ラベル ◎シュターツカペレ・ドレスデン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ◎シュターツカペレ・ドレスデン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年10月14日日曜日

ヨッフム&シュターツカペレ・ドレスデンのブルックナー:交響曲第2番(1980年録音)

ドイツの指揮者
オイゲン・ヨッフム
(Eugen Jochum, 1902年11月1日-87年3月26日)
の指揮する

ドイツのザクセン州立歌劇場
(ゼンパー・オーパー, Semperoper)専属のオーケストラ
シュターツカペレ・ドレスデン
(Sächsische Staatskapelle Dresden)
の演奏で、

オーストリアの作曲家
アントン・ブルックナー
(Anton Bruchner, 1824年9月4日-96年10月11日)
の交響曲全集を聴き進めていますが、

CD2枚目は、
交響曲第2番ハ短調を聴きました。

指揮者ヨッフム77歳の時(1980年3月)の録音です。


 Disc2
アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第2番ハ短調 WAB.102(1877年版)
 シュターツカペレ・ドレスデン
 オイゲン・ヨッフム(指揮)
録音:1980年3月4-7日、ドレスデン、ルカ教会
【Warner Classics 5099998458325】2013年9月発売


交響曲第2番ハ短調 は、

47歳の秋(1871年)に着手、
48歳の時(72年9月)に完成され、
49歳の時(73年10月)に初演されました。

この1872年9月に完成された楽譜を、
第1稿「1872年稿」と呼んでいます。

 「1872年縞」は長らく未出版でしたが、
 2005年にアメリカの音楽学者
 ウィリアム・キャラガン(William Carragan, 1937- )
 による校訂譜が出版されました。

 キャラガンの研究自体は
 1990年までにまとめられていたので、
 1991年には「キャラガン版」として録音、紹介されていました。 

完成の翌年に初演される際、
第1稿「1872年稿」そのままではなく、
すでに若干の改訂が行われていたことから、
この初演時(1873年10月)の版を「1873年稿」と呼ぶことがあります。

さらに、
初演の1年4ヶ月後に再演される際(1876年2月)、
より大きな改訂が行われました。

この1876年の再演にもとづく改訂稿を、
第2稿「1877年稿」と呼んでいます。


 ***

その後、
国際ブルックナー協会による校訂譜として、

1938年に出版されたハース版は、
「1877年稿」を基本としつつも、
適宜「1872年稿」の情報を織り込んだ楽譜となりました。

さらに、
1965年に出版されたノヴァーク版は、
ハース版から「1872年稿」の情報を削除する方針でしたが、
実際は、一部に「1872年稿」の情報を残したまま出版されました。

つまりノヴァーク版はハース版と同じく、
「1877年稿」を基本としつつも、
多少「1872年稿」の情報が残された楽譜となりました。


  ※以上、主に根岸一美(ねぎしかずみ)著『作曲家◎人と作品シリーズ ブルックナー』(音楽之友社、2006年6月)と、ノーヴァク著(大崎滋生訳)「序文」(ブルックナー作曲/ノーヴァク監修『OGT202 交響曲第二番ハ短調(1887年稿)』音楽之友社、1986年5月)を参照。


ただし実際、
ノヴァーク版を開いてみると、
指揮者の判断によって「1872年稿」の部分をカットし、
完全な「1877年稿」として演奏できるようになっています。

実際、ヨッフムはこのCDで、
ノヴァーク版から「1872年稿」の部分をのぞいて、
完全な「1877年稿」として演奏しています。

ただ「1877年稿」に従うと、
第4楽章に大幅なカットが生じてしまうので、

ノヴァーク版を用いていても、
カットなしのまま「1877(+72)年稿」の状態で
演奏されることのほうが多いようです。


  ***

ヨッフムの第2番、
長年の経験に裏づけられた共感度の高い演奏で、
すぐに耳になじんで最後まで聴き通すことができました。

今となっては珍しい、
終楽章に大幅なカットのある
「1877年稿」を忠実に再現した演奏です。

カットを悪とみて、
評価しない向きもあるかもしれませんが、
「1877年稿」本来の姿を知るのには有用な録音です。

本当にそれだけなの?と拍子抜けする感じで、
あっという間に終わってしまいますが、
ブルックナーの交響曲の終楽章には、
案外わかりにくいところがあるので、短く刈り込んである分、
飽きる間もなく聴き終えられるのは利点といえるかもしれません。

