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2017年11月19日日曜日

シュトゥットガルト・ソロイスツのブラームス:弦楽六重奏曲第1・2番(1989年録音)

ドイツの都市
シュトゥットガルトに本拠地を置く
シュトゥットガルト放送交響楽団と、
シュトゥットガルト室内管弦楽団のトップメンバー
6名によって1970年に結成された弦楽六重奏団

シュトゥットガルト・ソロイスツ
(Stuttgart Soloists)の演奏で、

ドイツの作曲家
ヨハネス・ブラームス
(Johannes Brahms, 1833年5月~97年4月)の
弦楽六重奏曲第1&2番を聴きました。


ブラームス
①弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 作品18
②弦楽六重奏曲第2番 ト長調 作品36

シュトゥットガルト・ソロイスツ

録音:1989年11月。ハイデルベルク、ゲースト録音スタジオ。
【NAXOS 8.550436】1991年発売


シュトゥットガルト・ソロイツ
(Stuttgart Soloists)は、

ドイツ語読みでは
シュツットガルト・ゾリステン
(Stuttgarter Solisten)と記されています。

この録音当時(1989年)のメンバーは、
 アルベルト・ブェーゼン
 (Albert Bossen)…第1ヴァイオリン
 ホルスト・ノイマン
 (Horst Neumann)…第2ヴァイオリン
 エンリケ・サンティアゴ
 (Enrique Santiago)…第1ヴィオラ
 ミヒャエル・マイヤー・ラインハルト
 (Michael Meyer-Reinhard)…第2ヴィオラ
 ルドルフ・グライスナー
 (Rudolf Gleissner)…第1チェロ
 ゴットフリート・ハーン
 (Gottfried Hahn)…第2チェロ
の6名です。


  ***

①弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 作品18 は、
ブラームスが27歳の時(1860年)に作曲し、翌年に出版された作品。

②弦楽六重奏曲第2番 ト長調 作品36 は、
ブラームスが32歳(1865年7月)までに作曲し、翌年に出版された作品です。

ブラームスに限らず、
室内楽は聴く機会があまりないので、
知らないまま放ってある曲がたくさんあります。

四十半ばに差し掛かり、
ようやくブラームスの渋い音楽が、
胸に染みるようになってきました。

ブラームスの弦楽六重奏曲は、
これまで今一つよくわからない印象があったのですが、

シュトゥットガルト・ソロイツの演奏は、

もってまわったところのない、
わりとストレートな解釈で、
情熱的にどんどん歌い上げていくので、

曲全体の幸三を見通しやすく、
初めてどんな曲なのかわかった気になりました。

響きが少々荒っぽくも聴こえるのですが、
うるさくなる一歩手前で止まっているので、
若々しく溌剌とした演奏といって良いと思います。

これまでブラームスの弦楽六重奏曲は、

アマデウス四重奏団に
セシル・アロノヴィツ(ヴィオラ)、
ウィリアム・ブリース(チェロ)を加えた演奏と、

コチアン四重奏団に
スメタナ四重奏団のメンバーを加えた演奏を聴いてきましたが、

アマデウス四重奏団のほうは、
細部にこだわりすぎているのか、
全体が見通しにくく、
どんな曲なのか今一つよくわからないまま終わりました。

コチアン四重奏団のほうは、
全体的におっとりした雰囲気で、
穏やかな時間が流れていき、
退屈な曲に思えてしまいました。

どんな曲なのかわかってみると、
印象が変わってくる可能性もあるので、
また時間があるときに、これらのCDも聴き直してみようと思います。

とくにアマデウスは、
名演の誉れ高い録音なので、
今後聴き込んでくると、
評価が逆転するかもしれません。



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2017年11月5日日曜日

バローグ&ダニュビウス四重奏団のブラームス:クラリネット五重奏曲(1991年録音)

