ラベル ▼インバル(エリアフ) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ▼インバル(エリアフ) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年1月13日日曜日

インバル&フランクフルト放送響のブルックナー:交響曲第0番(1990年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )
の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
アントン・ブルックナー
(Anton Bruckner, 1824年9月4日-1896年10月11日)の
交響曲第0番 ニ短調 を聴きました。

指揮者53歳の時(1990年1月)の録音です。


CD2
ブルックナー
交響曲第0番ニ短調 WAB100 [ノヴァーク版]

フランクフルト放送交響楽団
エリアフ・インバル(指揮)
録音:1990年1月。フランクフルト、アルテ・オーパー
【TELDEC 11CD 2564 68022-8】※2014年4月発売


交響曲 第0番 ニ短調 は、
ブルックナーが44歳の時、
1869年1月から9月にかけて作曲され、
45歳を迎えて間もなくの同(1869)年9月12日に完成されました。

 第1番ヘ短調 は
 42歳の時(1866年4月)に完成し、
 44歳の時(1868年)に初演。

 第2番ハ短調 は、
 48歳の時(72年9月)に完成され、
 49歳の時(73年10月)に初演されているので、

第0番は本来、
第1番につづく第2番として作曲されたことがわかります。

ウィーン・フィルの指揮者
オットー・デッソフ(Otto Dessoff, 1835-92)
に意見を求めたところ否定的な評価を受けたため、
そのまま撤回された作品です。


全曲初演はブルックナーの没後、
27年をへた1924年5月に行われました。

出版譜は「ヴェス版」と「ノヴァーク版」の2種類あります。

1924年にオーストリアの作曲家
ヨーゼフ・ヴェス(Josef Wöss, 1863-1943)
によって「初版」が出版されました。

そののち、ハース版(旧全集)に同曲は収録されず、
1968年にノヴァーク版(新全集)の総譜が出版されました。

完成後そのまま封印された作品なので、
のちの多くの交響曲のように、
複数の稿の問題に頭を悩まされることはありません。

※ 根岸一美著『作曲家◎人と作品シリーズ ブルックナー』(音楽之友社、2006年6月)と、Wikipedia の「交響曲ヘ短調(ブルックナー)」の項目を参照。


  ***

第00番に続いて第0番も聴いてみました。
こちらも今回初めて聴きました。

第00番がいかにも習作といった感じの作品だったので、
第0番も似たようなものかと思ったのですが、

実際に聴いてみると、
第1番や第2番と同じレベルか、
聴き慣れていない分、より充実した内容の作品に聴こえました。

驚いて調べてみると、第0番というものの、
第1番より後、第2番より前に書かれた
「第1.5番」というべき作品であったことがわかりました。

初めて聴いたからか、
第1番や第2番よりも新鮮な驚きがあって、
感動のもと全曲を聴き終えることができました。

初期の交響曲に聴かれる
絶品の Adagio がもう1曲増えた喜びも大きいのですが、

初期の交響曲について、
(改訂の施されていない)初稿のままの状態でも、
十分に完成度の高い作品であったことがわかった点も大きいです。

第1番と第2番も、
初稿のままならどんな風に聴こえるのか、
興味が出て来ました。

第1番については
ハース版にせよ、ノヴァーク版にせよ、
すでに第1稿(リンツ稿)にもとづいて出版されているのですが、

第2番はハース版でも、ノヴァーク版でも、
第1稿(1872年稿)は出版されなかったので、
キャラガン版が公にされるまでは耳にする機会がありませんでした。

今後、交響曲第3番に進む前に、
キャラガン校訂の第1稿(1872年鋼)で、
第2番の演奏を聴いてみたいと思っています。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2019年1月6日日曜日

インバル&フランクフルト放送響のブルックナー:交響曲第00番(1992年録音)

インバル&フランクフルト放送響のブルックナー、
ヨッフム&ドレスデン・シュターツカペレの全集には含まれていない
第00番と第0番も収録されているので、聴いてみることにしました。
ほぼ初めて聴く作品です。

  ***

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )
の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
アントン・ブルックナー
(Anton Bruckner, 1824年9月4日-1896年10月11日)の
交響曲第00番 ヘ短調 を聴きました。

指揮者56歳の時(1992年5月)の録音です。


CD1
アントン・ブルックナー
交響曲第00番 ヘ短調 WAB99 [ノヴァーク版]

フランクフルト放送交響楽団
エリアフ・インバル(指揮)
録音:1992年5月。フランクフルト、アルテ・オーパー
【TELDEC 11CD 2564 68022-8】※2014年4月発売


