功芳のブル8 ブルックナー:交
アントン・ブルックナー
交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版)
新星日本交響楽団
宇野功芳(指揮)
録音:1992年4月9日、東京、サントリーホール
【PCCL-00162】
宇野さんのブルックナーを
久しぶりに聴き直してみました。
発売当時に聴いた記憶では、
ほどほどの印象しかなかったのですが、
今回じっくり聴き直してみると、
よく考えられた上での指揮者の解釈が、
オーソドックスな流れの中で実現しており、
曲との相性の良さを感じさせる、
楽しく美しい、ブル8の名演でした。
ブルックナーでは、
それ「らしい」響きを作れるかどうかが
何より大切ですが、
金管を全体にしぼり気味にして、
弦主体の響きを作り出しているため、
ブルックナーらしい響きが途切れることなく、
安心して演奏を楽しむことができました。
理想をいえば、
金管に目いっぱい吹いてもらっても、
全体として美しく柔らかなハーモニーが実現できると良いのでしょうが、
現実的な対策としては
十分ありだと思いました。
8番が意外に良かったので、
新星日響との第4番「ロマンティック」も聴き直してみましたが、
こちらはブルックナーとして
全体的に調和がとれた録音になっておらず、
また今一つ腰が座っていない印象で、
聴き通すのがつらかったです。
素朴な感じのブル8がお好きでしたら、
このCDはなかなかの名演だと思います。
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