2015年8月6日木曜日

柴田淳 『COVER 70's』(2012年10月発売)

夜な夜なYouTubeなどで
柴田淳さんの歌に親しんできましたが、
とうとうCDを購入しました。

2012年秋に発売された
『COVER 70's』です。

今春に購入して以来、
飽くことなく半年ほど聴き続けています。

数あるカヴァー・アルバムのなかでも出色の出来です。


柴田淳『COVER 70's』

  1) 異邦人 〔久保田早紀/1979年〕
  2) みずいろの雨 〔八神純子/1978年〕
  3) 迷い道 〔渡辺真知子/1977年〕 
  4) あなた 〔小坂明子/1973年〕
  5) 木綿のハンカチーフ 〔太田裕美/1976年〕
  6) 飛んでイスタンブール 〔庄野真代/1978年〕
  7) 青春の影 〔TULIP/1974年〕
  8) 秋桜 〔山口百恵/1977年〕
  9) 東京 〔マイ・ペース/1975年〕
 10) スカイレストラン 〔ハイ・ファイ・セット/1975年〕
 11) 22才の別れ 〔風/1974年〕
 12) Mr.サマータイム 〔サーカス/1978年〕

【Victor VICC-63935】※2012年10月発売。

私が生まれた後に発売され、
ヒットした歌謡曲がずらりと並んでいます。

まだ幼かったからか、
発表された当時の記憶はありません。

実際に意識して聴いたのは
恐らく10年以上たってからのことだったので、

こうして並べられるまでは、
70年代の曲という印象がありませんでした。


どこかで聴いて
それなりに知ってはいるけれど、
細かいところまでは自信がない曲ばかりだったので、

ああこういう曲だったのね、
と感心、納得しながら聴き進めました。


柴田淳さんの歌声は、
それほど圧倒的な声量があるわけではありませんが、

嫌味のない素直な発声で、
特に中音から低音部にかけての伸びやかさが魅力的で、
心を奪われました。

一点、
高音にかけての裏声になる部分は、
最初のうちは気(声の力)が抜けていく感じがして、
ほんの少し違和感がありましたが、

繰り返し聴き込んでいくうちに、

彼女の声の個性として、
魅力の一つに感じられてきました。

原曲はそれほど知らないのですが、
抱いていたおぼろげな原曲のイメージを裏切らない、
オーソドックスなアレンジにも好感が持てました。


個人的には、
「あなた」と「青春の影」の伸びやかな歌声が圧倒的で、
これだけでも購入した価値はあったのですが、

「異邦人」
「みずいろの雨」
「迷い道」
「木綿のハンカチーフ」
「飛んでイスタンブール」
「Mr.サマータイム」

もCDでじっくり聴いたことがなかったので、
改めて名曲であることを実感しました。

特に「木綿のハンカチーフ」の良さに初めて気がつけたのは有難かったです。

個人的に聴き込んできた
「秋桜」と「22歳の別れ」は、
可もなく不可もない感じですが、
嫌味なところは全くありませんでした。

「東京」と
「スカイレストラン」
は初めて聴きました。

繰り返し聴いているうちに、
曲の良さが伝わってきました。


カヴァー・アルバムは、
実際聴いてみると収録曲の大部分は
それほどもないことが多いのですが、

このCDはどの曲も歌とアレンジの水準が高く、
じわじわ売れ続けているのも納得できます。

お薦めの1枚です。


なお初回限定盤のみ、
「卒業写真 〔荒井由実/1975年〕」
が収録されているそうです。
こちらは未聴です。

ぜひ聴いてみたいのですが、
現在中古で2倍以上の値がついているので、
しばらく我慢しておきます。

2015年8月3日月曜日

シャイー&ロイヤル・コンセルトヘボウ管のマーラー:交響曲第3番(2003年録音)

イタリアの指揮者
リッカルド・シャイー(1953.2-)の指揮する

オランダのオーケストラ
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、

オーストリアの作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第3番ニ短調を聴きました。


グスタフ・マーラー
交響曲第3番ニ短調

ペトラ・ラング(メゾ・ソプラノ)
プラハ交響合唱団
オランダ児童合唱団
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
リッカルド・シャイー(指揮)