NAXOSの旧録音を
AVEXから廉価で再販しているシリーズから、

ヨハネス・ブラームス
(Johannes Brahms, 1833年5月-1897年4月)の
クラリネット五重奏曲 作品115
を聴きました。


ヨハネス・ブラームス
①クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115

 ヨージェフ・バローグ(クラリネット)
 ダニュビウス四重奏団
 録音:1991年10月16-18日、ブラペスト、ユニタリアン教会

②弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 作品18
 ~第2楽章 主題と変奏

 シュトゥットガルト弦楽六重奏団
 録音:1989年11月、ハイデルベルク、ゲースト録音スタジオ
【AVCL-25682】2007年12月発売


①クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115 は、
ブラームスが58歳の時(1891年11・12月)に初演された作品です。

ハンガリー生まれのクラリネット奏者
ヨージェフ・バローグ(József Balogh, 1956年- )と、

1983年にハンガリーで結成された
ダニュビウス四重奏団(Danubius Quartet)による演奏です。

モーツァルトの時の好調さを持続して、
曲の良さを実感できる演奏に仕上がっていました。

ごく自然な音響で、美しく楽譜を再現してあり、
個性を前に押し出すようなところがないので、

あとほんの少し、
押しの強さがほしくなる場面もなくはないのですが、

無理に個性を出して、
曲を壊してしまうこともないので、
安心してブラームスの魅力にひたることできます。

探せばより良い演奏も見つかるのでしょうが、
個人的には、これくらい聴けたら十分満足です。


なお、CDの後半には、
シュトゥットガルト弦楽六重奏団の演奏で、
②弦楽六重奏曲第1番から第2楽章を収録してありますが、

こちらは①と演奏者が異なるためか、
演奏の方向性が全く違っていて、

適度に意志の力が加わった積極性のある演奏で、
①の穏やかな雰囲気を打ち消して、
②の印象だけが強く残る結果になっていました。

①の余韻を楽しむには、
②は聴かないほうが良いのですが、
こちらはこちらで強く記憶に残る演奏でしたので、
NAXOSの原盤にさかのぼって全曲を聴いてみようと思います。



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2011年10月25日火曜日

プリンツのブラームス:クラリネット・ソナタ集

先日、ブラームスのヴィオラ・ソナタ集を紹介しました。

その後、同じ曲をクラリネットで演奏した
クラリネット・ソナタ集の名演を探していましたが
とても満足のいく1枚を見つけました。

ブラームス : クラリネット・ソナタ集

ブラームス
クラリネット・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120-1
クラリネット・ソナタ 第2番 変ホ長調 Op.120-2

アルフレート・プリンツ(クラリネット)
Alfred Prinz, clarinet
マリア・プリンツ(ピアノ)
Maria Prinz, piano

録音:1988年4月1・2日
場所:松本市、ザ・ハーモニーホール
【FOCD-2533】


モーツァルトとブラームスの
クラリネット五重奏曲ですばらしい演奏をされていた
プリンツさんならどうだろう、
と思って探してみると、

フォンテックから、
ご夫妻で録音されたCDが出ていることに気がつき、
早速手に入れて聴いてみました。

これがブラームス特有の
愁いを感じさせる味わい深い演奏で、
とても感動しました。

夫婦での演奏というのは、
時に詰めが甘くなってしまいがちですが、
初めて聴くマリアさんのピアノも
十分に実力のある方のようで、
アルフレートさんとぴったり息のあった、
絶妙なアンサンブルを聴かせてくれます。