交響曲ヘ短調はブルックナーが38歳の時、
1863年1月から5月にかけて作曲されました。

交響曲第1番が完成するのは、
41歳の時(1866年4月)のことなので、
第1番が完成する3年ほど前に作られた作品ということになります。


生前に演奏される機会はなく、
没後28年をへた1925年2月に全曲初演されました。

楽譜は没後17年をへた1913年に、
オーストリアのウニヴェルザール社(ユニバーサル)から出版されました。

ハース版(旧全集)に同曲は収録されず、
1973年にノヴァーク版(新全集)の総譜が出版されました。

もともと習作として作られた作品なので、
のちの多くの交響曲のように、
複数の稿の問題はありません。

※ 根岸一美著『作曲家◎人と作品シリーズ ブルックナー』(音楽之友社、2006年6月)と、Wikipedia の「交響曲ヘ短調(ブルックナー)」の項目を参照。


  ***

第00番と第0番は番号だけを見ると、
2曲とも第1番より前に作られたように感じますが、

実際には第0番は、
第1番よりあと第2番より前に作られた
「第1.5番」とも呼ぶべき作品なので、

第1番より前に書かれた交響曲はこの第00番のみで、
ふつうは習作と判断されています。

今回初めて聴いてみると、
確かに、これはブルックナーです、
とはじめに教えてもらわなければ、
聴いてすぐには気がつきにくい、
習作的な作品だと納得できました。

聴くに堪えないわけではなく、
ブルックナーの習作であるとわかった上で聴くのなら、
それなりに興味深く聴けると思いますが、
コンサートの最後がこの曲なら、
少し残念な気持ちになるかもしれません。

個人的には、
シューマンの未知の作品を聴いているようでもあり、
まずまず楽しむことができました。

インバルの録音は、楽譜の内容を正確に、
ほどほどに面白く聴かせてくれていると思います。

解釈によっては、
より面白く聴かせられるのかもしれませんが、
曲の紹介としては十分に役割を果たしていると思います。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2018年11月11日日曜日

インバル&フランクフルト放送響のブルックナー:交響曲第2番(1988年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )
の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
アントン・ブルックナー
(Anton Bruckner, 1824年9月4日-1896年10月11日)の
交響曲第2番 ハ短調 を聴きました。

指揮者52歳の時(1988年6月)の録音です。


CD4
アントン・ブルックナー
交響曲第2番ハ短調(1877年稿) [ノヴァーク版]
録音:1988年6月。フランクフルト、アルテ・オーパー

フランクフルト放送交響楽団
エリアフ・インバル(指揮)
【TELDEC 11CD 2564 68022-8】※2014年4月発売


交響曲第2番ハ短調 は、

47歳の秋(1871年)に着手、
48歳の時(72年9月)に完成され、
49歳の時(73年10月)に初演されました。

この1872年9月に完成された楽譜を、
第1稿「1872年稿」と呼んでいます。

  「1872年縞」は長らく未出版でしたが、
  2005年にアメリカの音楽学者
  ウィリアム・キャラガン(William Carragan, 1937- )
  による校訂譜が出版されました。

  キャラガンの研究自体は
  1990年までにまとめられていたので、
  1991年には「キャラガン版」として録音、紹介されていました。 

完成した翌年(1873)に初演される際、
第1稿「1872年稿」そのままではなく、
すでに若干の改訂が行われていたことから、
初演時(1873年10月)の版を「1873年稿」と呼ぶことがあります。

さらに、
初演の1年4ヶ月後(1876年2月)に再演される際、
より大きな改訂が行われました。

この再演にもとづく改訂稿を、
第2稿「1877年稿」と呼んでいます。


 ***

その後、
国際ブルックナー協会による校訂譜として、
ハース版とノヴァーク版が出版されますが、

1938年に出版されたハース版は、
「1877年稿」を基本としつつも、
適宜「1872年稿」の情報を織り込んだ楽譜となりました。

さらに、
1965年に出版されたノヴァーク版は、ハース版から
「1872年稿」の情報をカットする方針で編纂されましたが、
実際は、一部に「1872年稿」の情報を残したまま出版されました。


つまりノヴァーク版とは、ハース版と同じく
「1877年稿」を基本としつつも、
多少「1872年稿」の情報が残された楽譜となりました。

指揮者の判断によって「1872年稿」の部分をカットし、
完全な「1877年稿」として演奏できるようにもなっていますが、

「1877年稿」そのままだと
第4楽章に大きなカットが生じてしまうので、

録音などでノヴァーク版を用いる場合、
カットなしの「1877(+72)年稿」の状態で
演奏されることのほうが多いようです。

ざっと見た限りでは、
インバルはノヴァーク版をカットなしで演奏しているので、
「1877(+72)年稿」を再現した演奏ということになります。

  ※以上、主に根岸一美(ねぎしかずみ)著『作曲家◎人と作品シリーズ ブルックナー』(音楽之友社、2006年6月)と、ノーヴァク著(大崎滋生訳)「序文」(ブルックナー作曲/ノーヴァク監修『OGT202 交響曲第二番ハ短調(1887年稿)』音楽之友社、1986年5月)を参照。


