ヤッシャ・ハイフェッツ(1901.2.2-1987.12)の演奏で、
ロシアの作曲家
ピョートル・チャイコフスキー(1840.5-1893.11)と、
ドイツの作曲家
フェリックス・メンデルスゾーン(1809.2-1847.11)の
ヴァイオリン協奏曲を聴きました。
チャイコンは
ハイフェッツ55歳の時(1957.4)、
メンコンは58歳の時(1959.2)の録音です。
1) チャイコフスキー
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
・シカゴ交響楽団
・フリッツ・ライナー(指揮)
録音:1957年4月19日、オーケストラ・ホール、シカゴ
2) メンデルスゾーン
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
・ボストン交響楽団
・シャルル・ミュンシュ(指揮)
録音:1959年2月23・25日、シンフォニー・ホール、ボストン
3) チャイコフスキー
ゆうつなセレナード 作品26
ワルツ~弦楽セレナード ハ長調 作品48より
・室内管弦楽団
録音:1970年7月8・10日、RCAスタジオA、ハリウッド
ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)
【SICC-30076】2012年12月発売
ロシアの作曲家
ピョートル・チャイコフスキー
(1840.5-1893.11)の
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
は、作曲家41歳の時(1781.12)に初演された作品です。
実際に作曲されたのは37歳の時(1877)で、
初演まで4年ほどかかりました。
ドイツの作曲家
フェリックス・メンデルスゾーン
(1809.2-1847.11)の
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
は、作曲者64歳の時(1945.3)に初演された作品です。
***
音質の良さに驚いた「Blu-spec CD2」のシリーズに、
ハイフェッツがズラリと並んでいることに気がついて、
ただいま聴き直しているところです。
1枚目に聴いた
シベリウスとプロコフィエフとグラズノフの協奏曲
に続く2枚目として、
チャイコフスキーとメンデルスゾーンの協奏曲を聴いてみました。
ハイフェッツのクールなスタイルは、
メンデルスゾーンやチャイコフスキーに合わないように思いましたが、
こちらも有無を言わせぬ説得力があって、
圧倒的な感銘を受けました。
恐らく他のヴァイオリニストが、
これだけのスピードで弾き飛ばすと、
スポーツ感覚でさらさらと流れていくだけで、
味もそっけもない音楽になってしまう筈なのですが、
ハイフェッツの場合は、
ただ指が回るだけではなく、
さらりと弾いているようなところでも、
楽器が通常あり得ないレベルでしっかり鳴っているので、
聴いている人の心にしっかり届いてきて、
表面的にはならない凄みのある演奏に聴こえます。
そのうえ、どれだけバリバリ弾いても、
やり過ぎには聴こえない品の良さを備えているので、
今なお聴き続ける価値のある演奏だと思いました。
演奏スタイルは好きではありませんが、
そんな私にもこの1枚は十分に楽しめました。
さらに「Blu-spec CD2」の復刻によって、
昔はあまり感じなかったハイフェッツの
ヴァイオリンの音色の美しさも楽しめる点、
昔聴いていた時よりも、
良い演奏のように感じました。
最近耳にするどのヴァイオリニストとも、
違う鳴らし方、響きをしているのが興味深かったです。
***
なお同じ「Blu-spec CD2」のシリーズで、
ベートーヴェンとブラームスの協奏曲を組にした1枚も聴きましたが、
こちらは復刻の加減か、
ヴァイオリンの音が心に響いて来ず、
スポーツ感覚でさらさらと音が流れていくだけの、
軽薄な音楽に感じられて、
まったく好みに合いませんでした。
新しさを求めて、
失敗した演奏のように感じました。
※「ヤッシャ・ハイフェッツ」「ヴァイオリン協奏曲(チャイコフスキー)」「ヴァイオリン協奏曲(メンデルスゾーン)」を参照。
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