個人的には、第1番と同じく、
深遠な表情をみせる第2番の緩徐楽章が絶品で、
第7番や8番の緩徐楽章に比べて
あまり聴き慣れていないこともあって、
新鮮な感動のうちに聴き通すことができました。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2018年9月2日日曜日

ヨッフム&シュターツカペレ・ドレスデンのブルックナー:交響曲第1番(1978年録音)

ドイツの指揮者
オイゲン・ヨッフム
(Eugen Jochum, 1902年11月1日-87年3月26日)
の指揮する

ドイツのザクセン州立歌劇場
(ゼンパー・オーパー, Semperoper)専属のオーケストラ
シュターツカペレ・ドレスデン
(Sächsische Staatskapelle Dresden)
の演奏で、

オーストリアの作曲家
アントン・ブルックナー
(Anton Bruchner, 1824年9月4日-96年10月11日)
の交響曲全集を聴いていきます。

まずはCD1枚目は、
交響曲第1番ハ短調を聴きました。

指揮者ヨッフム76歳の時(1978年12月)の録音です。


Disc1
アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第1番ヘ短調 WAB.101(リンツ稿/ノヴァーク版)

シュターツカペレ・ドレスデン
オイゲン・ヨッフム(指揮)
録音:1978年12月11-15日、ドレスデン、ルカ教会
【Warner Classics 5099998458325】2013年9月発売


交響曲第1番 ヘ短調 は、

ブルックナーが
41歳の時(1865)に着手、
42歳の時(1866)に完成し、 
44歳の時(1868)に初演されました。

この第1稿を「リンツ稿」と呼んでいます。

 その後1877年と84年に細部の改訂が行われたので、

 1935年に出版された
 ハース校訂の「リンツ稿」(第1稿)では、
 1877年の改訂を含めた状態で出版されました。


第1稿の初演から22年をへた
66歳の時(1890)に全面改訂が行われ、
翌91年に改訂稿の初演が行われました。

この第2稿を「ウィーン稿」と呼んでいます。

 改訂稿の初演から2年後(1893)、
 「ウィーン稿」(第2稿)に基づく「初版」が出版されました。

 ブルックナーはこの3年後、
 72歳の時(1896)に亡くなりますが、
 1935年にハース校訂の「リンツ稿」が出版されるまで、
 40年余り、第1番の出版譜は「ウィーン稿」しか存在しませんでした。


本格的な校訂譜としては、1935年に、
ハース校訂による「ウィーン稿」と「リンツ稿」が出版され、

その後、
1953年にノヴァーク校訂による「リンツ稿」が、
1979年にノヴァーク校訂による「ウィーン稿」が
それぞれ出版されました。

 ノヴァーク版の「ウィーン稿」は、
 実際の校訂者名をとって「ブロッシェ版」と呼ばれることもあるそうです。


1976年録音のこのCDは、
1953年に出版されたノヴァーク校訂による
「リンツ稿」が用いられていることになります。

※根岸一美『作曲家◎人と作品 ブルックナー』(音楽之友社、2006年6月)と、Wikipediaの「交響曲第1番(ブルックナー)」の項を参照。


  ***

昔は高価で手を出せなかった
ヨッフムさんの指揮する
ブルックナーの交響曲全集が、
CD1枚分の値段で手に入ったので、
この機会に聴き直してみることにしました。


ヨッフムさんの指揮する
シュターツカペレ・ドレスデンによるブル1、

緻密に計算されたというよりは、
音楽の自然な流れを大切にした共感度の高い演奏で

素朴な美しさに満ちていて、
心から楽しんで聴き進めることができました。

深い祈りの込められた
 第2楽章 Adagio が出色ですが、

ブルックナー最初の交響曲として、
全体的にバランスよくまとまった
完成度の高い作品であることを確かめられました。

シュターツカペレ・ドレスデンの音は、
最新のオーケストラの録音に比べれば、
それほど洗練されているわけではないのですが、
ブルックナーに向いているというか、
程良い荒々しさで心に響いてきて、
十分に満足できました。

聴いてすぐにうっとりするかはわかりませんが、
少し聴き込めば、ブルックナーの良さがとても伝わりやすい演奏だと思いました。



にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

2013年5月22日水曜日

ヤノフスキ&シュターツカペレ・ドレスデン の ワーグナー 《指輪》(ハイライト)

