イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する
ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、
オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲第8番《千人の交響曲》を聴きました。
指揮者50歳の時(1986年10月)の録音です。
グスタフ・マーラー
交響曲第8番《千人の交響曲》
フェイ・ロビンソン(ソプラノ)
テレサ・ケイヒル(ソプラノ)
ヒルデガルト・ハイヒェレ(ソプラノ)
リヴィア・ブダイ(アルト)
ジェーン・ヘンシェル(アルト)
ケネス・リージェル(テノール)
ヘルマン・プライ(バリトン)
ハラルト・シュタム(バス)
バイエルン放送合唱団
北ドイツ放送合唱団
シュトゥットガルト・ズュートフンク合唱団
西ドイツ放送合唱団
RIAS室内合唱団
ハンブルク大聖堂児童聖歌隊
ヘッセン放送児童合唱団
フリッツ・ヴァルター=リントクヴィスト(オルガン)
フランクフルト放送交響楽団
エリアフ・インバル指揮
録音:1985年4月18・19日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73278/9】2012年6月発売。
交響曲第8番は、1906年から7年にかけて作曲され、
マーラー50歳の時(1910年9月12日)に初演されました。
第7番の初演は1908年9月、
《大地の歌》の初演は1911年11月、
第9番の初演は1912年6月のことでした。
マーラーは1911年5月、
50歳の時に亡くなっているので、
マーラーが生前に初演された交響曲は、
この第8番までということになります。
***
音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
続いて第8番を聴いてみました。
まず音響面で万全の出来で、
ホールで聴くのに近い自然な響きのなかに、
細かいところまで良く聴こえてくる録音で、
至福の一時を送ることができました。
変な自己主張はないものの、
十分に曲の良さを伝えてくれる穏当な解釈で、
マラ8のありのままの姿を
感動的に伝えてくれていると思いました。
とくに薄くなりがちな、
叙情的な箇所での表現に優れていて、
次の《大地の歌》を思わせる響きが随所に出てきて、
マーラーならではの美しさにひたることができました。
いろいろと聴いてきて、
耳が馴染んできた結果かもしれませんが、
今までで一番この曲の真価についてわかったように思いました。
一聴して心をわしづかみにするような
圧倒的な名演とまではいえないかもしれませんが、
十分に美しく感動的な、
マラ8のスタンダードな名演といえると思います。
お薦めです。
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