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2017年8月18日金曜日

バーンスタイン&ロンドン響のマーラー《千人の交響曲》(1966年録音)

アメリカ合衆国の指揮者
レナード・バーンスタイン
(1918年8月-1990年10月)が

ニューヨーク・フィル(1-7,9,10番)を中心に、
ロンドン交響楽団(8番)とイスラエル・フィル(大地)
を振りわけて録音した

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー
(1860年7月-1911年5月)の交響曲全集、

今回はロンドン響とともに録音した
交響曲第8番《千人の交響曲》を聴きました。

指揮者47歳の時(1966年4月)の録音です。


CD11
グスタフ・マーラー:交響曲第8番変ホ長調《千人の交響曲》
 
 エルナ・スポーレンベルク(ソプラノ/いと罪深き女)
 ギネス・ジョーンズ(ソプラノ/贖罪の女の一人)
 ゲニス・アンニアー(ソプラノ/栄光の聖母)
 アンナ・レイノルズ(アルト/サマリアの女)
 ノーマ・プロクター(アルト/エジプトのマリア)
 ジョン・ミッチンソン(テノール/マリア崇拝の博士)
 ヴラディミール・ルジャーク(バリトン/法悦の教父)
 ドナルド・マッキンタイア(バス/瞑想の教父)

 リーズ音楽祭合唱団、ロンドン交響合唱団(ドナル・ハント指揮)
 オーピントン・ジュニア・シンガーズ(シーラ・モスマン指揮)
 ハイゲート・スクール少年合唱団(エドワード・チャップマン指揮)
 フィンチュリー児童音楽グループ(ジョン・アンドルーズ指揮)

 ハンス・フォーレンヴァイダー(オルガン)
 ロンドン交響楽団
 レナード・バーンスタイン(指揮)

録音:1966年4月18-20日。ロンドン、ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール
【Sony Classical 88697943332】

交響曲第8番は、1906年から7年にかけて作曲され、
マーラー50歳の時(1910年9月12日)に初演されました。

ちなみに第7番の初演は1908年9月、
《大地の歌》の初演は1911年11月、
第9番の初演は1912年6月のことでした。

マーラーは1911年5月、
50歳の時に亡くなっているので、
マーラーが生前に初演された交響曲は、
この第8番までということになります。


  ***

第8番は、
印象的な出だしにぐっと惹き込まれるのですが、

いざ全曲を聴こうとすると、
途中で飽きが来て、最後まで飽きずに
聴き通すのは難しい場合が多いです。

個人的に気に入っているのは、
 小澤征爾&ボストン響 の一気呵成な演奏ですが、
こちらもそれほどじっくり聴き込んでいるわけではないので、

今のところ第8番は、
まだ自分にとって少し距離のある作品といって良さそうです。


今回のバーンスタインの第8番、
鮮烈な第6・7番と同じ傾向の演奏で、

バーンスタインらしく
オケを自在に操ったわかりやすい演奏で、
最後まで飽きずに、十分感動しながら聴き通すことができました。

ただし大規模過ぎる曲ゆえか、
第6・7番のときほどやり切った感じはなく、
第2部の叙情的な場面の印象が、
多少弱いように感じられました。

個人的に、
息もつかせぬ勢いで聴き通せたのは第1部のみで、
ふだんから苦手にしている第2部は、
あと一歩な印象が残りました。

とはいえ、ここまで聴いてきた
バーンスタインの旧全集のなかでは
第6・7番につぐ好印象で、
私のなかの第8番への苦手意識を、
弱めてくれる効果はあったと思います。

2015年7月27日月曜日

M・T・トーマス&ロンドン響のマーラー:交響曲第3番(1987年録音)

アメリカの指揮者
マイケル・ティルソン・トーマス
(1944.12-)の指揮する

イギリスのオーケストラ
ロンドン交響楽団の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第3番ニ短調を聴きました。


グスタフ・マーラー
交響曲第3番ニ短調

ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
エドウィン・パリング(ソロ・ヴァイオリン)
モーリス・マーフィ(ソロ・ポストホルン)
ロンドン交響楽団合唱団(音楽監督:リチャード・ヒコックス)
サウスエンド少年合唱団(合唱指揮:マイケル・クラッブ)

ロンドン交響楽団
マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)
録音:1987年10月20日、ロンドン、エイビー・ロード・スタジオ
【Sony SICC955-6】2008年11月発売


