イエネ・ヤンドー(1952 - )さんの
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集
7枚目は、
ウィーン原典版(旧版)の通し番号で、
第42-47番のソナタ6曲等を聴きました。
フランツ・ヨセフ・ハイドン(1732 - 1809)
1) ピアノ・ソナタ 第42番 ト長調 作品14-1 Hob.XVI:27
2) ピアノ・ソナタ 第43番変ホ長調作品14-2 Hob.XVI:28
3) ピアノ・ソナタ 第44番 ヘ長調 作品14-3 Hob.XVI:29
4) ピアノ・ソナタ 第45番 イ長調 作品14-4 Hob.XVI:30
5) ピアノ・ソナタ 第46番 ホ長調 作品14-5 Hob.XVI:31
6) ピアノ・ソナタ 第47番 イ長調 作品14-6 Hob.XVI:32
イエネ・ヤンドー(ピアノ)
録音:1993年3月8-12日、ブダベスト、ユニテリアン教会
【Naxos 8.550844】
ハイドン41歳の時(1774)に
初めて出版された
クラーヴィア・ソナタ集
〔作品13 全6曲 Hob.XVI:21-26〕
に続いて、
45歳の時(1778)に出版されたのが、
クラーヴィア・ソナタ集
〔作品14 全6曲 Hob/XVI:27-32〕
です。
作品13は1773年、
作品14は1776年までに作曲されています。
各曲の構成はこんな感じです。
・第42番 ト長調 作品14-1 Hob.XVI:27
【Allegro con brio/Menuet/Finale:Presto】
・第43番 変ホ長調 作品14-2 Hob.XVI:28
【Allegro moderato/Menuet/Finale:Presto】
・第44番 ヘ長調 作品14-3 Hob.XVI:29
【Moderato/Adagio/Tempo di Menuet】
・第45番 イ長調 作品14-4 Hob.XVI:30
【Allegro-Adagio/Tempo di Menuet】
・第46番 ホ長調 作品14-5 Hob.XVI:31
【Moderato/Allegretto/Finale:Presto】
・第47番 イ長調 作品14-6 Hob.XVI:32
【Allegro moderato/Menuet/Finare:Plesto】
ひと月ほど繰り返し聴いていると、
第42・43・47番の3曲は、
「急-緩-急」の個人的に馴染みのある形式だからか、
ふつうに聴き映えのする名曲に聴こえました。
ベートーヴェンのように、
曲ごとの個性が際立っているわけではありませんが、
初期のころの作品と比べれば、
明らかに成熟しつつある様が聴き取られると思います。
第44・45番の2曲は、
ゆったりとしたメヌエットで曲が終わるため、
続けて聴いていると曲の切れ目がわかりにくい、
という欠点があるのですが、
別個に聴けばそれなりに魅力のある
ソナタであることはよくわかります。
唯一、第46番は、
演奏によるのかもしれませんが、
一気に駆け抜ける
フィナーレを除けば
曲の内容が弱いように思われました。
***
全体としてみると、
クラーヴィア・ソナタ集
作品13 全6曲 Hob.XVI:21-26
作品14 全6曲 Hob/XVI:27-32
の12曲は、
初めて作品番号を付して
出版されたソナタ集として、
それ以前の作品と
画する位置にあるように思われました。
本来ならば、
この作品から通番(第1-12番)を付し、
それ以前は、
習作的な作品群として一纏めにされてもいいのかなと。
現状の作品分類は、
習作的な作品も、成熟した作品も一緒くたにした上で、
ひたすら作曲年代順に並べなおすことに集中しているようで、
そのあたりに再考の余地はないのかな、
と思っていますが、
まだまだ全体像は見えていないので、
断片的なアイデアのみ記しておきます。
私がまだ若くて、
英語に加えてドイツ語やイタリア語を勉強する時間があれば、
このあたりの文献を読みあさって研究してみたいなと思いますが、
恐らくそこまでのゆとりある時間は残されていないでしょう。
※Wikipediaの
「フランツ・ヨーゼフ・ハイドン」
「ハイドンのピアノソナタ一覧」
「ハイドンのピアノ曲一覧」
「ホーボーケン番号」の各項目を参照。
※ピティナ・ピアノ曲事典の「ハイドン」を参照。
※ハイドン研究室「クラヴィア・ソナタの部屋」を参照。
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