ルドルフ・バルシャイ(1924.8-2010.11)が
68歳から76歳にかけて(1992.9-2000.9)、
ドイツのケルン放送交響楽団と録音した
ロシアの作曲家
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
(1906.9-1975.8)の交響曲全集、
5枚目を聴きました。
ショスタコーヴィチ
交響曲第8番ハ短調 作品65
ケルン放送交響楽団
ルドルフ・バルシャイ(指揮)
録音:1994年3月14日&1995年10月16日。フィルハーモニー、ケルン
【BRILIANT 6324/5】
交響曲第8番ハ短調作品65 は、
作曲者37歳の時(1943.11)に初演された作品です。
この2年前に交響曲第7番が、
レニングラード包囲戦(1941.9-1944.1)下の
レニングラードにおいて完成されたのに対し(1941.12初演)、
本作は、
スターリングラード攻防戦(1942.6-1943.2)の
犠牲者への墓碑として完成されました(1943.11)。
つまり1941年から1945年にかけて、
ドイツとソビエト連邦の間で戦われた「独ソ戦」にちなんで、
第7番と第8番の交響曲が作られたことになります。
実際に聴いてみると、
全体的に暗く厳しく、悲壮感のただよう作品です。
第1楽章 Adagio - Allegro non troppo - Allegro
第2楽章 Allegretto
第3楽章 Allegro non troppo
第4楽章 Largo
第5楽章 Allegretto - Adagio - Allegretto
ゆったりとした長大な第1楽章がずっしりと響いた後、
速めテンポの第2・3楽章をはさんで、
再びゆっくりとした第4・5楽章へと戻っていく、
交響曲としては異形の形式だと思います。
バルシャイさんの指揮、
楽譜を忠実に再現しながら
内面を深くえぐりぬいていくスタイルで、
ゆっくりした中に
意味深い響きがあふれ、
不思議な感慨に襲われました。
名演に違いないと思いますが、
私には、この第1楽章の厳しさに、
若干ついていけないところがありました。
8番をじっくり聴いたのは
ほぼ初めてのことだったので、
曲に慣れてきたら感想も変わってくると思いますが、
もう少しだけあっさり目の演奏のほうが、
曲全体の構造が見通しやすいように感じました。
とくに第1楽章と第4・5楽章の構成は、
まだ今一つ見通せない感じがしています。
でもほかの指揮者でいろいろ聴き比べてみたくなりました。
※Wikipediaの「ルドルフ・バルシャイ」「ドミートリイ・ショスタコーヴィチ」「交響曲第8番(ショスタコーヴィチ)」「独ソ戦」「レニングラード包囲戦」「スターリングラード攻防戦」を参照。
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