   ***

こちらもヨッフム&
シュターツカペレ・ドレスデンの演奏と比べると、
オケの音がきれいに整えられて、スコアに書かれた音が、
すべて鮮やかに再現されているような印象を受けました。

ただ、
ヨッフムの燃焼度の高い演奏を聴いた後だと、

インバルの場合は、どこか客観的に
この曲を見つめる冷静な視線が感じられるので、
曲全体として受ける感銘の深さは、
ヨッフムに一歩譲ると言わざるを得ません。

それでも、
楽譜を見通しよく正確に再現して、
この曲のもつ等身大の魅力を自然に引き出せていると思うので、
初めてこの曲に触れる方にも、
十分お薦めできる演奏だと思います。

インバルは2011年5月に、
東京都交響楽団とともに同曲を再録音しているので、
いずれそちらも聴いてみたいと思います。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2018年11月4日日曜日

インバル&フランクフルト放送響のブルックナー:交響曲第1番(1987年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )
の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
アントン・ブルックナー
(Anton Bruckner, 1824年9月4日-1896年10月11日)の
交響曲第1番 ハ短調 を聴きました。

指揮者50歳の時(1987年1月)の録音です。


CD3
アントン・ブルックナー
交響曲第1番ハ短調(リンツ稿) [ノヴァーク版]
録音:1987年1月(ライブ録音)。フランクフルト、アルテ・オーパー

フランクフルト放送交響楽団
エリアフ・インバル(指揮)

録音:1982~88年月。フランクフルト、アルテ・オーパー
【TELDEC 11CD 2564 68022-8】※2014年4月発売


交響曲第1番 ヘ短調 は、

ブルックナーが
41歳の時(1865)に着手、
42歳の時(1866)に完成し、 
44歳の時(1868)に初演されました。

この第1稿を「リンツ稿」と呼んでいます。

その後1877年と84年に細部の改訂が行われたので、

1935年に出版された
ハース校訂の「リンツ稿」(第1稿)では、
1877年の改訂を含めた状態で出版されました。


第1稿の初演から22年をへた
66歳の時(1890)に全面改訂が行われ、
翌91年に改訂稿の初演が行われました。

この第2稿を「ウィーン稿」と呼んでいます。

改訂稿の初演から2年後(1893)、
「ウィーン稿」(第2稿)に基づく「初版」が出版されました。

ブルックナーはこの3年後、
72歳の時(1896)に亡くなりますが、
1935年にハース校訂の「リンツ稿」が出版されるまで、
40年余り、第1番の出版譜は「ウィーン稿」しか存在しませんでした。


本格的な校訂譜としては、1935年に、
ハース校訂による「ウィーン稿」と「リンツ稿」が出版され、

その後、
1953年にノヴァーク校訂による「リンツ稿」が、
1979年にノヴァーク校訂による「ウィーン稿」が
それぞれ出版されました。

ノヴァーク版の「ウィーン稿」は、
実際の校訂者名をとって「ブロッシェ版」と呼ばれることもあるそうです。


このCDでは、
1953年に出版されたノヴァーク校訂による
「リンツ稿」が用いられています。

 ※根岸一美『作曲家◎人と作品 ブルックナー』(音楽之友社、2006年6月)と、Wikipediaの「交響曲第1番(ブルックナー)」の項を参照。


   ***

ヨッフム&ドレスデン・シュターツカペレを聴いた後だと、

オケの音色が澄んで、
きれいに整っていることに気付かされます。

楽譜がきれいに鳴っているので、
スコア・リーディングにはもってこいの演奏ですが、

だからといって、
きれいなだけで無表情に聴こえる訳ではなく、
感動的に最後まで聴き通すことができるので、
持っていて後悔することはない、模範的な演奏だと思います。

どちらが感動するかといえば、
ヨッフム&ドレスデン・シュターツカペレのほうですが、

全体の構造がより伝わりやすいのは、
インバル&フランクフルト放送響のほうだと思います。


音質が多少硬めに聴こえるので、
マーラーのように、
Blu-spec CD などの音質改善があれば、
なおのこと聴き映えするはずですが、
今のままでも大きな不満はありません。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2018年3月18日日曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第2番(1985年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第2番《復活》を聴きました。

指揮者49歳の時(1985年3月)の録音です。


グスタフ・マーラー
交響曲第2番《復活》

 ヘレン・ドナート(ソプラノ)
 ドリス・ゾッフェル(アルト)
 北ドイツ放送合唱団
 (合唱指揮:ヴェルナー・ハーゲン)
 デイル・ワーランド・シンガーズ
 エリアフ・インバル(指揮)
 フランクフルト放送交響楽団

録音:1985年3月28・29日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73276/7】2012年6月発売。

