2014年6月27日金曜日

メータ&LAPOのリヒャルト・シュトラウス:交響詩《英雄の生涯》(1968年録音)

音質向上した
「DECCA The Best 1200」のシリーズ(2013.5発売)からもう1枚、

インド出身の指揮者
ズービン・メータ(1936.4-)が
32歳の時(1968.5)に、

アメリカのオーケストラ
ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
を指揮して録音した

ドイツの作曲家
リヒャルト・シュトラウス(1864.6-1949.9)の
交響詩《英雄の生涯》と、

アメリカの作曲家
アーロン・コープランド(1900.11-1990.12)の
《リンカーンの肖像》を聴きました。


リヒャルト・シュトラウス
交響詩《英雄の生涯》作品40
 (ソロ・ヴァイオリン)デイヴィッド・フリーシナ

アーロン・コープランド
《リンカーンの肖像》―語り手と管弦楽団のための
 (語り手)グレゴリー・ペック

ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
ズービン・メータ(指揮)
録音:1968年5月3・8日、ロサンゼルス、ルイス・ホール
【UCCD-7247】


交響詩《英雄の生涯》作品40 は、

シュトラウス34歳の時(1899.3)に、
作曲者本人の指揮によって初演された、
シュトラウス最後の交響詩です。

シュトラウスは苦手な作曲家なので
それほど聴いていないこともありますが、

ぶんぶんと鳴りまくるオケが、
わかりやすく場面場面を描き分けていて、
はじめて面白く聴き通すことができました。

ベートーヴェンの
《英雄》交響曲を念頭に置かれて
作曲されたという点も、

はじめて納得することができました。


メータが56歳の時に
ベルリン・フィルと再録音したCDは
たまたま購入していたのですが、

曲全体の推進力の点で、
旧盤のほうがはるかに魅力的に聴こえました。

メータはこの時期に、ほかの
リヒャルト・シュトラウスの作品も収録しているはずなので、
ぜひ同シリーズで再販してほしいです。


《リンカーンの肖像》は、

コープランド41歳の時(1942.5)に初演された作品です。

第二次世界大戦中に、
指揮者のアンドレ・コステラネッツが、

国民精神を高め、愛国心を煽る目的で、
「アメリカの真の偉人を肖像画風に音楽化した作品を
 3人の作曲家に依頼し」たうちの1曲だそうです。

(※延山優樹氏によるCD解説を参照。)

リンカーンに特別な思い入れのない身ではありますが、
グレゴリー・ペックの朗読が思わず聴き惚れるレベルの心地よさで、

コープランドの音楽も、
わかりやすい中にも陳腐に陥らない清新さを備えていて、

思いのほか楽しめました。

グレゴリー・ペックは、
映画《ローマの休日》で見慣れていたはずですが、
こんなにいい声をしていたとは気がつきませんでした。

そのまま英語の暗唱にも使えそうです。


※Wikipediaの「ズービン・メータ」「リヒャルト・シュトラウス」「英雄の生涯」「アーロン・コープランド」を参照。

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