オーストリアの作曲家
ヨーゼフ・アントン・ブルックナー
(Josef Anton Bruckner, 1824-1896)
の交響曲第9番。
朝比奈隆さんと大阪フィルのコンビで、
2001年盤(新盤)と1995年盤(旧盤)の2種類を聴きました。
ブルックナー
交響曲第9番ニ短調(原典版)
大阪フィルハーモニー交響楽団
朝比奈隆(指揮)
録音:2001年9月24日、大阪・ザ・シンフォニーホール
【OVCL-00317】
録音:1995年4月23日、大阪・ザ・シンフォニーホール
【PCCL-00341】
これは少し評価がむつかしいです。
音質については、
新盤が断然優れていると思います。
旧盤は、ときおり金管の強奏が耳につき、
うるさく感じられることもあったのに対して、
新盤では、
響きが全体的にまろやかになって、
強奏でも決してうるさく響くことはなく、
オルガンのような響きを楽しむことが出来ました。
曲目がブルックナーであることを考えると、
旧盤の耳につくうるささは、あまり評価できないように感じました。
演奏については、
好みの問題もあると思いますが、
完成度の高いのは、旧盤の方でした。
音質を聴き手の側が適当に調整できるのであれば、
旧盤の方が、より模範的な演奏を実現していると思います。
新盤では、
よほど体調が良くなかったのか、
ときおり造形に乱れが出、
オケ全体で朝比奈さんを支えているような所があって、
完成度では若干問題が残る演奏になりました。
しかしその分、
指揮者とオケが必死で演奏する様子が
録音からもよく伝わってきて、
聴いていて感動させられるのは、
新盤の方でした。
新盤の方はより肩の力が抜けて、
のんびりじっくりと味わうように
曲が進行していく感じがあるのですが、
演奏時間はほとんど変わらず、
この曲の別な魅力を教えていただいた気がしました。
1度目は感傷的になっているだけかと思いましたが、
2度、3度と聴きなおしてみても、
私の好きなのは新盤の方でした。
朝比奈さんの他の録音も、
聴いてみようと思います。
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