2018年9月16日日曜日

ノイマン&チェコ・フィルのドヴォルザーク:交響曲第1番(1987年録音)

チェコの指揮者
ヴァーツラフ・ノイマン
(Václav Neumann, 1920年9月29日-95年9月2日)
の指揮する

チェコのオーケストラ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
の演奏で、

チェコの作曲家
アントニン・ドヴォルザーク
(Antonín Dvořák, 1841年9月8日-1904年5月1日)の
交響曲第1番《ズロニツェの鐘》を聴きました。


ドヴォルザーク
交響曲第1番ハ短調 B.9《ズロニツェの鐘》

ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1987年6月15-17日、プラハ、ルドルフィヌム(芸術家の家)
【COCO-70880】2007年12月発売

交響曲第1番は、
ドヴォルザークが23歳の時(1865)に
ドイツのコンクールに応募するために作曲され、
1865年3月24日に完成されました。

しかしコンクールに入賞せず、
総譜も返却されなかったため、
長らく紛失したと考えられていました。

完成から17年をへた1882年
プラハの学生ルドルフ・ドヴォルザークが、
ライプツィヒの古書店で偶然、総譜を発見し、
同姓という興味から購入していたのですが、

作曲者とは何の血縁関係もなかったことから、
作曲者ドヴォルザークが知るよしもなく、
総譜はそのままルドルフのもとに留め置かれました。

作曲者ドヴォルザークは、
総譜の存在を知らぬまま1904年に亡くなりましたが、
発見者ルドルフも、
総譜を放置したまま1920年に亡くなりました。

放置された総譜は、
発見者の息子ルドルフ(父と同名)が、
改めて父の遺品の中から発見し、
1923年にこれを世に紹介することによって、
初めて存在が明らかになりました。

初演は1936年10月4日に行われましたが、
息子ルドルフの同意が得られなかったことから、
出版は見送られました。

ルドルフが亡くなった後、1960年5月に、
未亡人のヴィレーミナ・ドヴォルザーク夫人が、
総譜をアントニン・ドヴォルザーク協会に献呈したことで、
ようやく出版が許諾され、
1961年に初めて総譜が出版されました(アルティア版)。

※以上、おもにCD添付の藤田由之氏による解説を参照。


  ***

今春インターネット上で、
スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデン
のドヴォルザークを試聴し(各曲30秒ほど)、
オケの充実した響きに魅了され、
初期の交響曲のCDを買ってみました。

しかしいざ聴いてみると、
出だしの飛び切り美しい響きにうっとりするものの、
全体に似たような曲調が続いてメリハリに乏しく、
聴き通すのがつらくなりました。

作品自体が弱いようにも感じましたが、

一度は本場のコンビで聴いておこうと、
ノイマン&チェコ・フィルのCDを聴いてみたところ、
これが大正解。

特別なことをしている風ではないのですが、
作曲者の意図をくんで、ごく自然に、
楽譜の弱さを補う演奏ができているようで、

どこもかしこも美しく響いて、
飽きる間もなく、感動のうちに聴き終えることができました。

演奏の仕方によっては、
構成面での弱さを感じさせることなく、
魅力に溢れたメロディの連続を楽しませてくれる
優れた作品であることがわかりました。

スウィトナーとはまるで違う曲を聴いているようでした。

まだそこれほど色々聴いたわけではないのですが、
ノイマン&チェコ・フィルの演奏を基準に、
ほかにも聴いてみたいと思いました。



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