交響曲第2番の作曲は、
1888年3月に交響曲第1番の第1稿が完成したあと間もなく始められ、
同年9月に第1楽章のみ完成しました。

その後いったん中断していたようで、
3年後の1891年10月には、この第1楽章のみ
交響詩《葬礼》という独立した作品として、
出版する可能性を探っていたことが知られています。

第1楽章の完成から5年をへた1893年、
第1交響曲の第2稿が完成したのに合わせて(1月)、
第2交響曲の第2-4楽章まで作曲しました(7月)。

最終楽章は、
それからさらに半年をへた1894年2月に、
指揮者ハンス・フォン・ビューローの葬儀に
出席したとき聴いた音楽に強い衝撃を受けて作曲されました。

全5楽章の最終稿はこの年(1892年)の12月に完成しました。
着想から完成まで6年半余りの歳月がかけられたことになります。

第2交響曲の全曲初演は、
完成からさらに3年をへた1895年12月に行われました。

なお初演の成功を契機に、
第1交響曲の再改訂が行われ、
第2交響曲の初演から3ヶ月たった1896年3月に、
《花の章》を削除した第1交響曲の最終版の初演が行われました。

※Wikipediaの「交響曲第1番(マーラー)」「交響曲第2番(マーラー)」を参照。


  ***

ようやく最後の1枚になりました。

指揮者の強い意志が一本通った熱い演奏で、
一番に、バーンスタイン&ニューヨーク・フィルの旧録音を思い出しました。

バーンスタインよりは
音楽の自然な流れにそっていて、
細かなところまで磨き上げられている側面もあるのですが、
冷静というわけではなく、
指揮者の曲への熱い思いが率直に伝わって来て、
最後まで興味深く聴き進めることができました。

まずは模範的な《復活》の名演といって良いと思います。

ただ個人的に、
《復活》は大風呂敷を広げすぎた印象のある曲で、
今一つ好きになれないところがあるので、

インバルの録音を聴いても、
そこまで深くは感動していない自分がいることも確かです。

技術的には申し分なく、
内容的にもまずは十分なレベルまで掘り下げられているはずなので、
聴いてる私の方に問題があるのかもしれません。

もう少し時間が立ってから、
改めて聴き直そうと思います。


  ***

さてここまで、
Blu-spec CD によって再販売された
インバルのマーラー:交響曲全集を聴いてきました。

全体的にみると、
不満が残ったのは第9番のみで、
その他はいずれも楽譜を精緻に再現しながらも、
曲の本質をよくつかんだ熱い演奏が繰り広げられていて、
十分満足できました。

マーラーの定盤CDとして、
今後も備えておきたいCDとなりました。

一番感動したのは第3番で、
それに次ぐのが《大地の歌》と第10番でしょうか。

声楽の入らない第5・6・7番も、
曲の構造がよくわかる名演でした。

第4・8番の声楽が入ってくる曲の完成度も高く、
あまり期待していなかった第1番の瑞々しさにも感動しました。

それだけに、第9番の1枚のみ、
私の耳のほうが間違っているのではと思い、
繰り返し聴き直しましたが、
満足できるレベルではありませんでした。

しばらく時間をおいて、
また聴き直す機会を持ちたいですが、
オクタヴィアへの新録音のほうも気になっているところです。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2018年2月26日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第1番(1985年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第1番《巨人》を聴きました。

指揮者49歳の時(1985年2・3月)の録音です。


グスタフ・マーラー
交響曲第1番《巨人》

 エリアフ・インバル(指揮)
 フランクフルト放送交響楽団

録音:1985年2月28日-3月1日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73117】2010年9月発売。

交響曲第1番は、
2部構成〔1部1-3楽章/2部4・5楽章〕
からなる「交響詩」の第1稿として、
マーラー29歳の時(1889年11月)に、
作曲者本人の指揮するブダペスト・フィルによって初演されました。

 →この第1稿は「ブダペスト稿」とも呼ばれていますが、
  楽譜は現存していません。

この初演はうまく行かなかったので、
第2・3・5楽章に改訂を施した第2稿を、
「交響曲様式による音詩《巨人》」として
33歳の時(1893年10月)に演奏しましたが、
成功を収めるには至りませんでした。

 →この第2稿は、
  93年10月にハンブルクで演奏された後、
  翌年7月にヴァイマルでも再演されました。
  両者の細かな変更点を問題とする場合、
  「ハンブルク稿」「ヴァイマル稿」と分けて呼ぶことがあります。

