2013年1月31日木曜日

ベルグルンド&ボーンマス響のシベリウス:交響曲第4番(1975年)

フィンランドの指揮者
パーヴォ・ベルグルンド(1929-2012)が46・47歳のときに(1975・76)、
イギリスのボーンマス交響楽団と録音した

同郷フィンランドの作曲家
ジャン・シベリウス(1865.12-1957.9)の
交響曲第4番と交響詩《吟遊詩人》を聴きました。

《吟遊詩人》を聴いたのは、これが初めてです。



シベリウス
1) 交響曲 第4番 イ短調 作品63
  第1楽章 テンポ・モルト・モデラート、クワジ・アダージョ
  第2楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
  第3楽章 イン・テンポ・ラルゴ
  第4楽章 アレグロ

2) 交響詩《吟遊詩人》作品64

パーヴォ・ベルグルンド(指揮)
ボーンマス交響楽団
録音:1975年6月3-4日(交響曲)、1976年6月24日(組曲)
サウサンプトン・ギルドホール、イギリス
【TOCE-16015】


交響曲 第4番 イ短調 作品63 は、

シベリウスが45歳のときに初演(1911.4)された交響曲です。

41歳のときに第3番が初演(1907.9)されて間もなく、
1908年に喉の腫瘍を摘出する手術を受けました。

幸い腫瘍は良性で、無事に回復できたのですが、
この時期の作品には、病の影響が色濃く出ているようです。


実際聴いてみると、
第1番のようにほの暗い色調のなか、
物思いに沈み込んだまま、浮かび上がってこない感じの曲です。

楽章の切れ目もわかりにくく、
わかりやすいメロディも影を潜めているので、

恐らく1度聴いただけでは、
何やらよくわからない方がほとんどではないでしょうか。


私も今回の録音で、今まで以上に、
曲の本質に近づけてきた感じはするのですが、

恐らくまだどんな曲なのか、
つかみ切れていない部分は残っているように思います。

でも曲の構造は大体頭に入ってきたので、
次に聴きなおすときには、

完全にわかった!と言えるような気がします。

ボーンマス響の演奏は、
金管が多少強めに聴こえるところが
個人的にはマイナスなのですが、

聴き慣れてくると、
むしろ爽快な感じにもなって来たので、
好みの問題かもしれません。



  ***

交響詩《吟遊詩人》作品64は、

シベリウス47歳のときに初演された作品です(1913.3)。
翌年に改訂が施され、1916年に初演されたものが最終稿になっています。


第4番と曲想がよく似ているので、

第4番に続けて聴くと、
曲の切れ目がわからずに、

いつの間にか《吟遊詩人》が始まっていることも
時々ありました。


しばらく聴いていると、
第4番より多少ロマンティックなところがあって
わかりやすい音楽なので、

こちらを聴きこんでから、
第4番に進むと良いのかもしれません。


ずいぶん聴き込みましたので、
とりあえず次に進みましょうか。



※Wikipediaの「ジャン・シベリウス」「交響曲第4番(シベリウス)」「吟遊詩人(シベリウス)」を参照。

2013年1月27日日曜日

ヴァルヒャのバッハ:オルガン作品全集(旧盤)CD8

ヘルムート・ヴァルヒャ(1907 - 1991)による
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685.3 - 1750.7)の作品全集、
8枚目を聴きました。


J.S.バッハ:オルガン作品全集
CD-8

18のコラール(ライプツィヒ・コラール)BWV651~668 より
 1) われ神より去らじ BWV658
 2) いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV659
 3) いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV660
 4) いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV661
 5) いと高きところにいます神にのみ栄光あれ BWV662
 6) いと高きところにいます神にのみ栄光あれ BWV663
 7) いと高きところにいます神にのみ栄光あれ BWV664
 8) われらの救い主なるイエス・キリスト BWV665
 9) われらの救い主なるイエス・キリスト BWV666
10) 来たれ、創り主にして聖霊なる神よ BWV667
11) 汝の御座の前に、われ進み出で BWV668/668a

クラーヴィア練習曲集第3巻(ドイツ・オルガン・ミサ)より
 12) 前奏曲 変ホ長調「聖アン」BWV552-1

大オルガンのためのコラール編曲集
 13) 永遠の父なる神よ BWV669
 14) すべての世の慰めなるキリストよ BWV670
 15) 聖霊なる神よ BWV671
 16) いと高きところにいます神にのみ栄光あれ BWV676

ヘルムート・ヴァルヒャ(オルガン)
録音:1952年(1-11)、1947年(12-16)
オルガン:カッペル、聖ペテロ=パウロ教会
【Membran 223489】CD-8


