ギュンター・ヘルビヒ
(Günther Herbig, 1931年11月- )の指揮する
1952年に東ドイツで設立されたオーケストラ
ベルリン交響楽団
(Berliner Sinfonie-Orchester)の演奏で、
ドイツの作曲家
ヨハネス・ブラームス
(Johannes Brahms, 1833年5月7日-1897年4月3日)
の交響曲第1番(①)と悲劇的序曲(②)を聴きました。
指揮者46歳の時に
(①1978年1月/②77年11月・78年5月)
録音されました。
※ベルリン交響楽団
(Berliner Sinfonie-Orchester)
は、2006年から、
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
(Konzerthausorchester Berlin)
と改称されています。
CD1
ブラームス:
①交響曲第1番ハ短調 Op.68
②悲劇的序曲 Op.81
ベルリン交響楽団
ギュンター・ヘルビヒ(指揮)
録音:1978年1月(①)、77年11月・78年5月(②)、キリスト教会、ベルリン。
【Berlin Classics 885470009117】2017年3月発売
① 交響曲第1番ハ短調 Op.68 は、
ブラームスが43歳の時(1876年11月4日)に初演された作品、
② 悲劇的序曲 Op.81 は、
47歳の時(1880年12月26日)に初演された作品です。
***
ヘルビヒ&ベルリン響のブラームスは、
名前のみ知って、今まで聴いて来なかった録音です。
最近廉価で手に入ったので、
聴いてみることにしました。
実際聴いてみると、
思っていたよりも弦が前に出て来ない、
かゆいところに手が届かないような、
もどかしい感じの録音だったので、
意外な気がして
しばらく時間を置いてからもう一度聴いてみました。
するとやはり、ふつうに聴くよりも
弦が前に出ない印象は残るのですが、
録音に不備があるわけではなく、
ベルリン交響楽団に独特な、
弦のくすんだ響きを反映して、
ブラームスにもってこいの、
渋めの美しい味わいを醸し出していることがわかりました。
ヘルビヒの指揮が、
下手な個性を主張しようとしない、
ひたすらブラームスの楽譜に忠実にあることに
主眼を置いたものなので、
全体として、どこかのパートが際立つこともなく、
よくブレンドされた美しいオケの音を聴かせてくれていました。
一聴して心を鷲掴みにするような、
派手な演奏ではないので、初めて聴く分には
物足りなく思うことがあるかもしれませんが、
聴き込むほどに味わいの増す、
大人なブラームスだと思いました。
ハンス・シュミット=イッセルシュミット
&ウィーン・フィルのベートーヴェン:
交響曲全集に似た印象と言えるでしょうか。
威圧感のないブラ1というのも、
聴きやすく、良いものだと思いました。
最後に収録されている《悲劇的序曲》は、
大見得を切るところがあって苦手な曲なのですが、
この録音は、嫌味なところがなく、
ほぼ初めて、最後まで興味深く聴き通すことができました。