2012年4月26日木曜日
ボッセ指揮のバッハ:ブランデンブルク協奏曲(1981・83)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
CD1
第1番 ヘ長調 BWV1046
第2番 ヘ長調 BWV1047
第3番 ト長調 BWV1048
CD2
第4番 ト長調 BWV1049
第5番 ニ長調 BWV1050
第6番 変ロ長調 BWV1051
ゲルハルト・ボッセ(指揮)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団
録音:1981年10月19~22日、1983年5月10~13日
ライプツィヒ・パウル・ゲルハルト教会
【KICC3541/2】
前から気になっていた方だったのですが、
きちんと聴く機会のないまま、
亡くなられてしまいました。
お亡くなりになってはじめて、
晩年を日本で過ごされていたことを知りました。
追悼に、
神戸市室内合奏団との新譜を購入するつもりでしたが、
いったん売り切れておりましたので、
80年代の前半に録音された定評ある名盤を購入し、
3月後半からしばらく聴いておりました。
これは名演です。
明るく穏やかな雰囲気の中に、
しみじみとした情感もほどよく込められていて、
心洗われる演奏に、
じわじわと惹き込まれておりました。
指揮者が出しゃばることなく、
ただ音楽的であることに心を尽くし、
稀にみる心豊かな音楽が実現していると思います。
これまでカザルス、リヒター、
アーノンクール、パイヤールなどの演奏を聴いて来ましたが、
初めて、この曲の奥深さを知った気がしました。
それから30年近くをへて、
最近発売された神戸市室内合奏団との新譜。
やはり買っておきましょうか。
これ以上の演奏が実現していたら、
それは凄いことになっているのかも。
2012年4月25日水曜日
ヴァルヒャのバッハ:オルガン作品全集(旧盤)その3
J.S.バッハ:オルガン作品全集
CD-3
1) 前奏曲とフーガ ロ短調 BWV544
2) 前奏曲とフーガ ハ長調 BWV545
3) 前奏曲とフーガ ハ短調 BWV546
4) 前奏曲とフーガ ハ長調 BWV547
5) 前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548
6) 前奏曲とフーガ ト長調 BWV550
7) 前奏曲とフーガ イ短調 BWV551
ヘルムート・ヴァルヒャ(オルガン)
録音:1947年(4)、1950年(2,3,5)、1952年(1,6,7)
オルガン:リューベック、聖ヤコビ教会(4)
カッペル、聖ペテロ=パウロ教会(1-3、5-7)
【Membran 223489】CD-3
CD3枚目も、
2枚目と同じく「前奏曲とフーガ」が7曲。
体系立てて曲集にする意図はなかったようで、
1話完結の、似た形式の短編小説が延々と続く感じでした。
通して聴いていると、
深い森に分け入ったようで、
今どこにいるのかわからなくなっておりました。
どれもよく練られた作品だと思うので、
コンサートの中で1,2曲取り上げて、
じっくり聴くのには適しているようです。
この中で〈ホ短調 BWV548〉は不思議と耳に残りました。
ひと月聴いてきたので、
取り敢えず先に進みましょうか。
時間を置いて、
2度3度と聴き返しているうちに、
曲への評価も、それなりに定まって来るだろうと思います。
今は「前奏曲とフーガ」という大きな森に出会って、
なんだかすごい世界が広がっている、
と感心した段階です。
2012年4月23日月曜日
フルトヴェングラー&ベルリンpo 録音集(Audite 2009年)
3年近く前(2009年6月)、ドイツの Audite から、
フルトヴェングラーのボックスセット(CD12枚組)が発売され、
高音質で話題となっていたことは、
恥ずかしながら全く知りませんでした。
昨年末(2011年12月)、
国内盤が分売で発売されたのをきっかけに、
気になって1枚だけ聴いてみたところ、
予想をはるかに上回る優れた音質で、
これまでの自分のフルトヴェングラー像を
