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2017年7月10日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その12(2011年録音)

横山幸雄(1971年2月-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
12枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈12〉

◯3つのマズルカ 作品56
(1843年作曲、44年出版)
 ①第1番 ロ長調
 ②第2番 ハ長調
 ③第3番 ハ短調

◯3つのマズルカ 作品59
(1845年作曲、45年出版)
 ④第1番 イ短調
 ⑤第2番 変イ長調
 ⑥第3番 嬰ヘ短調

◯3つのマズルカ 作品63
(1846年作曲、47年出版)
 ⑦第1番 ロ短調
 ⑧第2番 ヘ短調
 ⑨第3番 嬰ハ短調

◯晩年の3つの最後のマズルカ
 ⑩イ短調 WN60(1846) op.posth.67-4
 ⑪ト短調 WN64(1848) op.posth.67-2
 ⑫ヘ短調 WN65(1849) op.posth.68-4

⑬ポロネーズ第7番 変イ長調 作品61《幻想ポロネーズ》
(1845-46年作曲、46年出版)

◯2つのノクターン 作品62
(1846年作曲、46年出版)
 ⑭第1番 ロ長調
 ⑮第2番 ホ長調

◯3つのワルツ 作品64
(1846-47年作曲、47年出版)
 ⑯第1番 変ニ長調《子犬のワルツ》
 ⑰第2番 嬰ハ短調
 ⑱第3番 変イ長調

⑲舟歌 嬰ヘ長調 作品60
(1845-46年作曲、46年出版)

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年10月17、18日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-924】※2011年11月発売


一度は全曲聴いておきたいと思っていた
ショパンのピアノ独奏曲の全集、
やっと最後まで辿り着きました。

12枚それぞれ別々のコンサートを聴くように
趣向を凝らしてあって、
習作レベルの作品もうまく織り交ぜて、
それぞれに飽きさせない内容に仕上がっていました。

正確無比なテクニックに支えられた
横山氏のショパンは、
楽譜を音楽的に再現した
バランス感覚に優れた繊細な演奏で、

それほど個性にあふれている訳ではないのですが、
聴き込むほどに味わいの増す
完成度の高い全集だと思いました。

初めて聴く分にも、
プレイエルのやさしい音色が耳に心地よく、
BGMとして最適なので、

コルトーのような、
個性あふれるショパンを好まれる場合は、
物足りなく思われるかもしれませんが、

とりあえず一度、
ショパンのピアノ独奏曲をすべて聴いてみたい方には、
第一に推せる全集だと思います。


全体的にみると、
ソナタや舟歌、幻想ポロネーズなど、
規模の大きめの作品になればなるほど
説得力を増していたのに対して、

ノクターンやワルツなど規模の小さな曲は、
悪くないのだけれども、ここからもう一捻り何か、
横山氏ならではの色合いが欲しいと感じました。

そうした中でも、
マズルカとは相性が良いのか、
リズムを強調しない、楽譜を純粋に、
音楽的に再現するタイプの演奏であるにもかかわらず、
不思議と心に残る味わい深さがありました。


横山氏のピアノ演奏、
40代はじめのこの録音をさかいに、
よりいっそう深みを増してきたように思います。

可能ならばもう一度、50代を過ぎたあたりで、
ここからもう一弾スケールアップしたショパンを聴きたいです。

2017年6月19日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その11(2011年録音)

横山幸雄(1971年2月-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
11枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈11〉

◯3つのマズルカ 作品50
(1841-42年作曲、42年出版)
 ①第1番 ト長調
 ②第2番 変イ長調
 ③第3番 嬰ハ短調

④即興曲第3番 変ト長調 作品51
(1842年作曲、43年出版)

◯2つのノクターン 作品55
(1843年作曲、44年出版)
 ⑤第1番 ヘ短調
 ⑥第2番 変ホ長調

⑦スケルツォ第4番ホ長調 作品54
(1842年作曲、43年出版)
⑧子守唄 変ニ長調 作品57
(1843年作曲、45年出版)

◯ソナタ第3番 ロ短調 作品58
(1844年作曲、45年出版)
 ⑨第1楽章:アレグロ・マエストーソ
 ⑩第2楽章:スケルツォ・モルト・ヴィヴァーチェ
 ⑪第3楽章:ラルゴ
 ⑫第4楽章:フィナーレ プレスト・マ・ノン・タント

