2012年3月28日水曜日

朝比奈隆&東響のブルックナー:交響曲第9・7番(1996&94)



ブルックナー
交響曲第9番ニ短調(原典版)

東京交響楽団
朝比奈隆(指揮)
録音:1996年4月13日、東京、サントリーホール
【PCCL-00362】DISC6


朝比奈さんが東響と録音した
ブルックナーの交響曲選集を持っていたのを思い出して、
久しぶりに聴き直してみました。


はじめに聴いた第9番が、
大阪フィルの2枚(1995・2001年録音)を上回る名演で、
とても嬉しくなりました。

最初、弦が少し弱いかな、と感じたのですが、
よく聴くと、大阪フィルとは鳴り方が違うだけで、

より洗練された絹のような響きで、
ブルックナーにはむしろこちらの方が
向いているような気がします。


この演奏を特徴づけるのは、
金管の大健闘だと思います。

ブルックナーの交響曲で、
ここまで心地良く金管が響いてくるのは、
私には初めての経験でした。

どれだけ強奏しても、
耳にうるさく響くことがなく、

オルガンのようにやわらかく共鳴し、
耳に心地よく、朗々と響き渡るので、

美しいハーモニーを心から楽しむことができました。


肝心の演奏も、
大阪フィルとの1995年の録音が
もう一押し深められており、

オケの調子も関係しているのでしょうが、
全体で3分ほど長くなっています。


まだまだ
聴いていない演奏も多いので、
さらにすぐれた演奏もあるのでしょうが、

とりあえず、
これだけ聴ければ私には十分です。




なお、
同じセットの第7番も聴いてみました。

ブルックナー
交響曲第7番ホ長調(ハース版)

東京交響楽団
朝比奈隆(指揮)
録音:1994年4月23日、東京、サントリーホール
【PCCL-00362】DISC3


第9と同じように、
金管がよく鳴る演奏ですが、

こちらは若干ですが
強奏時に濁りがあるようで、

第9と同じレベルで楽しむことはできませんでした。


大阪フィルとの1992年録音よりは
ずっと聴きやすい優れた演奏なのですが、

大阪フィルとの極上の2001年録音
を知っている身からすれば、

東響との1994年録音は、今一歩の感がありました。

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