フィンランドの指揮者
パーヴォ・ベルグルンド(1929-2012)が46・47歳のときに(1975・76)、
イギリスのボーンマス交響楽団と録音した
同郷フィンランドの作曲家
ジャン・シベリウス(1865.12-1957.9)の
交響曲第4番と交響詩《吟遊詩人》を聴きました。
《吟遊詩人》を聴いたのは、これが初めてです。
シベリウス
1) 交響曲 第4番 イ短調 作品63
第1楽章 テンポ・モルト・モデラート、クワジ・アダージョ
第2楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
第3楽章 イン・テンポ・ラルゴ
第4楽章 アレグロ
2) 交響詩《吟遊詩人》作品64
パーヴォ・ベルグルンド(指揮)
ボーンマス交響楽団
録音:1975年6月3-4日(交響曲)、1976年6月24日(組曲)
サウサンプトン・ギルドホール、イギリス
【TOCE-16015】
交響曲 第4番 イ短調 作品63 は、
シベリウスが45歳のときに初演(1911.4)された交響曲です。
41歳のときに第3番が初演(1907.9)されて間もなく、
1908年に喉の腫瘍を摘出する手術を受けました。
幸い腫瘍は良性で、無事に回復できたのですが、
この時期の作品には、病の影響が色濃く出ているようです。
実際聴いてみると、
第1番のようにほの暗い色調のなか、
物思いに沈み込んだまま、浮かび上がってこない感じの曲です。
楽章の切れ目もわかりにくく、
わかりやすいメロディも影を潜めているので、
恐らく1度聴いただけでは、
何やらよくわからない方がほとんどではないでしょうか。
私も今回の録音で、今まで以上に、
曲の本質に近づけてきた感じはするのですが、
恐らくまだどんな曲なのか、
つかみ切れていない部分は残っているように思います。
でも曲の構造は大体頭に入ってきたので、
次に聴きなおすときには、
完全にわかった!と言えるような気がします。
ボーンマス響の演奏は、
金管が多少強めに聴こえるところが
個人的にはマイナスなのですが、
聴き慣れてくると、
むしろ爽快な感じにもなって来たので、
好みの問題かもしれません。
***
交響詩《吟遊詩人》作品64は、
シベリウス47歳のときに初演された作品です(1913.3)。
翌年に改訂が施され、1916年に初演されたものが最終稿になっています。
第4番と曲想がよく似ているので、
第4番に続けて聴くと、
曲の切れ目がわからずに、
いつの間にか《吟遊詩人》が始まっていることも
時々ありました。
しばらく聴いていると、
第4番より多少ロマンティックなところがあって
わかりやすい音楽なので、
こちらを聴きこんでから、
第4番に進むと良いのかもしれません。
ずいぶん聴き込みましたので、
とりあえず次に進みましょうか。
※Wikipediaの「ジャン・シベリウス」「交響曲第4番(シベリウス)」「吟遊詩人(シベリウス)」を参照。
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