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年9月26、27日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-923】※2011年11月発売


横山氏のショパン:独奏曲全集、
やっとあと2枚になりました。

調べてみると、⑩⑪⑫の3枚中に、
作品45から64までの作品がすべて収録されていましたので、
以下に整理しておきます。

⑩作品45~前奏曲〔嬰ハ短調〕
⑩作品46~演奏会用アレグロ〔イ長調〕
⑩作品47~バラード第3番〔イ長調〕
⑩作品48~2つのノクターン〔ハ短/嬰ヘ短〕
⑩作品49~幻想曲〔ヘ短調〕

  ⑪作品50~3つのマズルカ〔ト長/変イ長/嬰ハ短〕
  ⑪作品51~即興曲第3番〔変ト長調〕
⑩作品52~バラード第4番〔ヘ短調〕
⑩作品53~ポロネーズ第6番《英雄》〔変イ長調〕
  ⑪作品54~スケルツォ第4番〔ホ長調〕
  ⑪作品55~2つのノクターン〔ヘ短/変ホ長〕

   ⑫作品56~3つのマズルカ〔ロ長/ハ長/ハ短〕
  ⑪作品57~子守歌〔変ニ長調〕
  ⑪作品58~ソナタ第3番〔ロ短調〕
   ⑫作品59~3つのマズルカ〔イ短/変イ長/嬰ヘ短〕
   ⑫作品60~舟歌〔嬰ヘ長調〕
   ⑫作品61~ポロネーズ第7番《幻想》〔変イ長調〕
   ⑫作品62~2つのノクターン〔ロ長/ホ長〕
   ⑫作品63~3つのマズルカ〔ロ長/ヘ短/嬰ハ短〕
   ⑫作品64~3つのワルツ〔変ニ長/嬰ハ短/変イ長〕


  ***

ショパンの独奏曲全集も、
ようやく終わりが近づいて来ました。

全曲をまんべんなく聴いてみると、
初期の習作的な作品をのぞけば、
聴き逃していた名曲がほとんどなかったことを知りました。

演奏自体は、
ポーランド独特のリズム感を再現するというよりは、
楽譜をまっさらな目で見つめ直した上で
正確無比な技巧を駆使し、
繊細な感性で情緒豊かに再現されたもので、

そこまで押し付けがましく、
自己主張する演奏ではないので、
一聴するだけでは多少物足りなく感じる方もいるかもしれませんが、

聴き込むにつれ味わいの増す
完成度の高い優れた演奏だと思います。

ただどちらかといえば、
スケルツォ第4番やピアノ・ソナタ第3番など、
規模の大きい曲になればなるほど、
より一層、横山氏の真価が発揮されていて、
有無をいわせぬ強い説得力をもっていました。

2016年3月7日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その10(2011年録音)

横山幸雄(1971-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
10枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈10〉

①バラード第3番 変イ長調 作品47(1841年作曲、同年出版)
2つのノクターン 作品48(1841年作曲、同年出版)
 ②第1番 ハ短調
 ③第2番 嬰ヘ短調

④前奏曲 嬰ハ短調 作品45(1841年作曲、同年出版)

⑤演奏会用アレグロ イ長調 作品46(1841年作曲、同年出版)
⑥幻想曲ヘ短調 作品49(1841年作曲、同年出版)

⑦バラード第4番 ヘ短調 作品52(1842-43年作曲、43年出版)
⑧ポロネーズ第6番 変イ長調 作品58《英雄》(1842-43年作曲、43年出版)

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年7月5・6日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-922】※2011年11月発売

1841年から43年にかけて、
ショパン31歳から33歳にかけて作曲された作品群が収録されています。

全曲録音なので、
9枚目までは明らかな習作も混じっていたのですが、
この10枚目からは駄作が一つもなく、
ショパンの奥深い名曲がずらりと並んでいます。

途中で集中力を切らさず最後まで聴き通すことができました。

特に、
 バラード第3番、第4番、
 演奏会用アレグロ
 幻想曲
の4曲はまとめにくい曲のはずですが、
全体像のよくわかる強い説得力をもった快演で、
初めて曲の真価を知ったように感じました。

