒[遺作◆VIIb-1,2](1846年作曲、1968年出版)

⑳ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 作品44
 ⇒(1840-41年作曲、41年出版)

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年6月10・11日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-921】※2011年9月発売

伊藤はに子氏のCD解説には、

「作品は、
 ほとんどの作品がマヨルカ島とノアンで生まれ、
 サンドとの日々が刻印された作品群を形成する。
 これに加え、1841年から1846年にかけての遺作の小品が添えられている。」

とあります。年齢でいえば、ショパンが
30歳前後(1810年生まれ)に作られた作品群で編まれています。

演奏がずば抜けているのは、
 バラード第2番ヘ長調 と
 スケルツォ第3番嬰ハ短調
の2曲。

個人的に、
バラードとスケルツォは
どうにもつかみどころがない感じがして、
誰の演奏で聴いても納得できなかったのですが、

横山氏の演奏で聴いて初めて、
どんな曲なのかわかって来ました。

少し規模の大きな作品、
筋道の立ちにくい複雑な作品を弾くときの説得力の強さは、
ほかの演奏家ではなかなか聴けないレベルに達していると思います。

ほかの曲でも、
楽譜が求めるところを
抜群のテクニックで過不足なく音にしながら、

情感に欠けるわけでもなく、
曲本来の魅力をよく引き出していると思います。

日本人である横山氏が、
ポーランド人ならではの節回しで勝負するわけにもいかないので、
一つのスタイルとしてありだと思わせる説得力があります。

バラードとスケルツォにつぐのがポロネーズで、
そのほかノクターンも普遍的な美しさを表現し得ていると思います。

意外に面白いのがマズルカで、
ならではのリズムとは違うのでしょうが、
曲本来の美しさが引き出されています。

2015年4月20日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その8(2011年録音)

横山幸雄(1971-)さんによる

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
8枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈8〉

1) 2つのノクターン 作品32(1936)
  第1番 ロ短調
  第2番 変イ長調

2) 4つのマズルカ 作品33(1937-38)
  第1番 嬰ト短調
  第2番 ニ長調
  第3番 ハ長調
  第4番 ロ短調

3) 円熟期の遺作のワルツ
  ヘ短調 WN55(1841)
  イ短調 WN63(1847-49)

4) マズルカ イ短調《ノートル・タン》(1840)
5) マズルカ イ短調《エミール・ガイヤールへ》(1841)
6) 《ヘクサメロン》より第6変奏 ホ長調(1837)

7) 3つの新しい練習曲(1837)
  第1番 ヘ短調
  第2番 変ニ長調
  第3番 変イ長調

8) 即興曲第2番 嬰ヘ長調 作品36(1839)

9) 3つのワルツ 作品34《華麗なワルツ》
  第1番 変イ長調(1838)
  第2番 イ短調(1835)
  第3番 ヘ長調(1831)

10) ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35《葬送》(1839)
   第1楽章:グラーヴェ ドッピオ・モヴィメント
   第2楽章:スケルツォ
   第3楽章:レント マルシュ・フュネーブル
   第4楽章:フィナーレ プレスト

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年5月10・11日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-920】※2011年9月発売

7枚目のあとだいぶ時間を置きました。

CD8には、
25歳から31歳(1835-1841)のころの作品を集めてあります。


21歳の時(1831)に
ウィーンからパリに移住し大成功をおさめた後、

呼吸器系の疾患によって、
ポーランド人貴族の娘マリアとの婚約が破棄され(1837)、

その後知り合った
フランスの女流作家ジョルジュ・サンドとの

マジョルカ島への逃避行(1838)、
その後パリに戻ってから数年、
サンドとの生活を続けていく中で生まれた作品です。


  ***

このあたりに入って来ると、
習作的な色合いはなくなります。

どれも名曲揃いで、
ショパンらしい作品群に
安心して身を任せることができました。

前半に、
・2つのノクターン 作品32
・4つのマズルカ 作品33
・2つの円熟期の遺作のワルツ

後半に、
・即興曲第2番 嬰ヘ長調 作品36
・3つのワルツ 作品34《華麗なワルツ》
・ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35《葬送》

