エイベックス・クラシックスの
ベスト・オブ・クラシックスからもう1枚、
アメリカの指揮者
スティーヴン・ガンゼンハウザー(1942.4-)の指揮する
スロヴァキアのオーケストラ
スロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団の演奏で、
ロシア帝国出身の作曲家
セルゲイ・ラフマニノフ(1873.4-1943.3)の
交響曲第2番 ホ短調 作品27 を聴きました。
作曲家34歳の時(1908.1)に初演された作品を、
指揮者47歳の時(1989.5)に録音しています。
セルゲイ・ラフマニノフ
交響曲第2番ホ短調作品27
スティーヴン・ガンゼンハウザー(指揮)
スロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団
録音:1989年5月 ブラティスラヴァ、スロヴァキア放送コンサートホール
【AVCL-25629】
ラフマニノフの交響曲第2番は、
美しいメロディに事欠かないものの、
曲全体の構成がつかみにくいところがあって、
今一つよくわからない感じのある曲です。
これまでに
スヴェトラーノフ、
プレヴィン、
アシュケナージ、
オーマンディ、
秋山和慶、
と聴いてきましたが、
つかみどころのなさは残されたままでした。
このガンゼンハウザー盤、
オケの技量的に厳しいのではと思っていたのですが、
指揮者のよほどの得意曲なのか、
曲全体の構成が手に取るようにわかり、
共感度の高いオーケストラとともに
感動的な演奏を聴かせてくれました。
チャイコフスキーにつながるような、
ロシア的な荒々しい側面と、
ラフマニノフ独特の甘い旋律とが、
絶妙なバランスで構成されていて、
今回のCDで初めて、
この作品の本質がわかったように感じました。
若干オケが弱いので、
繰り返し聴いているとオケの粗さが目についてきますが、
たまに取り出して聴く分には何も問題ありません。
まとめにくい曲を相手に、
聴かせどころのつぼを良く心得た、
隠れた名盤といって良いと思います。
ガンゼンハウザー、
楽譜をかなり深く読み込んで、
個性的な解釈を聴かせる要注目の指揮者だと思います。
※Wikipediaの「セルゲイ・ラフマニノフ」「交響曲第2番(ラフマニノフ)」を参照。
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