2017年9月4日月曜日

インバル&フランクフルト放送響のマーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》(1986年録音)

イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する

ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第8番《千人の交響曲》を聴きました。

指揮者50歳の時(1986年10月)の録音です。


グスタフ・マーラー
交響曲第8番《千人の交響曲》

 フェイ・ロビンソン(ソプラノ)
 テレサ・ケイヒル(ソプラノ)
 ヒルデガルト・ハイヒェレ(ソプラノ)
 リヴィア・ブダイ(アルト)
 ジェーン・ヘンシェル(アルト)
 ケネス・リージェル(テノール)
 ヘルマン・プライ(バリトン)
 ハラルト・シュタム(バス)
 バイエルン放送合唱団
 北ドイツ放送合唱団
 シュトゥットガルト・ズュートフンク合唱団
 西ドイツ放送合唱団
 RIAS室内合唱団
 ハンブルク大聖堂児童聖歌隊
 ヘッセン放送児童合唱団

 フリッツ・ヴァルター=リントクヴィスト(オルガン)
 フランクフルト放送交響楽団

 エリアフ・インバル指揮

録音:1985年4月18・19日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73278/9】2012年6月発売。

交響曲第8番は、1906年から7年にかけて作曲され、
マーラー50歳の時(1910年9月12日)に初演されました。

第7番の初演は1908年9月、
《大地の歌》の初演は1911年11月、
第9番の初演は1912年6月のことでした。

マーラーは1911年5月、
50歳の時に亡くなっているので、
マーラーが生前に初演された交響曲は、
この第8番までということになります。

  ***

音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
続いて第8番を聴いてみました。

まず音響面で万全の出来で、
ホールで聴くのに近い自然な響きのなかに、
細かいところまで良く聴こえてくる録音で、
至福の一時を送ることができました。

変な自己主張はないものの、
十分に曲の良さを伝えてくれる穏当な解釈で、
マラ8のありのままの姿を
感動的に伝えてくれていると思いました。

とくに薄くなりがちな、
叙情的な箇所での表現に優れていて、
次の《大地の歌》を思わせる響きが随所に出てきて、
マーラーならではの美しさにひたることができました。

いろいろと聴いてきて、
耳が馴染んできた結果かもしれませんが、
今までで一番この曲の真価についてわかったように思いました。

一聴して心をわしづかみにするような
圧倒的な名演とまではいえないかもしれませんが、

十分に美しく感動的な、
マラ8のスタンダードな名演といえると思います。
お薦めです。

2017年8月28日月曜日

愛知県美術館の企画展「大エルミタージュ美術館展」

去る8月16日(水)、
名古屋市東区の愛知県美術館まで、

「大エルミタージュ美術館展
 オールドマスター
 西洋絵画の巨匠たち」

を観に行ってきました。

サンクトペテルブルク
(もとは帝政ロシアの首都、いまはレニングラード州の州都)にある、
ロシアを代表する国立美術館である

エルミタージュ美術館のコレクションの中から、

「特に充実している16世紀ルネサンス、
 17・18世紀バロック、ロココの時代に活躍し、
 “オールドマスター”といわれる巨匠たちの
 名画85点」

が展示されていました。

調べてみると、
ちょうど5年前の8月17日にも、
名古屋市美術館で開催された
特別展「大エルミタージュ美術館展」を観に行っていました。

図録をみる限り、
ほとんど重なっている作品はありませんでした。


  ***

《大エルミタージュ美術館展
  オールドマスター
  西洋絵画の巨匠たち》

1 イタリア:ルネサンスからバロックへ
2 オランダ:市民絵画の黄金時代
3 フランドル:バロック的豊穣の時代
4 スペイン:神と聖人の世紀
5 フランス:古典主義的バロックからロココへ
6 ドイツ・イギリス:美術大国の間で

