2016年8月18日木曜日

名古屋ボストン美術館の「ルノワールの時代 ―近代ヨーロッパの光と影―」展

去る8月16日(火)、
金山の名古屋ボストン美術館まで、
「ルノワールの時代 ―近代ヨーロッパの光と影―」展
を観に行って来ました。

日程は
 2016年3月19日(土)~8月21日(日)
主催は、
 名古屋ボストン美術館
 ボストン美術館(図録参照)。


フランスの画家
ピエール=オーギュスト・ルノワール
(Pierre-Auguste Renoir, 1841.2-1919.12)
の名品をたくさん観られるかと期待していたところ、
全87点中4点のみでした。

 32《ブージヴァルのダンス》1883年
 34《ガンジー島の海辺の子どもたち》1883年頃
 特別出品1《ピクニック》
 特別出品2《マッソーニ夫人》

ボストン美術館蔵の2作品のほか、
国内の個人蔵2作品が紹介されていました。

このうち32・34は、これだけで
十分魅力あふれる作品であることが伝わって来ました。

ルノワールの描く女性画には、
個人的にそこまで惹かれないのですが、
そんな私にも惹きつけられたのは34でした

ほかの2点は、
あまりお目にかかれない貴重な作品のようですが、
ほかのルノワールの作品と並べてみないと、
真価はわかりませんでした。

「ルノワールの時代」と謳う以上は、
せめて10作品ぐらいはルノワールが観られる、
と期待するのは素人考えなのでしょうか。

本家のボストン美術館には
ルノワールの作品があまり収蔵されていないのか、
ルノワールの展示にはケタ違いの金額がかかるのか、
その辺の事情はよくわかりません。


 ***

今回は、以前にも観た覚えがある
ボストン美術館蔵の19世紀後半の名作に再会できたのが、
一番の収穫でした。

特にお気に入りなのは
オランダの画家
ヨーゼフ・イスラエルス
(Jozef Israëls, オランダ, 1824-1911)の
 11《別離の前日》1862年
です。

この作品は、
ちょうど2年前(2014年8月14日)、
名古屋ボストン美術館で行われた
「開館15周年記念 ボストン美術館 ミレー展
 ~バルビゾン村とフォンテーヌブローの村から」
を観に行ったときに出会った作品で、
またいずれ再会したいと思っていました。

その他、
今回初めて心を奪われたのは、
アメリカの印象派の画家による2作品です。

アーネスト・リー・メジャー
(Ernest Lee Major, 1864-1950)
19《休息―モンティニー=シュル=ロワン》1888年

フレデリック・ポーター・ヴィントン
(Frederic Porter Vinton, 1846-1911)
20《洗濯女》1890年

自然の緑のなかに
明るく浮かび上がる光の印象が心地よく、
素敵な作品だと思いました。

あとこの2作ほどではないのですが、
フランスの画家による3作品も気になりました。

ジャン=フランソワ・ラファエリ
(Jean-François Raffëlli, 1850-1924)
39《ノートルダム大聖堂前の広場、パリ》
40《サンテティエンヌ・デュ・モン教会、パリ》1897年頃

クロード・モネ(Claude Monet, 1840-1926)
31《アルジャントゥイユの雪》1874年頃
42《チャリングクロス橋(曇りの日)、1900年》1900年

ラファエリの2作品は、
どちらもありがちな風景画なのですが、
他と少し違った味わい深さがあるように感じられました。

モネの2作品は、
素人の私でも知っているモネ独自の画風の42と、
意外な感じがした雪の日の情景画31
が心に残りましたが、
モネの作品としてはより良いものがあるかもしれません。


  ***

私の好きな作品に出会えたので、
それなりに楽しめた企画展でした。

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