イギリスの指揮者
ジェフリー・テイト
(Jeffrey Tate, 1943年4月- )の指揮する
イギリス室内管弦楽団の演奏で、
オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756年1月-91年12月)の
交響曲全集(全12枚)の1枚目を聴きました。
テイト50・52歳の時(1993・95年)の録音です。
モーツァルト(1756–1791)
Disc1
①交響曲 第1番 変ホ長調 K.16
②交響曲 第4番 ニ長調 K.19
③交響曲 ヘ長調 K.19a/Anh.223
④交響曲 第5番 変ロ長調 K.22
⑤交響曲 ト長調 K.45a/K.Anh.221「ランバッハ」
⑥交響曲(第43番)ヘ長調 K.76/K.42a
イギリス室内管弦楽団
ジェフリー・テイト(指揮)
録音:1993・95年、ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ
【Warner Classics 50999/9/84638/2/4】Disc1
CD1にはモーツァルトが8歳から11歳まで(1876-67年)に作曲された交響曲が収録されていました。
①交響曲 第1番 変ホ長調 K.16 は、
8歳の時(1764年)にロンドンで作曲。
②交響曲 第4番 ニ長調 K.19 は、
9歳の時(1765年)にロンドンで作曲〔異説あり〕。
③交響曲 ヘ長調 K.19a/Anh.223 は、
9歳の時(1765年)にロンドンで作曲〔異説あり〕。
※1981年10月にミュンヘンで再発見。
④交響曲 第5番 変ロ長調 K.22 は、
9歳の時(1765年12月)にハーグで作曲。
⑤交響曲 ト長調 K.45a/K.Anh.221「ランバッハ」は、
10歳の時(1766年)にハーグで作曲。
※1923年にオーストリアのランバッハで発見。
⑥交響曲(第43番) ヘ長調 K.76/K.42a は、
11歳の時(1767年秋)にウィーンで作曲〔異説・偽作説あり〕。
モーツァルトの交響曲では、1879-81年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から刊行された
旧全集の通番(第1-41番)が今でも便宜上使われています。
これは1862年に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された
ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル
(Ludwig von Köchel, 1800年1月- 1877年6月)による
『モーツァルト全音楽作品の年代別主題別目録 Chronologisch-thematisches Verzeichniss sämmtlicher Tonwerke Wolfgang Amade Mozart's 』にもとづく分類なので、
その後の研究で、偽作であることが確認された作品や、
新たに発見された作品の情報は、当然反映されていません。
このCDには、
旧全集における通番、
第1・4・5番と43番の4曲と、
ほか2曲の計6曲が収録されています。
未収録の第2・3番は偽作と断定されている作品です。
交響曲第2番 変ロ長調 K.17/K.Anh.C11.02 (偽作)
交響曲第3番 変ホ長調 K.18/K.Anh.A51 (偽作)
***
モーツァルトの交響曲全集を
手に入れたいなと思っていたところ、昔懐かしい
ジェフリー・テイト&イギリス室内管弦楽団のCDが、
12枚組3,000円で出ていたので購入してみました。
モーツァルトの交響曲、
後期の6曲を除くと途端に聴く機会が少なくなるので、
初期の番号のものはほとんど聴いたことがありません。
はじめに数回聴いたときには、
さすがに10歳前後に作られた曲なので、
BGMで聴き流すのにちょうど良い軽めの音楽で、
それほど面白い音楽には思えませんでした。
しかし何回か聴き込んで、
曲の流れが頭に入って来ると、
それで飽きるということもなく、
どんどん魅力が増して来ました。
それでもやはり、後期の6曲のように、
聴けばすぐに何番かわかるほどの個性は感じないのですが、
初期は初期なりの魅力があることを実感できたのは収穫でした。
テイトの紡ぎ出すイギリス室内管弦楽団は、
清楚で明るく鮮やかな印象で、
私が期待するモーツァルト像にぴったりの音色でした。
多少軽めに聴こえるので、
凄い何かに期待すると肩透かしにあうかもしれませんが、
繰り返し聴くに足る、充実した内容の1枚だと思いました。
※海老澤敏/吉田泰輔監修『モーツァルト事典』(東京書籍、1991年11月)の「交響曲」の章を参照。
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