ポーランド人ならではの
節回し的なところからは距離を置いて、

もう一度まっさらな目で
楽譜を見つめ直すところから生み出された
横山氏なりの大人なショパン。

あまり好きなスタイルではないはずなのですが、
ここまで完成度が高ければ文句はないです。

2016年2月15日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その9(2011年録音)

横山幸雄(1971-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
9枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈9〉

2つのノクターン 作品37
 ①第1番 ト短調〔第11番〕
 ②第2番 ト長調〔第12番〕
 ⇒(1838-39年作曲、40年出版)

③バラード第2番 ヘ長調 作品38
 ⇒(1836-39年作曲、40年出版)

2つのポロネーズ 作品40
 ④第1番 イ長調「軍隊」〔第3番〕
 ⑤第2番 ハ短調〔第4番〕
 ⇒(1838-39年作曲、40年出版)

⑥スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品39
 ⇒(1839年作曲、40年出版)

4つのマズルカ 作品41
 ⑦第1番 ホ短調〔第26番〕
 ⑧第2番 ロ長調〔第27番〕
 ⑨第3番 変イ長調〔第28番〕
 ⑩第4番 嬰ハ短調〔第29番〕
 ⇒(1838-39年作曲、1840年出版)

⑪ワルツ第5番 変イ長調《大円舞曲》作品42
 ⇒(1840年作曲、40年出版)

⑫タランテラ 変イ長調 作品43
 ⇒(1841年作曲、41年出版)

⑬アレグレットとマズール イ長調
 ⇒[遺作◆](1974年出版)

円熟期の遺作の小品
 ⑭ソステヌート 変ホ長調 WN53
 ⇒[遺作◆IVb-10](1840年作曲、1955年出版)
 ⑮フーガ イ短調
 ⇒[遺作◆IVc-2](1841-42年作曲、1898年出版)
 ⑯モデラーと“アルバムの一葉”ホ長調 WN56
 ⇒[遺作◆IVb-12](1843年作曲、1910年出版)
 ⑰ギャロップ・マルキ 変イ長調 WN59
 ⇒[遺作◆IVb-13](1846年作曲、1990年出版)
 ⑱ノクターン《遺作》ハ短調 WN62
 ⇒[遺作◆IVb-8](1845-46年作曲、1938年出版)
 ⑲2つのブーレ ト長調・イ長調
 ⇒[遺作◆VIIb-1,2](1846年作曲、1968年出版)

⑳ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 作品44
 ⇒(1840-41年作曲、41年出版)

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年6月10・11日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-921】※2011年9月発売

伊藤はに子氏のCD解説には、

「作品は、
 ほとんどの作品がマヨルカ島とノアンで生まれ、
 サンドとの日々が刻印された作品群を形成する。
 これに加え、1841年から1846年にかけての遺作の小品が添えられている。」

とあります。年齢でいえば、ショパンが
30歳前後(1810年生まれ)に作られた作品群で編まれています。

演奏がずば抜けているのは、
 バラード第2番ヘ長調 と
 スケルツォ第3番嬰ハ短調
の2曲。

個人的に、
バラードとスケルツォは
どうにもつかみどころがない感じがして、
誰の演奏で聴いても納得できなかったのですが、

横山氏の演奏で聴いて初めて、
どんな曲なのかわかって来ました。

少し規模の大きな作品、
筋道の立ちにくい複雑な作品を弾くときの説得力の強さは、
ほかの演奏家ではなかなか聴けないレベルに達していると思います。

ほかの曲でも、
楽譜が求めるところを
抜群のテクニックで過不足なく音にしながら、

情感に欠けるわけでもなく、
曲本来の魅力をよく引き出していると思います。

日本人である横山氏が、
ポーランド人ならではの節回しで勝負するわけにもいかないので、
一つのスタイルとしてありだと思わせる説得力があります。

バラードとスケルツォにつぐのがポロネーズで、
そのほかノクターンも普遍的な美しさを表現し得ていると思います。

意外に面白いのがマズルカで、
ならではのリズムとは違うのでしょうが、
曲本来の美しさが引き出されています。

2015年4月20日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その8(2011年録音)

横山幸雄(1971-)さんによる

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
8枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈8〉