という構成でした。気に入った作品をピックアップしておきます。

1 イタリア:ルネサンスからバロックへ

【図録9】1640年代
カルロ・ドリチ
 《聖チェチリア》

【図録11】1777年
ポンペオ・ジローラモ・バトーニ
 《聖家族》

【図録12】1710年頃
ルカ・カルレヴァリス
 《ヴェネツィア、運河に面したドゥカーレ宮殿前の眺め》

2 オランダ:市民絵画の黄金時代

【図録21】1660年前半
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
 《運命を悟るハマン》

3 フランドル:バロック的豊穣の時代
4 スペイン:神と聖人の世紀

【図録53】1660年頃
フランシスコ・デ・スルバラン
 《聖母マリアの少女時代》

【図録56】1660年頃
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
 《受胎告知》

5 フランス:古典主義的バロックからロココへ

【図録61】1699年
ジャン=バティスト・サンテール
 《ヴェールをまとう若い女性》

【図録70】1770年代
ジャン=バティスト・グルーズ
 《スミレ色のチュニックを着た少女》

【図録78】1783年
ユベール・ロベール
 《運河のある建築風景》

6 ドイツ・イギリス:美術大国の間で


名古屋市美術館で観た時も思いましたが、

一つの「美術館」に照準を合わせた展覧会なので、
時代と分野の幅が広くなって、
全体としては何となく散漫な印象を受けました。

それでも日常的に、
エルミタージュ美術館に足を運ぶこともないので、
名品を目に焼き付ける良い機会になりました。



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2017年8月18日金曜日

バーンスタイン&ロンドン響のマーラー《千人の交響曲》(1966年録音)

アメリカ合衆国の指揮者
レナード・バーンスタイン
(1918年8月-1990年10月)が

ニューヨーク・フィル(1-7,9,10番)を中心に、
ロンドン交響楽団(8番)とイスラエル・フィル(大地)
を振りわけて録音した

オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー
(1860年7月-1911年5月)の交響曲全集、

今回はロンドン響とともに録音した
交響曲第8番《千人の交響曲》を聴きました。

指揮者47歳の時(1966年4月)の録音です。


CD11
グスタフ・マーラー:交響曲第8番変ホ長調《千人の交響曲》
 
 エルナ・スポーレンベルク(ソプラノ/いと罪深き女)
 ギネス・ジョーンズ(ソプラノ/贖罪の女の一人)
 ゲニス・アンニアー(ソプラノ/栄光の聖母)
 アンナ・レイノルズ(アルト/サマリアの女)
 ノーマ・プロクター(アルト/エジプトのマリア)
 ジョン・ミッチンソン(テノール/マリア崇拝の博士)
 ヴラディミール・ルジャーク(バリトン/法悦の教父)
 ドナルド・マッキンタイア(バス/瞑想の教父)

 リーズ音楽祭合唱団、ロンドン交響合唱団(ドナル・ハント指揮)
 オーピントン・ジュニア・シンガーズ(シーラ・モスマン指揮)
 ハイゲート・スクール少年合唱団(エドワード・チャップマン指揮)
 フィンチュリー児童音楽グループ(ジョン・アンドルーズ指揮)

 ハンス・フォーレンヴァイダー(オルガン)
 ロンドン交響楽団
 レナード・バーンスタイン(指揮)

録音:1966年4月18-20日。ロンドン、ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール
【Sony Classical 88697943332】

交響曲第8番は、1906年から7年にかけて作曲され、
マーラー50歳の時(1910年9月12日)に初演されました。

ちなみに第7番の初演は1908年9月、
《大地の歌》の初演は1911年11月、
第9番の初演は1912年6月のことでした。

マーラーは1911年5月、
50歳の時に亡くなっているので、
マーラーが生前に初演された交響曲は、
この第8番までということになります。


  ***

第8番は、
印象的な出だしにぐっと惹き込まれるのですが、

いざ全曲を聴こうとすると、
途中で飽きが来て、最後まで飽きずに
聴き通すのは難しい場合が多いです。

個人的に気に入っているのは、
 小澤征爾&ボストン響 の一気呵成な演奏ですが、
こちらもそれほどじっくり聴き込んでいるわけではないので、

今のところ第8番は、
まだ自分にとって少し距離のある作品といって良さそうです。


今回のバーンスタインの第8番、
鮮烈な第6・7番と同じ傾向の演奏で、

バーンスタインらしく
オケを自在に操ったわかりやすい演奏で、
最後まで飽きずに、十分感動しながら聴き通すことができました。

ただし大規模過ぎる曲ゆえか、
第6・7番のときほどやり切った感じはなく、
第2部の叙情的な場面の印象が、
多少弱いように感じられました。

個人的に、
息もつかせぬ勢いで聴き通せたのは第1部のみで、
ふだんから苦手にしている第2部は、
あと一歩な印象が残りました。

とはいえ、ここまで聴いてきた
バーンスタインの旧全集のなかでは
第6・7番につぐ好印象で、
私のなかの第8番への苦手意識を、
弱めてくれる効果はあったと思います。