録音:2003年5月5-9日、アムステルダム、コンセルトヘボウ
【Decca 475 514-2】2004年4月発売


交響曲第3番は、

35歳の夏(1895)に第2-6楽章、
翌年に第1楽章が作曲され、8月までに完成されました。

41歳の時(1902.6)に全曲初演されました。


交響曲第2番は
35歳の冬(1894.12)に全曲初演されたので、

それほど間を置くこともなく、
第3番が作曲されていたことがわかります。


  ***

シャイー50歳の時の録音です。

これもまた、
バーンスタイン、レヴァイン、MTTと同じ路線の、
まじめにじっくり進めていくタイプの演奏ですが、

これらの中では、
いちばん成功しているように感じました。


マーラーに期待したい
豊穣で濃厚な響きとは違うのですが、

機能に優れたオーケストラとともに、

あまり余分なものは足さない
普遍的な的な美しさを追求しているようで、

私の期待とは少しズレていますが、
ふつうに美しい演奏だと思いました。


問題があるとすれば
指揮者シャイーの解釈でしょうか。

ただこれは個人の感受性によるものなので、
どこが悪いとも言いにくいのですが、

個人的にはどこか微妙に違和感のある、
一風変わった印象の残るマーラーでした。


イタリア人の基質を活かして、
マーラーの普遍的な姿を描き出した演奏
なのかもしれません。

そういえば、
何でも手広くふる指揮者ですが、
シャイーさんの一番好きな、こだわりのある作曲家って誰なんでしょう。

若いころからの高い評価に比べて、
心から感動した演奏にはまだ出会ったことがありません。

見た目と比べて、
いつもそれほど熱くない
ふつうの演奏が流れていくように感じています。



全体としては、

バーンスタイン(△)<レヴァイン(△)
<トーマス(◯)<シャイー(◯)

といった感じでしょうか。

程良いレベルで大曲をうまくまとめた演奏として、
まずまず成功した録音だと思います。



※WIkipediaの「グスタフ・マーラー」「交響曲第3番(マーラー)」を参照。

2015年7月27日月曜日

M・T・トーマス&ロンドン響のマーラー:交響曲第3番(1987年録音)

アメリカの指揮者
マイケル・ティルソン・トーマス
(1944.12-)の指揮する

イギリスのオーケストラ
ロンドン交響楽団の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第3番ニ短調を聴きました。


グスタフ・マーラー
交響曲第3番ニ短調

ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
エドウィン・パリング(ソロ・ヴァイオリン)
モーリス・マーフィ(ソロ・ポストホルン)
ロンドン交響楽団合唱団(音楽監督:リチャード・ヒコックス)
サウスエンド少年合唱団(合唱指揮:マイケル・クラッブ)

ロンドン交響楽団
マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)
録音:1987年10月20日、ロンドン、エイビー・ロード・スタジオ
【Sony SICC955-6】2008年11月発売


交響曲第3番は、

35歳の夏(1895)に第2-6楽章、
翌年に第1楽章が作曲され、8月までに完成されました。

41歳の時(1902.6)に全曲初演されました。


交響曲第2番は
35歳の冬(1894.12)に全曲初演されたので、

それほど間を置くこともなく、
第3番が作曲されていたことがわかります。


  ***

MTT43歳の時の録音です。

技術的に文句を言われるレベルではありませんが、

ロンドン響独特の、
いかにもスタジオで鳴っている感じの人工臭がして、
あまり好きな「音」ではありません。

ただし恐らく、
神経質にならなければ気にならないレベルでしょう。


バーンスタインやレヴァインと同じ基調で、

細部へのこだわりから
全体をまじめに構築していくタイプの演奏ですが、

レヴァイン盤よりまた少し流れがスムーズになっていて、
さらに聴きやすい演奏に仕上がっていると思います。

恐らく第1楽章は、
十分魅力的な演奏ですが、

まだまだ、ところどころ音楽が停滞気味になって、
集中力の途切れた感じがするのはマイナス・ポイントです。


ライブではないからか、
曲全体への冷静な視線が感じられるのも、
マーラーを聴くうえでマイナスでしょう。

これがライブだったら、
流れがもう少し良くなって、
躊躇なく名演といえたように感じます。


全体としてみると、

バーンスタイン(▲)<レヴァイン(▲)<トーマス(◯)

の位置づけでしょうか。
まだ名演を期待すると肩透かしにあうレベルです。


※WIkipediaの「グスタフ・マーラー」「交響曲第3番(マーラー)」を参照。