を配置し、
その間にあまり聴く機会のない
・マズルカ イ短調《ノートル・タン》(1840)
・マズルカ イ短調《エミール・ガイヤールへ》(1841)
・《ヘクサメロン》より第6変奏 ホ長調(1837)
・3つの新しい練習曲(1837)

を配置する構成。

あいだの曲はあまり聴いたことがないのですが、
最後は傑作ピアノ・ソナタ第2番でガツンとまとめられ、
全体にひきしまった感じを与えていました。

横山氏のピアノは、
速めのテンポ、万全のテクニックでバリバリ弾かれていきますが、

嫌味なところや、
技術だけ空回りするところはなく、

ほどほどに情感も込められていて、

中庸な解釈で、
ショパンが書いた音楽の美しさに、
すっと入り込むことができました。


ルービンシュタインの
味わい深い老獪な演奏とは違いますが、

若々しさを感じさせる
等身大のショパン演奏のように感じました。

あと4枚、
充実の作品群が続くはずなので、
楽しんで聴いていきたいと思います。

2014年5月2日金曜日

ルイサダのショパン:マズルカ集(全41曲 2008年録音)

チュニジア出身のピアニスト
ジャン=マルク・ルイサダ(1958.6-)が、
50歳の時(2008.10)に録音した

ポーランドの作曲家
フレデリック・ショパン(1810.3-1849.10)の
マズルカ集(41曲)を聴きました。


フレデリック・ショパン
41のマズルカ

Disc1
4つのマズルカ 作品6【1833年出版】※23歳
 第1番 嬰ヘ短調 作品6-1
 第2番 嬰ハ短調 作品6-2
 第3番  ホ長調  作品6-3
 第4番 変ホ短調 作品6-4

5つのマズルカ 作品7【1833年出版】
 第5番 変ロ長調 作品7-1
 第6番  イ短調  作品7-2
 第7番  ヘ短調  作品7-3
 第8番 変イ長調 作品7-4
 第9番  ハ長調  作品7-5

4つのマズルカ 作品17【1834年出版】※24歳
 第10番 変ロ長調 作品17-1
 第11番  ホ短調  作品17-2
 第12番 変イ長調 作品17-3
 第13番  イ短調  作品17-4

4つのマズルカ 作品24【1836年出版】※26歳
 第14番  ト短調  作品24-1
 第15番  ハ長調  作品24-2
 第16番 変イ長調 作品24-3
 第17番 変ロ短調 作品24-4

4つのマズルカ 作品30【1837年出版】※27歳
 第18番  ハ短調  作品30-1
 第19番  ロ短調  作品30-2
 第20番 変ニ長調 作品30-3
 第21番 嬰ハ短調 作品30-4

Disc2
4つのマズルカ 作品33【1838年出版】※28歳
 第22番 嬰ト短調 作品33-1
 第23番  ニ長調  作品33-2
 第24番  ハ長調  作品33-3
 第25番  ロ短調  作品33-4

4つのマズルカ 作品41【1840年出版】※30歳
 第27番  ホ短調 作品41-2
 第28番  ロ短調 作品41-3
 第29番 変イ長調 作品41-4
 第26番 嬰ハ短調 作品41-1

3つのマズルカ 作品50【1842年出版】※32歳
 第30番  ト長調  作品50-1
 第31番 変イ長調 作品50-2
 第32番 嬰ハ短調 作品50-3

3つのマズルカ 作品56【1844年出版】※34歳
 第33番 ロ長調 作品56-1
 第34番 ハ長調 作品56-2
 第35番 ハ短調 作品56-3

3つのマズルカ 作品59【1845年出版】※35歳
 第36番  イ短調  作品59-1
 第37番 変イ長調 作品59-2
 第38番 嬰ヘ短調 作品59-3

3つのマズルカ 作品63【1847年出版】※37歳
 第39番  ロ長調  作品63-1
 第40番  ヘ短調  作品63-2
 第41番 嬰ハ短調 作品63-3

ジャン=マルク・ルイサダ(ピアノ)

録音:2008年10月20-23日、軽井沢 大賀ホール
【SONY MUSIC 8-86976-86922】


マズルカ集は、
数分で終わる小品が40数曲も続いていくので、

続けて聴いていると
だんだん何番が演奏されているのか
わからなくなってしまいますので、

まだ曲の全体像が良くつかめていません。


ルイサダのCDは、
彼独特の解釈がそこら中に聴かれて、

オーソドックスなマズルカ集とは
ずいぶん違っているのですが、

50歳を過ぎての2度目の録音だからか、
程良くこなれていて不思議と違和感がなく、

楽しみながら飽きずに、
全体を聴き通すことができました。

楽譜をこねくり回した挙句、
程々のところに落ちついた演奏といえるでしょうか。

マズルカの伝統的なリズムに則った演奏
とも違っているように感じます。

あえて言うなら、
フランス風の自由なショパン?