技術的な点だけをいえば、
カール・ライスターさんの演奏も
文句をつけようのないものだったのですが、

バリバリとこれでもかと力で押すスタイルが、
私には今ひとつに感じられました。


プリンツさんの演奏も、
モーツァルトとブラームスの五重奏曲のときと同じように、
これみよがしなところはなく、

わりとさらりと流れがちでもあるのですが、

少し耳をそばだたせると、
しみじみとしたブラームスの枯れた味わいが伝わってくる優れた演奏です。


惜しむらくは、
日本でこのCDを録音するに至った背景などを、
ライナーノートに何かしら記しておいてほしかったのですが、

そうした表記が何もないのは不親切だと思いました。
一見、プライベート盤のようです。

もしかしたら、
プリンツさん側からの申し出で、
あまり予算がないなかで録音されたのかしら。


ただし外見とは関係なく、
その内容は、まれに聴くレベルの高い演奏といってよいと思います。

2011年9月3日土曜日

ディアスのブラームス:ヴィオラ・ソナタ集

ブラームスには、
晩年の名作として2曲のヴィオラ・ソナタがあります。

最近何となく気になって、
まずスークさんのCDを聴いてみましたが、
サラサラ流れていくばかりで、今ひとつでした。

次に手にした一枚が、
よい雰囲気を醸し出していました。




ブラームス
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.78
(C.エルデーイによるヴィオラ編)
ヴィオラ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120-1
ヴィオラ・ソナタ 第2番 変ホ長調 Op.120-2


ロベルト・ディアス(ヴィオラ)
ジェレミー・デンク(ピアノ)
【NAXOS 8.570827】

ヴァイオリン・ソナタをいっそう渋くした感じなので、
ブラームスの独特の雰囲気をうまく引き出せる方でないと、
むつかしいところがあるのですが、

ブラームスのしっとりとした歌心が、
しみじみと伝わって来て、いい感じです。

ヘッツェルさんが手がけたヴァイオリン・ソナタほどの
奇跡的なレベルには達していませんが、
これくらい聴かせてくれたら、私には十分です。

どちらかと言えば、Op.120-2のほうが、
出だしの癒しのフレーズに惹き込まれて、わたしは好きですが、

Op.120-1も、中年男性への応援歌のようで、いいと思います。

1曲目のヴァイオリン・ソナタ「雨の歌」からの編曲は、
わたしはヴァイオリンで慣れ親しんでいるので、
少し違和感がありました。

ヴィオラ・ソナタは、そのまま
クラリネット・ソナタとしても演奏されるので、
そちらもただ今、いろいろ聴いているところです。

そのうち良いものに出会ったら、
また紹介します。

2011年4月20日水曜日

ヘッツェルのブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集

久しぶりに聴きなおして、やっぱりいいなあ、と惚れなおしました。

ブラームスのヴァイオリン・ソナタは、
ウィーン・フィルのコンサート・マスター、ゲアヘルト・ヘッツェルさんが、
登山中の不慮の事故で亡くなる半年前(1992年1月)に、
ヘルムート・ドイチュさんとともに録音したCDが、
すばらしいです。



ブラームス
ヴァイオリン・ソナタ
第1番 ト長調 作品78 「雨の歌」
第2番イ長調 作品100
第3番二短調 作品108

ゲアヘルト・ヘッツェル(ヴァイオリン)
ヘルムート・ドイチュ(ピアノ)

ウィーン、カジノ・ツェーゲルニッツにて収録。
1992年1月23~28日
【PCCL00272】



50歳を過ぎ、満を持して取り組んだ最初のソロの録音です。
引続き、モーツァルトとベートーヴェンのソナタも録音する予定であったそうです。

「自分を常に作曲家、および作品のしもべであると感じており、
外面的な効果には、いつも不信の念で対していた」という
(ドイチュ、訳:鮫島有美子、CD解説書)
ヘッツェルさんのソロは、

恣意的なところは何もなく、
目立ったことを何もしていないにもかかわらず、
ただそのままで、心の内側からの、熱い想いが、
つよく心に染みわたってくる演奏です。

あらゆる気遣いと、優しさに満ちた、
しかし人一倍の心の強さにも支えられた
熱い音楽に励まされて、
またがんばろう、と思うのでした。


穏やかに心かはして君とゐる
雨の歌へと祈りを捧ぐ

静かなるその悲しみを受け止めて
春につらなる轍(わだち)を想ふ

ともにゐて恋に涙を流しつつ
空を仰いで微笑みとなる