その2年半後、
マーラーが35歳の時(1896年3月)に、
第2楽章の〈花の章〉が削除され、
初めて全4楽章の「交響曲」として演奏されました。

この3ヶ月ほど前(1895年12月)に、
第2「交響曲」が全曲初演されているので、

同様の取り組み方をしてきた《巨人》が、
マーラー本人にとっての第1「交響曲」であることを、
宣言する意図があったのかもしれません。

以上、Wikipediaの「交響曲第1番(マーラー)」を参照。


  ***

Blu-spec CD 仕様で、
2010・12年に再販された
インバル&フランクフルト放送響のマーラー、

第3番から第10番までは
《大地の歌》も含めて聴き終えて、
残るは最初の第1・2番のみとなりました。

旧版との音質の差異は、
すべてを聴き比べたわけではありませんが、

Blue-spec CD のほうが瑞々しく、
いかにもホールで鳴り響いている自然なオケの音に近い印象で、
無機的な印象のあったインバルのマーラーを、
再評価するきっかけになりました。


第1番は、
後の番号に比べて音楽的にうすい印象があるので、
楽譜に忠実なインバルの路線では満足できないかもと心配しましたが、

繊細ながらも若々しさを感じさせる美しい演奏で、
久しぶり新鮮な感動のうちに《巨人》を聴き終えることができました。

しばらく遠ざかっていましたが、
他の指揮者の《巨人》も聞いてみたくなりました。

特別なことをしている風ではないのに、
ああ美しい曲だなと思っているうちに
最後まで聴き進められたので、
曲自体も十分魅力的なんだと再認識しました。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2017年12月4日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第9・10版(1986年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第9番&第10番~アダージョを聴きました。

指揮者50歳の時(1986年9月)の録音です。


グスタフ・マーラー
①交響曲第9番
②《アダージョ》~交響曲第10番

 エリアフ・インバル(指揮)
 フランクフルト放送交響楽団

録音:1986年9月24-27日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73282/3】2012年6月発売。

交響曲第9番は、
マーラー49歳から50歳にかけて
(1909年-10年)作曲されました。

初演は没後1年をへた1912年6月に、
ブルーノ・ワルターの指揮する
ウィーン・フィルによって演奏されました。

第10番は第9番の完成後、
1910年に作曲がはじめられたものの、
1911年5月に亡くなったため、未完のまま残されました。

全5楽章の略式総譜
(オーケストレーション前の4、5段の楽譜による総譜)
は最後まで完成されたものの、

オーケストレーションは、
 第1楽章はそのまま演奏できるレベルまで完成、
 第2楽章は一部に不備があるもののほぼ完成、
 第3楽章は最初の30小節目まで一応完成されるという状態でした。

マーラー本人は、
このスケッチを破棄するように伝えましたが、
夫人アルマがこれを保管していたため、
1924年に初めて写真版が公表され、
同年10月に第1・3楽章の初演が行われました。


  ***

さて肝心の演奏ですが、

これまで第3・4・5・6・7・8番と
《大地の歌》を聴いてきた中で、

この第9番のみは、
なぜか全体的にオケのまとまりが悪く、
燃焼度の低い、中途半端な演奏で、
名演には程遠い仕上がりになっていました。

まさかと思い、
何度か聴き直したのですが、
この第9番のみは指揮者の消化不足な印象が残る、
あまり面白くない演奏が展開されていて、
最後まで聴き通すのが苦痛でした。

この時だけ、
オケの調子が悪かったのかもと思いましたが、
同じ時に録音された第10番のほうは、
ふつうに情感のこもった、
インバルの意図がよくわかる演奏だったので、

第9番のみ、
指揮者の解釈にまだ迷いがあったのかもしれません。

まだ聴いていない第1・2番のCDのなかにも、
もしかしたら今一のものがあるかもしれないので、
そちらを聴いてから、
もう一度、第9番に戻って来ようと思います。



にほんブログ村 クラシックブログへ

2017年11月26日日曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲《大地の歌》(1988年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲《大地の歌》を聴きました。

指揮者52歳の時(1988年3月)の録音です。


グスタフ・マーラー
交響曲《大地の歌》

 エリアフ・インバル(指揮)
 フランクフルト放送交響楽団
 ペーター・シュライアー(テノール)
 ヤルド・ヴァン・ネス(メゾ・ソプラノ)

録音:1988年3月24・25日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73285】2012年6月発売。

