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2017年3月27日月曜日

ワルターのマーラー:亡き子を偲ぶ歌&交響曲第4番(1949&1945年録音)

ドイツ出身の指揮者
ブルーノ・ワルター
(Bruno Walter, 1876年9月-1962年2月)の指揮で、

オーストリア帝国ボヘミア出身の作曲家
グスタフ・マーラー
(Gustav Mahler, 1860年7月-1911年5月)の
歌曲集《亡き子を偲ぶ歌》と、交響曲第4番を聴きました。

歌曲集は、
イギリス生まれのコントラルト歌手
キャスリーン・フェリアー
(Kathleen Ferrier, 1912年4月-53年10月)の独唱、

交響曲は、
オーストリアのソプラノ歌手
デシ・ハルバン
(Desi Halban, 1912年4月-96年2月)の独唱です。

歌曲集はワルター73歳の時(1949年10月)、
交響曲は68歳の時(1945年5月)の録音です。


グスタフ・マーラー(1860-1911)
①歌曲集《亡き子を偲ぶ歌》
 キャスリーン・フェリアー(コントラルト)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ブルーノ・ワルター(指揮)
 録音:1949年10月4日、キングスウェイ・ホール、ロンドン

②交響曲第4番ト長調
 デシ・ハルバン(ソプラノ)
 ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団
 ブルーノ・ワルター(指揮)
 録音:1945年5月10日、カーネギー・ホール、ニューヨーク
【Naxos 8.110876】2003年7月発売

①の《亡き子を偲ぶ歌》は、
マーラー44歳の時(1905年1月)に初演されました。

②の交響曲第4番ト長調は、
マーラー41歳の時(1901年11月)に初演されました。


  ***

インバルの鮮明な録音のすぐ後に聴いて、
さすがに聴き劣りがしたので、
しばらく放っておいてから改めて聴き直してみました。

①の《亡き子を偲ぶ歌》は、
これまでほとんど聴き込んで来なかったので、
他と比べてどうなのかは良くわからないのですが、

フェリアーの声が、
実演で聴いたことのないレベルでよく響いて、
うっとり聴き惚れる、それだけで得した気分になれる録音でした。

もう少しほかの演奏も聴いてから、
改めて戻って来ようと思います。


②の交響曲第4番は、
改めて聴き直してみても、
やはり音質が今一つ。

それなりに生々しくは録れているのですが、
その分耳ざわりでうるさく感じられてしまいます。

演奏そのものは、ワルターの棒のもと、
説得力のある解釈が展開されていると思うのですが、

ハルバンの独唱はフェリアーの名唱に比ぶべくもない、
平凡な出来だと思います。

仮に鮮明な録音で残っていたとしても、
1949年のニューヨーク・フィルとの第5番よりは、
数等落ちる演奏だと感じました。

2017年3月13日月曜日

ベルティーニ&東京都響のマーラー:交響曲第4番&亡き子を偲ぶ歌(2002年録音)

イスラエルの指揮者
ガリー・ベルティーニ
(Gary Bertini, 1927年5月-2005年3月)の指揮する
東京都交響楽団の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第4番ト長調と、歌曲集《亡き子を偲ぶ歌》を聴きました。

指揮者49歳の時(1985年10月)の録音です。

交響曲の独唱者(ソプラノ)は
森麻季(もりまき 1970年8月- )、

歌曲集の独唱者(バスバリトン)は
クラウス・メルテンス(Klaus Mertens, 1949年3月- )でした。


グスタフ・マーラー
①交響曲第4番ト長調《大いなる歓びへの賛歌》
②歌曲集《亡き子を偲ぶ歌》

ガリー・ベルティーニ指揮
東京都交響楽団
矢部達哉(ヴァイオリン)
森麻季(ソプラノ)
クラウス・メルテンス(バス・バリトン)

録音:2002年11月24日、横浜みなとみらいホール
【FOCD9189】2003年7月発売。

交響曲第4番ト長調は、
マーラー41歳の時(1901年11月)に初演された作品です。

《亡き子を偲ぶ歌》は、
マーラー44歳の時(1905年1月)に初演された作品です。


マーラーの第4番、
最近まとめて聴き直していますが、

バーンスタイン&ニューヨーク・フィルの旧録音は、
マーラーの分裂気質なところを強調していて、
面白いけれども多少落ち着かない演奏で、
それほど感動はしませんでした。

インバル&フランクフルト放送響は、
しっとりと歌わせるオーソドックスな演奏で、
滅多に聴けないレベルの優秀録音も心地よく、
繰り返し聴き込みたい1枚となりました。

家の中を探してみると、昔買った
ベルティーニ&都響のCDがみつかりました。
あまり記憶に残っていなかったので
今回聴き直してみたところ、

心にじんわり響いて来る
感動的な演奏が繰り広げられて、
嬉しい驚きでした。

前2者と比べると、
聴こえて欲しいところはちゃんと聴こえるのですが、
最弱音が少しこもった感じになっていて、
一昔前の国内のライブ録音にありがちな、
不満の残る音質でした。

しかし演奏は素晴らしいです。

ブルーノ・ワルターのように
叙情性を旨とした演奏ですが、
ワルターよりはもっと洗練された印象があります。

インバルの落ち着いた演奏よりは、
テンポをいろいろ動かしているのですが、
インバルより全体的に軽めの印象で、
しかしここぞというところでは深い印象を残していました。

とくに絶品なのは第3楽章で、
誰の指揮で聴いても退屈になりがちな楽章なのですが、
次の第5番のアダージェットを聴くのと変わらない感覚で、
自然な流れのなかに全体を感動的に聴き通すことができました。


ベルティーニ&都響のマーラー、
第6番《悲劇的》と第7番《夜の歌》も持っていたので、
今回聴き直してみたのですが、

第4番より編成が大きくなるからか、
いっそうぼやけた感じの音質で、
細部を聴き取れないもどかしさがかなりあって、
聴き通すのがつらい演奏でした。

第4番は、
この2曲(第6・7番)と比べれば
ずっと聴き取りやすいのですが、
インバルはもとより、
バーンスタインの旧盤と比べても
多少劣る音質のように感じました。


《亡き子を偲ぶ歌》は、
他と比較できるほど聴き込んでいませんが、
先日聴いたフェリアーの名唱に聴き劣りしない優れた歌唱で、
だんだんこの曲の良さがわかってきました。

第4交響曲よりも、
曲としてのまとまりはすぐれているように感じています。


※音楽之友社編『マーラー』(音楽之友社〔作曲家別名曲解説ライブラリー1〕1992年9月)を参照。