誰にでも受け入れられやすい
普遍的なショパンとは違いますが、

聴いてみると
意外にあっさりした印象で、
おもしろく全曲を聴き通せるので、

たまに取り出して繰り返し聴いているCDです。


ルイサダは32-33歳の時(1990-91)にも
マズルカ集(全49曲)を録音しているので、
いずれそちらも聴いてみたいと思っています。


※Wikipediaの「ジャン=マルク・ルイサダ」「フレデリック・ショパン」「マズルカ(ショパン)」を参照。

2014年4月27日日曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その7(2011年録音)

横山幸雄(1971-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
7枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈7〉

1) パリ時代初期の遺作のワルツ2曲
  ワルツ 変ト長調 WN42(1832)
  ワルツ 変イ長調 WN47(1835)

2) パリ時代初期の遺作の小品4曲
  カンタービレ 変ロ長調 WN43(1834)
  前奏曲 変イ長調 WN44(1834)
  ラルゴ 変ホ長調(1837)
  “春”ト短調 WN53a(1838)

3) 即興曲 第1番 変イ長調 作品29(1837)
  即興曲 嬰ハ短調 WN46
 (幻想即興曲 1834-35 作品66)

4) 4つのマズルカ 作品30(1837)
  第1番 ハ短調
  第2番 ロ短調
  第3番 変ニ長調
  第4番 嬰ハ短調

5) スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31(1837)

6) 24の前奏曲 作品28(1839)
  第1番 ハ長調
  第2番 イ短調
  第3番 ト長調
  第4番 ホ短調
  第5番 ニ長調
  第6番 ロ短調
  第7番 イ長調
  第8番 嬰ヘ短調
  第9番 ホ長調
  第10番 嬰ハ短調
  第11番 ロ短調
  第12番 嬰ト短調
  第13番 嬰ヘ長調
  第14番 変ホ短調
  第15番 変ニ長調「雨だれ」
  第16番 変ロ短調
  第17番 変イ長調
  第18番 ヘ短調
  第19番 変ホ長調
  第20番 ハ短調
  第21番 変ロ長調
  第22番 ト短調
  第23番 ヘ長調
  第24番 ニ短調

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年4月18・19日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-919】


CD7には、
ショパン22歳から29歳、
1832年から39年にかけて作曲された作品を収録しています。

21歳の時(1831)に
ウィーンからパリに移住し大成功をおさめた後、

呼吸器系の疾患によって、
ポーランド人貴族の娘マリアとの婚約が破棄され(1837)、

その後知り合った
フランスの女流作家ジョルジュ・サンドとの、
マジョルカ島への逃避行(1838)あたりまでの作品が収められています。


「幻想即興曲」
「スケルツォ第2番」
「24の前奏曲」など有名曲が目白押しですが、

個人的には、
1938年にパリで発見・出版された

「ラルゴ変ホ長調(1837)」

という作品を初めて聴いて、好きになりました。

1分半ほどのスケッチといっても良いくらいの小品ですが、
美しいメロディに心動かされました。


横山氏のピアノ、
全体に若々しい覇気に満ちた演奏です。

無骨というよりは
万全のテクニックによる洗練された、
ほどほどにロマンティックな表現です。


最初のワルツのみ、
ワルツらしくなくて違和感があったのですが、
あとは十分満足しました。

「スケルツォ第2番」と「24の前奏曲」の演奏が特に優れていたと思います。



※Wikipediaの「横山幸雄」「フレデリック・ショパン」「ショパンの楽曲一覧」を参照。

2014年3月31日月曜日

ルービンシュタインのショパン:ワルツ集(1963年6月25日録音)

