小澤征爾(1935.9- )の指揮する
水戸室内管弦楽団の演奏で、
ドイツの作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
(Ludwig van Beethoven, 1770.12.16-1827.3)
の 交響曲第5番《運命》と、
オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756.1-1791.12)
の クラリネット協奏曲 を聴きました。
小澤氏80歳の時、
2016年3月25、27日のコンサートを録音したCDです。
体調を考慮して小澤氏の指揮は《運命》のみ。
クラリネット協奏曲は、
水戸室内管弦楽団のメンバーである
リカルド・モラレス(Ricardo Morales. 1972- )を独奏者に迎え、
指揮者なしで演奏されています。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
①交響曲第5番 ハ短調 作品67《運命》
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
②クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
リカルド・モラレス(クラリネット)
水戸室内管弦楽団
指揮:小澤征爾(①)
【UCCD-1433】2016年8月発売
交響曲第5番 ハ短調 作品67《運命》は、
ベートーヴェン38歳の時(1808.12.22)に初演された作品です。
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 は、
モーツァルト35歳の時(1791.11)に完成された作品です。
最近の小澤征爾は凄い、
という噂が気になったので最新の録音を聴いてみました。
楽譜を誇張せずに表現していくスタイルとしては、
滅多に到達できないところまで行き着いていて、
室内オーケストラとの録音という前提つきであれば、
最高レベルの《運命》だと思いました。
ただ気になったのは、
聴きやすい音には録れているのですが、
録音を乗り越えて伝わって来るはずの情熱が、
今一歩のように感じられたことです。
情熱不足の《運命》はありか無しか。
体調が影響したのか、
録音の加減なのかは不明ですが、
聴きやすい耳に心地のよい音で録れているだけに、
とても惜しい演奏に思えました。
過去の小澤氏の《運命》とも比べてみたくなったので、
手に入りやすいものから聴いてみようと考えています。
なお、どちらかといえば、
それほど期待していなかった
リカルド・モラレス氏の独奏による
クラリネット協奏曲が期待をはるかに上回る出来でした。
飛び切りの名曲のわりに、
録音がむつかしいのか満足できるCDにこれまで出会えなかったのですが、
どこも欠点のない完璧な仕上がりで、
オケともども理想的な名演に仕上がっていると思います。
クラリネットにはそこまでこだわりがないので、
恐らく聴き逃している録音も多かろうと思いますが、
私にとっての今現在のベスト盤になりました。
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