1) 2つのノクターン 作品32(1936)
  第1番 ロ短調
  第2番 変イ長調

2) 4つのマズルカ 作品33(1937-38)
  第1番 嬰ト短調
  第2番 ニ長調
  第3番 ハ長調
  第4番 ロ短調

3) 円熟期の遺作のワルツ
  ヘ短調 WN55(1841)
  イ短調 WN63(1847-49)

4) マズルカ イ短調《ノートル・タン》(1840)
5) マズルカ イ短調《エミール・ガイヤールへ》(1841)
6) 《ヘクサメロン》より第6変奏 ホ長調(1837)

7) 3つの新しい練習曲(1837)
  第1番 ヘ短調
  第2番 変ニ長調
  第3番 変イ長調

8) 即興曲第2番 嬰ヘ長調 作品36(1839)

9) 3つのワルツ 作品34《華麗なワルツ》
  第1番 変イ長調(1838)
  第2番 イ短調(1835)
  第3番 ヘ長調(1831)

10) ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35《葬送》(1839)
   第1楽章:グラーヴェ ドッピオ・モヴィメント
   第2楽章:スケルツォ
   第3楽章:レント マルシュ・フュネーブル
   第4楽章:フィナーレ プレスト

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年5月10・11日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-920】※2011年9月発売

7枚目のあとだいぶ時間を置きました。

CD8には、
25歳から31歳(1835-1841)のころの作品を集めてあります。


21歳の時(1831)に
ウィーンからパリに移住し大成功をおさめた後、

呼吸器系の疾患によって、
ポーランド人貴族の娘マリアとの婚約が破棄され(1837)、

その後知り合った
フランスの女流作家ジョルジュ・サンドとの

マジョルカ島への逃避行(1838)、
その後パリに戻ってから数年、
サンドとの生活を続けていく中で生まれた作品です。


  ***

このあたりに入って来ると、
習作的な色合いはなくなります。

どれも名曲揃いで、
ショパンらしい作品群に
安心して身を任せることができました。

前半に、
・2つのノクターン 作品32
・4つのマズルカ 作品33
・2つの円熟期の遺作のワルツ

後半に、
・即興曲第2番 嬰ヘ長調 作品36
・3つのワルツ 作品34《華麗なワルツ》
・ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35《葬送》

を配置し、
その間にあまり聴く機会のない
・マズルカ イ短調《ノートル・タン》(1840)
・マズルカ イ短調《エミール・ガイヤールへ》(1841)
・《ヘクサメロン》より第6変奏 ホ長調(1837)
・3つの新しい練習曲(1837)

を配置する構成。

あいだの曲はあまり聴いたことがないのですが、
最後は傑作ピアノ・ソナタ第2番でガツンとまとめられ、
全体にひきしまった感じを与えていました。

横山氏のピアノは、
速めのテンポ、万全のテクニックでバリバリ弾かれていきますが、

嫌味なところや、
技術だけ空回りするところはなく、

ほどほどに情感も込められていて、

中庸な解釈で、
ショパンが書いた音楽の美しさに、
すっと入り込むことができました。


ルービンシュタインの
味わい深い老獪な演奏とは違いますが、

若々しさを感じさせる
等身大のショパン演奏のように感じました。

あと4枚、
充実の作品群が続くはずなので、
楽しんで聴いていきたいと思います。

2014年4月27日日曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その7(2011年録音)

横山幸雄(1971-)氏による

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
7枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈7〉

1) パリ時代初期の遺作のワルツ2曲
  ワルツ 変ト長調 WN42(1832)
  ワルツ 変イ長調 WN47(1835)

2) パリ時代初期の遺作の小品4曲
  カンタービレ 変ロ長調 WN43(1834)
  前奏曲 変イ長調 WN44(1834)
  ラルゴ 変ホ長調(1837)
  “春”ト短調 WN53a(1838)

3) 即興曲 第1番 変イ長調 作品29(1837)
  即興曲 嬰ハ短調 WN46
 (幻想即興曲 1834-35 作品66)

4) 4つのマズルカ 作品30(1837)
  第1番 ハ短調
  第2番 ロ短調
  第3番 変ニ長調
  第4番 嬰ハ短調

5) スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31(1837)