ポーランド立憲王国〔1815-1918〕生まれのピアニスト
アルトゥール・ルービンシュタイン(1887.1-1982.12)の演奏で、

ワルシャワ公国〔1807-1815〕生まれの作曲家
フレデリック・ショパン(1810.3?-1849.10)のワルツ集(全14曲)を聴きました。


フレデリック・ショパン(1810-1849)
ワルツ集(全14曲)

 第1番 変ホ長調 作品18 《華麗なる大円舞曲》
 第2番 変イ長調 作品34の1《華麗なる円舞曲》
 第3番  イ短調  作品34の2《華麗なる円舞曲》
 第4番  ヘ長調  作品34の3《華麗なる円舞曲》
 第5番 変イ長調 作品42
 第6番 変ニ長調 作品64の1《子犬》
 第7番 嬰ハ短調 作品64の2
 第8番 変イ長調 作品64の3
 第9番 変イ長調 作品69の1《告別》〔遺作〕
 第10番 ロ短調  作品69の2〔遺作〕
 第11番 変ト長調 作品70の1〔遺作〕
 第12番 ヘ短調  作品70の2〔遺作〕
 第13番 変ニ長調 作品70の3〔遺作〕
 第14番 ホ短調 (遺作)

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
録音:1963年6月25日、RCA Italiana Studios, Roma
【SICC-30056】


先日「Sony Music Japan の Blu-spec CD2」で、
ルービンシュタインが弾くショパンの夜想曲集を聴き、

音質が一新されていたことに驚いて、
ルービンシュタインのショパンを聴き直していくことにしました。


今回はワルツ集を聴いてみましたが、

以前の、
どこか古さを感じさせる、
若干ひなびたような音質から、

ピアノ本来の、
芯のある美しい響きを堪能できる音質へと変化しており、
このワルツ集への認識を新たにすることができました。

ルービンシュタイン76歳の時の録音で、
恣意的なところのない、力みのない、
達観した感じのある演奏なので、

ピアノの音が心地よく響かないと、
本当に何もしていない退屈な演奏のように聴こえるのですが、

ピアノの音が見違えったおかげで耳に心地よく響き、
存分に楽しむことができました。


これがベストかと言われると、
もう少し覇気にあふれた面があっても良いのかもしれませんが、

ルービンシュタインが若いころから
繰り返し演奏してきたショパンの結論として、

今後も聴き続けていきたいCDです。


※Wikipediaの「アルトゥール・ルービンシュタイン」「フレデリック・ショパン」を参照。

2013年11月30日土曜日

ルービンシュタインのショパン:夜想曲集 その2

ポーランド出身のピアニスト、
アルトゥール・ルービンシュタイン(1887.1-1982.12)が

78・80歳の時(1965・1967)に録音した

ポーランドの作曲家
フレデリック・ショパン(1810.3-1849.10)の
夜想曲集、CD2枚目を聴きました。


ショパン
夜想曲集(全19曲)のうち9曲

/CD2
 第11番 ト短調 作品37-1
 第12番 ト長調 作品37-2

 第13番  ハ短調 作品48-1
 第14番 嬰ヘ短調 作品48-2

 第15番 ヘ短調 作品55-1
 第16番 変ホ長調 作品55-2

 第17番 ロ長調 作品62-1
 第18番 ホ長調 作品62-2

 第19番 ホ短調 作品72-1

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
録音:1965年8月31日(第11-13番)、9月1日(第14・15・17・18番)、9月2日(第19番)、RCA Italiana Studio A、ローマ。1967年2月21日(第16番)Webster Hall、ニューヨーク。
【SICC30054~5】


