2011年10月12日水曜日

朝比奈隆&大阪フィルのシューマン:交響曲 第3番「ライン」



シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」作品97

大阪フィルハーモニー交響楽団
朝比奈隆(指揮)

大阪、フェスティバルホール
録音:1994年10月17日
【PCCL-00311】


先日、
サヴァリッシュさんのシューマン:交響曲全集を取り上げましたので、
久しぶりに、朝比奈隆さんの「ライン」を聴きなおしてみました。

シューマンの交響曲第3番「ライン」を聴いて、
はじめて感動したのが、朝比奈隆&大阪フィルの演奏です。

今回久しぶりに聴き直してみても、
そのときの印象はほとんど変わっていません。

サヴァリッシュ&ドレスデン国立管弦楽団の
豊穣で洗練された響きと比べると、

朝比奈隆&大阪フィルの響きは、
無骨に素材のまま豪快に鳴らしまくっている印象があり、
これはこれで、なかなか爽快です。

私にとって思い入れの深い指揮者であることも
影響しているかもしれませんが、
全体として深い感動が得られるのは朝比奈さんのほうです。

生きろ生きろと背中を押してくれる、
朝比奈さんの懐の深さを感じ取れるシューマンです。

朝比奈さんの振るオケの響き、
素朴に過ぎて好きじゃない人はいるかもしれませんが、
私は好きです。

同時期に、
新日本フィルとも「ライン」を取り上げていて、
そちらは手に入れないまま今に至るので、
近々聴いてみたいなあ、と思っています。

世評の高いのは新日本フィルとのほうです。

ハイドシェックのバッハ:パルティータ 第1・2・3番

エリック・ハイドシェックさんは、
私が大学生のときに、宇和島での復活が話題になったこともあり、
ひいきにしているピアニストです。

独特な個性の持ち主なので、
CDのすべてが良いわけではありませんが、
はまったときにみせるひらめきは、ほかで得られない面白さがあります。

お気に入りのCDを、少しずつ紹介していきます。



J.S.バッハ:
パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
 同 第2番 ハ短調 BWV826
 同 第3番 イ短調 BWV827

エリック・ハイドシェック(ピアノ)
録音:1974年(第2・3番)、1976年(第1番)
【Cassiopee 969 189】


2001年に、
フランスのカシオペ(Cassiopee)というレーベルで、
ハイドシェックさんの若いころの録音がまとめてCD化されており、
最近、日本でもわりと簡単に手に入るようになりました。

その中で特に気に入っているのは、
バッハのパルティータ全集と、ヘンデルの組曲全集です。


このパルティータ、
ピアノを豊かに鳴らした音楽的な演奏としては、
おそらく最高レベルのものだと思います。

自然なテンポのゆれから生み出される音楽は、
そこかしこに美しいメロディがあふれていて、
バッハを聴く醍醐味を感じさせてくれます。

これを聴くと、バッハのパルティータが、
とんでもない名曲に聴こえてきて、
ほかのピアニストの演奏にも手を伸ばしてみましたが、
意外におもしろいものがありません。

最近、フランス組曲(旧盤)に感動した、
シフさんのパルティータ(旧盤)も聴いてみましたが、
これはがっかりの出来でした。
(シフさんは新盤に期待!まだ聴いていません。)


ハイドシェックさんは1936年生まれなので、
このパルティータは40歳のころの録音です。

なかなかこれ以上、というのは考えにくいのかもしれませんが、
ハイドシェックさんの結論として、
バッハとヘンデルはぜひ再録音してほしいなあ、
と思っております。

2011年10月4日火曜日

ワルター&ウィーン・フィルのブラームス:交響曲第3番

ブルーノ・ワルターさんのことを知ったのは、
宇野功芳さんの著書を通じてでした。

ステレオ時代の録音は、いずれ良い音で復刻が出てから、
と考えているうちに、まとめて購入する機会がないまま今に至っています。

SP時代の録音は、
オーパス蔵さんで復刻されたときに、
ひと通りまとめて購入してありますので、
秋の夜長に、改めて聴き直しながら、紹介していこうと思います。

最近聴いていたのはこの1枚です。



1.モーツァルト:「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲 K.621
 (mat Col 2VH7047)※1938年1月15日録音
2.モーツァルト:「偽の女庭師(恋の花つくり)」序曲 K.196
 (mat Col 2VH7048)※1938年1月15日録音
3.ハイドン:交響曲第86番ニ長調
 (mat Col 2EA6778-83)※1938年9月13日録音
4.ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 作品90
 (mat Col CAX95-102)※1936年5月18・19日録音

ブルーノ・ワルター指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1,2,4)
ロンドン交響楽団(3)
【OPK2054】


今から70年も前の録音ですから、
音質は決して良いとはいえないのですが、
これはこれで十分に感動的な音楽が奏でられており、
ワルターさんの指揮するオーケストラ音楽の妙味を楽しむことができます。

音質はおそらく良いほうがいいのでしょうが、
より大切なのは、奏でられる音楽が感動的かどうか、なので、
SP録音をこうしたかたちで楽しむことができるのは、
とても贅沢なことだなあ、と思います。

ワルターさんの指揮で特徴的なのは、
これしかない、と言いたくなる絶妙のテンポ感です。

音楽の自然なゆらぎが、ワルターさんの指揮で、
ほどよくひっぱり出されて、心のひだに語りかけて来ます。

オーケストラの自然な響きを基調としつつも、
ほどほどにワルターさんの自己主張も織り交ぜられて、
聴いてとても心豊かな気持ちにさせられます。

モーツァルトの小品2曲も素敵ですが、
とくに感銘を受けたのは、ハイドンの交響曲第86番です。
小気味よいテンポ感と立派な造形美で、
意外な名曲を発見した気分です。

ハイドンは基本的に根暗なところのない、陽性の作曲家で、
時代的にもそれほど個性を強く押し出すところがないので、
時にどこが良いのかわからなくなりがちなのですが、
ワルターさんとハイドンは、とても相性が良いようです。

ブラームスは、
ワルターさんが大得意としていたようで、
オケをぐいぐいひっぱりまわして、やりたい放題の演奏ですが、
不思議と空回りせず、音楽的に全体がまとまっているのは、
ワルターさんとウィーン・フィルの相性によるものでしょうか。

ただこのブラームスは、強奏時にところどころ音がわれます。
だんだん慣れてきますが、そこは残念です。