6) 24の前奏曲 作品28(1839)
  第1番 ハ長調
  第2番 イ短調
  第3番 ト長調
  第4番 ホ短調
  第5番 ニ長調
  第6番 ロ短調
  第7番 イ長調
  第8番 嬰ヘ短調
  第9番 ホ長調
  第10番 嬰ハ短調
  第11番 ロ短調
  第12番 嬰ト短調
  第13番 嬰ヘ長調
  第14番 変ホ短調
  第15番 変ニ長調「雨だれ」
  第16番 変ロ短調
  第17番 変イ長調
  第18番 ヘ短調
  第19番 変ホ長調
  第20番 ハ短調
  第21番 変ロ長調
  第22番 ト短調
  第23番 ヘ長調
  第24番 ニ短調

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年4月18・19日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-919】


CD7には、
ショパン22歳から29歳、
1832年から39年にかけて作曲された作品を収録しています。

21歳の時(1831)に
ウィーンからパリに移住し大成功をおさめた後、

呼吸器系の疾患によって、
ポーランド人貴族の娘マリアとの婚約が破棄され(1837)、

その後知り合った
フランスの女流作家ジョルジュ・サンドとの、
マジョルカ島への逃避行(1838)あたりまでの作品が収められています。


「幻想即興曲」
「スケルツォ第2番」
「24の前奏曲」など有名曲が目白押しですが、

個人的には、
1938年にパリで発見・出版された

「ラルゴ変ホ長調(1837)」

という作品を初めて聴いて、好きになりました。

1分半ほどのスケッチといっても良いくらいの小品ですが、
美しいメロディに心動かされました。


横山氏のピアノ、
全体に若々しい覇気に満ちた演奏です。

無骨というよりは
万全のテクニックによる洗練された、
ほどほどにロマンティックな表現です。


最初のワルツのみ、
ワルツらしくなくて違和感があったのですが、
あとは十分満足しました。

「スケルツォ第2番」と「24の前奏曲」の演奏が特に優れていたと思います。



※Wikipediaの「横山幸雄」「フレデリック・ショパン」「ショパンの楽曲一覧」を参照。

2012年11月7日水曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全集 その6(2011年録音)

横山幸雄(1971-)さんによる

ポーランド出身の作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810-1849)のピアノ独奏曲全集
6枚目を聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈6〉

1) パリ時代初期の遺作のマズルカ5曲
  マズルカ ニ長調(1832)
  マズルカ 変ロ長調 WN41(1832)
  マズルカ ハ長調(1833)
  マズルカ 変イ長調 WN45(1833)
  マズルカ ハ長調 WN48(1835)

2) 4つのマズルカ 作品17(1833作曲)
  第1番 変ロ長調
  第2番 ホ短調
  第3番 変イ長調
  第4番 イ短調

3) 4つのマズルカ 作品24(1835作曲)
  第1番 ト短調
  第2番 ハ長調
  第3番 変イ長調
  第4番 変ロ短調

4) 12の練習曲 作品25(1832-36作曲)
  第1番 変イ長調「エオリアンハープ」
  第2番 ヘ短調
  第3番 ヘ長調
  第4番 イ短調
  第5番 ホ短調
  第6番 嬰ト短調
  第7番 嬰ハ短調
  第8番 変ニ長調
  第9番 変ト長調「蝶々」
  第10番 ロ短調
  第11番 イ短調「木枯らし」
  第12番 ハ短調「大洋」

横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年3月9・10日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-918】