2つの夜想曲 作品37-1・2 は、

ショパン30歳の時(1840)に出版された作品、

2つの夜想曲 作品48-1・2 は、

ショパン32歳の時(1842)に出版された作品、

2つの夜想曲 作品55-1・2 は、

ショパン34歳の時(1844)に出版された作品、

2つの夜想曲 作品62-1・2 は、

ショパン36歳の時(1846)に出版された作品です。

そして

夜想曲 作品72-1(遺作)は、

ショパン17歳の時(1827)に作曲されるも発表されず、
没後1855年に初めて出版された作品です。

ショパンにはあと2曲、
遺作の夜想曲がありますが、未収録です。


夜想曲の後半の曲は、
これまで暗すぎるというか、

物哀しい雰囲気を強めに感じて
あまり好きになれなかったのですが、

年齢的な変化なのか、
今年の秋の物哀しい雰囲気に合っているように感じ、

名曲ぞろいであることを再認識しました。


ルービンシュタインのピアノは、

老齢を迎えていた時期の録音で、
それなりに抑制した表現になのですが、

「Bluw-spec CD2」版で聴く分には、
タッチの繊細な部分でのコントロールまでよく聴こえ、

ルービンシュタインの意志を感じ取ることが出来たので、
予想以上に楽しむことができました。


ただし、まったく初めてこの曲を聴く場合には、
多少物足りなく感じられる演奏かもしれません。


※Wikipedia の「アルトゥール・ルービンシュタイン」「フレデリック・ショパン」「ショパンの楽曲一覧」を参照。

2013年9月26日木曜日

ルービンシュタインのショパン:夜想曲集 その1

ポーランド出身のピアニスト、
アルトゥール・ルービンシュタイン(1887.1-1982.12)が

78歳の時(1965)に録音した

ポーランドの作曲家
フレデリック・ショパン(1810.3-1849.10)の
夜想曲集を聴いていきます。

CD2枚に収録されていますが、
今回はCD1を取り上げます。


ショパン
夜想曲集(全19曲)のうち10曲

/CD1
 第1番 変ロ短調 作品9-1
 第2番 変ホ長調 作品9-2
 第3番  ロ短調  作品9-3

 第4番  ヘ長調  作品15-1
 第5番 嬰ヘ長調 作品15-2
 第6番  ト短調  作品15-3

 第7番 嬰ハ短調 作品27-1
 第8番 変ニ長調 作品27-2

 第9番  ロ長調  作品32-1
第10番 変イ長調 作品32-2

/CD2(省略)

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
録音:1965年8月30日(第1-7番)、31日(第8-10番)、RCA Italiana Studio A、ローマ
【SICC30054~5】


3つの夜想曲 作品9-1~3 と、

3つの夜想曲 作品15-1~3 は、

ショパン23歳の時(1833)に出版された作品、

2つの夜想曲 作品27-1・2 は、

ショパン26歳の時(1836)に出版された作品、

2つの夜想曲 作品32-1・2 は、

ショパン27歳の時(1837)に出版された作品です。


どれも名曲ですが、
個人的には、作品9の3曲がとても好きです。

とくに第2番は、
ここまで美しいメロディを書いてしまうと、
この先続いていかないんじゃないかな、と思うほど。


作品15の3曲は多少、試行錯誤しているというか、
訴えかけてくる力に弱いのか、

注意して聴いていないと、
いつの間にか通り過ぎていく感じがありました。

次の作品27・作品32からは、
夜想曲で描いていく世界が定まったのか、
ぐっと深まって心に響いてくるものがありました。


  ***

ルービンシュタインのショパンは定評のあるものですが、

聴き方によっては、

落ちつきすぎているというか、
もっといくらでも情熱的に弾けるところを
あえて抑制しているように聴こえるかもしれません。

確かにこれは、

タッチの微妙な加減、
ごく僅かなテンポの揺らしによって
十全な表現が成し遂げられていて、

長年繰り返し演奏されてきた経験を踏まえた上での、
ルービンシュタインの結論が示されていて、

多少枯れた印象があるのは疑いないと思います。


以前の国内盤では、
リマスタリングの加減なのか、
タッチの微妙なニュアンスが消し飛んでいたため、

枯れた味わいを通りこして、
ただただ退屈な演奏のように感じられていました。


しかし今回の〈Blu-spec CD2〉を聴いて、

これまでの国内盤では伝わりにくかった
タッチの微妙な変化がよく聴きとれて、

初めてこの演奏の真価を知られた気がしました。


多少枯れてはいますが、よく練られた解釈で、
聴くほどに魅力の増す味わい深いノクターンだと思います。


※Wikipedia の「アルトゥール・ルービンシュタイン」「フレデリック・ショパン」「ショパンの楽曲一覧」を参照。