イングリット・ヘブラー(1926.6 - )が、
36歳から41歳までの
4年2ヶ月(1963.4-1967.6)かけて録音した
オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756.1-1791.12)の
ピアノソナタ全集、5枚目を聴きました。
モーツァルト
ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調 K.545
ピアノ・ソナタ 第16番 変ロ長調 K.570
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 K.576
ピアノ・ソナタ 第18番 ヘ長調 K.553/494
イングリット・ヘブラー(ピアノ)
録音:1965年11月(15番)、64年12月(16番)、63年4月(17番)、66年8月(18番)
【PROC-1201/5】CD5
K.545(第15番)は、
モーツァルトが32歳のとき(1788年6月)に作曲された
初心者のためのソナタです。
K.570(第16番)は、
モーツァルトが33歳のとき(1789年2月)に作曲されました。
没後、最初に出版されたとき(1796年)に、
ヴァイオリン・ソナタに編曲されたかたちで世に出たため、
しばらくヴァイオリン・ソナタとしてのみ知られていたそうです。
K.576(第17番)は、
モーツァルトが33歳(1789年7月)のときに作曲された
最後のピアノ・ソナタです。
K.553/494(第18番)は、
30歳のとき(1786年6月)に作曲された《小ロンド》K.494と、
32歳のとき(1788年1月)に作曲された《アレグロとアンダンテ》K.533
の2曲を合わせて、1788年に1曲のソナタとしたものです。
新全集では、
通番を作曲年代の順に、
K.553/494〔第15番〕
K.545〔第16番〕
K.570〔第17番〕
K.576〔第18番〕
と変更されているそうです。
***
さて演奏ですが、
一番心を奪われたのは、
熟知しているはずの K.545 のソナタです。
さらっとしているようで、
ひたひたと心のひだに入り込んでくる、
素朴なやさしい演奏でした。
他の3曲も、
清楚で作為のない素朴な表現で、
心から楽しめる演奏に仕上がっていました。
奏者によって嫌な理屈っぽさを感じさせることもある曲ですが、
ベストといって良い演奏が実現していると思いました。
ヘブラーさんの
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集、
これで旧盤を聴き終わったことになります。
一聴するだけでは多少、
押しが弱く感じられることもあるのですが、
清楚で、素朴で、純白な、
ほどよいセンスに彩られた演奏として、
これからもくり返し聴いていきたい全集でした。
少し時間をおいて、
ぜひ新盤の全集も聴いてみたいと思います。
※Wikipediaの「イングリット・ヘブラー」
「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」
「ピアノ・ソナタK.545(モーツァルト)」
「ピアノ・ソナタK.570(モーツァルト)」
「ピアノ・ソナタK.576(モーツァルト)」
「ピアノ・ソナタK.533/494(モーツァルト)」の各項目を参照。
※作品の基本情報について、
ピティナ・ピアノ曲事典「モーツァルト」の項目
【http://www.piano.or.jp/enc/composers/index/73】を参照。
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