久しぶりに聴きなおして、やっぱりいいなあ、と惚れなおしました。
ブラームスのヴァイオリン・ソナタは、
ウィーン・フィルのコンサート・マスター、ゲアヘルト・ヘッツェルさんが、
登山中の不慮の事故で亡くなる半年前(1992年1月)に、
ヘルムート・ドイチュさんとともに録音したCDが、
すばらしいです。
ブラームス
ヴァイオリン・ソナタ
第1番 ト長調 作品78 「雨の歌」
第2番イ長調 作品100
第3番二短調 作品108
ゲアヘルト・ヘッツェル(ヴァイオリン)
ヘルムート・ドイチュ(ピアノ)
ウィーン、カジノ・ツェーゲルニッツにて収録。
1992年1月23~28日
【PCCL00272】
50歳を過ぎ、満を持して取り組んだ最初のソロの録音です。
引続き、モーツァルトとベートーヴェンのソナタも録音する予定であったそうです。
「自分を常に作曲家、および作品のしもべであると感じており、
外面的な効果には、いつも不信の念で対していた」という
(ドイチュ、訳:鮫島有美子、CD解説書)
ヘッツェルさんのソロは、
恣意的なところは何もなく、
目立ったことを何もしていないにもかかわらず、
ただそのままで、心の内側からの、熱い想いが、
つよく心に染みわたってくる演奏です。
あらゆる気遣いと、優しさに満ちた、
しかし人一倍の心の強さにも支えられた
熱い音楽に励まされて、
またがんばろう、と思うのでした。
穏やかに心かはして君とゐる
雨の歌へと祈りを捧ぐ
静かなるその悲しみを受け止めて
春につらなる轍(わだち)を想ふ
ともにゐて恋に涙を流しつつ
空を仰いで微笑みとなる
0 件のコメント:
コメントを投稿