CD6では、
ショパン22歳から26歳、
1832年から36年にかけて作曲された
マズルカと練習曲をまとめて取り上げています。

ショパンは
20歳(1830年)のときにワルシャワからウィーン、
21歳(1831年)のときにウィーンからパリに移住し、
パリで大成功をおさめます。

パリに移住し数年のうちに作曲された
20代前半の作品ということになります。


CD5では、
同じ時期に作曲された
ノクターンとポロネーズとバラードを取り上げていました。

このときは、
横山さんとノクターンの組み合わせが、
ほんの少しミスマッチな印象を受けたのですが、


CD6のマズルカも練習曲も、
横山さんと相性がとても良いようで、
感心しながら全体を聴き終えることができました。

マズルカは、
ポーランド特有のリズムにこだわるよりは、
横山さんが心に感じるところをすなおに表現してある演奏で、
わかりやすく、曲本来の美しさに感動しました。

これまでマズルカ集を聴いて
いいなと思えたことはなかったのですが、
横山さんのマズルカは、どれも曲そのものの良さが引き出されていて、楽しめました。


練習曲は、もう完全に
曲が横山さんの中に入っているようで、

完璧なテクニックに支えられた
驚くほど詩情にあふれる演奏で、

技術的なことを忘れて、
曲そのものの美しさに聴き入りました。


それでは次はCD7に進みましょう。

※Wikipediaの「横山幸雄」「フレデリック・ショパン」「ショパンの楽曲一覧」

2012年7月23日月曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全曲集 その5

横山幸雄さんによる
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810年3月生 1849年10月没)のピアノ独奏曲全集
5枚めを聴きました。


プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈5〉


1) ノクターン ホ短調 WN23(1827)※17歳
2) ノクターン 嬰ハ短調 WN37(1830)※20歳
  レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ     


3) 3つのノクターン 作品9(1830-31)※20-21歳
  第1番 変ロ短調/第2番 変ホ長調/第3番 ロ長調
4) 3つのノクターン 作品15(1830-31、33)※20-21、23歳
  第1番 へ長調/第2番 嬰へ長調/第3番 ト短調


5) 2つのポロネーズ 作品26(1834-35)※24-25歳
  第1番 嬰ハ短調/第2番 変ホ短調
6) 2つのノクターン 作品27(1835)※25歳
  第1番 嬰ハ短調/第2番 変ニ長調
7) バラード第1番 ト短調 作品23(1831-35)※21-25歳


横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年2月17、18日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-917】


今回は、夜想曲を中心としたプログラムです。

旋律の美しい遺作のノクターン2曲のあと、
作品9と作品15のノクターン6曲が続き、

コンサートであれば恐らく休憩をはさんで、

作品26のポロネーズ2曲、
作品27のノクターン2曲と続けて、
最後に作品23のバラード第1番という構成です。

主に20代前半に書かれた作品群です。


全体を聴いてみると、
記憶に残る美しい旋律をもつ
遺作の2つのノクターンの印象が強すぎて、

その後のプログラムの印象がうすくなっているように感じられました。


若いころの作品から順に並べて、
全作品を演奏するという趣向でなければ、

冒頭に置かれた2つの遺作のノクターンは、
プログラムの最後にアンコールとして弾かれた方が
まとまりは良いように思われました。


横山さんの演奏、
これは評価がむつかしい。

男性的でキリリとひきしまったノクターンかと思いきや、

意外にピアニッシモを多用した繊細な表現で、
しかしリズムの面ではあっさりしたところもあって、
慣れてくるまで少し違和感がありました。

繊細ではあり、
そこそこロマンティックでもあるのですが、
曲に没入し切ることはない、クールな面も残しており、

一言では現しにくい、
横山さん独自の表現であることは確かだと思います。


ぼんやり聴いていると、
さらさら流れていくようにも感じるので、

あと少し、押しの強さがあっても良いように感じますが、
今後どのように表現がこなれてくるのか、
期待したいと思います。



どちらかといえば、
ポロネーズとバラードのほうが、
横山さんの個性にあっているようで、
これは文句のないすぐれた演奏でした。


※作品の作曲年代については、
有田栄氏によるCD解説のほか、
ペティナ・ピアノ曲事典「ショパン」の項目
【http://www.piano.or.jp/enc/composers/index/31/】を参照しました。

2012年4月2日月曜日

横山幸雄のショパン/ピアノ独奏曲全曲集〈4〉



プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈4〉


A.ワルシャワ時代の遺作の小品
 1) 3つのエコセーズ WN13(1826)
   1.ニ長調/2.ト長調/3.変ニ長調


 2) 葬送行進曲 ハ短調 WN9(1826)
 3) コントルダンス 変ト長調 WN27(1827)
 4) アレグレット  嬰ハ短調 WN36(1829)
 5) ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲 ホ長調 WN6(1824-26)
 6) 変奏曲 パガニーニの思い出 イ長調 WN16(1829)