交響曲《大地の歌》は
1907年から8年にかけて、
マーラーが47-8歳のときに作曲されました。

初演は、
マーラーが1911年5月に亡くなった後、
同年11月20日に、作曲者から託された
ブルーノ・ワルターによって初演されました。

  ***

音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
第8番に続いて《大地の歌》を聴きました。

こちらは2002年6月に発売された
普通のCDのほうも持っていたので、

今回聴き比べてみると、声楽の場合、
オーケストラほど大きな違いはなく、
普通のCDでも十分美しく録れていました。

ちゃんと聴けば、
[Blu-spec CD]のほうが明らかに、
空間が広がって、耳にやわらかく、
いい音で聴こえてくるのですが、

声楽曲の場合は、
改めて買い直すほどの
大きな差はないかもしれません。


 ***

《大地の歌》は、
ウィーン・フィルと抜群に相性のよい曲ですが、

例外的に聴けるのが、
このインバル&フランクフルト放送響による演奏です。

ペーター・シュライアー(テノール)と
ヤルド・ヴァン・ネス(メゾ・ソプラノ)の独唱も、

耳ざわりなところのない
瑞々しい感性に彩られた歌唱で、
聴きやすく、繰り返し聴くのに適した名演だと思います。

インバルの指揮は、
ワルターやバーンスタインと比べるなら、
多少落ち着いた印象がありますが、

さらに他の演奏と聴き比べるなら、
曲の真価を感興豊かに再現していて、
決して冷静ではありません。

それほどいろいろ聴いているわけではないので、
ほかにも名演はあるはずですが、

最初の1枚として聴き込むのに
適していた名演の1枚であることは間違いありません。



にほんブログ村 クラシックブログへ

2017年9月4日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》(1986年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第8番《千人の交響曲》を聴きました。

指揮者50歳の時(1986年10月)の録音です。


グスタフ・マーラー
交響曲第8番《千人の交響曲》

 フェイ・ロビンソン(ソプラノ)
 テレサ・ケイヒル(ソプラノ)
 ヒルデガルト・ハイヒェレ(ソプラノ)
 リヴィア・ブダイ(アルト)
 ジェーン・ヘンシェル(アルト)
 ケネス・リージェル(テノール)
 ヘルマン・プライ(バリトン)
 ハラルト・シュタム(バス)
 バイエルン放送合唱団
 北ドイツ放送合唱団
 シュトゥットガルト・ズュートフンク合唱団
 西ドイツ放送合唱団
 RIAS室内合唱団
 ハンブルク大聖堂児童聖歌隊
 ヘッセン放送児童合唱団

 フリッツ・ヴァルター=リントクヴィスト(オルガン)
 フランクフルト放送交響楽団

 エリアフ・インバル指揮

録音:1985年4月18・19日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73278/9】2012年6月発売。

交響曲第8番は、1906年から7年にかけて作曲され、
マーラー50歳の時(1910年9月12日)に初演されました。

第7番の初演は1908年9月、
《大地の歌》の初演は1911年11月、
第9番の初演は1912年6月のことでした。

マーラーは1911年5月、
50歳の時に亡くなっているので、
マーラーが生前に初演された交響曲は、
この第8番までということになります。

  ***

音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
続いて第8番を聴いてみました。

まず音響面で万全の出来で、
ホールで聴くのに近い自然な響きのなかに、
細かいところまで良く聴こえてくる録音で、
至福の一時を送ることができました。

変な自己主張はないものの、
十分に曲の良さを伝えてくれる穏当な解釈で、
マラ8のありのままの姿を
感動的に伝えてくれていると思いました。

とくに薄くなりがちな、
叙情的な箇所での表現に優れていて、
次の《大地の歌》を思わせる響きが随所に出てきて、
マーラーならではの美しさにひたることができました。

いろいろと聴いてきて、
耳が馴染んできた結果かもしれませんが、
今までで一番この曲の真価についてわかったように思いました。

一聴して心をわしづかみにするような
圧倒的な名演とまではいえないかもしれませんが、

十分に美しく感動的な、
マラ8のスタンダードな名演といえると思います。
お薦めです。

2017年7月3日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第3番(1985年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第3番を聴きました。

指揮者49歳の時(1985年4月)の録音です。


グスタフ・マーラー
交響曲第3番

エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団

録音:1985年4月18・19日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73278/9】2012年6月発売。

交響曲第3番は、マーラーが35歳の時、
1895年の夏から翌年8月にかけて作曲されました。

全6楽章からなる大曲のためか全曲初演が遅れ、
つぎの第4番が初演(1901年11月)されてから半年後、
マーラー41歳の時(1902年6月)にようやく全曲初演されました。


  ***

音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
6・7番からそのまま8番に進んでも良かったのですが、

夏の暑い盛りには第3番だと思い、
第4番から一曲遡ってみることにしました。

第3番は、マーラーを聴き始めたころに、
小林研一郎氏の指揮で繰り返し聴いたこともあって、
マーラーの交響曲の中でも特に好きな曲になっています。

CDをいろいろ聴いてみると、
巨大過ぎてまとめにくい所があるのか、
意外に聴きづらい演奏が多く、

6・7番が素晴らしかったバーンスタインも、
第3番は細部にこだわり過ぎたのか、
今一つ自然な流れを欠いていて、新旧ともに、
最後まで聴き通すのが辛い演奏になっていました。


