昔から聴きたかった1枚が、
古本屋で安く手に入ったので、
聴いてみました。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
①フルート、オーボエ、ホルン、バスーンのための
協奏交響曲 変ホ長調 K.297B (app.9)
(カデンツァ&再構成:ロバート・レヴィン)
オール・ニコレ(フルート)
ハインツ・ホリガー(オーボエ)
ヘルマン・バウマン(ホルン)
クラウス・トゥーネマン(バスーン)
アカデミー室内管弦楽団
(Academy of St. Martin-in-the-Fields)
サー・ネヴィル・マリナー(指揮)
録音:1983年7月9・10日、ロンドン
②オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
(カデンツァ:ハインツ・ホリガー)
アカデミー室内管弦楽団
(Academy of St. Martin-in-the-Fields)
ハインツ・ホリガー(オーボエ&指揮)
録音:1983年7月9・10日、ロンドン
③オーボエ協奏曲 ヘ長調 (K.313)
〔原曲:フルート協奏曲 ト長調〕
(カデンツァ:ハインツ・ホリガー)
ハインツ・ホリガー(オーボエ)
アカデミー室内管弦楽団
(Academy of St. Martin-in-the-Fields)
ケネス・シリトー(指揮)
録音:1986年6月5・6日、ロンドン
【PHCP-10364】※1996年1月発売
1曲目はオーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Volfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)の
①フルート、オーボエ、ホルン、バスーンのための
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(app.9) を、
アメリカの音楽学者
ロバート・レヴィン(Robert Levin, 1947-)が
再構成した版で聴きました。
この作品は、モーツァルトの手紙から、
22歳の時(1778年4月)に作曲されたことがわかるものの、
肝心の楽譜が伝わらない消失作品です。
19世紀半ばになって、
類似作品の筆写譜が発見されたことから、
原曲の編曲版(K.297b)と推測され、演奏されるようになりました。
オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーンのための
協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(Anh.C.14.01)
レヴィンの再構成版は、
この発見された筆写譜(K297b)をもとに、改めて、
本来描かれていたはずの原曲に遡ろうとした復元案です。
実際に聴いてみると非常にセンスの良い編曲で、
筆写譜そのものよりもモーツァルトの原曲に近い、
より優れた作品のようにも聴こるので、
時折、耳にする機会のある版になっています。
イギリスの指揮者
ネヴィル・マリナー
(Neville Marriner, 1924-2016)
の指揮する
イギリスの室内オーケストラ
アカデミー室内管弦楽団
(Academy of St. Martin-in-the-Fields)
の演奏で、
独奏は
スイスのフルート奏者
オーレル・ニコレ
(Aurèle Nicolet, 1926-2016)、
スイスのオーボエ奏者
ハインツ・ホリガー
(Heinz Holliger, 1939- )、
ドイツのホルン奏者
ヘルマン・バウマン
(Hermann Baumann, 1934- )、
ドイツのバスーン奏者
クラウス・トゥーネマン
(Klaus Thunemann, 1937- )
の4名が担当しています。
原曲の類似作をさらに編曲した作品
ということにはなりますが、
よく出来た編曲ではあるので一聴の価値ありです。
***
2曲目は、
②オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314(285d)。
モーツァルト21歳の時
(1777年4~9月)に作曲された作品です。
②には長2度上げて編曲した
フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314(285d)
が存在します(1778年1・2月作曲)。
3曲目は、
③オーボエ協奏曲 ヘ長調 K.313(285c)
(原曲:フルート協奏曲 ト長調)です。
③はモーツァルトの
フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313(285c)
をもとに(1778年1・2月作曲)、ホリガーが、
オーボエ用に長2度下げて編曲した版です。
モーツァルト自身の筆による
オーボエ協奏曲は②の1曲のみですが、
②と③で
フルート協奏曲第2&1番に対応するので、
全く違和感なく聴き進めることができます。
②③とも
スイスのオーボエ奏者
ハインツ・ホリガー
(Heinz Holliger, 1939- )
が独奏、
イギリスの室内オーケストラ
アカデミー室内管弦楽団
(Academy of St. Martin-in-the-Fields)
が伴奏を担当していますが、
②の指揮はホリガー自身、
③の指揮は
イギリスのヴァイオリン奏者
ケネス・シリトー
(Kenneth Sillito)が担当しています。
個人的には、完璧過ぎて、
もう少し素朴な味わいがほしいようにも思えますが、
表情が薄いわけではないので、
模範的演奏の一つとして聴きこもうと思います。
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