2014年4月29日火曜日

バルシャイ&ケルン放送響のショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》

ロシア出身の指揮者
ルドルフ・バルシャイ(1924.8-2010.11)が
68歳から76歳にかけて(1992.9-2000.9)、
ドイツのケルン放送交響楽団と録音した

ロシアの作曲家
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
(1906.9-1975.8)の交響曲全集
4枚目を聴きました。


ショスタコーヴィチ
交響曲 第7番 ハ長調 作品60

ケルン放送交響楽団
ルドルフ・バルシャイ(指揮)

録音:1992年9月。フィルハーモニー、ケルン
【BRILIANT 6324-4】


交響曲 第7番 ハ長調 作品60《レニングラード》 は、

ショスタコーヴィチが35歳の時(1942.3)に初演された作品です。

1941年6月、
ドイツ国防軍がソ連を侵攻し、
いわゆる独ソ戦がはじまりますが、

その戦闘の一つとして、
同年9月から900日続く レニングラード包囲戦 が行われました。

この包囲下にあるレニングラードで完成(1941.12)されたのが
交響曲第7番でした。

当初は、ファシズムに対する
社会主義の勝利を宣伝するための曲として、
政治的に利用される面もあったようです。


 ***

第7番をじっくり聴いたのは、ほぼ初めてのことです。

第5番と同じ路線にある曲で、
5番についでわかりやすい曲だと思いました。

誰にでもわかりやすく語りかけようとすることは、
それ自体別に責められるべきことではないので、

第5・7番のような曲があることはありがたいです。


今回聴いてみて、
特に驚いたのは第3楽章です。

弦楽合奏で、
強く心に響く音楽が奏でられていて、
深く感動しました。

弦楽によるレクイエムのようでした。

他の楽章は、
気をつけて演奏しないと、
軽めのわかりやすいだけの曲に感じられそうですが、

バルシャイさんの指揮は、
大げさに煽り立てて表面的な効果をねらうことはせず、

やるべきことをきちんとしながら
曲の本質をとらえていく、ずしりと聴き応えのある演奏でした。


このCDで初めて、
第7番の真価がわかりましたので、
改めてほかの演奏も聴いてみたいと思いました。


※Wikipediaの「ルドルフ・バルシャイ」「ドミートリイ・ショスタコーヴィチ」「交響曲第7番(ショスタコーヴィチ)」「独ソ戦」「レニングラード包囲戦」を参照。

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