CD8枚目は、
「ライプツィヒ・コラール」(BWV651-668 全18曲)より
 後半の11曲(BWV651-668)と、

「ドイツ・オルガン・ミサ」とも呼ばれる、
「クラーヴィア練習曲集第3巻」の前半が演奏されています。


「ライプツィヒ・コラール」(BWV651-668)
30代初め(1708-17)までに作曲された旧稿をもとに、
最晩年にまとめられた作品集です。

前半を聴いたときにも感じたのですが、

CD8枚聴いてきた中では、
この「ライプツィヒ・コラール」が、
私の中で一番しっくり来るというか、
聴いていてふつうに良い曲だと思いました。

ぜひ他の方々の演奏も、
いろいろ聴いてみたいと思いました。


   ***

「クラーヴィア練習曲集」とは、
バッハが生前に出版した鍵盤楽器のための作品集であり、

 第1巻 パルティータ BWV825-830〔出版:1726-1730〕
 第2巻 フランス風序曲 BWV831、イタリア協奏曲 BWV971〔出版:1735年〕
 第3巻 〔出版:1739年〕
 第4巻 ゴールドベルク変奏曲 BWV988〔出版:1742年〕

の全4巻からなります。

このうち第3巻は、
50代半ばのときに出版された作品で、
「ドイツ・オルガン・ミサ」とも呼ばれ、

 前奏曲とフーガ 変ホ長調「聖アン」BWV552
 21のコラール BWV669-689
 4つのデュエット BWV802-805

という構成からなります。
(4つのデュエットのみ、ハープシコードで演奏。)

このCDでは、
ヴァルヒャさんの発案なのか、
用いた楽譜によるのか、次のような順番で演奏されています。
(次のCD9の分も含む。)

 1) 前奏曲 変ホ長調「聖アン」
   BWV552/1
 2) 大オルガンのためのコラール編曲集
   BWV669-671・676
  (以下CD9)
   BWV678・680・682・684・686・688
 3) ハープシコードのための4つのデュエット
   BWV802-805
 4) 小オルガンのためのコラール編曲集
   BWV672-675
   BWV677・679・681・683・685・687・689
 5) フーガ変ホ長調「聖アン」
   BWV552/2


さて演奏ですが、
立派な前奏曲に耳を奪われた後、
4つの充実したコラールが演奏されています。

はじめは少し取っつきにくい感じがしましたが、
3ヶ月も聴いてくると、しだいになじんできて、
そろそろ続きが聴きたくなってきました。

鈴木雅明氏の録音(2001年)もあるようなので、
近々聴いてみたいと思いました。


※Wikipedia の「ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品一覧」を参照。

2013年1月23日水曜日

ペライアのモーツァルト:ピアノ協奏曲全集 その6

アメリカのピアニスト
マレイ・ペライア(1947-)と
イギリス室内管弦楽団による

オーストリアの作曲家
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756.1-1791.12)の
ピアノ協奏曲全集、6枚目を聴きました。



モーツァルト
ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450
ピアノ協奏曲 第16番 ニ長調 K.451

マレイ・ペライア(ピアノ、指揮)
イギリス室内管弦楽団
録音:1982年10月10日、セント・ジョン・スミス・スクエア、ロンドン
【SONY MUSIC 88691914112】CD6

K.449・450・451・453・456・459
(第14~19番)の6曲は、

すべてモーツァルトが28歳のとき(1784年)に作曲されました。

K.450(第15番)とK451(第16番)は、
1784年3月にモーツァルト自ら初演されたそうです。

実際聴いてみると、
独特の孤独な物悲しい側面は影を潜め、
明るく楽しい気分を満喫できる充実した作品でした。

もっと演奏されても良いように感じましたが、
20番台の作品と比べれば、強い個性には欠けるのかもしれません。


とくに第16番は
威風堂々としたリズムに特徴のある作品で、
この9年前(1775年)に作曲された

 ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218《軍隊》

を一層充実させたような趣がありました。


ペライアさんの演奏は、
はじめのうち多少押しが弱く感じられましたが、

くり返し聴くごとに味わいが増してきて、
モーツァルトにはこれ位がちょうど良いのかもしれないなあ、
と一人納得するのでした。


※Wikipediaの「マレイ・ペライア」
 「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」
 「ピアノ協奏曲第15番(モーツァルト)」
 「ピアノ協奏曲第16番(モーツァルト)」の各項目を参照。


※作品の基本情報について、
 ピティナ・ピアノ曲事典「モーツァルト」の項目
 【http://www.piano.or.jp/enc/composers/index/73】を参照。