500円で聴ける
エイベックスのベスト・オブ・クラシックス
のシリーズから、
イギリスの指揮者
ジェレミー・サマリー
(Jeremy Summerly 1961.2- )の指揮する
オックスフォード・スコラ・カントルム、
&オックスフォード・カメラータの演奏で、
フランスの作曲家
ガブリエル・フォーレ(1845.5-1924.11)の
レクイエム と ラシーヌの雅歌 を聴きました。
サマリー32歳の時(1993.5)の録音です。
ガブリエル・フォーレ
1) レクイエム 作品48(1893年版)
リサ・ベックリー(ソプラノ)
ニコラス・ゲッジ(バリトン)
オックスフォード・スコラ・カントルム
&オックスフォード・カメラータ
カーム・キャリー(オルガン)
ジェレミー・サマリー(指揮)
2) ラシーヌの雅歌 作品11
オックスフォード・スコラ・カントルム
カーム・キャリー(オルガン)
ジェレミー・サマリー(指揮)
録音:1993年5月17-18日、オックスフォード、ハートフォード・カレッジ礼拝堂
【AVCL-25698】
レクイエム 作品48 は、
42歳の時(1888.1)に初演されました。
その後改訂が加えられ、
48歳の頃迄に第2稿(1893年版)、
55歳のときに第3稿(1900年版)がまとめられました。
楽譜は1901年に出版されました(第3稿)。
第2稿が出版されたのは1980年代に入ってからです。
ラシーヌの雅歌 作品11 は、
20歳の時(1865)に作曲された、
ニデルメイエール音楽学校の卒業作品です。
***
この2曲の組み合わせは初めて聴きました。
レクイエムだけでも完成度は十分高いのですが、
《ラシーヌの雅歌》と組み合わせることで、
浄められた魂がさらに
天上に舞い上がっていくような、
より一層の救いを感じられる音楽になっていました。
ジェレミー・サマリーは初めて聴く指揮者でしたが、
虚飾を排して
率直に訥々と語りかけてくる表現で、
曲そのもののもつ魅力を最大限に引き出しているように感じました。
強く心を揺り動かされるというよりは、
そばに寄り添って
しっとりと語りかけてくるような趣きで、
普段着のフォーレの素朴な魅力に気がつくことができました。
これまでフォーレのレクイエムは、
ミシェル・コルボの旧盤を聴いてきましたが、
あまりに洗練されすぎていて、
現実離れしているような、
どこか相入れないものを感じてきました。
しばらくはサマリー盤で、
フォーレの魅力に浸りたいと思っています。
***
なおこのジェレミー・サマリーという指揮者、
ナクソス・レーベルに、
西洋中世からルネッサンス、バロック期の
合唱音楽をいろいろと録音しているようなので、
まとめて聴いてみようかなと思っています。
バッハより前の作曲家はほとんど聴く機会がなく、
どんな作曲家がいるのかもよくわからない状況なので、
何かよい概説書がないか調べてみると、
一冊見つかりました。
皆川達夫著
『中世・ルネサンスの音楽』
(講談社学術文庫、平成21年2月。初出は講談社現代新書、昭和52年2月)
かなり前から存在は知っていましたので、
この機会に熟読してみようと思います。
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