塗りかえてしまうほどの衝撃を受けました。
幸いボックスセット(13枚組)の方も
売り切れていなかったので、手に入れて
1枚ずつ聴いていくことにしました。
このセットは、
戦後のベルリンで開催された
フルトヴェングラーのコンサートのうち、
RIAS(アメリカ軍占領地区の放送局)による録音を
集大成したものだそうです。
詳しい歴史的な背景については
まだ勉強しておりません。
確かなことは、
私がこれまで聴いてきた
フルトヴェングラーのCDと比べ、
格段に音がよい、ということです。
フルトヴェングラーのCDには、
もともと同曲異演奏が多いのですが、
最近はリマスタリングの方法によって、
同じ日の録音でも、音質が向上したからといって、
さらにいろいろと出て来るようになりました。
聴く側としては、
音質向上、といわれて買ってみたところ、
ああ騙された、と思わせられることもあって、
段々と、どこから手をつけたら良いのか
わからなくなっておりました。
Audite の鮮明な復刻CDを聴きなおすことで、、
もう一度、フルトヴェングラーと出会ってみようと思います。
彼は一体どんな指揮者だったのでしょうか。
2012年4月15日日曜日
新交響楽団の伊福部昭:傘寿記念シリーズ(1993-94)
タワーレコードのシリーズで、
伊福部昭さんのライブが復刻されましたので、
購入しました。
伊福部昭 傘寿記念シリーズ
Disc-1
1) オーケストラとマリムバの為の
《ラウダ・コンチェルタータ》(1976)
安倍圭子(マリンバ)、石井眞木(指揮)
1993年9月7日録音、フィルハーモニー、ベルリン
2) 日本狂詩曲(1935)
小泉和裕(指揮)
1994年1月29日録音、東京芸術劇場
3) 交響譚詩(1943)
原田幸一郎(指揮)
1994年4月23日録音、東京芸術劇場
Disc-2
4) 管弦楽のための《日本組曲》(1934/91)
小林研一郎(指揮)
1994年7月23日録音、東京文化会館
5) シンフォニア・タプカーラ(1954/79)
6) SF交響ファンタジー第1番(1983)
原田幸一郎(指揮)
1994年10月10日録音、東京芸術劇場
演奏:新交響楽団
【QIAG50082-83】
平成5・6年(1993-94)にかけて、
伊福部昭(1914-2006)の満80歳を記念して、
新交響楽団がまとめて取り上げたものです。
伊福部昭の作品、
久しぶりにまとめて聴きました。
1) 以外の5曲は、
平成7年(1995)に録音された
広上淳一さんと日本フィルとのコンビによる
4枚の選集で聴いていましたが、
それからずいぶん聴いていなかったので、
ほぼ忘れておりました。
こうして聴いてみると、
伊福部さんの作品は、
やはりライブならではの高揚感があった方が、
曲の長所がすんなり馴染んできて、
すなおに楽しむことができました。
私にとって、
バルトークやストラヴィンスキーと比べれば、
伊福部さんの方がはるかに大切な作曲家です。
伊福部さんの音楽は、
単純明快な、
思い切りの良いオーケストレイションで、
我々にとって身近に過ぎる
馴染みやすいメロディやリズムが随所に聴かれるので、
初めて聴くと、我々日本人には、
若干小恥ずかしく思えるところがあるかもしれません。
でも耳に馴染んでくると、
これがなかなか快感で、すなおに楽しめます。
日本人の荒々しい雄渾な側面を、
うまく捉えていると思います。
演奏は、
原田幸一郎さんが指揮した
「交響譚詩」「シンフォニア・タプカーラ」
「SF交響ファンタジー第1番」が、
一番オケの鳴らし方がうまく、お薦めです。
最も熱い、感動的な演奏は、
石井真木さんの指揮、安倍圭子さんのマリンバによる
「ラウダ・コンチェルタータ」です。
逆に、熱くなり過ぎて、
うまく収録できていないのは
小林研一郎さんの指揮した「日本組曲」です。
小泉和裕さんが指揮した「日本狂詩曲」はふつうの出来です。
全体として、
ライブならではの熱さをそなえた、
お薦めの録音です。
この機会に、
広上淳一さんが指揮した録音も、
聴き直してみようと思います。
伊福部昭さんのライブが復刻されましたので、
購入しました。
伊福部昭 傘寿記念シリーズ
