リッカルド・シャイー(1953.2-)の指揮する
オランダのオーケストラ
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、
オーストリアの作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第3番ニ短調を聴きました。
グスタフ・マーラー
交響曲第3番ニ短調
ペトラ・ラング(メゾ・ソプラノ)
プラハ交響合唱団
オランダ児童合唱団
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
リッカルド・シャイー(指揮)
録音:2003年5月5-9日、アムステルダム、コンセルトヘボウ
【Decca 475 514-2】2004年4月発売
交響曲第3番は、
35歳の夏(1895)に第2-6楽章、
翌年に第1楽章が作曲され、8月までに完成されました。
41歳の時(1902.6)に全曲初演されました。
交響曲第2番は
35歳の冬(1894.12)に全曲初演されたので、
それほど間を置くこともなく、
第3番が作曲されていたことがわかります。
***
シャイー50歳の時の録音です。
これもまた、
バーンスタイン、レヴァイン、MTTと同じ路線の、
まじめにじっくり進めていくタイプの演奏ですが、
これらの中では、
いちばん成功しているように感じました。
マーラーに期待したい
豊穣で濃厚な響きとは違うのですが、
機能に優れたオーケストラとともに、
あまり余分なものは足さない
普遍的な的な美しさを追求しているようで、
私の期待とは少しズレていますが、
ふつうに美しい演奏だと思いました。
問題があるとすれば
指揮者シャイーの解釈でしょうか。
ただこれは個人の感受性によるものなので、
どこが悪いとも言いにくいのですが、
個人的にはどこか微妙に違和感のある、
一風変わった印象の残るマーラーでした。
イタリア人の基質を活かして、
マーラーの普遍的な姿を描き出した演奏
なのかもしれません。
そういえば、
何でも手広くふる指揮者ですが、
シャイーさんの一番好きな、こだわりのある作曲家って誰なんでしょう。
若いころからの高い評価に比べて、
心から感動した演奏にはまだ出会ったことがありません。
見た目と比べて、
いつもそれほど熱くない
ふつうの演奏が流れていくように感じています。
全体としては、
バーンスタイン(△)<レヴァイン(△)
<トーマス(◯)<シャイー(◯)
といった感じでしょうか。
程良いレベルで大曲をうまくまとめた演奏として、
まずまず成功した録音だと思います。
※WIkipediaの「グスタフ・マーラー」「交響曲第3番(マーラー)」を参照。
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