2011年4月4日月曜日

内田光子のモーツァルト:ピアノ協奏曲集(新盤)

最近のお気に入りは、

内田光子氏(ピアノ、指揮)とクリーブランド管弦楽団

の組み合わせによる、モーツァルトのピアノ協奏曲集です。

現在CD2枚出ています。

《1枚目》

モーツァルト
ピアノ協奏曲 第24番ハ短調 K.491
ピアノ協奏曲 第23番イ長調 K.488
録音:2008年12月4&5日
クリーブランド、セヴェランス・ホール
【UCCD-1246】


《2枚目》

モーツァルト
ピアノ協奏曲 第20番 二短調K.466
ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調K.595
録音:2010年4月15、17&18日
クリーブランド、セヴェランス・ホール
【UCCD-1277】


実は1枚目を聴いたとき、
旧盤に比べて意外にあっさりとした印象で、
その意図をはかりかねていたのですが、
2枚目を聴いて、ようやくわかって来ました。

録音の場所や方法にもよるのでしょうが、
新盤のほうが、ホールの残響が少ないようで、
オケの華麗な印象が消え、
楽器の素材そのもので勝負している感じがあります。

パッと聴いて、
オケの響きが耳により心地よく感じられるのは、
明らかに旧盤のほうですが、
新盤の響きがデッドというわけでもなく、

本来鳴るべき音が見通しよく聴こえて来る分、
内田光子氏のピアノの演奏スタイルを、
そのままオーケストラでも実現しようとしたように感じられました。

肝心のピアノのほうも、
もともと派手なこれみよがしの表現を好む方ではないので、
純粋無垢な響きと、無駄を削ぎ落した演奏スタイルをさらに突き詰めて、
心の深みへと沈みこみながら、軽さもある、
モーツァルトの内実を浮き彫りにした名演だと思います。


音楽の深まりは、明らかに旧盤を上回っているのですが、
はじめてこの曲を聴く人が聴いて、激しく心を揺さぶられるようなあざとさはなく、

静かな場所で、心落ちつかせて、ゆっくり聴きいているうちに、
徐々にその魅力にはまり込んでいくような演奏です。


今宵も、モーツァルトに感謝。

夜に一人
モーツアルトを聴きながら
君の御霊にふれる一時

何ごとも申さぬうちに
ただ一人
君の孤独と対話してゐる

前を向いて
心のうちを見通して
その音楽を受け止めてみる

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