Disc-1
1) オーケストラとマリムバの為の
《ラウダ・コンチェルタータ》(1976)
安倍圭子(マリンバ)、石井眞木(指揮)
1993年9月7日録音、フィルハーモニー、ベルリン
2) 日本狂詩曲(1935)
小泉和裕(指揮)
1994年1月29日録音、東京芸術劇場
3) 交響譚詩(1943)
原田幸一郎(指揮)
1994年4月23日録音、東京芸術劇場
Disc-2
4) 管弦楽のための《日本組曲》(1934/91)
小林研一郎(指揮)
1994年7月23日録音、東京文化会館
5) シンフォニア・タプカーラ(1954/79)
6) SF交響ファンタジー第1番(1983)
原田幸一郎(指揮)
1994年10月10日録音、東京芸術劇場
演奏:新交響楽団
【QIAG50082-83】
平成5・6年(1993-94)にかけて、
伊福部昭(1914-2006)の満80歳を記念して、
新交響楽団がまとめて取り上げたものです。
伊福部昭の作品、
久しぶりにまとめて聴きました。
1) 以外の5曲は、
平成7年(1995)に録音された
広上淳一さんと日本フィルとのコンビによる
4枚の選集で聴いていましたが、
それからずいぶん聴いていなかったので、
ほぼ忘れておりました。
こうして聴いてみると、
伊福部さんの作品は、
やはりライブならではの高揚感があった方が、
曲の長所がすんなり馴染んできて、
すなおに楽しむことができました。
私にとって、
バルトークやストラヴィンスキーと比べれば、
伊福部さんの方がはるかに大切な作曲家です。
伊福部さんの音楽は、
単純明快な、
思い切りの良いオーケストレイションで、
我々にとって身近に過ぎる
馴染みやすいメロディやリズムが随所に聴かれるので、
初めて聴くと、我々日本人には、
若干小恥ずかしく思えるところがあるかもしれません。
でも耳に馴染んでくると、
これがなかなか快感で、すなおに楽しめます。
日本人の荒々しい雄渾な側面を、
うまく捉えていると思います。
演奏は、
原田幸一郎さんが指揮した
「交響譚詩」「シンフォニア・タプカーラ」
「SF交響ファンタジー第1番」が、
一番オケの鳴らし方がうまく、お薦めです。
最も熱い、感動的な演奏は、
石井真木さんの指揮、安倍圭子さんのマリンバによる
「ラウダ・コンチェルタータ」です。
逆に、熱くなり過ぎて、
うまく収録できていないのは
小林研一郎さんの指揮した「日本組曲」です。
小泉和裕さんが指揮した「日本狂詩曲」はふつうの出来です。
全体として、
ライブならではの熱さをそなえた、
お薦めの録音です。
この機会に、
広上淳一さんが指揮した録音も、
聴き直してみようと思います。
2012年4月5日木曜日
ハイドシェックのヘンデル:クラーヴィア組曲集〈3〉
ハイドシェックのヘンデル:組曲集、
CD3枚目を聴きました。
ヘンデル
組曲 第4番 ホ短調(第1集~第4番)HWV429
組曲 第10番 ト長調(第2集~第3番)HWV436
組曲 第16番 ト短調(第3集~第2番)HWV451
エリック・ハイドシェック(ピアノ)
録音:1977年頃
【CASSIOPEE 969 208】CD3
曲の内容によるのか、
1,2枚目ほどの鮮烈な印象はなかったのですが、
3月中聴き続けて、
とくに気に入ったのは、
最初のホ短調 HWV429 です。
わかりやすい印象的な旋律もあって、
お気に入りになりました。
後半2曲も、
聴けばその美しさに心を洗われますが、
後でどんな曲だったのか、
なかなか思い出せないのも確かなところです。
演奏は、
他の2枚と同じレベルのすばらしい出来で、
ハイドシェックさんらしく、
自在にテンポを揺らしながら、
曲の魅力を存分に引き出した演奏だと思います。
問題は、なかなかこれと同レベルで
楽しめる演奏には出会えないことでしょうか。
ハイドシェックさんと別な面から、
曲の魅力に光を当ててくれる演奏家はいないでしょうか。
CD3枚目を聴きました。
ヘンデル
組曲 第4番 ホ短調(第1集~第4番)HWV429
組曲 第10番 ト長調(第2集~第3番)HWV436
組曲 第16番 ト短調(第3集~第2番)HWV451
