2012年5月19日土曜日

広上淳一指揮&日本フィルの伊福部昭の芸術(1995)その2


伊福部昭の芸術2
響― 伊福部昭 交響楽の世界
1) シンフォニア・タプカーラ(1954/79)
2) 管弦楽のための「日本組曲」(1934/91)

広上淳一指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
録音:1995年8月22-24日、29-31日、9月1日
東京、セシオン杉並ホール
【KICC176】

広上淳一さんの指揮する
日本フィルハーモニー交響楽団の演奏による

伊福部昭のシリーズ2枚目は、
「シンフォニア・タプカーラ」と「日本組曲」の組み合わせです。


「シンフォニア・タプカーラ」は、
大正3年(1914)生まれの伊福部さんが、

昭和29年(1954)、
40歳のときに作曲、初演された唯一の交響曲です。

初演後 改訂が加えられ、
25年後の昭和54年(1979)に改訂稿が完成しています。


伊福部さんの管弦楽曲の中で、
1曲だけ挙げるのなら、私はこれを挙げます。

演奏は他にも優れたものはありますが、
セッションで、すべてがよく聴き取れるように、
ほどよいバランスで収録されている中で、

十分に熱さも感じ取れる演奏なので、
まず聴いておくべき録音だと思います。

叙情的な部分での健闘が光ります。


管弦楽のための「日本組曲」は、
昭和8年(1933)、19歳のときに作曲された「ピアノ組曲」を、
平成3年(1991)に管弦楽に編曲したものです。

日本の素材がそのままシンプルに生かされているからか、
以前は聴いていて恥ずかしいような気がしていたのですが、

年齢を重ねてきたからか、
今回は素直に楽しむことができました。


先に取り上げた小林研一郎さんと新響との演奏が、
今ひとつうまくオケを鳴らせていない感じだったのですが、

これは万全です。
良いバランスで、曲そのものを楽しむことができました。

ただし、とてもシンプルに聴こえる曲なので、
ライブでうまく聴かせるのは難しいのかもしれません。


※作品の成立については、CD解説
(伊福部昭「自作を語る」、片山素秀「曲目解説」)を参照しました。

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