2013年12月31日火曜日

Sonny Rollins の 『Worktime』(1955.12)


Worktime
Sonny Rollins Quartet

1) There's No Business Like Show Business(Irving Berlin)
2) Paradox (Sonny Rollins)
3) Raincheck (Billy Strayhorn)
4) There Are Such Thing (Adams-Baer-Meyer)
5) It's Alright With Me (Cole Parter)

Sonny Rollins, tenor sax
Ray Bryant, piano
Max Roach, drums
George Morrow, bass

Recorded December 2,1955
【VICJ2052】

ソニー・ロリンズ(1930.9-)のCD、
9月末に『サキソフォン・コロッサス』について書いてから、
だいぶ時間がたってしまいました。

書く内容は決めてあったのですが、
ありがたいことに、仕事が忙しかったのです。

家に買ってあったのを何枚か聴き直してみて、
そういえばこれはとても良かったんだよな、
と思い出したのが、

25歳の時(1955.12)

ピアノにレイ・ブライアント、
ベースにジョージ・モロウ、
ドラムにマックス・ローチを迎えて収録した

アルバム『ワークタイム』です。


これはカッコイイ!

カッコ良さではアルバム『サキソフォン・コロッサス』より上です。

それも決して上っ面に終わることのない、
聴く人の心をしっかり掴んで離さない、
中身が感じられるのはロリンズならではでしょうか。


疾走感あふれる
「ショウほど素敵な商売はない」(1曲目)と
「イッツ・オールライト・ウィズ・ミー」(5曲目)を挟んで、

若干「セント・トーマス」に似た趣きのある
ロリンズのオリジナル曲「パラドックス」(2曲目)に、

自由な感じの「レインチェック」(3曲目)をへて、

渾身のバラード「ゼア・アー・サッチ・シングス」(4曲目)は、
聴いていて恥ずかしくなるような演歌調のところがなく、
なぜだか心洗われるような歌があふれる名演です。


『サキソフォン・コロッサス』よりも、
全体的な曲調は似ている感じがするので、
バランスの取れた1枚だと思います。

1曲目「ショウほど素敵な商売はない」と
5曲目「ゼア・アー・サッチ・シングス」が、私は特に気に入りました。

2013年12月30日月曜日

シュナーベルのベートーヴェン:ピアノソナタ全集 その4

オーストリア出身のピアニスト
アルトゥール・シュナーベル
(Artur Schnabel 1882.4-1951.8)が、
50歳から53歳にかけて(1932-35)録音した

ドイツの作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
(Ludwig van Beethoven 1770.12-1827.3)の
ピアノソナタ全集の4枚目です。


ベートーヴェン・ピアノソナタ録音協会全集第4集

ベートーヴェン(1770-1827)
ピアノソナタ 第11番 変ロ長調 作品22
ピアノソナタ 第12番 変イ長調 作品26《葬送》
ピアノソナタ 第13番 変ホ長調 作品27-1《幻想風》

アルトゥル・シュナーベル(ピアノ)
録音:1933年4月12・13日〔11番〕、1934年4月25-27日・5月7日〔12番〕、1932年11月1日〔13番〕、EMIアビー・ロード第3スタジオ、ロンドン
【Naxos 8.110756】


ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 作品22 は、

 29歳の時(1800)に作曲され、
 31歳の時(1802.3)に出版された作品です。

ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 作品26《葬送》 は、

 30歳の時(1801.4以降)に完成され、
 31歳の時(1802.3)に出版された作品です。

ピアノ・ソナタ第13番 変ホ長調 作品27-1《幻想風》 は、

 30歳の時(1801.4以降)に完成され、
 第14番《月光》とともに作品27として、
 31歳の時(1802.3)に出版された作品です。


3曲とも同時期に完成しているだけあって、
似た雰囲気です。

はじめのころのような、
古典的なたたずまいからは相当逸脱しているのですが、
この後の《テンペスト》や《熱情》のような強烈な個性は、
まだ感じません。

元気溌剌とした青春の明るさにつらぬかれた中で、
最大限、ベートーヴェンの個性が発揮された作品であるように感じました。


さらっと聴くだけだと、
あまりピンと来ないのですが、
シュナーベルの雄弁な演奏で聴き込むと、
それぞれに独特の個性をもった名曲であることがわかって来ました。


この中で第12番《葬送》は、
ゆるやかで慈しむような出だしが心地良く、
お気に入りの1曲になりました。

第11番は、演奏効果の高い、
聴き映えのする1曲だと思いますが、
これだけが孤立して存在している感じで、
位置付けが難しいように思いました。

第13番は、
かたちがだいぶ崩れていて不思議な感じがしましたが、
第14番《月光》とセットになっていると言われたら、
わかるように思いました。



※L.v.ベートーヴェン全作品目録(国立音楽大学 音楽研究所)
 【http://www.ri.kunitachi.ac.jp/lvb/bdb/bdb_index.html】を参照。

※ペティナ・ピアノ曲事典「ベートーヴェン」
 【http://www.piano.or.jp/enc/composers/61/】を参照。

※Wikipedia の「アルトゥル・シュナーベル」
 「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」
 「ベートーヴェンの楽曲一覧」を参照。

2013年12月10日火曜日

グルダのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1・2番(1970・71年)

オーストリアのピアニスト、
フリードリヒ・グルダ(1930.5-2000.1)が
40歳の時(1970.6/1971.4)に、

ドイツの指揮者
ホルスト・シュタイン(1928.5-2008.7)、

オーストリアのオーケストラ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とともに録音した

ドイツの作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
(1770.12-1827.3)の
ピアノ協奏曲第1・2番を聴きました。


ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品19

フリードリヒ・グルダ(ピアノ)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ホルスト・シュタイン(指揮)

録音:1971年4月19-21日(第1番)、1970年6月9-17日(第2番)、ウィーン、ゾフィエンザール
【UCCD-7258】2013年発売

ベートーヴェンが30・31歳のときに出版された作品です。

出版順に、
 ピアノ協奏曲第1番(1801.3 出版)
 ピアノ協奏曲第2番(1801.12 出版)
とされていますが、

作曲に取りかかったのは第2番のほうが先で、
完成まで改稿を重ねたため出版が遅れたそうです。

実際、第1番のすぐ後に第2番を聴くと、
多少まとまりの悪さが感じられるのですが、

第2番→第1番の順に聴くと、
わずかですが成長の跡が感じられ、
違和感なく聴き進めることができるのに気がついたのは最近のことです。

若々しい感情がほとばしり、
聴いていて明るく元気にさせてくれる名曲だと思います。


グルダとシュタイン&ウィーン・フィルの演奏、
以前に1,000円で出たときにも購入していたのですが、

ピアノはまだしも
オケの響きが耳にうるさく、

こんな筈ではないと思って聴くのを止めておりました。

今回、リニューアル版が登場したので、
それほど期待せずに1枚聴いてみたところ、

ウィーン・フィルの有機的な響きに絡みあう
ピアノの美しい音色を隅々まで聴き取ることができ、
とても満足しました。

ジャケットは前回のと同じですが、
音質はかなり向上していると思います。


グルダの録音、これまでは
それほど共感するものに出会って来なかったのですが、

定評あるピアノ協奏曲全集で、
その実力を大いに見直すことができそうです。

自由で若々しい演奏ではありますが、
私には、ウィーンの流儀を逸脱しない範囲での、
節度ある自由が、彼の魅力であるように思いました。


※Wikipediaの「フリードリヒ・グルダ」
「ホルスト・シュタイン」
「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」
「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」
「ベートーヴェンの楽曲一覧」