B.華麗なる変奏曲 変ロ長調 作品12〔1833〕


C.ワルシャワ時代の遺作のワルツ
 1) ワルツ 変ホ長調 (1827)
 2) ワルツ ホ長調  WN18 (1829)
 3) ワルツ ロ短調  WN19 (1829)
 4) ワルツ 変ニ長調 WN20 (1829)
 5) ワルツ 変イ長調 WN28 (1829-30)
 6) ワルツ ホ短調  WN29 (1830)


D.ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」変ホ長調 作品18〔1831-32。or 1833〕
E.ボレロ 作品19〔1833〕
F.スケルツォ第1番 ロ短調 作品20〔1833-35〕


横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年1月13、14日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-916】


一見、雑然として色々並んでいますが、

前半(A・B)と後半(C~F)で、

それぞれ若いころの遺作数曲に、
作品番号のある作品を添えた構成になっており、

説明つきのコンサートでしたら、
盛りだくさんで楽しめそうです。


前半でよく知っていたのは、
最初の「3つのエコセーズ」です。

あっという間に終わってしまいますが、
不思議とよくまとまっていて、
楽しい小品です。

その他では、

A-5) ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲

は初めて聴きましたが、
わかりやすくてよく出来ていると思いました。


後半は、
遺作のワルツのうち、短調の2つの作品。
その後の「華麗なる大円舞曲」とスケルツォ第1番は
よく知っています。

個人的には、
特にワルツを弾く時のテンポが、
心持ち速めに感じられるのですが、
これは楽譜どおりだとこうなるのでしょうか。

感情がこもっていないわけでも、
粗雑に弾き飛ばされているわけでもないので、
好みの問題ですが、

ここはもう少しゆっくり目のほうが、
私は好きです。


スケルツォ第1番は、
有名なわりにこれまで
今ひとつピンと来なかったのですが、

横山さんの演奏は、
わりとあっさり目ですが、
曲そのもので勝負する感じがあって、

いい曲だな、と思いました。


最後の3曲は、なぜこの3曲?
とはじめわからなかったのですが、

作品18から20までをまとめて取り上げたのですね。

そう言われると、
何となく腑に落ちるところがありました。

2012年2月19日日曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全曲集〈3〉



プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈3〉

1) ワルシャワ時代の遺作のポロネーズ

1. ポロネーズ ト短調 WN2(1817年)
2. ポロネーズ 変ロ長調 WN1(1817年)
3. ポロネーズ 変イ長調 WN3(1821年)
4. ポロネーズ 嬰ト短調 WN4(1824年)
5. ポロネーズ 変ロ短調 WN10(1826年)
6. ポロネーズ ニ短調 WN11(1825-27年)
7. ポロネーズ ヘ短調 WN12(1826-28年)
8. ポロネーズ 変ロ長調 WN17(1829年)
9. ポロネーズ 変ト長調 WN35(1830年)

2) アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
変ホ長調 作品22(1835年)

横山幸雄(ピアノ)

使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2010年12月20、21日
上野学園 石橋メモリアルホール

【KICC-915】


ポーランドの作曲家
フレデリック・フランソワ・ショパン
(1810年3月1日生 1849年10月17日)
のピアノ独奏曲全曲集、

3枚目は、若いころの遺作のポロネーズと、
アンダンテ・スピアートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調を合わせた1枚です。

遺作のポロネーズの作曲年代は
次のように推定されています。
(小坂裕子氏のCD解説参照。)

7歳……ト短調(WN2) 変ロ長調(WN1)
11歳……変イ長調(WN3)
14歳……嬰ト短調(WN4)
16歳……変ロ短調(WN10)
15~17歳……ニ短調(WN11)
16~18歳……ヘ短調(WN12)
19歳……変ロ長調(WN17)
20歳……変ト長調(WN35)

ショパンの独奏曲を
すべて聴いてやろう、という企画でなければ、

前半は、少々飽きの来やすい
習作レベルの作品が続きますので、

とりあえず1枚だけ購入してみよう、
という方にはあまりお薦めできないかもしれません。

しかし意外と楽しんで、
5回6回と聴き返していられるのは、
横山さんの演奏力の賜物でしょう。

別に無理なことはせずに、
曲そのものの魅力を汲み取って、
曲の感動を十分に伝えることが出来ていると思います。

はじめから、
若きショパンに出会うつもりで聴けば、
楽しめる1枚だと思います。

ちなみに、
私が気に入った遺作のポロネーズは、

19歳のときの変ロ長調(WN17)
20歳のときの変ト長調(WN35)