ドイツの作曲家
リヒャルト・ワーグナー
(Richard Wagner 1813.5-1883.2)が
26年かけて(35歳-61歳 1848年-1874年)作曲した
楽劇《ニーベルングの指輪》を、

ポーランド出身の指揮者
マレク・ヤノフスキ(Marek Janowski 1939.2- )が
41歳のときから4年(1980-1983)かけて、

ドイツのオーケストラ
シュターツカペレ・ドレスデン(Staatskapelle Dresden)
とともに録音したCDを、2枚組のハイライト版で聴きました(1,200円)。


ワーグナー: 楽劇《ニーベルングの指環》(ハイライト)

 序夜《ラインの黄金》全4幕
 前奏曲/第1幕より3曲/第4幕より4曲
  【ヴォークリンデ】ルチア・ポップ(ソプラノ)
  【ヴェルグンデ】ウタ・プリーヴ(メゾソプラノ)
  【フロースヒルデ】ハンナ・シュヴァルツ(アルト)
  【アルベリヒ】ジークムント・ニムスゲゲルン(バスバリトン)
  【ドンナー】カール=ハインツ・シュトリチェク(バス)
  【フロー】エーバーハルト・ビュヒナー(テノール)
  【ヴォータン】テオ・アダム(バスバリトン)
  【フリッカ】イヴォンヌ・ミントン(メゾソプラノ)
  【ローゲ】ペーター・シュライアー(テノール)
   ※録音:1980年12月8-11日

 第1日《ワルキューレ》全3幕
 第1幕より3曲/第2幕より1曲/第3幕より3曲
  【ジークムント】ジークフリート・イウエルザレム(テノール)
  【ジークリンデ】ジェシー・ノーマン(ソプラノ)
  【ブリュンヒルデ】ジャニーヌ・アルトマイヤー(ソプラノ)
  【ゲルヒルデ】エヴァ=マリア・ブンドシュー(ソプラノ)
  【オルトリンデ】シェリル・ステューダー(ソプラノ)
  【ヴァルトラウテ】オルトルン・ヴェンケル(アルト)
  【シュヴェルトライテ】Anne Gjevang(アルト)
  【ヘルムヴィーゲ】ルース・ファルコン(ソプラノ)
  【ジークルーネ】クリステル・ボルシェル(メゾソプラノ)
  【グリムゲルデ】キャスリーン・クールマン(アルト)
  【ロスヴァイセ】ウタ・プリーヴ(メゾソプラノ)
  【ヴォータン】テオ・アダム(バスバリトン)
   ※録音:1981年8月22-29日

 第2日《ジークフリート》全3幕
 第1幕より2曲/第2幕より2曲/第3幕より3曲
  【ジークフリート】ルネ・コロ(テノール)
  【ミーメ】ペーター・シュライアー(テノール)
  【さすらい人】テオ・アダム(バスバリトン)
  【エルダ】オルトルン・ヴェンケル(アルト)
  【ブリュンヒルデ】ジャニーヌ・アルトマイヤー(ソプラノ)
   ※録音:1982年2・3月

 第3日《神々の黄昏》序幕つき3幕
 序幕より1曲/第1幕より2曲/第3幕より6曲
  【ジークフリート】ルネ・コロ(テノール)
  【グンター】ハンス・ギュンター・ネッカー(バリトン)
  【グートルーネ】ノーマ・シャープ(ソプラノ)
  【ハーゲン】マッティ・サルミネン(バス)
  【ブリュンヒルデ】ジャニーヌ・アルトマイヤー(ソプラノ)
   ※録音:1983年1・3・4月

 マレク・ヤノフスキ(指揮)
 シュターツカペレ・ドレスデン
 ※録音場所:ドレスデン、ルカ教会
【Eurodisc88765420932】

ワーグナーの『指輪』は興味こそあれ、
CD14枚組みともなると相当高価なので、
もしつまらなかったらどうしようと二の足を踏んでおりました。

ドイツ語で朗々と歌われるワーグナーを、
何としてでも聴きたいと思うこともなく、
これまで生きて来たのですが、

今年はワーグナー生誕200年だそうで、
前から気になっていたヤノフスキの《指輪》が、
装いを新たに2枚組みの抜粋で発売されていることを知り、
購入して聴いてみることにしました。


