フランス系アメリカ人
〔パリ生まれ、イタリア在住〕のピアニスト、
フランソワ・ジョエル・ティオリエ(1943.11-)の演奏で、
フランスの作曲家
クロード・ドビュッシー(1862.8-1918.3)の
ピアノ作品集第1集 を聴きました。
ティオリエ51歳の時(1997.11-12)の録音です。
ドビュッシー:ピアノ作品集第1集
・ベルガマスク組曲 L.75(1890)
〔前奏曲/メヌエット/月の光/パスピエ〕
・夜想曲 L.82(1892)
・ボヘミア舞曲 L.9(1880)
・夢想 L.68(1890)
・マズルカ L.67(1890?)
・2つのアラベスク L.66(1888/91)
〔第1番ホ長調/第2番ト長調〕
・ロマンティックなワルツ L.71(1890)
・バラード L.70(1890)
・舞曲 L.69(1890)
・ピアノのために L.95(1894-1901)
〔前奏曲/サラバンド/トッカータ〕
フランソワ・ジョエル・ティオリエ(ピアノ)
録音:1994年11月28日-12月1日、パリ、聖マルセール教会
【NAXOS 8.553290】
パスカル・ロジェのCDで、
ドビュッシーに開眼したあと、
ロジェさんのほかの演奏を
聴いていこうと思っていたのですが、
その前に偶然、
よりしっくり来る演奏者に出会いました。
フランソワ・ジョエル・ティオリエの
ドビュッシー:ピアノ作品全集です。
奇抜なところはなく、
私の中にあったありふれたドビュッシー像を、
そのまま実現されたような、ごく穏当な演奏です。
繊細かつキレの良いタッチで、
心のこもった歌に満ちた演奏を聴かせてくれるので、
ドビュッシーの作品の美しさに素直にひたることができました。
ロジェさんのように
もう少しリズムに際立ったところがあれば
万全なようにも感じましたが、
録音も、
一音一音しっかり聴き分けられる
くっきりとした明快なものなので、
まずはティオリエさんの演奏で、
ドビュッシーのピアノ作品全曲を聴いていこうと思います。
そういえば、
ロジェさんでピンとこなかったラヴェルの演奏も、
ティオリエさんはしっくり来る感じでした。
近々聴くことになるでしょう。
***
このCDでは、形式の明確な
・ベルガマスク組曲 L.75(1890)
・2つのアラベスク L.66(1888/91)
・ピアノのために L.95(1894-1901)
の3つの組曲を主軸にして、その間に、
初期に作られた小品を並べてあります。
・夜想曲 L.82(1892)
・ボヘミア舞曲 L.9(1880)
・夢想 L.68(1890)
・マズルカ L.67(1890?)
・ロマンティックなワルツ L.71(1890)
・バラード L.70(1890)
・舞曲 L.69(1890)
意図はよく理解できるのですが、
正直なところ初期の小品は、
続けて聴くとそれほど代わり映えしない感じがして、
注意していないと、曲の終わりを見失いがちでした。
しかしコンサートなどで、
演奏者の説明付きで弾いてもらえれば、
それなりに楽しめそうな美しい小品が揃っていると思います。
初めてドビュッシーを聴く者としては、
まず初期の名曲として、
「ベルガマスク組曲」
「2つのアラベスク」
「ピアノのために」
の3曲があることを確認できれば良いでしょうか。
ベルガマスク組曲は、じっくり聴けば聴くほど、
よくできた名曲であることに気がつかされました。
初期の小品の中では、
「夜想曲」
がフォーレの夜想曲を思わせる作品。
比較的良く取り上げられる
「夢想」
も強い個性はありませんが、
内向的な感じのある美しい作品でした。
※Wikipediaの「François-Joël Thiollier」「クロード・ドビュッシー」を参照。
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