です。


ブレイエルの音色にも
かなり耳が馴染んできました。

次は盛りだくさんの4枚目に進みます。

2012年1月28日土曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全曲集〈2〉



プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈2〉

1) マズルカ風ロンド ヘ長調 作品5 (1826年)

2) ワルシャワ時代の遺作のマズルカ 計7曲
  マズルカ ニ長調 (1820年)
  マズルカ 変ロ長調 WN7 (1826年)
  マズルカ ト長調 WN8 (1826年)
  マズルカ イ短調 WN14 (1827年)
  マズルカ ハ長調 WN24 (1830年)
  マズルカ ヘ長調 WN25 (1830年)
  マズルカ ト長調 WN26 (1830年)

3) ロンド ハ長調 WN15 (1828年)

4) 4つのマズルカ 作品6 (1832年)
  第1番 嬰ヘ短調
  第2番 嬰ハ短調
  第3番 ホ長調
  第4番 変ホ短調

5) 5つのマズルカ 作品7 (1832年)
  第1番 変ロ長調
  第2番 イ短調
  第3番 ヘ短調
  第4番 変イ長調
  第5番 ハ長調

6) ロンド 変ホ長調 作品16 (1833年)

横山幸雄(ピアノ)

使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2010年11月15、16日
上野学園 石橋メモリアルホール

【KICC-914】


3曲のロンドの間に、
マズルカをはさんだ構成で、
まとまりの良いプログラムです。

感傷的になり過ぎない、
しかし無表情なわけではなく、どの曲も、
その良さが素直に伝わって来る、
適度な情熱を込めた演奏でした。

苦手なはずのマズルカも、
意外に心に響く曲が多いことを再確認しました。

ロンドは恐らく
どれも初めて聴きましたが、
ふつうに楽しめました。

曲の内容に、
若書きの感じはありますが、
それでも十分にコンサートで聴いて、
楽しめるレベルだと思いました。


それとやはり
ピアノの音色がすばらしいです。

ほんの少しひなびた感じが、
ショパンの曲想にとても良く合っています。

気軽に楽しめる、
でも新たな発見も多い一枚でした。

2012年1月4日水曜日

横山幸雄のショパン:ピアノ独奏曲全曲集 その1(2010年録音)



プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈1〉

1) ロンド ハ短調 作品1
2) ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調 作品4
3) 12の練習曲 作品10

横山幸雄(ピアノ)

使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2010年10月17、18日
上野学園 石橋メモリアルホール

【KICC-913】


横山幸雄さんはまだ40歳になったばかり。
日本を代表するピアニストの一人です。

弾け過ぎるくらいに弾ける方なのですが、
音楽的な味わい深さには、ほんの少し欠ける所があって、
これまであまり聴くことはありませんでした。

しかしショパンは、
あんまり感情を込め過ぎると、
かえってうっとうしく感じられるところもあって、
楽譜どおりにバリバリ弾いてもらえた方が、
安心して楽しめることもあります。

とはいえ、
ただショパンを録音しただけであれば、
あまり気にならなかったと思うのですが、

1910年製のプレイエルを使っている
ところにひかれて購入してみました。

これが大正解!

若干ひなびた感じの音色が
味わい深い雰囲気を醸し出していて、

どれだけ楽器を鳴らしても
耳にうるさく響くところがないので、
とても聴きやすいです。

横山さんの演奏も、楽器の弾きにくさが
技巧にほどほどにセーブをかけているのか、

テクニックよりも
曲そのものの良さがすなおに伝わって来て、
飽きることなく1枚聴き終えていました。

1) ロンド ハ短調 作品1
2) ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調 作品4

は初めて聴きました。

ところどころ若さも感じられますが、
それもまた長所として、曲の魅力を味わうことができました。

12枚すべてこのレベルを維持しているのかはわかりませんが、
ショパンの独奏曲をすべて聴く機会はあまりないので、
この機会に聴き進めていこうと思います。