どちらかと言えば、
重厚に過ぎるワーグナーの世界は苦手な方だったのですが、

このCDでは、
ワーグナー特有の重厚さが影を潜め、
むしろ軽めのさわやかな明るい響きで、

美しいハーモニーのうつろいを、
存分に楽しむことができました。

音響が耳にとても心地よいので、
知らず知らずのうちに、先へ先へと進んでいて、
2度、3度とくり返し聴くことになりました。

恐らくそれまでの伝統的な演奏法とは
ずいぶん違っていたのではないかと思いますが、

どこも無味乾燥な感じはなく、楽譜に忠実に、
しかし音楽的に充実した演奏がくり広げられている、と感じました。


ショルティはもとより、
クナッパーツブッシュも、
フルトヴェングラーもまだ聴いていない身なので、
将来、認識を改める可能性もありますが、

まっさらな状態での感想も、
それなりに価値のあることと思い、
ここに記しておきます。


《ラインの黄金》は、
悠久の彼方から何かが生まれて来る感覚が楽しく、

《ワルキューレ》は、
ハラハラドキドキかっこいい!と思いました。

《ジークフリート》は、
間延びしやすそうな感じもありましたが、
聴きなれた《ジークフリート牧歌》のモチーフが
よいアクセントになっていました。

《神々の黄昏》は、終結部へと向かって、
否が応にも感動させられる音楽で、
ワーグナーもいいもんだな、
と思った次第です。


あと一点、
春の花粉で憂鬱になりがちな日々の気晴らしに、
ワーグナーの音楽は、かなり効果があったことも嬉しい発見でした。

これに乗じてワーグナーを制覇!
と言えるほど、経済的な余裕はないでしょうが、
《指輪》については今年のうちに色々聴いておきたいと思っています。


※Wikipediaの「リヒャルト・ワーグナー」
 「ニーベルングの指輪」
 「マレク・ヤノフスキ」の項目を参照。

2011年9月26日月曜日

サヴァリッシュ&ドレスデン国立管のシューマン:交響曲全集

先日、ペーター・レーゼルさんと
ゲヴァントハウス弦楽四重奏団による
シューマンのピアノ五重奏曲&四重奏曲を紹介しましたが、
シューマンの交響曲も、好きでよく聴いています。





シューマン
交響曲第1番 変ロ長調 作品38「春」
交響曲第2番 ハ長調 作品61
【TOCE-91008】
交響曲第3番 変ホ長調 作品97「ライン」
交響曲第4番 ニ短調 作品120
劇音楽《マンフレッド》作品115序曲
【TOCE-91009】

ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
シュターツカペレ・ドレスデン
録音:1972年9月1~12日、ルカ教会、東ドイツ



全集ではなかなか良いものに巡り合わなかったのですが、
サヴァリッシュさんのを聴いてからは、これが定番になっております。

他でも絶賛されている通りなのですが、

オケの響きが耳にとても心地よく、
サヴァリッシュさんの小気味よい溌剌とした指揮が、
目の覚めるような爽快な演奏をくり広げており、

これを聴くと、
シューマンのオーケストレーションって素敵だな、
と、通常とは逆の印象さえ抱きます。

私が大好きなのは第3番《ライン》です。
この曲は朝比奈隆さんと大阪フィルの演奏を聴いて好きになりましたが、
オケの響きで聴かせる当番も素敵です。
気分がふさぎがちなときに、がんばろう、がんばろう、
と背中を押してくれる、大切な曲です。

ついで好きなのは第2番。
バーンスタインさんが亡くなる少し前に、
札幌でパシフック・ミュージック・フェスティバル・オーケストラを振った演奏を
何度か聴いて、涙して、好きになりました。
ロマンティックな名曲だと思います。

第1番は少しまとまりが悪く思われますが、
第一楽章の跳びはねるような春のリズム感が楽しいです。

第4番は幻想的。
まだのめりこむような魅力は感じていませんが、
聴くとそれなりに感動的です。

サヴァリッシュさんは、
NHK交響楽団の指揮でよくお目にかかっていたからか、
かえって強い印象がなく、CDにもあまり注目して来なかったのですが、

他にも同じコンビで入れたシューベルトの交響曲全集や、
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とのベートーヴェンの交響曲全集など、
気になるCDがあるので、今後機会があれば、聴いてみたいと思っています。