ドイツ帝国ブレスラウ(現ポーランド)出身の指揮者
オットー・クレンペラー
(1885.5-1973.7)の指揮する
イギリスのオーケストラ
フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、
ドイツの作曲家
フェリックス・メンデルスゾーン
(Felix Mendelssohn, 1809.2-1847.11)の
劇付随音楽《真夏の夜の夢》作品21&61(抜粋)を聴きました。
指揮者74歳の時(1960年1・2月)の録音です。
メンデルスゾーン
劇付随音楽《真夏の夜の夢》作品61(抜粋)
①序曲 作品21
②スケルツォ 作品61-1
③妖精たちの行進 作品61-1a
④妖精の歌 作品61-3
⑤間奏曲 作品61-5
⑥夜想曲 作品61-7
⑦結婚行進曲 作品61-9
⑧葬送行進曲 作品61-10
⑨武骨者の舞踏 作品61-11
⑩終曲 作品61-13
⑪序曲《フィンガルの洞窟》作品26
オットー・クレンペラー(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1960年1・2月(夜の夢)、ロンドン、アビーロード No.1スタジオ。同年1月22・25・27日(洞窟)、ロンドン、キングスウェイ・ホール。
【PCD-419】2015年7月発売
廉価版なのに音が良いことに驚いた
キープ株式会社さんの復刻シリーズ、
クレンペラーの《スコットランド》に続いて、
《真夏の夜の夢》を聴きました。
こちらは音質以前に、
もともとあまりピンとこなかった作品なのですが、
シェイクスピアの原作を読んだり、
映画を観たりして、もとの戯曲のおもしろさを知るにつれ、
だんだんと曲の魅力に気がつくようになって来ました。
モーツァルトほどには毒のないメンデルスゾーンの良さは、
音楽本来のもつごく自然な美しさを感じ取れるかどうかであって、
オケを自然に響かせた時の「音」そのものに、
聴く人の心をとらえる魅力があるかどうかがポイントなんだと
気がついたのはごく最近のことです。
今回のこのCD、
心持ちゆっくりめのテンポで、
がっちりと丁寧に弾き込んだ真面目な演奏なのですが、
不思議とユーモアの感じられる、
いい意味でスキのある魅力的な演奏に仕上がっていると思います。
聴いて直ちにうっとりするような、
耳に心地のよい、ただ美しいだけの演奏ではないので、
最初の1枚としてお薦めするのは問題があるかもしれませんが、
LPレコードのざらざらした印象をそのままに、
私の心にほどよくひっかかってきて、
聴き込むほどに良さのわかる充実した演奏に仕上がっていました。
このCDをきっかけに、ほかの演奏も聴き込んで、
私にとっての名盤をほかにも探してみたいと思います。
なお、
余白に収録された序曲《フィンガルの洞窟》は、
クレンペラーの芸風と曲想がピッタリ一致していて、
《夏の夜の夢》以上に誰にもお薦めできる名演でした。
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