エリック・ハイドシェック(ピアノ)
録音:1977年頃
【CASSIOPEE 969 208】CD3
曲の内容によるのか、
1,2枚目ほどの鮮烈な印象はなかったのですが、
3月中聴き続けて、
とくに気に入ったのは、
最初のホ短調 HWV429 です。
わかりやすい印象的な旋律もあって、
お気に入りになりました。
後半2曲も、
聴けばその美しさに心を洗われますが、
後でどんな曲だったのか、
なかなか思い出せないのも確かなところです。
演奏は、
他の2枚と同じレベルのすばらしい出来で、
ハイドシェックさんらしく、
自在にテンポを揺らしながら、
曲の魅力を存分に引き出した演奏だと思います。
問題は、なかなかこれと同レベルで
楽しめる演奏には出会えないことでしょうか。
ハイドシェックさんと別な面から、
曲の魅力に光を当ててくれる演奏家はいないでしょうか。
2012年4月2日月曜日
横山幸雄のショパン/ピアノ独奏曲全曲集〈4〉
プレイエルによる
ショパン・ピアノ独奏曲全曲集〈4〉
A.ワルシャワ時代の遺作の小品
1) 3つのエコセーズ WN13(1826)
1.ニ長調/2.ト長調/3.変ニ長調
2) 葬送行進曲 ハ短調 WN9(1826)
3) コントルダンス 変ト長調 WN27(1827)
4) アレグレット 嬰ハ短調 WN36(1829)
5) ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲 ホ長調 WN6(1824-26)
6) 変奏曲 パガニーニの思い出 イ長調 WN16(1829)
B.華麗なる変奏曲 変ロ長調 作品12〔1833〕
C.ワルシャワ時代の遺作のワルツ
1) ワルツ 変ホ長調 (1827)
2) ワルツ ホ長調 WN18 (1829)
3) ワルツ ロ短調 WN19 (1829)
4) ワルツ 変ニ長調 WN20 (1829)
5) ワルツ 変イ長調 WN28 (1829-30)
6) ワルツ ホ短調 WN29 (1830)
D.ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」変ホ長調 作品18〔1831-32。or 1833〕
E.ボレロ 作品19〔1833〕
F.スケルツォ第1番 ロ短調 作品20〔1833-35〕
横山幸雄(ピアノ)
使用楽器:プレイエル(1910年製)
録音:2011年1月13、14日
上野学園 石橋メモリアルホール
【KICC-916】
一見、雑然として色々並んでいますが、
前半(A・B)と後半(C~F)で、
それぞれ若いころの遺作数曲に、
作品番号のある作品を添えた構成になっており、
説明つきのコンサートでしたら、
盛りだくさんで楽しめそうです。
前半でよく知っていたのは、
最初の「3つのエコセーズ」です。
あっという間に終わってしまいますが、
不思議とよくまとまっていて、
楽しい小品です。
その他では、
A-5) ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲
は初めて聴きましたが、
わかりやすくてよく出来ていると思いました。
後半は、
遺作のワルツのうち、短調の2つの作品。
その後の「華麗なる大円舞曲」とスケルツォ第1番は
よく知っています。
個人的には、
特にワルツを弾く時のテンポが、
心持ち速めに感じられるのですが、
これは楽譜どおりだとこうなるのでしょうか。
感情がこもっていないわけでも、
粗雑に弾き飛ばされているわけでもないので、
好みの問題ですが、
ここはもう少しゆっくり目のほうが、
私は好きです。
スケルツォ第1番は、
有名なわりにこれまで
今ひとつピンと来なかったのですが、
横山さんの演奏は、
わりとあっさり目ですが、
曲そのもので勝負する感じがあって、
いい曲だな、と思いました。
最後の3曲は、なぜこの3曲?
とはじめわからなかったのですが、
作品18から20までをまとめて取り上げたのですね。
そう言われると、
何となく腑に落ちるところがありました。
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