イスラエルの指揮者
エリアフ・インバル(Eliahu Inbal, 1936年2月- )の指揮する
ドイツのオーケストラ
フランクフルト放送交響楽団
(2005年にhr交響楽団に改称)の演奏で、
オーストリア帝国の作曲家
グスタフ・マーラー(1860.7-1911.5)の
交響曲《大地の歌》を聴きました。
指揮者52歳の時(1988年3月)の録音です。
グスタフ・マーラー
交響曲《大地の歌》
エリアフ・インバル(指揮)
フランクフルト放送交響楽団
ペーター・シュライアー(テノール)
ヤルド・ヴァン・ネス(メゾ・ソプラノ)
録音:1988年3月24・25日、フランクフルト、アルテ・オーバー
【COCO-73285】2012年6月発売。
交響曲《大地の歌》は
1907年から8年にかけて、
マーラーが47-8歳のときに作曲されました。
初演は、
マーラーが1911年5月に亡くなった後、
同年11月20日に、作曲者から託された
ブルーノ・ワルターによって初演されました。
***
音の良さに驚いた[Blu-spec CD]によるインバルのマーラー、
第8番に続いて《大地の歌》を聴きました。
こちらは2002年6月に発売された
普通のCDのほうも持っていたので、
今回聴き比べてみると、声楽の場合、
オーケストラほど大きな違いはなく、
普通のCDでも十分美しく録れていました。
ちゃんと聴けば、
[Blu-spec CD]のほうが明らかに、
空間が広がって、耳にやわらかく、
いい音で聴こえてくるのですが、
声楽曲の場合は、
改めて買い直すほどの
大きな差はないかもしれません。
***
《大地の歌》は、
ウィーン・フィルと抜群に相性のよい曲ですが、
例外的に聴けるのが、
このインバル&フランクフルト放送響による演奏です。
ペーター・シュライアー(テノール)と
ヤルド・ヴァン・ネス(メゾ・ソプラノ)の独唱も、
耳ざわりなところのない
瑞々しい感性に彩られた歌唱で、
聴きやすく、繰り返し聴くのに適した名演だと思います。
インバルの指揮は、
ワルターやバーンスタインと比べるなら、
多少落ち着いた印象がありますが、
さらに他の演奏と聴き比べるなら、
曲の真価を感興豊かに再現していて、
決して冷静ではありません。
それほどいろいろ聴いているわけではないので、
ほかにも名演はあるはずですが、
最初の1枚として聴き込むのに
適していた名演の1枚であることは間違いありません。
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