Opus蔵によるブルーノ・ワルターさんのSP復刻、
1枚だけ取り上げるのなら、この1枚でしょう。
1.ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番 作品72a
(mat.Col CHAX109-11)
※1936年5月21日録音
2.モーツァルト:セレナード第13番 K.525
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
(mat. Col 2VH234-37)
※1936年12月17日録音
3.ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」
(mat. Col 2VH224-33)
※1936年12月5日録音
ブルーノ・ワルター指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【OPK-2021】
宇野功芳さんの文章で、
かなり前からこの演奏のことは知っていましたが、
実際に聴く機会はなかなかなく、
Opus蔵さんの復刻で初めて聴くことになりました。
今から70年以上前の録音ですから、
現代の鮮明な音になれた耳からすると、
ノイズが少し気になりますが、
音楽を楽しむのには問題ないレベルだと思います。
演奏の内容は、
曲を楽しく聴かせてくれる演奏としては、
同曲の最上レベルだと思いました。
曲が曲だけに、
それほど崇高な何か、
が表現されているわけではないのですが、
ごく自然な流れの中に、
音楽の自由な雰囲気を楽しめる、
リラックスして聴いていられる名演奏だと思います。
それほど特別なことはしていないようにも聴こえますが、
これが他の指揮者で聴くと、
途中で眠たくなって来ることが多く、
なかなかまとめるのが難しい曲だと思います。
ワルターさんがやりたいように振舞うと、
自然と曲のよいところが引き出されて、
楽しく最後まで聞き通せてしまう、
幸福感のある演奏だと思います。
「田園」交響曲の魅力を
存分に引き出した演奏として、
今でもまっ先に上げるべき名演の一つだと思います。
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