  ***

インバルのマラ3は、
かなり前にN響を振ったときのライブを、
テレビで観たときの記憶が残っています。

 ※調べてみると、
  1993年12月9・10日にNHKホールで行われた
  NHK交響楽団第128回定期演奏会だったようです。

そのときも熱演だったのですが、
オケの響きにやや深みを欠いていて、
マラ3の骨格のみを聴いたような印象が残りました。

今回もそんな即物的な演奏になるのでは
と心配していたのですが、

実際に聴いてみると、
そんな心配を吹き飛ばす好演で、
マーラーの色彩豊かなオケの響きを楽しみながら、
飽きる間もなく全曲を聴き進めることができました。

自然な流れのなかに、指揮者の熱い心を感じさせる
バランス感覚に優れた演奏に仕上がっていました。

前例のない巨大な曲だったからか、
意外にまとめにくいところがあって、

CDで聴くと、
ピアニッシモで音量をしぼりすぎたり、
テンポを遅くしすぎて全体が間延びしてしまうことが多いのですが、

そんな愚を犯すこともなく、
マラ3本来の良さを存分に引き出した名演だと思いました。

2017年5月15日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第6番《悲劇的》(1986年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第6番《悲劇的》を聴きました。

指揮者50歳の時(1986年4月)の録音です。



グスタフ・マーラー
交響曲第6番《悲劇的》

エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団

録音:1986年4月24・26日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73280/1】2012年6月発売。

第6番《悲劇的》は
マーラー45歳の時(1906年5月)に初演された作品です。

音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
第7番《夜の歌》を先に聴いて、

楽譜を隅々まで余裕を持って鳴らした、
懐の深いスケールの大きな演奏に感動し、
第6番《悲劇的》も聴いてみることにしました。

CD2枚にわたる録音だったので、
ある程度予想できたのですが、

これまで自分が聴いてきた中では、
一番ゆっくりとしたテンポでした。

それでもクレンペラーのように間延びすることはなく、

聴いているうちに、
この曲に最もふさわしく思われる
程良いテンポ設定に思えて来て、
感動のうちに聴き終えることができました。


なおこの盤は[Blu-spec CD]ではない、
ふつうのCDもたまたま持っていたので、
そちらも聴いてみたのですが、

【COCO-70475-6】2003年3月発売

オケの音が、
かなり貧弱で無機質に響いてきて、
あまり楽しむことができませんでした。

[Blu-spec CD]を耳にする前であれば、
それほど不満はなかった可能性もありますが、
聴いてしまった後では全く別の演奏にすら聴こえてしまうので、

これから改めて購入される場合は、
ぜひ[Blu-spec CD]盤のほうをお薦めします。

2012年発売の[Blu-spec CD]で聴く限りは、
変な誇張もなく、遅めのテンポでじっくり聴かせる、
でも楽譜の範囲内では十分に熱い、
オーソドックスな名演といって良いと思います。

2017年4月3日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第7番《夜の歌》(1986年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第7番《夜の歌》を聴きました。

指揮者50歳の時(1986年5月)の録音です。


グスタフ・マーラー
交響曲第7番《夜の歌》

エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
マルティン・ゲス(テノール・ホルン)

録音:1986年5月14-17日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO73087】2010年8月発売。

交響曲第7番《夜の歌》は、
マーラーが48歳の時(1908年9月)に初演された作品です。

音の良さに驚いた[Blu-spec CD]による
インバルのマーラー、
あまり得意でない第7番《夜の歌》を聴いてみました。

実際にホールで聴くのに近い、
ごく自然な響きを基調としながら、
オケの細かいところまで鮮明に聴き取れる、
美しい録音にまず聴き惚れました。

憑依するような過度な演出はないものの、
ザンデルリンクやスウィトナー、
ブロムシュテットのマーラーを聴く時のような、
一定の距離感がある演奏ではなく、

楽譜への深い共感をもとに、
すみずみまで丁寧に音にしている印象で、
オーソドックスな解釈による名演として、
今でも十分お薦めできる録音だと思いました。

全体的に、
真面目に手堅くまとめた演奏であって、
あとほんの少し枠からはみ出して
訴えかけて来る強さもあったらいいなと思うので、

都響との再録音のほうも、
近々聴いてみようと思います。

2017年3月6日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第4番ト長調(1985年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第4番ト長調を聴きました。

指揮者49歳の時(1985年10月)の録音です。


グスタフ・マーラー
交響曲第4番ト長調《大いなる歓びへの賛歌》

エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
ディーゴ・パギン(ヴァイオリン)
ヘレン・ドナート(ソプラノ)
録音:1985年10月10、11日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO73074】2010年9月発売。

