ルドルフ・バルシャイ(1924.8-2010.11)が
68歳から76歳にかけて(1992.9-2000.9)、
ドイツのケルン放送交響楽団と録音した
ロシアの作曲家
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
(1906.9-1975.8)の交響曲全集、
4枚目を聴きました。
ショスタコーヴィチ
交響曲 第7番 ハ長調 作品60
ケルン放送交響楽団
ルドルフ・バルシャイ(指揮)
録音:1992年9月。フィルハーモニー、ケルン
【BRILIANT 6324-4】
交響曲 第7番 ハ長調 作品60《レニングラード》 は、
ショスタコーヴィチが35歳の時(1942.3)に初演された作品です。
1941年6月、
ドイツ国防軍がソ連を侵攻し、
いわゆる独ソ戦がはじまりますが、
その戦闘の一つとして、
同年9月から900日続く レニングラード包囲戦 が行われました。
この包囲下にあるレニングラードで完成(1941.12)されたのが
交響曲第7番でした。
当初は、ファシズムに対する
社会主義の勝利を宣伝するための曲として、
政治的に利用される面もあったようです。
***
第7番をじっくり聴いたのは、ほぼ初めてのことです。
第5番と同じ路線にある曲で、
5番についでわかりやすい曲だと思いました。
誰にでもわかりやすく語りかけようとすることは、
それ自体別に責められるべきことではないので、
第5・7番のような曲があることはありがたいです。
今回聴いてみて、
特に驚いたのは第3楽章です。
弦楽合奏で、
強く心に響く音楽が奏でられていて、
深く感動しました。
弦楽によるレクイエムのようでした。
他の楽章は、
気をつけて演奏しないと、
軽めのわかりやすいだけの曲に感じられそうですが、
バルシャイさんの指揮は、
大げさに煽り立てて表面的な効果をねらうことはせず、
やるべきことをきちんとしながら
曲の本質をとらえていく、ずしりと聴き応えのある演奏でした。
このCDで初めて、
第7番の真価がわかりましたので、
改めてほかの演奏も聴いてみたいと思いました。
※Wikipediaの「ルドルフ・バルシャイ」「ドミートリイ・ショスタコーヴィチ」「交響曲第7番(ショスタコーヴィチ)」「独ソ戦」「レニングラード包囲戦」を参照。
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