交響曲第3番は、

35歳の夏(1895)に第2-6楽章、
翌年に第1楽章が作曲され、8月までに完成されました。

41歳の時(1902.6)に全曲初演されました。


交響曲第2番は
35歳の冬(1894.12)に全曲初演されたので、

それほど間を置くこともなく、
第3番が作曲されていたことがわかります。


  ***

MTT43歳の時の録音です。

技術的に文句を言われるレベルではありませんが、

ロンドン響独特の、
いかにもスタジオで鳴っている感じの人工臭がして、
あまり好きな「音」ではありません。

ただし恐らく、
神経質にならなければ気にならないレベルでしょう。


バーンスタインやレヴァインと同じ基調で、

細部へのこだわりから
全体をまじめに構築していくタイプの演奏ですが、

レヴァイン盤よりまた少し流れがスムーズになっていて、
さらに聴きやすい演奏に仕上がっていると思います。

恐らく第1楽章は、
十分魅力的な演奏ですが、

まだまだ、ところどころ音楽が停滞気味になって、
集中力の途切れた感じがするのはマイナス・ポイントです。


ライブではないからか、
曲全体への冷静な視線が感じられるのも、
マーラーを聴くうえでマイナスでしょう。

これがライブだったら、
流れがもう少し良くなって、
躊躇なく名演といえたように感じます。


全体としてみると、

バーンスタイン(▲)<レヴァイン(▲)<トーマス(◯)

の位置づけでしょうか。
まだ名演を期待すると肩透かしにあうレベルです。


※WIkipediaの「グスタフ・マーラー」「交響曲第3番(マーラー)」を参照。

2011年10月4日火曜日

ワルター&ウィーン・フィルのブラームス:交響曲第3番

ブルーノ・ワルターさんのことを知ったのは、
宇野功芳さんの著書を通じてでした。

ステレオ時代の録音は、いずれ良い音で復刻が出てから、
と考えているうちに、まとめて購入する機会がないまま今に至っています。

SP時代の録音は、
オーパス蔵さんで復刻されたときに、
ひと通りまとめて購入してありますので、
秋の夜長に、改めて聴き直しながら、紹介していこうと思います。

最近聴いていたのはこの1枚です。



1.モーツァルト:「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲 K.621
 (mat Col 2VH7047)※1938年1月15日録音
2.モーツァルト:「偽の女庭師(恋の花つくり)」序曲 K.196
 (mat Col 2VH7048)※1938年1月15日録音
3.ハイドン:交響曲第86番ニ長調
 (mat Col 2EA6778-83)※1938年9月13日録音
4.ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 作品90
 (mat Col CAX95-102)※1936年5月18・19日録音

ブルーノ・ワルター指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1,2,4)
ロンドン交響楽団(3)
【OPK2054】


今から70年も前の録音ですから、
音質は決して良いとはいえないのですが、
これはこれで十分に感動的な音楽が奏でられており、
ワルターさんの指揮するオーケストラ音楽の妙味を楽しむことができます。

音質はおそらく良いほうがいいのでしょうが、
より大切なのは、奏でられる音楽が感動的かどうか、なので、
SP録音をこうしたかたちで楽しむことができるのは、
とても贅沢なことだなあ、と思います。

ワルターさんの指揮で特徴的なのは、
これしかない、と言いたくなる絶妙のテンポ感です。

音楽の自然なゆらぎが、ワルターさんの指揮で、
ほどよくひっぱり出されて、心のひだに語りかけて来ます。

オーケストラの自然な響きを基調としつつも、
ほどほどにワルターさんの自己主張も織り交ぜられて、
聴いてとても心豊かな気持ちにさせられます。

モーツァルトの小品2曲も素敵ですが、
とくに感銘を受けたのは、ハイドンの交響曲第86番です。
小気味よいテンポ感と立派な造形美で、
意外な名曲を発見した気分です。

ハイドンは基本的に根暗なところのない、陽性の作曲家で、
時代的にもそれほど個性を強く押し出すところがないので、
時にどこが良いのかわからなくなりがちなのですが、
ワルターさんとハイドンは、とても相性が良いようです。

ブラームスは、
ワルターさんが大得意としていたようで、
オケをぐいぐいひっぱりまわして、やりたい放題の演奏ですが、
不思議と空回りせず、音楽的に全体がまとまっているのは、
ワルターさんとウィーン・フィルの相性によるものでしょうか。

ただこのブラームスは、強奏時にところどころ音がわれます。
だんだん慣れてきますが、そこは残念です。