交響曲第4番ト長調は、
マーラー41歳の時(1901年11月)に初演された作品です。


バーンスタイン(1960年録音)の後で聴いてみると、

バーンスタインが分裂気味にテンポを揺らし、
せかせかして落ちつかない印象だったのに対して、

インバルのほうが、落ちついたテンポ感で、
しっかりと曲全体の構造を見通せているように感じます。

それでつまらなければ駄目ですが、
曲への思い入れも十分に伝わって来て、
まとめにくい第3楽章もかなり健闘していて、退屈せずに聴き通せました。

特に優れているのは音質で、
バーンスタインも悪くはないのですが、

インバルは現在の最上レベルと比べてまったく聴き劣りすることなく、
美しく自然なオーケストラの「音」そのものを楽しむことができました。

その点、昔聴いたCDの時は、
もう少し無機質な音に聴こえていたように記憶していますが、

今回聴いた[Blu-spec CD]では、
豊穣な瑞々しい音として聴こえて来るのは嬉しい驚きでした。

バーンスタインが
若干ユニークな印象もあったのに比べると、
インバルはより普遍的な誰にでもわかりやすい解釈なので、
最初の1枚としてお薦めしたい演奏だと思いました。

2017年2月6日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第5番嬰ハ短調(1986年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第5番嬰ハ短調を聴きました。

指揮者49歳の時(1986年1月)の録音です。


マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調

エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
録音:1986年1月23-25日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO73074】2010年8月発売。

交響曲第5番嬰ハ短調は、
マーラー44歳の時(1904年10月)に初演された作品です。


先月、インバル&都響による
1995年録音(旧サイクル)のマラ5を聴いて、
深く感動したので、

その9年前(1986年)、
インバル49歳の時に録音された
フランクフルト放送交響楽団とのCDを購入し、
聴いてみることにしました。

一聴して音の良さにびっくり!
まさかこれほどとは思っていませんでした。

もともと音の良さで有名な録音ですが、
2010年に発売された[Blu-spec CD]仕様の効果が絶大なのか、

一枚だけ持っていたCD(大地の歌)で聴いていた
音質の印象を一新しました。

これまでも十分高音質だったのですが、
ほんの少し線が細く、無機質な印象もあり、
それほど注目して来ませんでした。

ところが[Blu-spec CD]仕様では、
本当にコンサートホールでオケを聴いているような
自然な臨場感に加えて、
オケの細部までよく聴こえてくる透明でふくよかな音色で、
驚くほどの美しい「音」そのものにまず耳を奪われてしまいました。

演奏自体は、
この9年後の都響との録音のほうが、
ライブなのでよりいっそう熱く燃えた演奏になっているので、

どちらか一方を選ぶのであれば、
都響との95年ライブのほうが好きなのですが、

フランクフルト放送響との録音も、
決して冷静なわけではなく、音楽を壊さない範囲で
十分に熱さを感じる演奏ではあります。

音の良い[Blu-spec CD]仕様でしたら、
マラ5のお薦めの1枚と言ってよいと思います。

2017年1月23日月曜日

インバル&東京都響のマーラー:交響曲第5番嬰ハ短調(1995年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する
東京都交響楽団の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第5番嬰ハ短調を聴きました。

指揮者59歳の時(1995年4月)の録音です。

こちらは近年、
2012年から2014年にかけて行われた
「インバル=都響/新・マーラー・ツィクルス」
から遡ること18年、

1994年から96年にかけて行われた
「インバル=都響/マーラー・サイクル」
の中から、第5番のみをCD化したものです。

「都響創立40周年記念シリーズ」と銘打って発売された中の1枚で、
かなりの高評価だったことから購入したものの、
あまり真面目に聴かないで、棚に置いてありました。


マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調

エリアフ・インバル指揮
東京都交響楽団
福田善亮(トランペット)
笠松長久(ホルン)
録音:1995年4月15日、サントリーホール〔エリアフ・インバル/都響/マーラー・サイクル 1994-96 第Ⅱ期〕
【FOCD9244】2005年9月発売。

交響曲第5番嬰ハ短調は、
マーラー44歳の時(1904年10月)に初演された作品です。


最近まとめて聴き直した中で、
山田一雄&N響と同格で感動したのは、
このインバル&都響の95年録音です。

バーンスタインのように、
オケが崩壊するレベルでの無茶はしないのですが、
ブロムシュテットのように、
平穏無事に進行していく演奏でもなくて、

自然な流れを重視しつつも、
十分に熱い想いの伝わって来る情熱的な演奏で、
全体的な見通しもよく、通して聴いて、
とても感動しました。

インバルって、
こんなに熱い指揮者だったのかと、
目から鱗が落ちる演奏でした。

インバルのマーラーは、
 フランクフルト放送交響楽団との旧全集、
 東京都交響楽団の2度目のチクルスを録音した新全集
が有名ですが、

個人的に、
インバルの演奏でそこまで感動した記憶がなかったので、
あまり真剣には聴いて来ませんでした。

調べてみると、
フランクフルト放送交響楽団との旧全集
が、音の良い[Blu-spec CD]で1枚1,200円で手に入るようなので、
1枚ずつ購入して、聴いてみようと思います。